注意:初代神522-524氏が多忙になり、一時スレが過疎化。しかし、熱い職人たちがリレーを続ける。
187 :DDR:2006/05/04(木) 04:33:48 ID:???
「伊吹マヤ、日本重化学工業共同体、ジェットアローン開発推進本部へ只今着任致しました!」
「伊吹マヤ、日本重化学工業共同体、ジェットアローン開発推進本部へ只今着任致しました!」
見上げると、見慣れぬ制服を着た数名の技術者が整列していた。
「よ、ようこそ」
「ここへークッククック…」
「いや、そこは“ようこ”だろ」
「副部長、私はエリ子派だ。アイドル伝説は永遠に不滅なのだよ」
「?」
「ここへークッククック…」
「いや、そこは“ようこ”だろ」
「副部長、私はエリ子派だ。アイドル伝説は永遠に不滅なのだよ」
「?」
中年の真剣なやり取りに、何か不思議そうな顔をする伊吹マヤ。
分からないネタ振りについ、寝た振りをしたくなるなんて言わないわ絶対。
分からないネタ振りについ、寝た振りをしたくなるなんて言わないわ絶対。
188 :DDR:2006/05/04(木) 04:46:34 ID:???
オオォォォォォ
オオォォォォォ
構内にどよめきが巻き起こる。
「何事だ」
「さぁ?」
「さぁ?」
どよめきとざわめきが時田へ近づいて来る。
時田は暫し手を休め、声の方を凝視した。
見慣れない制服…ああ、ネルフの人か。しかし、やけに若い。しかも女性か。
時田は暫し手を休め、声の方を凝視した。
見慣れない制服…ああ、ネルフの人か。しかし、やけに若い。しかも女性か。
「あの…時田主任でいらっしゃいますか?」
(主任ではないのだが…)
時田は苦笑いを浮かべた。
「ええ、時田です。失礼ですが、貴女は」
「伊吹マヤ、日本重化学工業共同体、ジェットアローン開発推進本部へ只今着任致しました!」
「伊吹マヤ、日本重化学工業共同体、ジェットアローン開発推進本部へ只今着任致しました!」
颯爽と敬礼をする彼女に、戸惑いを隠せない。
期待していた人物とはかけ離れていた。
期待していた人物とはかけ離れていた。
「初めまして、JAの時田です」
「宜しくお願いします!」
「宜しくお願いします!」
元気はありそうだが、しかし…この子に何が出来るのだろう。
過ぎる不安を余所に、周りを囲むJA職員達が次々に挨拶を始めた。
ここは学校か…確かに、可愛い転校生ではあるのだが。
時田の苦笑いはまだ収まらない。
過ぎる不安を余所に、周りを囲むJA職員達が次々に挨拶を始めた。
ここは学校か…確かに、可愛い転校生ではあるのだが。
時田の苦笑いはまだ収まらない。
189 :DDR:2006/05/04(木) 04:55:27 ID:???
「伊吹さん」
「は、はい!」
「ここは軍隊ではないので、敬礼は必要ありません」
「そうですか…すみません」
「いや、その…まあ、つまりそう言う事です」
「…すみません」
「気にしないで下さい。ところで、ご専門は?」
「情報工学です!」
「情報工学…ああ、それでジェット・アローンの制御システムに…」
「はい、操作系統の再構築と制御システムの強化が主な任務と聞いています」
「任務…いや、ここは軍ではないから、仕事でいいですよ、伊吹さん」
「す、すみません!」
「あ、いやいや…こちらこそ」
「私、実は就活でネルフを受ける前、こちらも受けていたんです」
「そ、そうなんですか!」
「はい。ご縁って不思議ですね!」
「そうですね…」
「伊吹さん」
「は、はい!」
「ここは軍隊ではないので、敬礼は必要ありません」
「そうですか…すみません」
「いや、その…まあ、つまりそう言う事です」
「…すみません」
「気にしないで下さい。ところで、ご専門は?」
「情報工学です!」
「情報工学…ああ、それでジェット・アローンの制御システムに…」
「はい、操作系統の再構築と制御システムの強化が主な任務と聞いています」
「任務…いや、ここは軍ではないから、仕事でいいですよ、伊吹さん」
「す、すみません!」
「あ、いやいや…こちらこそ」
「私、実は就活でネルフを受ける前、こちらも受けていたんです」
「そ、そうなんですか!」
「はい。ご縁って不思議ですね!」
「そうですね…」
若い女性は苦手だ。免疫がない。
191 :DDR:2006/05/04(木) 16:17:18 ID:???
アイドル光臨…このむさ苦しい世界に咲く、一輪の花。
今日と言う日を心から感謝せずにはいられない男達。
そう、我らが日本重化学工業共同体、汗に塗れる開発チーム総勢数十名。
国連特務機関ネルフから派遣されたのは、伊吹マヤを始めとする数名の女性技術者達。
これは…まさか罠。新手の懐柔策なのか、それとも。
アイドル光臨…このむさ苦しい世界に咲く、一輪の花。
今日と言う日を心から感謝せずにはいられない男達。
そう、我らが日本重化学工業共同体、汗に塗れる開発チーム総勢数十名。
国連特務機関ネルフから派遣されたのは、伊吹マヤを始めとする数名の女性技術者達。
これは…まさか罠。新手の懐柔策なのか、それとも。
「赤木さんはお元気ですか?」
「赤木“さん”?」
「あ、いや…博士でしたね」
「先輩はとてもお元気です。時田さんとは…ご面識があるんですか?」
「いえ、いつぞやの会議で一度お会いしただけなのですが」
「そうですか」
「その時、少し失礼な事を」
「伺ってます、先輩から」
「…すみませんでした」
「あの、私に謝られても」
「宜しく、とお伝え下さい」
「分かりました」
「赤木“さん”?」
「あ、いや…博士でしたね」
「先輩はとてもお元気です。時田さんとは…ご面識があるんですか?」
「いえ、いつぞやの会議で一度お会いしただけなのですが」
「そうですか」
「その時、少し失礼な事を」
「伺ってます、先輩から」
「…すみませんでした」
「あの、私に謝られても」
「宜しく、とお伝え下さい」
「分かりました」
人類の敵は人類なのか。組織を越えて協力し合う事は可能なのか。
目の前の伊吹マヤが果たして本当の味方なのか、今の時田には分からない。
ただ、彼女達の力は必要だ。脇ではしゃぐ若き技術者達を横目に、
時田は一人気苦労が絶えない。
目の前の伊吹マヤが果たして本当の味方なのか、今の時田には分からない。
ただ、彼女達の力は必要だ。脇ではしゃぐ若き技術者達を横目に、
時田は一人気苦労が絶えない。
192 :DDR:2006/05/04(木) 16:28:44 ID:???
「部長、僕をジェット・アローン開発推進二課に入れて下さい!」
「無理を言うな」
「無理を承知でお願いしています!」
「だから無理だ。君が抜ければプラント設計の人員が足りなくなる」
「構いません」
「君が構わなくとも、我々は困るのだが」
「何とかなりませんか」
「ならんね」
「そうですか、残念です…」
「大体君、基礎構造化学の人間がいきなり先進機械工学の分野に入れる訳がないだろう」
「燃料電池とか、核融合分野で僕の知識が」
「役に立つ…と、まあ諦めたまえ。君の様な異動願が殺到していてね」
「そ、そうなんですか」
「困ったものだよ、内部攪乱かね、これは。君も例の彼女達が目当てなのだろう?」
「い、いえ、そ、そんなつもりではっ」
「君は君の仕事を片付けろ。話はそれからだ」
「部長、僕をジェット・アローン開発推進二課に入れて下さい!」
「無理を言うな」
「無理を承知でお願いしています!」
「だから無理だ。君が抜ければプラント設計の人員が足りなくなる」
「構いません」
「君が構わなくとも、我々は困るのだが」
「何とかなりませんか」
「ならんね」
「そうですか、残念です…」
「大体君、基礎構造化学の人間がいきなり先進機械工学の分野に入れる訳がないだろう」
「燃料電池とか、核融合分野で僕の知識が」
「役に立つ…と、まあ諦めたまえ。君の様な異動願が殺到していてね」
「そ、そうなんですか」
「困ったものだよ、内部攪乱かね、これは。君も例の彼女達が目当てなのだろう?」
「い、いえ、そ、そんなつもりではっ」
「君は君の仕事を片付けろ。話はそれからだ」
日本重化学工業共同体が今、熱い。
199 :名無しが氏んでも代わりはいるもの :2006/05/16(火) 13:24:57 ID:U9K6Y3rO
>>95そして>>189辺りから分岐シナリオで書いちゃうお。
>>95そして>>189辺りから分岐シナリオで書いちゃうお。
「現在、国連軍並びに戦略自衛隊群が使徒を迎撃中、足止めしています!」
雑踏の中に館内放送が響く。どうやら放送機材の調子はよくなったようだ。
「挨拶もそこそこで申し訳ないのですが、さっそく力を貸していただけますか?」
「はい、分かりました。」
「はい、分かりました。」
若い女性技術者。正直、場違いのような気もする時田であったが、時は一刻を争う。
いくら迎撃に戦略自衛隊が加わったといっても、到底使徒にダメージを与える事などできない。
いくら迎撃に戦略自衛隊が加わったといっても、到底使徒にダメージを与える事などできない。
「伊吹さんたちには、両腕の制御プログラムの再構築をお願いしたいのですが」
稼働率76%。見た目こそは修復されたように見えるJAだが、使徒との戦闘に耐えられるレベルとは言い切れない。
すでに多くの内部部品が交換され、それでも足りないパーツは開発中のJA二号から流用した。
しかし、完全互換性ではない部品も多く存在する。その僅かな違いが、四肢の制御に問題を生んでいた。
さっそく彼女を、先ほどから運動制御シミュレーションと格闘している部署に案内する。
すでに多くの内部部品が交換され、それでも足りないパーツは開発中のJA二号から流用した。
しかし、完全互換性ではない部品も多く存在する。その僅かな違いが、四肢の制御に問題を生んでいた。
さっそく彼女を、先ほどから運動制御シミュレーションと格闘している部署に案内する。
200 :名無しが氏んでも代わりはいるもの :2006/05/16(火) 13:32:00 ID:U9K6Y3rO
>>199続き
>>199続き
「一つ・・・言いたいのですが。」
ワークステーションに向かった伊吹二尉に話しかける時田。
「JAは・・・ジェットアローンは・・・私達の大事な希望なんです。
あなたがたNERVのエヴァには、確かに及ばないかもしれない。
でも、こうして、NERVが私達に協力してくれたことに、本当に感謝しています。」
あなたがたNERVのエヴァには、確かに及ばないかもしれない。
でも、こうして、NERVが私達に協力してくれたことに、本当に感謝しています。」
恥ずかしい事を言っているなと自分でも気づくが、それでも時田の言葉は続く。
「どうしても・・・もう一度歩かせてやりたいんです。
世界を守る役目をちゃんとさせてあげたいんです。
・・・だから・・・どうかよろしくお願いします・・・」
世界を守る役目をちゃんとさせてあげたいんです。
・・・だから・・・どうかよろしくお願いします・・・」
時田だけではない、部署の技術部員達までが黙って伊吹二尉を見つめている。
「・・・大丈夫ですよ。かならず、ジェットアローンさんを立ち上がらせて、世界を守りましょう!」
―― 一時間後。 JAの稼働率は98%に到達していた。