あらすじ2

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あらすじ2


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あらすじ21 お尋ね人


ある時、他国のギルド主のショー・コーロンが
やって来た。
人探しの依頼の為である。
尋ね人は、ハロルド・ベルセリオス。

あまりに破天荒な仕事をするので、クビに
していたが、その後、今までハロルドが受けた
仕事の依頼者が被害を訴えてギルドに
押しかけたらしい。
被害者に対し、責任をとらせる為、探してくれとの
話だった。

捜索するのは、カレンズ諸島。
現在、その土地では火山活動が活発になっており、
以前、村がひとつ滅んでいる危険な場所だ。
しかも、捜索対象者がやや問題アリな人物と
あっては、誰も志願の手をあげようとは
しなかった
結局、主人公が、
捜索依頼を引き受ける。
依頼の詳細を聞くと、別件でハロルドの
捜索依頼があった。
依頼主は、ハロルドと同僚だったナナリー。
そして、カイルとリアラの三人である。
捜索対象のハロルドから送られた絵葉書で、
詳細な居場所がわかり、
主人公、ナナリー、そしてカイルで
カレンズ諸島のレーズン火山へ向かう事になった。

カイルとリアラは、ハロルドの知恵が
必要なのだという。
彼らは、異世界からこのグラニデへ訪れたのだが、
帰る術が無く路頭に迷っている所をナナリーに
保護されたのだ。
カイル達の問題は、ナナリーにはどうにも出来ず、
ハロルドの知恵を借りるしかないという。

マグマに囲まれた暑さの中を進むと、
ピクニックとサウナと実験に興じている
女性がいた。
なんとも能天気そうなこの女性こそが、
捜索対象となっていた、ハロルド・ベルセリオス
だった。
前に務めていたギルドの後始末と、カイル達の件を
ハロルドに話し、主人公達は、
半ば強引に船へ連れ帰る事にした。


あらすじ22 リフィルの帰還


ハロルドを連れて船へ戻ると、依頼人だった
ショー・コーロンが待っていた。
だが、ハロルドには全く反省の色は無く、
アドリビトムでラルヴァの研究をすると
言い始める始末。
結局、チャットが代わりにショー・コーロンへ
賠償金を支払い、ハロルドはアドリビトムで
働いて返済するという形で事は落ち着いた。

そして、ナナリーも、自分の仕事は済んだと
所属するギルドへと帰っていった。

珍客ばかりを相手して、チャットがグッタリ
していると、リフィルが帰還する。
ついに、ラルヴァの生成に成功したらしい。

荷解きを終えたリフィルが、赤黒く光る
メノウのような石を見せてくれた。
ラルヴァは、この石に蓄積させてあるという。
早速、興味を沸かせたハロルドが飛びつく。
かくして、アドリビトムでのラルヴァ解析が
始まったのである。


あらすじ23 ホントなんだ


カノンノが海を見ている。
ふと、例の「声」について聞きたくなり、
主人公が声をかけた。

彼女は、思い出を紐解くように
少しずつ語り始めてくれた。
声はまず、3歳くらいの頃、夢の中で見ていたらしい。
やがて5歳になると、海沿いを歩けば、
その声が聞こえるようになったという。

カノンノは、パニールが語ってくれた事
そのままに、話してくれた。

戦い方、身の守り方、生きて行く為の知恵。
声は様々な事を教えてくれたらしい。

荒唐無稽な話だったが、
カノンノはただ「ホントなんだ」と
寂しく呟くだけだった。


あらすじ24 負の想念


ラルヴァの解析が終了した。

自然界のありふれたエネルギーに
「負の想念」を付属したもの。
それこそがラルヴァの正体であった。

負の想念は、怒り、恨み、悲しみなどの
ネガティブな想い。

つまり、ラルヴァを生成する事は、
呪いを生産している事と同義であるという。
無論、人体に無害なわけは無く、このエネルギーに
晒されていれば精神、肉体も蝕まれてしまう。

マナが少ない土地は、負の想念が溜まりやすい。
故にラルヴァが生成出来る。
一方、マナには、場の穢れを浄化し、
活性化させる力がある。

生成される場所がマナの恵みの少ない場所なのも、
そういう理由があっての事だった。

世界樹のマナの生産力がこのまま落ちてしまえば、
世界中に負や穢れが留まるという事になる。

そして、さらには人の心と身体を蝕むだけでなく、
大地の活力も衰退させていく事になるのだ。

ラルヴァの危険性がわかった以上、
面と向かってジャニスに狙いを差し止められる。
早速、ジャニスに接触する為の計画を立てようと
したところに、クレスが帰還した。

クレスがもたらした情報に、皆が耳を疑う。
ジャニスが、世界樹の根を切る計画に
取り掛かっているらしいのだ。


あらすじ25 世界樹の根を守れ!


ジャニスが、世界樹の根を切ろうとしている。
これを阻止する為に、主人公が
名乗りをあげた。

クレスの情報によると、ジャニスは粘菌の巣へ
向かったらしい。
事は急を要する。
主人公は、プレセアとゼロスを率いて
ジャニスの元へ急いだ。

粘菌の巣には、世界樹の根が露出している
場所がある。
ジャニスもそこに目をつけているはずだと、
道を急いだ。

ようやくジャニスを追い詰めた時は、
もう根を爆破する準備が整っていた。

相手は武力を持たない民間人。
こちらから手を出す事は出来ない。

説得を試みるが、論議は並行するばかり。

ジャニスも、ラルヴァの普及はあくまで
恵まれない人々の救いになるようにという
思いからであり、悪意をもって世界樹を
傷つけようとするわけではなかった。
ある意味、ジャニスは誰よりも民衆の幸を
願っているのかもしれない。

論点を変えて、説得を続けた。
ラルヴァがなぜ、痩せた土地でしか生成されない
のかをジャニスに問う。

だが、ジャニスはラルヴァが負の想念から
成っているものとは知らなかった。
なおもジャニスが抵抗を続けるかと思ったが、
意外にも話に興味を示し、一旦世界樹の根の
爆破は中止する事に承諾してくれた。

しかし、災いは思わぬところで現れる。
誤って爆破装置のスイッチが入り、
世界樹の根に傷を入れてしまったのだ。

爆破と共に、黒い蒸気が湧きあがる。
やがて、蒸気の中に人の影が見えた。
影色は濃さを増し、その影の正体が蒸気から
現れ出る。

醜悪な右腕を持った男。
人間ではなかった。

男はゲーテと名乗り、
愚弄するような口ぶりで主人公を
「世界樹の落し子」と呼んだ。

ゼロスが男からの殺意を感じ取ったのか、
急いでジャニスを逃がした。

主人公も構えて、男の動きを待つ。

今までに、見た事も無い技、魔法。
「彼に、一体何をしただろう?」
そう思わずにはいられないほど、
男からの強い敵意を感じた。

だが、主人公は迷いを捨て、
ぶつかる事に集中した。

男の身体がぶれる。
安定を欠いた肉体だったのだろうか、体勢を崩す。
男には、もう攻撃する力は残っていなかった。

主人公を見据えながら、
空間に溶けるように男の姿が消える。

静まり返る場。
主人公達は、世界樹の根の傷を確認し、
重い足取りで帰り道を歩いた。

「世界樹の落し子。いつか、お前もろとも
 世界樹をへし折ってやる…」
男が消える直前に言ったその言葉が、
いつまでも耳に残った。


あらすじ26 苦い報告


世界樹の根が爆破された事、
根の傷口から何かが噴き出した事、
そして、その噴出したものと共に現れた存在について
一部始終をリフィルに報告した。

リフィルは心底参った様子で、
今回の件がどう世界樹に影響するかを懸念していた。

眉を寄せてばかりのリフィルを見かねたハロルドが、
部屋から駆け出した。

ハロルド自身が粘菌の巣へ向かい、
世界樹の傷と噴出したものの分析をするという。
今は何も手立ては無く、ハロルドに任せる他
無かった。

ほどなくして、分析を終えたハロルドが帰還する。

世界樹の根から噴出していたのは、「負」だという。
リフィルは、にわかには信じられない様子だった。
なぜ、マナを生み出す世界樹から負が噴出したのか。
理由はまだ、ハロルドにもわからないらしい。

それよりも問題なのは、傷ついた根の部分から
世界樹が弱り始めている事。
このままでは、マナの生産量は更に低下し、
世界樹は弱っていく。
そして、ついには枯れてしまう事になる。

それは、この世界の全ての死を
意味する事なのだ。


あらすじ27 ジャニス来船


世界樹の傷の回復は容易ではなく、
暗中模索のまま時間だけが過ぎていった。
そんなある日、ジャニスがアドリビトムに
姿を現したのである。

ジャニスは、主人公達の説得をふいにし、
世界樹に傷を付けた事を一番に詫びた。
そして、ラルヴァに関しての様々な報告を
語り始めるのだった。

世界樹の根が傷ついた日を皮切りに、
各村に搬入していたラルヴァが突然暴走を
始めたらしい。
そのラルヴァの影響で、植物や動物に変異がおき、
人々に害を与えるようになったという。

実験の結果ばかりを急ぎ、検分を怠り、
学者としての心を忘れていたとジャニスは悔いる。

科学部屋にて、リフィルがジャニスから
詳しい話を聞いていると、剣を抜く音が聞こえた。
ジャニスに刃を向けるアッシュ。
アッシュは、ラルヴァ開発の上に、
世界樹を傷つけたジャニスを罵り、
飛び掛っていった。
とっさに、主人公が
アッシュを押さえ、事なきを得る。
しかし、アッシュはジャニスの命を奪おうと
なおも抵抗を続けた。

ジェイドは、ラルヴァを生み出した優秀な頭脳を
失うのは今の世界にとって得策ではないと説く。
また、ジェイドは、アドリビトムに入り、
世界の為に行動する事を強く勧めた。

アッシュが、剣を収めて部屋を去る。
どうやら、煮え切らないながらも、
同意を得たようだった。

ジャニスも重ねて謝罪し、
自分の研究所があるペリー鉱山へと帰っていった。


あらすじ28 精霊と共に生きる村


ナナリーが、元のギルド仲間のスタン、
ルーティ、リオン、ウッドロウ、フィリアと
連れ立ってアドリビトムに移籍してきた。
ハロルドの件もあったが、元々そりが合わなかった
ショー・コーロンにたんかを切って、辞めてきた
のだという。

珍しい来訪者は他にあった。
ガレット村のギルドに所属している
アニーという少女が来船したのだ。
アドリビトムに、依頼を届けて来たのだが、
それはあまりにも非現実的なものだった。

「ディセンダーを探して」

チャットが面食らう。
おとぎ話の人物は、探す事は出来ないと断るが、
アニーも、ふに落ちない様子で説得する。
何でも、ガレットに住む精霊が、ディセンダーの
出現を察知していたという。
そして、アニーは、精霊よりディセンダーを連れて
くるように命じられたとの事だった。

話を聞いていたリフィルが、精霊への興味を示し、
ディセンダーが実在するというのなら、
まずは精霊に詳細を聞いてはどうかと提案した。
精霊からの情報を元に、ディセンダーを探す。
そうであれば、チャットも依頼として
受け付けられると承諾した。


あらすじ29 白夜の森へ


今回の目的は、ガレット村に住む精霊、
「セルシウス」に会うこと。
ディセンダーを探し出す為に、
より詳しい情報を聞かなければならない。
ガレット森林区を抜けるにあたって、
道中の案内としてアニー。
そして、護衛の為にルカが同行する事になった。

ガレット村には、世界の人々から生まれる
「負の想念」を、精霊の力を借りて、
世界樹へ送り込むという儀式があるという。
その儀式を「穢れ流し」と呼び、
古くからそのセルシウスという精霊を頼りに
行っていたらしい。

しかし、ここ最近「負の想念」が増加し、
容易に世界樹へ負を送り込む事が
出来なくなってきているという。
セルシウスは、世界樹の異変に気付き、
この事態を解決するのはディセンダーだけで、
あると唱えた。
アニーが、ディセンダーを探してアドリビトムへ
訪れたのも、こういった経緯があっての事だった。

白く積もった雪の道を進むと、
アニーのギルドの仲間、
ユージーンとマオに出会った。
二人の話によると、負の影響か、
セルシウスが正気を失ってしまったという。

そして、ガレット村も魔物で溢れ、
人が住める場所ではなくなり、ユージーン達は
村人を避難させる為の誘導中という事だった。

二人は後ほど合流する事を約束し、
主人公達はセルシウスの元へ走った。

やがて、凍り付いた滝へ到着した。
対峙している二つの影。
アニーの同僚ヴェイグと精霊セルシウスだ。
正気を失ったセルシウスにより、クレアという
大事な人を氷付けにされているらしい。

ヴェイグが剣を構え、セルシウスと戦う姿勢を見せた。


あらすじ30 氷の精霊


主人公達は、ヴェイグに加勢し、
セルシウスを押さえつける。
セルシウスの身体には、黒いもやが
掛かっているのが見えた。
くもの巣を払うように、主人公が
もやを払うと、セルシウスは正気を取り戻した。
やはり、負の影響で自己を失っていたようだ。
クレアもセルシウスの術が解け、
氷の中から開放された。

セルシウスが、主人公を見る。
そして、主人公を「ディセンダー」と呼んだ。

唖然とする一同。
これから探す事になるはずだった、ディセンダーは
予期もしない形で見つかったのである。

天候が変わり始め、吹雪になりそうだった。
避難したガレットの民と合流する為に、
主人公とルカは、
皆を引き連れて帰還する事にした。

船に戻ると、パニールがクリームシチューを
作って待っていた。
ガレット村の民はジェイドの計らいで
グランマニエに受け入れられ、アニー、
ユージーン、マオ、ヴェイグ、クレアは
アドリビトムで働く事になった。


あらすじ31 ディセンダーなの?


リフィルは、精霊に会うだけでも驚きだったし、
よもや主人公がディセンダーだとは
つゆほどにも思っていなかった。

ディセンダーは、精霊にしか見えない
光をまとっているという。
セルシウスには、まさにその光が
主人公に見えているのだ。

だが、リフィルからすれば、主人公に
ディセンダーとしての特別な能力があるとは
とても思えなかった。

セルシウスは、いくつか世界樹について
人間たちが知らない事を話してくれた。

世界樹は負を受け入れ、浄化して無に還す能力が
あり、世界が負で覆われないように働いていると
いう事。
そして、精霊は負を世界中へ送り込む役割を
担っている事…。

根が傷ついた事で、世界樹は能力を大幅に失い、
世界はどんどん穢れていく事になる。
負が増えると、魔物が増え、人々の心も荒む。
そうして負は更なる負を生んでいくのだという。
暗然とした未来に、溜息をつくリフィル。
しかし、セルシウスには、もっと危ぶむべき事が
あった。

「ゲーデ」。
精霊のみが認知している、負の想念の化身。
本来であれば、世界樹内部で生まれ、
そして消え、再び生まれるのを
繰り返すだけの存在である。
しかし、世界樹や精霊の力が弱まった今、
そのゲーデが人間の世界に現れる事になるかも
しれないのだ。


あらすじ32 緩やかな破滅への道


主人公は、なんとなく、
ゲーデという存在が引っかかっていた。
どこかで会ったような気もする。
そう考えていると、プレセアがやって来て
ゲーデという名に心当たりはないかと尋ねる。
主人公は思い出した。
世界樹の傷から、負と共に現れた男。
その男が、まさにゲーデと名乗っていたのを。
プレセアに促されて、リフィルにその事を
報告しに向かう。

主人公の報告に、
セルシウスもリフィルも目を丸くした。
まだ、未然に防げるかも知れないと
思っていた事態は、とっくに起きていた
からである。

皆が肩を落とす中、パニールが小首をかしげた。
ディセンダーは、話によると世界に危機が
訪れた時に現れる。
しかし、主人公は
世界樹が傷つく前に、この船に現れているのは
なぜなのかと。

それに対して、ハロルドは、世界の危機は、既に
訪れていたと唱える。
世界樹は傷つく前から、負を抱える容量の限界を迎え、
マナの生産力は落ち、負をこれ以上抱える事も
出来なくなった。
これこそが本来の危機だった。

現状はこれに加えて、その世界に留まった負から
ラルヴァが生成され、ゲーデまで解放してしまった
のである。

人々が生み出す負。
怒りや妬み、悲しみ…。
それが、世界樹にいかに大きな負担を
掛けていたか、皆は自分自身を省みた。

世界はますます混迷の道を辿っている。
これらの状況を生み出す、負とゲーデを
何とか世界樹へ送り流さなければならない。
しかし、術が無いのだ。

傷ついた世界樹には、再び負を抱える力は無く、
何より、送り流す先は世界樹の中。
そこは人間の世界ではなく、精霊の世界だという。
精霊の手でなくては出来ないのだ。

セルシウスは、負を浴びすぎて、精霊とは程遠い
人間に近い身体になっており、世界に自由に溶けたり、
精霊の世界へ戻る事も出来ない。
負を送り流そうにも、その力を発揮出来ないのだ。


あらすじ33 家出青年


家来人の捜索の仕事を引き受けた。
依頼者の話によれば、引きこもりだった息子が
突然家を出て行き、何度連れ戻しても獄門洞という
土地に向かうという。
今回も獄門洞へ向かったのだろうと、
カノンノとコレットを同行者に迎えて、
捜索に向かう事にした。
捜索対象者の名は。ビクター。
18歳の青年だった。

獄門洞の、花が舞い散る道を歩く。
伝説では、死者が黄泉の国へ向かう為の門が
ここにあるのだという。
すずの故郷は、ここに近い土地らしい。
その独特の異文化の匂いを感じながら、
主人公達は走った。

程なくして、うずくまる青年を見つける。
ビクターだろうか。
カノンノが近づくと、青年には黒いもやが
かかっているように見えた。

カノンノが、無事を確認する為に
青年に声をかける。
だが、青年はうめき声をあげながら、
その姿を魔物へと転じさせた

とりあえず、動きを封じる事を第一に
主人公達は、一戦を交える事にした。
魔物の体力を削り、気を失わせると、その姿は
元の青年に戻った。
主人公が、近寄ってセルシウスにもしたように
青年にかかっていた黒いもやも払う。
やがて、青年が目を覚ました。
青年は、やはり捜索対象者のビクターだった。
獄門洞へは、無意識に引き寄せられたのか、
気がついたらこの場所にいたのだという

ビクターを連れて出ようとしたが、
彼本人に戻る意思は無かった。
帰っても、親の跡継ぎが待っており、
自分の望む仕事が出来ない。
ならば、ここで死んでもいいと言うのだ。
コレットが説得しようと歩み寄った時、
盛大に転んでアクセサリーを壊してしまう。
コレットが手の中のアクセサリーを悲しそうに
見ていると、ビクターがアクセサリーを手に取り
いとも簡単に修理した。
ビクターは、親の跡継ぎではなく、
細工の仕事をしたいらしい。

喜ぶコレットを顔を見て、
ビクターは家へ帰る決心をする。
親に縛られる事無く、本当にやりたい道を
歩む為に帰るのだと…。

船に戻ると、ビクターの両親から報酬が
届いていた。
ハロルドの説によれば、ビクターに見られた
魔物への変化はやはり、負の影響らしい。
獄門洞は負が溜まりやすい土地であり、
ビクターは自分自身の負と感応して
引き寄せられていったのだろう。
今や、世界は負の蔓延で人の心も暗くなり、
国同士のいさかいや、犯罪が急増しているらしい。
一方、カノンノは今回のビクターの姿を見て
「変わること」の素晴らしさに思いを馳せていた。
自分も変わりたい…、と。


あらすじ34 広がる「負」


内戦の報が続いている。
今や、あちこちで紛争が起き、
負が負を呼ぶという悪循環か、
その数も日に日に増えていっている。

一方、ゲーテは、人々から生まれる負を食らい、
人々の心を暗く染める負を生み出していた。

全ての存在に対しての激しい憎悪。
ゲーデは、何を支配したいわけでもなく、
そうしてただ世界の滅びを待っていた。


あらすじ35 謎のカケラ


カノンノに頼まれ、科学部屋へ薬品を運んだ。
部屋では、リフィルが夢中で何かを覗き込んでいる。
遺跡か何かのカケラらしい。
漂流物だったそれは、不思議な文字が浮かび、
グラニデの技術を超えた未知のものであるかも
しれないという。
文字の規則性はリフィルにすら計れず、
解読不能の文字だった。
カノンノが、じっとその文字を見つめ、
小さく呟いた。

「我は、ニアタ・モナド。ディセンダーの玉座なり」

驚愕するリフィル。
カノンノが、文字を読んだのだ。
しかし、なぜ、文字を読めたのか、
本人にもわからない様子だった。
カノンノは、困惑した様子で下を向き、
部屋を後にしていった

リフィルには、文字を解読する術はない。
かといって、検証も無しにカノンノの言葉を
鵜呑みにするわけにもいかない。
解読は進まず、リフィルはカノンノが呟いた
言葉を繰り返すばかりだった。
その時、フィリアがカケラに付着した藻を
特定したと部屋に入ってきた。
藻は、「マグネエラの藻」といい、
細胞内で強力な磁力を発生するという
珍しい海草だという。
この藻が生息する一帯は、強力な磁界となる為、
通常船はこの海域を絶対通る事はない。
生息地域は一つしかなく、もしバンエルティア号で
行く事が出来れば、カケラの本体の調査が
出来るのだ。

未踏の遺跡に出会えるかもしれないと
リフィルが興奮する。
そして船の機器が磁界に耐えられるよう、
再び船の改造が始まったのである。


あらすじ36 それぞれの怖れ


世界樹をどうする事も出来ぬまま、
刻々と時間だけが過ぎていく。
変わった事があったといえば、
スタンの妹、リリスが新しくアドリビトムに
仲間入りしたくらいである。

一方、パニールはカノンノに真実を
どう伝えようかと思い悩んでいた。
パニールは、カノンノが幼い頃、
わがままを言った時は両親の事を持ち出して、
あやしたりわがままを直させたりして
いたという。
だが、そうした結果、カノンノは「声」と
「親」への依存が増したのだろうと、パニールは
自責の念でいっぱいだった。

それからカノンノを訪ねると、
いつものように海を見つめていた。

話に伝えられる事が本当であれば、
主人公は、
世界を救った後は世界樹に戻ってしまう。
アドリビトムの仲間もそれぞれ夢を持っていて、
夢をかなえる為に、いつまでもこのまま
一緒にいられるわけではない。
海の果ての、そのまた果てを眺めながら、
カノンノはそう呟いた。

皆が何かを目指して生きている。
だが、カノンノは「声」の正体に出会う以外は、
何も無いのだと言う。

あの文字は、読んだのではなく、
語りかけてきたというのだ。
しかも、いつも海から聞こえる、
あの「声」のニュアンスだったという。

声の正体が、両親かどうかもわからない。
だが、カノンノ自身は、両親であって欲しいという
願いも捨てられずにいた。
声の正体が両親でなかった場合、カノンノの
目的は失われてしまう。
カノンノは、いつの間にか声の正体を知る事を
恐れるようになっていた。


あらすじ37 世界樹の息遣い


多くの人々の目から見ても、世界樹が弱っているのは
明白だった。
今、わずかながらに生み出されているマナも、
いつかは尽きてしまうのだろうと、
民衆は不安にかられている。

一方その頃、世界樹の麓。
弱々しくマナを生み出す世界樹を、
ゲーテが見つめていた。
世界樹を一思いに破壊しようと手をあげるが、
手を振りかざそうとしたその瞬間、
葛藤がゲーデの中に芽生えた。

ここで手を下さなくとも、
いずれ、世界も世界樹も負で覆われ自滅する。
ゲーデは、言い訳のようにそう呟いて、
破壊を行おうとしたその手を下ろした。
なぜ、そうしたのかはゲーデ自身にもわからなかった。
ゲーデは、悲しげにうつむく。
世界中の人々から生まれながら、
どこにもゲーデの場所は無い。
世界が自分を生み、自分を拒んでいる。
世界樹へ送られ、無に還されるだけの
存在である事を、ゲーデは認めたくなかった。

だが、再び弱さを振り払うように顔を上げる。

人間から生まれ、世界樹へ送られ、消滅するだけの
運命を否定し、自分以外の存在全てに同じ苦しみを
味あわせてやると吠え立てた。
それは、孤独な叫びだった。


あらすじ38 ニアタ・モナド


船の改造が終了し、
強力な磁界が存在する海域へ赴く事が
かなうようになった。

カノンノは、恐いが、声の正体を突き止める事を
選択した。
本当は、声ばかりを頼って生きていくわけには
いかないと思っていたという。
自分自身にけりをつける為に。
変わる為に。

例の海域に到着すると、みんな甲板へ出た。
カノンノが真っ青になって、海を見つめている。
「知らないはずなのに、何かを知っている」
そう不可解な焦燥を抱え、カノンノは
怯えているようだった。

「ニアタ」。

身体から湧き上がるように、ひとつの言葉が
突いて出る。
そして、叫びたくてたまらなかったというように
大きくその名を叫んだ。

突然、海鳴りが起こり、海中から何かが隆起する。
みるみる見上げるほどにそれは浮上していき、
やがて神殿のごとき巨大な建造物として、
その全貌をあらわした。

カノンノの呼びかけに応えたのか。
しかし、カノンノはただ呆然とし、
肩を震わせて怯えるばかりだった。


あらすじ39 ディセンダーの玉座


海中から姿を現した謎の建造物は、
カノンノの言ったままに「ニアタ・モナド」と
称されるようになった。
そして、リフィルが早速ニアタ・モナドの
調査を希望する。
主人公が護衛として加わり、
またカノンノもついていく事を強く希望した。

グラニデには存在しないテクノロジー。
ニアタ・モナドを構成している物質ですら、
未知のものだった。
何かの回路と思われるものも、機能している。
まるで、その建造物そのものが生きているかの
ようだった。
主の帰還を待っているかのように。

だが、カノンノが言った様に、ディセンダーの
玉座である事や、カノンノとの関連性については、
まだなにもわからない。
主人公達は更なる調査の為に
奥へと進んでいった。

光を放つ回廊を歩く。
全てが異彩を放つ光景だった。
突然、主人公達を包むような声がした。
姿は無い。
リフィルが、姿を求めて呼びかけると
無機質なその声は、森厳に答えた。
「我々はニアタ・モナド。ディセンダーの玉座なり」
誰よりも驚いたのは、カノンノだった。
惑乱して、硬直する。
声がカノンノを呼ぶ。
そのニアタと名乗る声に敵意は全く無く、
リフィルの問いに答えていった。

この世界グラニデは、ニアタの故郷
「パスカ」の子だという。
そして、カノンノはそのパスカという世界の
ディセンダーだったらしい。
パスカという世界は寿命を迎え、もうディセンダーも
存在しない。
今横に立つカノンノは、正しくはパスカの
ディセンダーの因子を持っている存在だという。
カノンノは、突然我が身に降りかかった現実に困惑し、
黙り込んだ。
次に声は、主人公の姿をとらえ、
グラニデのディセンダーである事を確認する。

リフィルが、ニアタに姿を見せるように要求する。
しかし、ニアタには姿は無く、この建造物そのものが
本体である事を告げられる。

ニアタは、ディセンダーと「パスカ」という世界を
永久に見届ける為に、肉体を捨て、機器に宿った
精神集合体だという。
故郷の滅んだ後も朽ちる事無く、様々な世界を旅して
見届けているらしい。
ニアタが呼ぶ。
ディセンダーの玉座まで来るようにと。
主人公は、カノンノの肩を押し、
三人は更なる奥を目指して歩き始めた。

道中も、ニアタは導くように語り続けた。

世界樹はマナとディセンダーを生み出す
ばかりでなく、新たな世界となる種子をつけ、
世界を生み出す超生命体だという事。

世界とは、世界より生まれしものであり、
世界として「寿命」がある事。

それ故、新たな世界を生み出し、世界の記憶を
次へ受け継がせる事。

そしてそれは、パスカという世界がグラニデに
受け継がれたように行われ、カノンノが存在する
ように、記憶を共有する世界が他にも存在すると
いう事。

それは世界の理だった。

最奥部に到達すると、確かに玉座の様なものが
あった。
三人は、歩いて玉座の前に出る。

ここがニアタ・モナドの中枢だという。
ニアタが問う。
主人公が存在すると言う事は、
この世界に何かあったのではないかと。

主人公が、グラニデの状況を説明する。
世界に溢れた「負」を消すにはどうしたらいいのかを
尋ねた。
だが、「負」を消すという事は不可能であるという。
リフィルが落胆する。
やはり、世界樹でなければ、負を無に還す事が
出来無いのか。

しかし、ニアタは「無」というものは無いと答える。
世界樹が「負を無に還す」などとは
考えられないという。

ただ、世界樹の傷の回復を促進させる方法は
あるかもしれないとの事だった。
その方法を探る為に、「世界を覗く」と
ニアタがしばらく沈黙した。

世界樹の回復だけでも叶うのであれば、
マナの生産量の低下は防げるのかもしれない。
リフィルはもどかしい思いで、ニアタの答えを待った。

突然、リフィルに強烈な閃光があたる。
ニアタによって、世界樹を回復する方法が
リフィルの記憶へ転写されたのだ。
しかし、ニアタにとっては大きな力を要したらしく、
機能が次々に落ちていった。
ニアタが、途切れる声で主人公に
カノンノを託す。
周囲が暗くなり、場は静かになった。
もう、ニアタの声は聞こえない。

リフィル達では、どうする事も出来ず、
一旦船へと戻る事になった。


あらすじ40 失意のカノンノ


帰り道、カノンノはずっと塞いでいた。
異世界のディセンダーの因子を受け継いでいた事、
声の正体が両親ではなかった事、
どれもカノンノには、重い現実だった。

リフィルが気を遣って、早々にパーティを
解散してくれた。


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