あらすじ3

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あらすじ3


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あらすじ41 きずな


カノンノとニアタは、知らず知らずに心の奥底で
感応しあっていたのだろうと、リフィルが言う。
リフィルは、知恵を授けた閃光を浴びた時に、
ニアタの心の一部を見たのだという。

ニアタは自分の世界のディセンダー、
パスカのカノンノをひどく愛していた。

それは、まるで父親が娘を見るように。
ニアタは、故郷を失った後も、永劫の孤独の中、
ディセンダーだったカノンノとの思い出を
支えにしていたらしい。

機器となり、不死と化す。
「不死」に憧れる人々もいるが、ニアタの孤独を
思えば、ひどく不憫なものだとリフィルは思った。

だが、リフィルはすぐに気持ちを切り替えて、
世界樹の傷を回復する為に必要な事の説明を始める

ニアタより伝えられた世界樹を回復させる方法。
それは、三つの事を成し遂げなければならなかった。

一つ目は、「針状物質が混入した水晶に、
深海の中に満ちる月の光を宿らせる。
これを、暗く、深く、乾いた街に埋める事」

二つ目は、「人の真似事をする花の種、
三色に光る苔にて苗をあしらう。
その苗は風唄う地に置く事」

三つ目は、「それら二つ終えた後、
世界樹に火山の活力を注ぐ事」

まずは、手がかりのある一つ目から
取り掛かる事になる。
針状物質が混入した水晶は、「ルチルクォーツ」。
これはフィリアの標本からわけてもらえた。
これに、深海の中に満ちる月光を宿らせなくては
ならない。

深海の中に満ちる月光は、「チュロス海底遺跡」に
生息する、「月光虫の光」だと推測された。

「チュロス海底遺跡」はグランマニエが発見し、
調査経験がある事から、ジェイドの計らいで、
潜水具を手配してもらえるようになった。


あらすじ42 チュロス海底遺跡


グランマニエから潜水服が届いた。
早速、主人公が依頼を受諾し、
スタンとルーティを伴って海底240メートルの
深海にある「チュロス海底遺跡」を目指す事となった。

その遺跡は深海にありながら、充分な酸素があった。
外壁に空気を作る微生物が住んでおり、
今回の目的としている月光虫も、
太古の人間が故意に生み出した生物なのだという。
住居として、今は失われている技術を用い、
海底に建造されていたものらしい。

水路に淡い光を見つけた。
発光性の微生物の発する光。
どうやら、月光虫の光らしい。
ルチルクォーツをかざすと、
みるみる光が宿っていく。
そうして、ルチルクォーツは自ら光を宿した
石になった。
石は、ルチルブライトと名づけられ、
船へ無事届けられた。


あらすじ43 パニールの告白


食堂には、カノンノとパニールがいた。
二人の関係はぎくしゃくする事無く、
いつもの距離に収まっていた。
だが、やはり両親を探す目的を失ったからか、
カノンノは喪失感を抱えていた。

ニアタの声が、聞こえなくなったという。
やはり、ニアタ・モナドの機能が落ちた
せいだろうか。
パニールが、声が聞こえなくなって
寂しいのかを尋ねる。
カノンノはどう答えていいかわからなかった。
だが、パニールが優しく諭す。
やはり、声が聞こえない事が寂しいのだと。
声の正体が両親ではなかったかもしれないが、
カノンノはあの声に育てられ、支えられていたのだ。

パニールは、声が、カノンノをいつかどこかへ
連れ去ってしまうかもしれないと不安にも
思っていたが、カノンノに教えてあげられる事が
足りなかった分、パニールもその声に助けられて
いたのである。

カノンノの、喪失感が焦燥へと変わる。
何を目的に生きていったらいいのか。
そう、小さく呟くカノンノに、
それでも強く生きていかなければならないと
パニールが優しく包む。

パニールは、いつもの穏やかさで語りかける。
ナツナッツ族は、人間と違って寿命は長くない。
パニールは現在18歳だが、あと5年生きられれば
いい方なのだという。
突然の告白に、ショックを受けるカノンノ。

パニールも、カノンノが成人して嫁ぐまで
一緒にいたいが、寿命ばかりはどうにも
ならないという。

パニールが、ネックレスとおくるみを手渡した。
ネックレスは、カノンノが花嫁になる時に
贈ろうと父親が買ったもので、
おくるみは、母親が妊娠中に作ったものだった。

パニールは、両親の記憶がないカノンノに、
とても愛されていた事を伝えたかったのだ。
愛されている事、そして生きて行く事を教える。
それがパニールの最後の子育てだった。

パニールは、少しも死を恐れる表情を
見せなかった。
だが、愛する者を残して、
この世を去らなければならないという気持ちは
痛いほどに伝わってきた。

カノンノも、パニールに愛され、ずっと
守られていた事に気づき、甘えてばかりだった
自分の非を詫びる。
そして、強く、変わっていこうと決心するのだった。


あらすじ44 マンダージ地下都市跡


ルチルブライトは手に入ったものの、
それを設置する「暗くて、深い所にあって、
乾いた街」というのは、誰にも見当がつかなかった。
学者達もお手上げ状態の中、クラトスがやって来る。
ニアタのメッセージに該当する場所を知って
いるのだという。

ルチルブライトを設置するのは、
「マンダージ地下都市跡」という所で、
クラトスが案内として同行する事となった。

マンダージ地下都市跡。
世界樹の根に沿って、地下に建造されたその都市は
異世界からの移住者であり、人類以外の種族が
住んでいた場所だったという。

クラトスは言う。
この地を知る者は今はいないが、
ディセンダーである主人公は、
ここへ来なければならなかったと。

この誰にも知られなかった都市の事だけではなく、
クラトスはディセンダーについても知っていた。
まるで、主人公が
過去に体験した事を見ていたかのように。

しかし、記憶がない主人公には、
クラトスの話をただ聞くだけしか出来なかった。

クラトスが、世界樹の根が露になっている場所を
指差した。
それに従い、ルチルブライトを置く。

そこは、この都市の住人にとって、
特別な場所であったらしい。
先代のディセンダーはここから現れ、
人々がマナを奪い合う戦乱を終結に導き、
そして、ここで消えたという。
主人公には、
何一つ覚えていない事だった。
ただ、クラトスの口ぶりからだと
主人公は自ら記憶を消している
というような印象を受けた。

この地の民は、過去に現れたディセンダーが
用いた武具を作り出し、そして戦乱が過ぎた後には
武具を預かる役を担った。
それは、再びディセンダーが世界へ現れた時の為に
このグラニデ各地の時空のひずみに隠されたという。

それらの武具は「レディアント」と呼ばれたらしい。

この街が、ディセンダーのマナを認識すれば、
レディアントは、いずれ時空の向こうから現れ、
主人公が持ち主として
ふさわしいかどうかを試すという。

クラトスは、ここに主人公を
連れてくる事が自身の役目だったと話した。
そして踵を返し、それきり何も話さずに
船へと戻った。


あらすじ45 それぞれの煩い


カノンノは、これからの自分をどうすれば
いいのか、悩んでいるようだった。
主人公は、カノンノが幼い頃に
物語を書いていた話を思い出し、
また書き始めてはどうかと持ちかける。

秘密を知られて、動揺を見せるカノンノ。
物語を書いていたのは、幼い頃に遊びで
やっていた事だと自信無さそうに言う。
だが、主人公に諭されて
もう一度ペンを取る事を決心したのだった。

一方、船に荷物が届いた。
アニスの両親が、娘の為に野菜を送って
きたのである。

それを知った皆が、首をかしげる。
以前、アニスは、両親の借金のせいで貧しく、
いつも苦労を強いられていたと話していた。
このように、野菜を送るような優しい親だとは
誰も思ってはいなかったのだ。

パニールがアニスに手渡そうとするが、
アニスは受け取ろうとしなかった。
再度パニールが、なだめつつ手渡そうとしたが、
アニスは頑として拒んだ。
自分で稼いでいるというプライドからなのか。
それとも他の事情によるものなのか。
皆は、それ以上アニスの気持ちを酌む事が
出来ずに、その場を去った。


あらすじ46 三色に光る苔


世界樹を回復させる為に必要な事。
次に取り掛かる事は、
「人の真似事をする花の種、
 三色に光る苔にて苗をあしらう。
 その苗は風唄う地に置く事」である。

まずは、三色に光る苔がトライライト・モス
という植物である事が特定出来たので、
それの採取から取り掛かる事になった。

サンゴの森の奥深くにあるという話なのだが、
今年は「泡吹きサンゴ」が異常繁殖し、
奥への道を塞いでいるという。
フィリアが、その泡吹きサンゴを除去する方法を
知っており、ウッドロウと共に同行して
森の奥への道を開通させてくれる事となった。

ルチルブライト、そして今回のトワイライト・モスが
一体世界樹にどう作用するのか。
フィリアは、それらが世界樹にとって、
回復を妨げるものを排除し、また回復力を促す
抗生剤と栄養剤みたいなものだという。
また、それらを設置する場所は、世界樹にとっての
ツボにあたる部分という事らしい。

森の奥部への道を塞ぐ泡吹きサンゴを
フィリアが除去し、進んだ先でトライライト・モスを
発見した。
主人公が採取していると、
ウッドロウが妙な気配に気付く。

やがて、視線の先に、もがき苦しむ男が現れた。
男の表皮は緑色に染まり、「緑色斑点病」という
伝染病の症状をあらわしている。
ただ、この伝染病は遥か昔に根絶されたものであり、
現在存在するはずの無いものである。
愕然としていると、今度は傷ついた兵士の群れが
現れた。
そのまま主人公達の目の前を
横切っていく兵士の列。
一人、列からこぼれて倒れ伏した。

その兵士の軍服は、120年前にグランマニエに
合併され、既に存在しない国のもの。

病の男と兵士は苦しみ、風前の灯といった様相で、
二人は主人公達が見守る中、
景色に溶けるようにじわじわと消えていった。

トライライト・モスを持ち帰り、リフィルに手渡す。
あと必要になるのは、人の真似をする花という事だが、
リフィルには、皆目見当がつかなかった。


あらすじ47 残留思念


サンゴの森の奥で見たものを、セルシウスに話す。
主人公達が見たものは、
強烈に世界に焼き付けられたネガティブな残留思念。
その残留思念に負がさらに重く積み重なり、
過去の有様を再現したものだという。
人々の負が姿を得て、独り歩きを始めている。
更に負が加われば、魔性のものとなると
セルシウスが言う。

サンゴの森は、マナの豊かな聖なる場所だという。
なぜ負が留まりにくい場所へ、負が集まろうとして
いたのか。
フィリアには、それが疑問だった。

パニールがしばらく考えて、口を開いた。
いつまでも、怒ったり、恨んだり、
悲しんだり、不安でいるのはひどく疲れる事だと。
だから、負も、癒されたいのかもしれないと
遠い目をしながら呟いた。


あらすじ48 老化の兆し


甲板から、カモメが飛び去った。
動物と会話が出来るパニールの話し相手だ。
パニールが慌てた様子で飛んできた。

パニールがカモメから聞いた話によると、
人の真似をする花かどうかわからないが、
返事をする花というのがあるらしいのだ。

リフィル達に報告しようと船内へ向かうその前に、
パニールが失速した。
最近、あまりうまく飛べないのだという。

パニールは、すぐにいつもの笑顔を繕って、
弱々しくも羽を動かして船内へ飛んでいった。


あらすじ49 恥辱の花


パニールの情報から、「返事をする花」を
探す事になった。
ひょっとすれば、ニアタの教えた
「人の真似をする花」なのかもしれない。
この花を「エコー・フラワー」と称し、
その種を採取すべく、イリアとルカを伴って
主人公はモスコビー砂漠を目指す。

返事をする花といっても、何をすれば返事を
するのかもわからない。
具体的な方法は掲示されなかったので、
主人公に委ねられている事になる。
考えあぐねていると、イリアが業を煮やし、
ルカのおねしょをネタにエコー・フラワーに
呼びかける。
ルカは慌てて、イリアを止めようとしたが、
一旦気分の乗ったイリアをどうする事も
出来なかった。

そうして、イリアは、道中は返事をするかも
わからない花に向かって、ルカのおねしょ疑惑を
延々と呼びかけていた。

恥辱の濡れ衣を着せられ、ルカがべそを
かき始める。
イリアもやり過ぎに気付き、ルカをなだめに
かかった時、どこからか声が聞こえてきた。
一輪の花が、先ほどのイリアと同じ文句、同じ声で
繰り返し叫んでいたのだ。

それはまさに、人の真似をする花だった。
しかし、目的の種は見当たらず、
主人公は花だけでもと持ち帰る事にした。

エコー・フラワーは、学者チームに手渡され、
そのまま種になるのを待たなければならない。
その間、ルカはエコー・フラワーに
おねしょを暴露(?)され続けなければ
ならなかった。


あらすじ50 二人の残り時間


カノンノが科学部屋を訪ねた。
パニールの種族、ナツナッツ族について
詳しく知る為にだ。
パニールの母親という面はよく知っていたものの、
種族的な違いについては何も知らなかったのである。

どうにか、老化を食い止められるのなら。
少しでも一緒にいる時間が長くなれば。

カノンノは、何とか助かる方法を請うが、
学者達にはどうにも打つ手は無く、
寿命という逃れられない宿命ついて
諭されただけだった。

パニールが、いずれ自分を置いて
この世を去ってしまう。
その現実を受け入れる事が出来ず、
カノンノは悲嘆にくれて科学部屋を出た。

ハロルドが思うところあったのか、
カノンノを呼び止める。
寿命、いつかやって来る別れからは
誰も逃れられない。
だが、ほんの少しだけでも、パニールが
元気になる方法が無いわけではなかった。

それは、「恋」をする事。

恋をした時に分泌されるホルモンが、
ナツナッツ族の老化を緩やかにするらしいのだ。
パニールの老化は遅い方で、それはいつも読んでいた
恋愛小説での擬似恋愛効果だったのだろうという。
カノンノが、食堂へ走った。

食堂を覗くと、カノンノがパニールに
取り付いていた。
ハロルドの教え通りに行くのならと、
恋をするように勧めている。
困ったような笑みでパニールが教える。
自分はもう歳だから、今さら恋など望まないと。

だが、カノンノは、パニールを失いたくない
一心で、説得を続ける。
パニールが、家事の手を止めた。
そしてなぜ、そんな事を言い出したのかを
カノンノに尋ねた。

カノンノは、おずおずとハロルドに聞いた話を
白状した。

パニールが、溜息をつく。
恋というものは縁で、無理に出来るモノではない。
恋をしなければと思っている時点で、
本当の恋ではなくなる。
そう、パニールは優しく答える。

カノンノが涙を溜めた。

パニールは、自分を心配してカノンノが
恋を勧めたのだと見抜いていた。

カノンノが結婚するまで、そして子どもを産むまで
長生きするとパニールが笑う。
種族が違おうと、血は繋がっていなくとも、
二人は立派な親子だった。


あらすじ51 風唄う地を目指して


エコー・フラワーから種子が取れた。
トライライト・モスを苗床に種を植え、
「シード・ベッド」が出来上がる。
設置場所とされる「風唄う地」は、
ティアの情報により、メスカル山脈にある
「笛岩」に特定された。

主人公は、早速依頼を受け、
ティアとリオンをパーティに加えて
メスカル山脈を目指す。

強風にあおられて、道を進んだ。
ティアが前方に人影を確認する。
男が斧を手に持って立っている。
男は、風で暴れる青い髪をそのままに、
じっと主人公を見据えていた。

男は、主人公を知っているようだった。
そして、主人公の命を欲していた。
どうやら、倒さなければここは
通れないようだった。

男の戦い方は、歴戦の手練られたものだった。
己が捨てた記憶の中に、この男はいたのだろうか。
だが、すぐに記憶を辿る事は無意味だと悟り、
主人公は、無心になって飛び掛った。

男がひざを折る。
そして、闘気を搾り出すような声を漏らし、
その姿は霧散して消えた。

人間ではない。
しばらく、男がいたその場を見つめる。

強風に体力を削られながら、
ようやく目的地にたどり着いた。
そびえ立つ石柱。
その石柱が風に浸食されて穴があき、
ちょうど笛のようになっている。
「風唄う地」笛岩だ。
風が笛岩を駆け抜けると、
一斉に不思議な音色が奏でられていく。
主人公が、シード・ベッドを置くと、
エコー・フラワーが芽吹き、開花する。
そして、花が風と笛の音を模し始めた。

世界樹を回復させる方法。
ようやくその二つ目を終える。
これが世界樹を救う為に正しい方法なのか
わからない。
だが、リフィルはニアタを信じ、
賭けるしかなかった。
セネルが、そういったリフィルのやり方を
ジャニスと同じだと皮肉る。
リフィル自身もまた、ジャニスを責める資格は
自分に無いと認めていた。


あらすじ52 バルバトス


機関室へ行くと、リオンが笛岩に向かう途中で
遭遇した男の話をしていた。
クラトスによれば、その男の名はバルバトスと
いうらしい。
バルバトスは、太古において人々がマナを巡り、
争いをしていた最中に生きていた。
だが、彼が武器を手にしていたのは
マナや国の為ではなく、
強い者と戦いたいというだけであった。
そんな中、バルバトスが執拗に追い続けた
一人の戦士がディセンダー・主人公だった。

主人公達が遭遇したのは、
この世の世界に刻まれた「負の記憶」。
バルバトスのかつての姿を再現した負だったのだ。

なぜ、ディセンダーを追っていたのか。
それは、強き者にしか所有を認めない、意思を持った
伝説の武器、「レディアント」がバルバトスではなく、
主人公を所有者として認めたからだという。

彼は終生ディセンダーを追ったが、
倒す事はおろか、レディアントの所有者となる事も
叶わなかった。
死してなお、その恨みは強く残り、今この時において、
その念に感応した負が加わり、この世に実体化したの
だろうとクラトスは読んでいた。

そして、その説が正しいなら、負を世界樹に
戻さない限り、バルバトスは何度でも現れるという。

太古の出来事や、ディセンダーになぜにそうも
詳しいのか、ティアがクラトスに尋ねる。

だが、クラトスはそれ以上語らず、
黙していた。


あらすじ53 ジャニスに協力を要請せよ!


ルチルブライト、シード・ベッドの設置を終えて、
残りはあと一つとなった。
「それら二つ終えた後、
 世界樹に火山の活力を注ぐ事」

要は、世界樹に火山のエネルギーを注入すれば
よいのだが、その火山のエネルギーが強大過ぎて、
採取するためのマターが存在しないのだ。
全く無いわけではないが、2年ほど時間を
かけなければならないとハロルドが言う。
無論、そんな悠長に待ってはいられない。

短期間で多くのエネルギーを溜め込めるマター。
ハロルドには、ひとつ思い当たるものがあった。

火山エネルギーよりも強大な、あのラルヴァを
大量に貯蔵出来たマター。
そして、それは恐らくジャニスが持っている
はずなのだ。

ジャニスが来船した時、鉱山で研究を続けると
言っていた。
その言葉を信じて、ペリー鉱山にてジャニスを
探す事となる。
主人公は、ハロルドとアッシュを
パーティに加え、ペリー鉱山へと急ぐ。

鉱山に着くと、先客がいた。
ナディだ。
隠れて様子をうかがっていると、ジャニスを
探しに来ていたようだった。
世界樹を傷つけた犯人がジャニスだと
割れてしまったのか。
ともかく、ナディに先を越されてしまえば、
ジャニスは殺されてしまうだろう。

ナディの目をかいくぐるように移動し、
ジャニスの研究所を探し当てる。
だが、誰もいない。
既にナディに捕まってしまったのか。
あるいは、逃げ出したか。
その時、奥から悲鳴が聞こえた。
ジャニスの声だ。
声の元へ走ると、ジャニスと助手が、
ナディに追い詰められていた。
これから、世界樹を傷つけた報復として
二人を処罰するのだという。

主人公達が、ナディの前に踊り出た。
ジャニスを渡すよう交渉するが、
ナディは、ジャニスの処刑を「世界樹の為の
神聖な義務」だと言い、頑なに拒んだ。
そして、あのビクターのときと同様に
その身体を異形の魔物へと転じさせて
主人公達に襲い掛かった。

だが、ナディだったものは、
暴走する力を振りかざすだけだった。
素早くおさえ、主人公が負を払う。

ナディは、マナに執着するあまり、
心が負に取り付かれてしまったのである。

世界樹そのものには何もせず、他人を責め、
己を正当化してばかりのナディを
アッシュが叱責する。

ナディもまた、敵を潰し、同士を得る事ばかりを
考えていた事を恥じた。
だが、マナと世界樹を守ろうとしたのは
嘘ではなく、これからは世界樹の為に
本当になすべき事をすると誓い、去って行った。

次に、ジャニスと交渉を始める。
火山のエネルギーを採取する為のマターが
欲しいと言うと、ジャニスは複数の鉱物が
一つに融合した奇妙な鉱石を手渡してくれた。

それこそが、「キメラ・クラスター」という、
ラルヴァを貯蔵していたマターだったのである。

帰還し、「キメラ・クラスター」を
皆の前に出すと、賛嘆の声があがる。
それは、学者達の常識を超えたものだった。

ジャニスは、現在マナに代わる無害の
エネルギーを研究している。
ジェイドが、研究資金を出させるように
グランマニエに陳情したという。

もはや、ジャニスの頭脳は、グラニデにとっても
貴重な財産となったのである。


あらすじ54 火山エネルギーの採取


キメラ・クラスターに、火山のエネルギーを
採取する仕事を請け負った。
行き先はレーズン火山。
リフィルから詳しく、エネルギーの
採取ポイントの説明を受ける。

レーズン火山の奥に、二つの祠があるという。
一つが、今回エネルギーを採取する場所。
そこは、炎の魔法の発祥地と言われている。
注意するのはもう一つの祠。
そちらは、災厄が封印されているといわれている。
今回はミントが同行し、判別してくれるという。
主人公は、ミントとクロエを伴って、
レーズン火山へ移動を始めた。

ミントがクロエを気づかう。
ここ最近、元気が無いようなのだ。

クロエの家、ヴァレンス家は代々騎士を輩出する
家系だったが、彼女が幼い頃両親が死に、
家は取り潰しになった。
クロエの目的は、ヴァレンス家を立て直すこと。
だが、アドリビトムの仕事をしていると、
この境遇に甘んじるようになり、本当の目的を
忘れそうになると思い悩んでいた。

マナの減少の影響か、レーズン火山の活動は、
より不安定な状態となっていた。
突然、アラームが鳴り出す。
ハロルドに借りた、負を測定するカウンターが
反応した音だった。
この場所にも負が溢れているのか、
警戒しながら、道を進んだ。

熱で景色が揺らめく中、遠くに人の
シルエットが見えた。
ゲーデだ。
主人公達が来る事を察していたのだろうか。

ゲーデが、苦虫を噛み潰したような表情で言う。
自分を生み出したのは人間達だ。
生みっぱなしで、後は捨て去って、
無に還れなどごめんだ、と。

ゲーデは、世界の終わりを望んでいた。
人間、全ての生命、世界樹、そして
ゲーデ自身も滅びるその時を。

主人公にはわかっていた。
ゲーデには、居場所が必要なのだ。
近寄って、手を差し出す主人公。
予想に反したその反応を前に、ゲーデがひるむ。

他を攻撃する事しか知らないゲーデは、
その手を取る事は出来なかった。
ゲーデが、魔物を出現させる。
それは、人間達の負が姿を持ったものだった。

人間から生まれながら、存在を許されず、
ただ、追い払おうとする人間達に対して
恨みのみを原動力として動いている「負」。

「自分と同じだけ、苦しめばいい」
ゲーデはそう言って、姿を消した。

おぞましく、不愉快な戦いだった。
魔物を討ったあとも、割り切れない何かが残る。
まるで、自分の目をそらしたい感情を
無理矢理ねじ伏せた時のような気分だった。
負の測定カウンターの数値が減る。
ゲーデと今の魔物が消えたからだろう。

戦いを終えて、祠の傍まで歩いた。
ミントが祠を確認し、主人公が
キメラ・クラスターを手に近づく。
祠から火山のエネルギーが、キメラ・クラスターへと
注がれていく。
あとは、世界樹に、このエネルギーを注ぐだけだ。
しかし、気が緩んだのか、
主人公がふらついた。
顔色が悪いと心配する、ミントとクロエ。
世界のマナが減少し、世界樹と同質の存在とも言える
主人公には、その存在を維持する力が
失われつつあるのだ。

二人の肩を借りながら、主人公は、
多少情けない思いで帰還する羽目になる。


あらすじ55 とりあえずの小休止


キメラ・クラスターを世界樹の麓に鎮める仕事は、
他の人の任せ、主人公は
体力温存の為に軽い仕事をしばらく選ぶようにした。
世界樹も、ニアタの言葉の解釈が正しければ、
回復を始めるだろう。

今やマナも汚染されており、人々や動物などの
生命力が弱まっているのだ。
その一方、魔物はより凶暴になり、流行病も
発生するようになった。
皆は、負による影響の広がりを危惧していた。

程なくして、学者達が世界樹の回復を確認したと
発表した。
ニアタの言葉、そしてアドリビトムがやってきた事は
間違っていなかったのである。
だが、まだ課題がある。
世界中に蔓延する「負」を、世界樹へ流す
穢れ流しが必要なのである。
しかし、今のセルシウスにその力はないのだ。

一方その頃。
ゲーデは、人々が生んだ負を貪っていた。
主人公よりも、強くなる為に。
世界樹へ流されないように。
人々が生んだ怒り、恨み、妬み、不安を
その身に蓄えていく。

ゲーデは、あがいていた。
いくら負を取り込んでも満たされず、
心は渇く一方だった。

世界樹の傷はほぼ回復した。
負を受け入れるだけの力はあるだろう。
ただ、その負を送り流す先である、世界樹の
組織部は精霊の世界に接している。
その、送り流す行為は、精霊の手でなくては
出来ない。
だが、セルシウスを含め、世界中の精霊も
負を浴びすぎてヒトに近くなっている。
「送り返す行為」は可能だが、精霊の世界へ
干渉する事が容易ではないらしいのだ。

ハロルドが言う。
精霊は、ヒトとエネルギーの振動率が違い、
ヒトよりも精妙なだけで、微かながらも
物質ではあるらしい。
精霊界に物質の振動率を合わせる事が
出来れば、精霊界への道を出現させる事は、
理屈の上では可能だと言う。

リフィルが、ニアタの知恵を借りられたらと
溜息をついた。
しかし、ハロルドはニアタの修理を
あっさりと提案する。
リフィルは、いとも容易に解決しようとする
ハロルドの姿を見て、感嘆と呆れの声を漏らした。


あらすじ56 再会


ハロルドが用意したマニュアルを持って、
ニアタ・モナドの修理を行う事となった。
ガイが修理をメインで務め、
主人公はサポートとなる。
そして、ニアタの感度が良くなるかもしれないと
カノンノも同行させる事になった。

ニアタ・モナド内部の修理は数箇所予想され、
ハロルドからネズミ型ロボットを手渡された。
このロボットが、修理すべき場所を感知して
くれるのだという。
早速、ロボットを放すが、発進した三体それぞれ
三方向に散ってしまう。
どうやって、修理箇所を教えてくれるかという
方法は聞いておらず、まずはロボットから
探さなければならないという羽目になった。

ハロルドのマニュアル通りに、
ガイが細かい作業を行う。
三箇所の修理が終わると、カノンノには
再びニアタの声が聞こえた。
玉座の間へ向かい、ニアタとの再会を果たす。
カノンノは、幼い頃育ててくれた礼を述べ、
前回、そうと知らずにニアタを怖がってしまった
事を詫びた。
そして、世界樹の回復を報告し、精霊界へ干渉する
方法を尋ねる。

ならば、とニアタが主人公達に
ついて行こうと言う。
建物ごとかと一同は驚いたが、実際は小さな石に
意識を移し、ニアタはカノンノの手の中に収まった。

ニアタを連れ、帰還する。
一番、驚いたのはリフィルだった。
再会を喜んだ後、精霊界に干渉する方法の
説明を受ける。
ニアタによると、精霊界と人間界の物質の
振動率をあわせる為のアンテナが必要らしい。
アンテナの作成法はニアタがレクチャーし、
学者達は早速作業に取り掛かる事になった。


あらすじ57 向き合う時


ニアタは、負と戦い続け、共倒れになっていった
世界を見てきたという。

負は、打ち負かすものではなく、超えるもの。
戦う、にも意味がある。
ただ、従わせる為や消滅させる為に戦うか、
守る為に戦うか。
そして、相手の心とぶつかる為に戦うか。

ニアタが尋ねる。
負と戦うつもりかと。
その問いに、主人公が淀みなく答えた。
主人公の言葉は、
ニアタを満足させるものだった。

ニアタが説く。
負の感情は消えない。
それが生きているという事であり。
至極自然な事なのだ。
それらの感情によってヒトは多くに気付き、
発展してきたとも言える。
「負」を悪いものと決め付けてはならない。
大事なのは心を解放するという事なのだ。

生まれてしまった感情を抑圧すると
歪んだ感情になる。
そしてそれは、ヒトにとって受け入れがたい
感情となるのだ。
重く、いつまでもヒトの心に残ったまま、
世界へ放たれ続ける。
それこそが、今世界樹へ負担を与えている
本当の「負」なのだ。
だが、自然な感情は尊いものであり、
人はその感情を使って、よりよく世界を
豊かに出来るのだという。

抑圧されていた感情も、
いつか、必ず向き合わねばならない時が来る。

ずっとしこりを残していた「負」も
受け入れられた喜びを知る事が出来れば、
それは豊かさへと変わる。
その時、己が受け入れられるかによって、
全ては変えていけるのだ。

ニアタがカノンノに諭す。
この世に「無」というものはない。
本当の「無」とは、あらゆるものが潜在している
状態であり、捨て放った感情が「無」に
還る事はない。

世界樹も、本当に何もない「絶対無」へ
負を追いやるのではない。
むしろ、新しい可能性へなる為の「無」へ
還すのだとニアタは信じているようだった。

機関室へ行くと、チャットが慌てふためいていた。
クロエとアニス、ファラがいなくなったのだという。
一人ならともかく、三人同時というのは、
ただ事ではない。
船内は騒然とし、捜索に向けて事情聴取が
始まっていた。


あらすじ58 クロエの捜索


セネルがクロエについて、心当たりがあるという。
多くは語ってくれなかったが、サンゴの森を
重点的に探す必要があるらしい。
何にせよ、わずかでも手掛かりがあるなら
行くべきだと、主人公が
捜索に名乗りでた。

セネルとカノンノをパーティに迎え、
サンゴの森の奥を目指す。

サンゴの森に到着し、ようやくセネルが
クロエについて話してくれた。
クロエは、自分に迷いが生じた時は、
ここサンゴの森へ来て、自分が果たすべき事を
思い出すようにしているらしいのだ。
そして、ここはクロエの両親が殺された場所だという。

両親を失い、騎士だった家はあっけなく取り潰され、
当時のクロエもまだ幼く、家を守る事が出来なかった。

クロエは、ヴァレンスの家名を誇りにし、その後の
生涯を家を立て直す為に生きていたのだという。

しかし、アドリビトムに来てから、
その居心地の良さで家を立て直す決意が鈍り始め、
思い悩んでいたという話だった。

そして、そのセネルの読みはあたっていた。
クロエはいたのだが、その姿は二人あった。
ニアタが言う。
もう一人の影のようなクロエは、強烈な「負」だと。
クロエの負が剣を抜く。
そして、その刃をクロエに向けた。

セネルはクロエを傷つけさせまいと、
負の前に出た。
主人公も、加勢する。
クロエ自身の暴れる感情を解放させる為に。

ひとしきり相手をすると、負は膝を追った。
そして、彼女の負が真意を語り始める。

クロエの負は、「寂しさ」だった。
家族を失い、孤独だった寂しさ。

そして、その孤独の辛さを、親の仇を憎む事で
紛らわせていたのだ。
クロエ自身が、寂しさから目をそらさず
受け入れる事を誓うと、
負は光となってクロエの力となった。

船に戻り、クロエの帰還を知らせると、
皆は快く迎え出た。

クロエはしばらく、どのような顔をすれば
いいのか戸惑っていたが、セネルに背を押され
「自分がいるべき」場所ではなく、
「自分が望んだ」場所へと戻っていった。

残りの二人の行方も気になるが、
今のところ何も手掛かりは無い。
そうこうしている間に、アンテナの一つ目が
完成する。
精霊界と接する為のこのアンテナは、
「アイテール・アンテナ」と名づけられた。


あらすじ59 明かりを灯して


セルシウスの話によると、グラニデには
精霊界と接点が近いポイントが三つあるという。

完成した一つ目のアンテナを、モスコビー砂漠の
「太陽の門」に設置するのが今回の仕事である。
ユージーンとマオをパーティに加え、
主人公は船を出る準備を始めた。

太陽の門とは、巨大な岩が長い間、
風で削られ続け、自然にアーチ状となったもの。
太陽がそのアーチにすっぽり囲まれて見える時、
様々な精霊と交信出来たという話が伝わっている。
太古において、穢れ流しは各地で行われていたのだ。
そして、恐らくここもその一つだろうと
ユージーンが言う。

太陽の門へ着き、アンテナの設置を始めようと
すると、ユージーンが何かの気配に気付いた。
魔物が現れ、じわじわとこちらに向かってくる。
アンテナの設置を中断して、魔物をなぎ払うが
次から次へと魔物は現れる。
しかし、魔物は主人公達を
無視して太陽の門を目指していた。
魔物達が悲痛な叫びを上げる。
自らの抱える負に苦しんでいるのだ。
主人公は、何かに突き動かされるように
魔物に駆けより、手を差し伸べた。
魔物達が光になって、世界へ溶けていく。
自らの意思で変わりたいと願い、
そして主人公の光に導かれ
自ら変わったのだ。
パニールが言っていたように、負も救われたい
のだろう。
主人公もまた、
魔物を光へと還し、
救われたような気持ちになっていった。

帰還すると、喜ばしいニュースを
ジェイドが知らせてくれた。
あのナディが、非武装で世界中の紛争を治める
活動をしているという。
世界の情勢は少しずつ、変わりつつある。
もう、ルークがナディの標的になる事も無いのだ。


あらすじ60 ファラの捜索


ファラとアニスの行方はわからぬままだった。
以前、世界樹を回復させる方法を聞いた時、
ニアタは「世界を覗く」と言った。
あの時と同様に、まだ見つかっていない
二人の行方を知る事は出来ないか。
リフィルは糸口のひとつになるかもと、
ニアタにそう尋ねた。

だが、世界を覗くには多くのマナを要し、
今、ニアタにはそのマナが足りないのだという。

カノンノが、自分のマナを使えないかと
願い出た。
カノンノは、ファラやアニスの夢を
終わらせてはならないと、自分のマナを
使ってくれるよう懇願する。
ニアタはカノンノに、自分の故郷のディセンダーと
同じ眼差しを見、カノンノを通して世界を
覗く事に力を貸した。

カノンノが目を閉じ、世界を覗く。
暑く、硫黄の匂いが立ち込める場所を
カノンノは感じた。
ファラが赴いた先は、レーズン火山のようだ。

だが、カノンノは根果てたのか、倒れてしまう。
これ以上は危険であると判断し、カノンノは
医務室へと運ばれた。

早速、ファラの捜索は依頼として上げられ、
主人公がその役を担う事になった。
リフィルが、リッドとキールに、
ファラとレーズン火山の関連性を聞いたという。
すると、多くは語らなかったが、過去に何か
あったような口ぶりだったらしい。

主人公は、リッドとキールと共に
レーズン火山へと捜索を急いだ。

ファラとリッド、キールの故郷は
元々このレーズン火山の近くだったという。
だが、ファラが幼い頃に、この火山内にある
災厄を閉じ込めた祠の封印を解いた為、
村は溶岩に飲み込まれて無くなったというのだ。

恐らく、その件を悔やんでの失踪だったの
だろう。

ファラ自身の負。
それは、故郷の平穏な暮らしを奪ってしまった
事への「罪悪感」だった。
ファラの抱えていた負が実体化し、
今まさにファラの命を奪おうとするところに
主人公達が駆けつける。


ファラの負は、抑えられていた事への反動か、
主人公やリッド達に容赦無く
力をぶつけてきた。
だが、三人はファラの痛みを受け止め、
その感情とぶつかった。

負が戦意を失い、その身をかがめる。

ファラは、罪の重さに苦しみ、それから逃れる為に、
人に善意を押し付けて負を誤魔化していたのだ。
ずっと、ファラが目をそらしていた負が、
自らの苦しさを語る。
だが、罪は受け入れて生きていかなければならない。
そしてファラは、罪を受け入れ、許し、
過去を超えていくと誓って、自らの負を受け入れた。

船へ戻ると、パニールは何も聞かずに
優しくファラを迎え入れる。
カノンノの事が気がかりだった。
リフィルによると、思わしくない状態だと言う。

医務室に行くと、カノンノが世界を覗いていた。
トランス状態に近いのか、意識はもうろうと
しているようだった。
突然、カノンノの姿がぶれた。
このままマナを消費してしまえば、
肉体がその姿を維持出来なくなり、
霧散してしまうのだという。
ニアタはカノンノの身を案じ、休むように促すが、
カノンノは自分の物語を書ききる夢も、
アニスの夢も叶えるまでは消えないと、弱々しく
微笑んだだけだった。


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