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エーデルヴァイスシリーズの登場機体
本項目では、エーデルヴァイスシリーズに登場する架空のロボット「テロメア・ドライブ」の解説を行う。
型番の「NX」はネクサスと読む。



「ノアの箱舟」計画

NX-1系列

 記念すべき「ノアの箱舟」初のテロメア・ドライブ。純粋な戦闘用テロメア・ドライブとして、既存の機体と比べ細部の仕様がピーキーにチューニングされている。
 戦闘機動の試験機体としての意味合いが強いシリーズであり、現行テロメア・ドライブの象徴とも言えるエーテル砲を搭載していない(エーテル炉駆動ではあるが)。携行武器は通常兵器に毛が生えた程度のもので、ニューロフォビアと戦うにはあまりに非力であった。NX-1完成当初、エーテル砲は概念実証試験を終えていない段階で、初のエーテル砲搭載機であるNX-2の登場までにはまだしばらくの時間を必要としたのだった。
 なお、実戦データ収集のために出撃したアークスはほとんどが撃墜されたというデータが残っているが、その中の一機はいまだに健在で、特注カスタム機として今も前線で戦いを続けているという。
  • NX-1-1 アークス(ARKS)――“救いの舟”
  ┗ NX-1-2 アークス改(ARKS-CUSTOM)――“橋渡し”

NX-2系列

 エーテル砲試験用テロメア・ドライブ。
 NX-2はエーテル砲を搭載した機動兵器としては人類初の機体で、調整不足ゆえ暴発の危険があり多用は出来ないがその出力は非常に高かった。
 しかし、テスト運用を兼ねたニューロフォビア撃退作戦(「バスター作戦」)の最中、NX-2は消息を絶つ。データのフィードバックもままならぬまま二番目の試験機としてロールアウトしたNX-2Aだったが、今度は箱入りすぎる慎重な運用ゆえ実戦に即したエーテル砲のデータを収集できず、あまり高い成果は得られなかった。
 後継機たるNX-2A2はニューロフォビアとの最初の全面抗争「ライトニング作戦」後にロールアウトした機体で、更なる高火力化が必須と考えられた結果出来うる限りの改良が施されたエーテル砲を搭載している。ただし、本機は戦闘機動などを一切考慮せずエーテル砲の稼動効率だけを追求したモデルであり、テロメア・ドライブというよりは固定砲台に近いものになってしまった。実戦の際には他のテロメアドライブに牽引される形で戦場を移動する。
 同時期に開発されたNX-2ANはエーテル砲の構造を一から見直したモデル。無限に拡散する性質を持つエーテルは限定空間において限りなく無限に近い回数の有限反射を行なうため(エーテルは時と空間を超越する物質であるため、同一量のエーテルは特定の限定空間において一秒のうちでも一時間のうちでも同一回数の反射を完了している、ということが万物理論により証明された)、これを圧縮し指向性を持たせる事で爆発的な破壊力を生み出すというのが従来の圧縮エーテル砲のメカニズムであるが、これをあえて圧縮せず開放、対象の空間に予め散布した原子雲を打ち抜き広範囲で連鎖的に反応を起こすというメカニズムの「拡散エーテル砲」を試験搭載している。
  • NX-2 グレイアッシュ(GRAY-ASH)――“灰色の昨日”
  ┗ NX-2A アッシュ・トゥ・アッシュ(ASH TO ASH)――“灰は灰に”
   ┣ NX-2A2 カノン・ダスター(CANON DUSTER)――“塵に帰せよ”
   ┗ NX-2AN フォールアウト(FALLOUT)――“死の灰”

NX-3系列

 可変型高速機動戦闘試験用テロメア・ドライブ。単独での大気圏脱出や瞬間的なエネルギー効率の向上など、革新的かつ効果的な仕様が数多く盛り込まれた傑作機を生み出したシリーズである。
 NX-3およびNX-3PTが試験投入された際の戦果はまさに驚異的ともいえるもので、第一次月蝕戦争を境にして箱舟計画の開発予算が4倍になったという噂もあながち嘘ではないらしい。
 詳細はOPERATION PHOENIXを参照。
  • NX-3 ガルーダ(GARUDA)――“天翔ける神鳥”
  ┣ NX-3PT フェニックス(PHOENIX)――“舞い上がる不死鳥”
  ┗ NX-3PTX ダークフェニックス(DARK-PHOENIX)――“堕ちた不死鳥”

NX-4系列

 NX-4系列の機体は宙間迷彩試験用テロメア・ドライブと呼ばれる。
 NX-3の成功に伴い潤沢な予算を手にした「ノアの箱舟」が次に着手したのはエーテルミラージュ装甲(EM装甲)と名づけられた技術の研究だった。
 時空を超越した物質であるエーテルを機体周囲に薄く張り巡らせ、その波動を偏向させる。するとエーテル場の次元位相が僅かに揺らぎ、力場の周辺だけが通常次元から存在が遮断された空間へと変質する。エーテル砲の基本原理のひとつであるこの技術を転用し、擬似光学迷彩装甲として昇華したのがEM装甲である。
 EM装甲搭載の最初の試作機NX-4は計12機が生産されたが、うち4機が実験中のエーテル場暴走事故により次元断層に飲み込まれ、消滅。搭乗中のパイロットを含め、別次元へと消息を絶ってしまった。即座に凍結の命令が下されると思われたEM装甲の開発だったが、予想に反し連合政府は引き続きの開発を決定。この技術に対する並々ならぬ関心が窺い知れた一件であった。
 事件から三ヵ月後、エーテル場発生のメカニズムを根幹から見直し、安定性を向上させたNX-4D1がロールアウトする。無限に拡散する性質を持つエーテルを宇宙空間に固定するのは困難という判断のもと、ある程度のエネルギーロスを視野に入れエーテルを偏向・放射するという手段によりEM装甲は一応の完成を見た。しかし力場を生成するエーテルを放出するにあたり、停止時はさておき移動の際に若干ながら銀色の光を放ってしまうという少々難のある隠密性から、機体名は自省の意味も込めてシルバー・シャドウとそのままの命名がなされている。
 その後対ニューロフォビア戦争の激化に伴い開発は縮小されたが、エネルギー効率を最適化しある程度の戦闘もこなせるようになったNX-4D2が完成し、同機体に搭載されたエーテルコートの技術はNX-9の搭載武装の開発における土台となった。
  • NX-4 ハイド・ビハインド(HIDE BEHIND)――“狭間”
  ┗ NX-4D1 シルバー・シャドウ(SILVER SHADOW)――“銀影”
    ┗ NX-4D2 ブラック・ウィドウ(BLACK WIDOW)――“黒蜘蛛”

NX-5系列

 エーテルバルカン試験用テロメア・ドライブ。
 従来のエーテル砲は、その実績を認められつつも欠点の多さを指摘されてきた。一定以上にエーテル場の指向性を高めるのに要するチャージ時間と、それに伴う致命的になり得る隙。小型虚無獣相手には過剰すぎる火力など、問題点は少なくなかったからだ。
 そこで本シリーズは新型エーテル砲のテストベッドとして開発が進められ、「連射型エーテル砲」の試験運用を主目的に実戦投入された。時震シリンダーにより針のように細く鋭いエーテルを連続発射することが出来る連射型エーテル砲は、シリンダーの回転数を一定量にキープすることで理論上要塞級虚無獣の装甲を打ち貫けるほどの非常に高いエーテル稼動効率調整(タクティカルエーテルインクリーズ、TEI)を実現した。元々テロメア・ドライブ開発の重要な一要素とされてはいてもあまり前面に押し出されなかったTEIを開発メーカー各社が本格的に見据え始めたのはこの技術の実現からであり、その功績は計り知れないと言えるだろう。
 しかしエーテル効率の瞬間的な増大はマシン、パイロット共に莫大な負担を強いることになり、正式採用モデルとして生産されたNX-5DDはある重大な事故を引き起こしてしまう。結果として「死神」と呼ばれ兵士たちに恐れられるようになったNX-5シリーズは早々に現場から姿を消し、新兵器として期待されたエーテルバルカンの戦場への再登場にはかなりの期間が空くことになる。
 なお、本シリーズの開発には軍事企業のウェルギリウス社が大いに関わっていた。「事故」による失敗を補っても余りある程の功績と手腕を買われたウェルギリウス社は、後に単独で一シリーズ全ての機体開発を任されることになる。
 また後年、エーテルバルカンの技術をマッシュアップした"エーテルガトリング搭載型対要塞級大型攻撃機"・NX-XiX(ネクサス・ズィクス)「ファーヴニル」が開発されたものの(これの開発はウェルギリウス社ではない)、パイロットとして搭乗する十六人全員が長い時間をかけた専門の訓練を要すること、機体サイズの途方もない大型化による戦場のニーズとの不一致などから一機が生産されたのみに留まっている。
  • NX-5 ヘッジホッグ(HEDGEHOG)――“針の筵”
  ┗ NX-5D1 アロー・レイン(ARROW RAIN)――“千矢万来”
   ┗ NX-5D2 ピアース・インフィニティ(PIERCE INFINITY)――“貫く大嵐”
    ┗ NX-5DD ソーンブライド(THORN-BRIDE)――“赫棘姫”
  • NX-XiX ファーヴニル(FAVNIR)――“狂える悪龍”

NX-6系列

 通称「ブラックボックス」。開発経緯、コンセプト、完成したはずの機体……それらの一切が謎に包まれた、正体不明のシリーズである。
 本NX-6シリーズのロールアウトをもって多目的試験用テロメア・ドライブ開発プロジェクトは一つの区切りを迎えたため、そこに何らかの革新的な技術がテストされていたことは間違いない。しかしそれ以上の情報は「ノアの箱舟」上層部の手で完全にシャットアウトされており、その真相を知るものは少ない。
  • NX-6 ???(UNKNOWN)

NX-7系列

 総合戦闘型テロメア・ドライブ。これまでに培われたテロメア・ドライブ開発のノウハウを全て注ぎ込んだ、集大成とも言えるシリーズ。
 「一機で戦況を牽引できる機体」が開発コンセプトで、当時では頭三つ分ほど飛び出たウルトラハイスペックの機体だった。それゆえ量産性は度外視で、パーツのほとんどが軍事企業所有の機械化工場によるオートメーション生産ではなく技術者の手による直接生産により準備されており、そのコストは通常のテロメア・ドライブの128倍とも言われる。
 エーテル場の微弱な乱れにより肉眼・電子機器共に機体の現在位置を誤認させる「エーテリアル・コンフュージョン」(のちのACM技術の基礎となった)、圧縮式・反射式・放射式・拡散式からなる四種類のエーテル砲など、エーテルを操る性能に長ける。
 NX-7Rの完成に伴い、「ノアの箱舟」計画第一段階は完遂。計画は次のステージに進んだ。
 のちにNX-7Rの開発コンセプトを継いだ機体としてNX-11が製造されたが、開発はNX-7およびNX-7Rを手がけたアスタリスク社ではなく、火星に居を構える航空機メーカーのグランジール社の手で進められた。グランジール社も名うての実力派企業として知られていたが、そもそもの得意分野の違いなどから、NX-11の性能は「アスタリスクの奇跡」とまで呼ばれたNX-7Rの高次元で完成されたスペックバランスには到底及ばないものとなった。
 さらに後年、長きに渡るニューロフォビア戦争により気持ちのふさいだ国民たちを鼓舞するため、かつての英雄であるエーデルヴァイスを蘇らせる計画が浮上した。結果生まれたのがエーデルヴァイスIIで、初代よりも女性的なフォルムを帯びたそのボディの中には最新鋭の技術が惜しげもなく詰め込まれており、その性能はかつてと比べもはや別物となっている。
 ニューロフォビア戦争の英雄として祭り上げられたエーデルヴァイスには数多くの派生機体が存在するが、そのほとんどは伝説の名を借りたデッドコピーに過ぎない。それでも伝説のネームバリューは凄まじかったようで、この時代、お手製のテロメア・ドライブに験担ぎの意味でエーデルヴァイスの名を冠することも少なくなかったようだ。
 なお、エーデルヴァイスは「高貴なる白」を意味する言葉で、その名はether(エーテル)ともかかったものになっている。
  • NX-7 ヴァイス・ストゥルム(WEISS STRUM)――“白き陣風”
  ┗ NX-7R エーデルヴァイス(ETHER-WEISS)――“鵡幻白装”
   ┗ NX-7RZ エーデルヴァイスII(ETHER-WEISS ZWEI)――“純白の後継者”
以下は『HEXITICA』に登場した発展改良機である。
  • NX-7RAG ラグナルヴァイス(RAGNAR-WEISS)――“運命のカラス” ――NX-12に搭載のオーバードライブ・エーテル砲を装備した改良機。エーテル稼動効率調整に多大な問題を抱えたままのロールアウトとなった。
  ┗ NX-7RAG[ODIN] ラグナルヴァイス・オーディンスティング(RAGNAR-WEISS[ODIN'S STING])――“破壊者” ――上記NX-7RAGの問題点を改修した機体で、『HEXITICA』における最終完成機体のひとつ。
  • NX-7rrFF エーデルヴァイス白焔(ETHER-WEISS BYAKUEN)――“煌く真白” ――射撃戦に特化した独自改良機。元はエーデルヴァイスIIIとして開発が進められていた。
  • NX-7rrFT エーデルヴァイス白昴(ETHER-WEISS BYAKKOU)――“踊る純白” ――白焔と対を成す機体。白兵戦に特化。

NX-8系列

 白兵戦特化型テロメア・ドライブ。その名のとおり、ニューロフォビアとの接近戦を主眼に置いて開発されたシリーズ。
 特徴的なのは両腕から発生する薄圧エーテル場で、通常よりも濃縮度の高いエーテルを剣のように扱うことでニューロフォビアの外殻をいとも簡単に切り裂くことが出来る。
 ただし、接近戦を行う以上は当然その威力と反比例して危険度も増す。敵一体と差し違ってしまっては元が取れない。格闘機動を行う際の機体操縦はパイロットの技量に拠るところが非常に大きいため、この機体の性能を完全に活かすことが出来るパイロットはほとんど存在しなかったという。
 様々な問題点が指摘され、結局このシリーズから生産されたのはNX-8たった一機であった。しかし、本機に初めて本格搭載された格闘戦用衝角(エーテルラム)の技術は箱舟計画外のテロメア・ドライブにも広く普及し、結果としては意味のある機体となったと言える。この技術をもたらしたのはNASAの外宇宙探査特別室(NASA2研とも呼ばれる)だが、彼らが「ノアの箱舟」にどこまで深く関わっていたのかは不明である。
  • NX-8 ベルセルク(BERSERK)――“蛮勇”

NX-9系列

 砲撃戦特化型テロメア・ドライブ。実体弾をエーテルコートした亜空間質量弾(エーテルコクーン弾)とでも言うべき兵器の運用のために開発されたシリーズ。その元となったのはNX-3のEM装甲である。
 シリーズの機体に共通して特徴的なのは、やはり背中にマウントした大砲だろう。機体自身のサイズよりも一回り大きなそれは従来のエーテル砲と異なり、打ち出すのは通常の質量弾である。それを機体側で制御する低存在密度エーテルにより包み込むことで、そこに通常の質量弾の性質だけでなく強大なエーテル砲としての性格も持たせたのだ。
 しかし、理論上エネルギーは無尽蔵とされるエーテルと異なり、質量弾は取り回しが悪い上に弾数を多く用意する事が出来ない。質だけでなく量も圧倒的なニューロフォビアに対してこれはあまりにも致命的な欠点と指摘され(一度小型の虚無獣に接近されれば終わり、ではあまりにも費用対効果が薄いのだ)、特に危険度の高い大型虚無獣との戦闘時に虎の子として運用されるに留まった。
 ただ、エーテルコクーンの技術はその後戦艦の主砲や半永久的保存技術などの分野で有効活用され、開発に携わったベルトロガー社はプロジェクト外での株を大きく上げたという。また、のちにベルトロガー社が開発統括を請け負うNX-13にもエーテルコクーンの技術を利用したミサイルが搭載された。
  • NX-9 マスター・スタンピード(MASTER STAMPEDE)――“激震の主”
  ┗ NX-9D1 アスタロト(ASTAROTH)――“震帝”

NX-10系列

 NPN兵器(ニューロフォビア適応兵器)運用型テロメア・ドライブ。
 当初より問題視されていたこの技術の運用実験の機密度は非常に高く、仔細なデータはほとんど残されていない。
  • NX-10 グレイブ・ディガー(GRAVE DIGGER)――“黒き死神”

NX-11系列

 NX-7系列の直系にあたるシリーズで、二番目の総合戦闘型テロメア・ドライブ群として誕生した。開発は火星系重商企業連(マーズ・マーカンティラス)所属の航空機メーカー・グランジール社。
 表向きは次代を担うスタンダードモデルとして注目を集めたが、その実は急激に勢力を強めた地球外惑星系重商企業連(ギャラクシアン・マーカンティラス)に対する「ノアの箱舟」による牽制であるとも言われている。
 過大な期待を背負ったグランジール社だったが、その開発能力は決して低く無かった(だからこそ開発役に選定されたわけだが)。しかし、戦闘機、および防衛用テロメアドライブ開発の分野においては地球外惑星系重商企業連でトップクラスの実績を誇った同社が送り出したNX-11はどこか「対人用」の設計思想から抜け出しきれておらず、機体としては超ハイスペックだが肝心な部分が中途半端、という印象の強い機体になってしまった。
 問題はただ一点、対ニューロフォビア戦のニーズに応えられるだけのノウハウが同社になかった、という点だけである。
 ……しかし皮肉なことに、結果として歴史上においては「本来の用途とは違う使い道」で存分に力を発揮したこともあり、後年におけるこの機体の評価は高い。
  • NX-11 セパルトゥラ(SEPULTURA)――“白き幻影”

NX-12系列

 決戦型テロメア・ドライブ。
 失敗作と言われたNX-11への皮肉を込めて作られた、次世代の総合戦闘型テロメア・ドライブである。その性能は理論上これまでのどの機体よりも高いが、バランスを考えず、高価で高性能な部品だけを選び設計されたNX-12はたった一機しか製造されず、また派生機も生まれていない。これもまた、時代の流れが生んだ失敗作だったと言えよう。
 しかし、通常のテロメア・ドライブとは一線を画す機体であることは確かである。新兵器であるオーバードライブエーテル砲は要塞の外壁を易々と撃ち抜くだけの破壊力を持ち、ヴァルクホルン戦役では戦略上の重要な存在となった。
 ・ NX-12 ラグナロク(RAGNAROK)――“黄昏の機人”

NX-13系列

 戦略爆撃型テロメア・ドライブ。
 開発統括はベルトロガー社。同社のノウハウが存分に活かされた、ある種異端の機体。
 激化するニューロフォビア戦線において、ニューロフォビアの軍団統率が開戦当初の予想を遥かに上回るものであったことは地球軍指揮官たちにとっては大きな頭痛の種となっていた。中でも、拠点からの波状攻撃への対策は急務とされ、これまでも様々な形で対抗策が練られてきていた(SBC構想)。そして、そのSBC構想の究極とも言える機体こそがNX-13である。開発コンセプトは至ってシンプル……「やられる前にやる」、それだけだ。
 同機開発の際に求められた案件は、爆装状態・無補給での超長距離航行、対象地点への高速侵入・爆撃実行の二本柱。これを実現するためにベルトロガー社が開発したのは、まさに異端と呼ぶに相応しいテロメア・ドライブである。その全長は通常のテロメア・ドライブの約5倍にあたる60m。人型というより浮遊要塞と呼んだほうがしっくり来るフォルムに、30t以上のエーテルコクーンミサイルを搭載するという「動く火薬庫」。単独での惑星間航行能力と高い一撃離脱能力を兼ね備えたこの機体は、果たして戦線投入直後から高い戦果を上げることに成功したのだった。
 基本的に格闘戦を想定した機体ではないが、機体内部には4機のパラサイト・ファイター(無人戦闘機)を搭載しており、有事の際にはNX-13の援護に回らせることが可能。これはウェルギリウス社が作り上げたカロン・システムの忘れ形見とも言える機体で、CT-3 ヴェイグスの名称で呼ばれている。
 ・ NX-13 スティグマータ(STIGMATA)――“栄光の一撃”

NX-100系列

 「ノアの箱舟」計画最終段階……箱舟型テロメア・ドライブ。
 これまで無数に生産されてきたテロメア・ドライブは全てこのシリーズの機体を生産するための礎に過ぎなかった。この機体に隠された秘密こそがエーデルヴァイスシリーズ最後の謎となる。
  • NX-100 ノア(NOAH)――“守人”
  ┗ NX-100Ω アルファ=オメガ(ALPHA-OMEGA)――“箱舟”


新世界連合、および銀河連邦正式採用機

軍用機とは違い、基本的には宇宙開発のために作られたシリーズ。

TD-04系列

 2039年にロールアウトした、宇宙開発計画準正式採用機。
 背部から伸びる二本の追加マニュピレーターが特徴。この二本腕は100%機械制御で動作し、テロメア・ドライブの両手では追いつかない精密作業などの際に補助として用いることができる。
 武装は一切搭載していない。
  • TD-04F ハイロースターゼロ(HIGH-LOW STAR ZERO)――“未来への掛け橋”

TD-08系列

 新世界連合純正のシリーズとしてはこの時代唯一の純粋な戦闘用テロメア・ドライブ。アンバーライト条約に違反したこの機体の開発経緯は謎である。
 ニューロフォビアとの戦闘を主眼に置かれ開発されたシリーズで、一説には箱舟計画に何らかの理由で組み込まれなかったペーパープランを元に無理矢理開発認可を得たものであるとされるが、真偽のほどは不明。
 TD-08/は箱舟計画の最新鋭機・NX-7Rと同時期にロールアウトした。たった二機だけが生産されたTD-08/だったが、機体のスペックだけを見れば圧倒的な開発費をつぎ込まれた「人類の希望」とも言える名機・エーデルヴァイスに勝るべくもない。しかし、TD-08/に実験的に組み込まれたエーテルザンバーはパイロットの技量次第で期待値の何倍もの戦果を上げることが出来る代物であった。
 瞬間的にエーテルの存在発生率を4000%にまで引き上げ、刃状にして振るう。エーテル砲を搭載していないTD-08/にとってはエーテルザンバーと名付けられたこの武装が唯一無二のエーテル兵器であり、また最大の武器であると同時に盾でもある。特定範囲に集中するエーテルのあまりの濃縮度ゆえ、ひとたび斬り付けられれば最後、あらゆる物はその指向性をメタ次元によって置き換えられ「反転」する(ゲーム的には、敵弾を斬ることで反射させることができる)。
 後の時代を勘定に入れても、まさしく最強の武装の一角と呼んで差し支ないであろうエーテルザンバーがTD-08系の機体にしか搭載されなかった理由を挙げるのは容易だ。格闘戦を考えられ作られたNX-8同様、ニューロフォビアとの近距離戦闘はパイロットの技量に依存する部分が大きく、現実的でないこと。そして何より、ザンバーを形成するエーテルが周囲の物体、機体およびパイロットの身体にも深刻な影響を及ぼしてしまうということだった。
 第二次月蝕戦争が激化する中姿を消したTD-08/、およびそのパイロットの行方はようとして知れなかったという。
 詳細はASLASH//?を参照。
  • TD-08/ アスラッシュ(ASLASH)――“修羅の剣”
  ┗ TD-08// アフラ・マズダ(AHURA MAZDA)――“光神聖剣” ――ゲーム後半で大破したアスラッシュを即席改修した機体。実のところ、これがアスラッシュの真の姿であった。
  • TD-08/AVST. アスラッシュ・アヴェスター(ASLASH AVESTA) ――機甲ユニット「アヴェスター」を装備したアスラッシュ。
  • TD-08/X-lash ヴァルナ(VARUNA)――“鬼帝の剣” ――『HEXITICA』に登場。アスラッシュ二号機にあたる機体に独自の改造を施したもので、エーテルザンバーを二本装備している。

TD-10系列

 ペーパープランのみ存在。銀河連邦所属地球外惑星探査基地の防衛用に設計されたものだったが、「ノアの箱舟」との癒着の進んでいた軍部によって開発を却下され、封印。
 後に地球圏の第七世代戦闘機開発チームへと設計図が譲渡され、F-204 ケブレスとして生まれ変わった。


アルマリオン帝国

ARM-1系列

  • ARM-1 イカロス(IKAROS)――“偽翼”
  ┗ ARM-1SF イカロ・メニッパス(IKARO MENIPAS)――“真翼”

ARM-2系列

  • ARM-2 ヴェルヌ(VERNE)――“月世界”

ARM-3系列

 アルマリオン帝国における初の正式採用モデルであるARM-3を生み出したシリーズ。同時に、同国において最も普及した
 対人戦闘を主目的としたテロメア・ドライブとしては同機が歴史上初めてのものにあたり、旧時代の設計思想を抜け出し切れていない、そうでなくてもあくまで治安維持のためとして作られた連合側のテロメア・ドライブを圧倒する戦果を上げた。
 しかし、基本スペック・搭載武器共に桁違いの性能を誇る「ノアの箱舟」のテロメア・ドライブにはまったく歯が立たず、アルマリオン帝国開発部に更なるハイスペック戦闘機の開発を急がせる結果となった。
  • ARM-3 ウェルズ(WELLS)――“時渡”

ARM-9系列

 アルマリオン帝国が保有した戦闘用テロメア・ドライブとしては最後の量産機。恐竜的進化を遂げたARM-8までとは異なり、機体の特徴はARM-3に準拠したものとなっている。フォルムもスマートな人型で、その西洋の騎士然とした外見は後の時代でも人気が高い。
 とはいえ、ARM-3から本機体の開発までにはほとんど間が無く、機体のスペックだけを見比べればそこに大きな差は存在しないと言っていい。その差を決定的にしているのは、本土決戦を見据えた上で備え付けられた携行武器にある。
 月の土地をいたわるつもりなど毛頭無いイクリプスはARM-9に狂気とも言えるほどの火力を搭載した。主兵装である32mm電磁アサルトライフルをはじめ、超振動突撃槍、多目的炸装グレネード、ベルトロガー社製の熱反応式大型誘導ミサイル「キリーク」など、一量産機に搭載する火器としては明らかに過剰なものであり、コスト面を含めもはやなりふり構わぬイクリプスの戦況が窺い知れた。
 ちなみに、ネーミングの「オリュンポス」に火星のオリンポス山との関係は無い。
  • ARM-9 オリュンポス(OLYMPUS)――“蒼月”
  • ARM-9FV ミストレス(MISTRESS)――“月は無慈悲な夜の女王” ――機体スペックを向上させると同時に武装面を軽量化させた、フェヴナン・ヴァネット搭乗のカスタム機。


その他の勢力

CT系列

 カロンシステムの一要素を担う、人類史上初の無人テロメア・ドライブ。その戦闘能力は決して高くないが、乱エーテル場においてもまったく機能を阻害されることがないという特徴を持つ。
 機体および武器の設計開発全てをウェルギリウス社が受け持っており、これまでに培われた同社のノウハウが惜しげもなく注ぎ込まれた傑作機と言えるだろう。
 本来の用途に限れば必要のないはずの実弾兵器も一般に配備されているものよりワンランク上のものでまとめられており、銀河連邦のテロメア・ドライブはカロンシステムの影響だけでなく機体性能の面でも苦戦を強いられることになった。
 カロンシステムの中で開発・運用されていたのはCT-2Wまでで、後に同機のノウハウを転用し開発されたCT-3はNX-13のパラサイト・ファイターとして実戦に投入された。
  • CT-1 アリューン(ARYUNE)――“マシンハート”
  ┗ CT-2W ジュナイア(JUNIA)――“からくりの君”
    ┗ CT-3 ヴェイグス(WEIGUS)――“飛儡”

TEN-JIN系列

 日本独自のテロメア・ドライブ。全ての機体名に「天」を含むのが特徴。
 他国製の機体と同じく用途はあくまで防衛・治安維持用ではあるが、日本製のテロメアドライブの出来の良さはしばしば話の種になる。曰く「前線で活躍する機体とまったく遜色ない性能を持つ」など、アンバーライト条約(連合――のち、連邦――に加盟する国家は武力としてのテロメアドライブを所持してはならないとする条約)への抵触が取り沙汰されることも少なくない。
 細かなモデルチェンジを繰り返すため、実際には下記系統図よりも遥かに多数の機体が存在する。テロメア・ドライブ開発はあらゆる産業に繋がる技術の結晶であり、高水準のテクノロジーを保有する日本は特に新機体の開発に熱心なのだ。
 開発にあたっては自動車メーカー、半導体メーカーなど数社が共同でプロジェクトを立ち上げ、三年に一度開かれる「全日本TDコンペ」にて軍関係者に向け新機体のプランを提示する。そこで予算面、性能面などから総合的にプランを評価し、最も優れたものを一つ選び実際の開発に移ることになる。そのため、ほとんどの場合新機体は前任の機体の特徴をあまり引き継いでおらず、その性能はさておきパイロットからの評判はあまりよくないことが多い(その辺りはメーカーの特色が強く出るため、同メーカーが参入する機体が連続でコンペで選ばれれば必然的に同系統の機体が生まれることになる)。マスプロダクトではなく、あくまで「商業として」テロメアドライブ開発に取り組む日本ならではの風潮と言えるだろう。
 なお、どの機体もポテンシャルは非常に高く、あらゆる状況に応じた細かなカスタムを施すことが可能である。よって、特定任務遂行のために作られる専用機というものは存在しない。
  • TEN-JIN1 覇天(HATEN)――“天を覇する”
  ┗ TEN-JIN2 天来(TENRAI)――“天より来たる”
    ┗ TEN-JIN3 轟天(GOUTEN)――“天に轟く”
      ┗ TEN-JIN4 天羅(TENRA)――“天の鬼子”
        ┗ TEN-JIN5 魔天(MATEN)――“天にそびえる”
           ┗ TEN-JIN6 天極(TENGOKU)――“天を極める”
  • TEN-JIN1SS 覇天改(HATEN-KAI)――“ハンター” ――相沢祐太郎大佐の駆るカスタム機。性能は「ノアの箱舟」産のテロメア・ドライブと比べるべくもないが、パイロットの類稀なる操縦センスにより統合地球軍最強の栄誉を得た。

第七世代戦闘機系列

 別名を「第七世代万物理論型エーテル戦闘機(7th generation distressive ether fighter)」。
 世界規模で進められた新世代戦闘機開発プロジェクト「アローブレイク計画」の中で生み出された新型戦闘機群で、かつての航空機としての特徴やフォルムを色濃く残しながらも人型ロボットの形に落とし込まれているのが特徴。旧時代の戦闘機におけるマルチロール機が大半を占めるが、中には特定の運用に特化した機体も存在する。
 アメリカのボーイング・センチネル社とロシアのスホーイ社らがプロジェクトの主軸となっており、第六世代戦闘機開発の際にしのぎを削った各社・各国が本プロジェクトにおいて協調姿勢を取ったことは時代を反映する歴史的一歩であるとして大きなニュースとなった。
 第六世代戦闘機が実現した「単独での大気圏突入/離脱性能」はそのままに、「虚無構造生命体への攻撃性能」を要求される第七世代戦闘機は、基本概念こそ箱舟計画のそれと同一であっても進化の方向性は大分異なるものとなっている。量産性、メンテナンス性などの面は勿論、対人戦闘および集団運用を前提とした機体開発は旧時代の軍用機然としており、治安維持を目的としたテロメア・ドライブにそこまでの性能が必要であるかについては議論が絶えない。
 なお、NASA2研協力のもとNX-8にも搭載された格闘戦用衝角(エーテルラム)の技術は、本系列の機体開発(特にF-202開発過程)において躍進したとされる。その裏には「規定量以上の放出量を持つエーテル兵器の搭載禁止」というアンバーライト条約(テロメア・ドライブ開発のルールを定めた世界条約)の存在などがあったものの、エネルギー効率のいい近接武器であること、優れたエーテル・インテーク(空間に浮遊するエーテルを取り込み、循環させる機構。重力下では影響が大きく、地球圏で運用される機体において重要視されてきた)として機動制御の補助に大きく役立つことなどが評価され、エーテルラムは他の系列の機体にも多く採用されていくことになる。
 各種任務に応じた独自カスタムや改造計画も多く存在し、後年のデータに残されていないようなテロメア・ドライブも戦場ではよく目撃されていたという。
  • XF-200 ライジングドラゴン(RISING-DRAGON)――“大いなる試み” ――最初にロールアウトした第七世代戦闘機。第七世代戦闘機としての概念実証機でもある。
  • F-200 ワイバーン(WYVERN)――“翼竜” ――アメリカをはじめ、複数国家で採用された初めての正式モデル。
  • F-201 ドラッケン(DRAKKEN)――“魔竜” ――ワイバーンの延長にあたる傑作マルチロール機。コスト面でも優れ、新世界連合軍で最も多く普及した。
  • F-202 リザード(LIZARD)――“駆竜” ――NX-8のデータを色濃くフィードバックした白兵戦特化機体。瞬発力に優れる。
  ┗ F-202[Sword] リザード改(SWORD LIZARD)――“剣竜” ――F-202に独自改造を施した白兵戦専用機体。
  ┗ F-202JF リザード/ジョイントフライ(LIZARD/JOINTED-FLYER)――“踊竜” ――F-202から武装を撤廃、瞬発力を活かした編隊曲芸飛行を得意とする軍楽隊支給機。
  • XF-203 フライア(FLYER)――“飛竜” ――継続的な超高速機動のための概念実証機。スーパークルーズ性能を有する。
  ┗ F-203FS ソニックドラゴン(SONIC-DRAGON)――“迅竜” ――上記XF-203の正式採用モデル。事故発生率が高く、失敗作との声も。
  • F-204 ケブレス(KBRETH)――“護竜” ――都市防衛や暴徒鎮圧に用いられる、治安維持用機体。ペーパープランで終わったTD-10の設計図が第七世代戦闘機開発チームに払い下げられ、誕生した。エーテル兵器はエーテルラムのみ搭載。
  • XF-205 カドゥルー(KADRU)――“竜王” ――NASA2研の全面協力のもと開発された超高性能機。第七世代戦闘機にあるまじき生産性度外視の設計で、あくまで試験用機体として8機が製造するに止められた。本機体開発のノウハウをもって、F系の到達点であるXF-300が誕生する。
  • XF-300 ハイドライド(HYDLIDE)――“伝説への挑戦” ――「第七半世代戦闘機」のテストベッド。銀河連邦軍を代表する超高性能機として活躍した。
  • XF-301 ドラグヴァイス(DRAGWEISS)――“幻竜” ――かのNX-7Rをも超える機体を……というコンセプトのもとに少数のみ製造された最終試作機。独立支援ユニット「ドラゴンパピー」を背負い、多次元的な戦闘を可能にした。







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