基本的な物理法則
LBPでも現実世界と同じように運動の3法則(慣性の法則、運動方程式、作用/反作用の法則)が成り立つと考えられます。
その他、特異な点として
- 全ての物体は理想的な剛体(大きさをもち、変形しない)である
- 物体が衝突すると、全く跳ね返らず一体となって運動する
などがあります。
単位の設定
便宜的に、質量と長さの単位を定めます。
物体にイン/アウトムーバーを貼り付けると、設定項目の「今の重さ」にその物体の質量が表示されます。例えばこの表示が1.0のとき、質量は1.0g(グラム)であるとします。
また、大グリッド1マス分の長さを1m(メートル)、厚いレイヤー1枚分の厚さを1m、薄いレイヤー1枚分の厚さを0.2mとします。ムーバーなどの速さの設定項目の単位は m/s(メートル毎秒)になります。
素材のデータ
各素材の密度は下表のようになります。重さではないことに注意してください。オレンジバブルやピンクバブルは質量を持っていますが、浮力を受けるので反重力チェンジャーを使わなくても宙に浮きます。
素材 |
密度[g/m^3] |
ホログラム |
0.00006 |
ダンボール、発泡スチロール |
0.325 |
溶ける素材 |
0.432 |
オレンジバブル、ピンクバブル、スポンジ |
0.65 |
ガラス |
3.25 |
ゴム、木、石材、金属 |
6.5 |
ダークマター、ライトマター |
∞ |
リビッツ |
1 |
また、各素材が接触しているときの静止摩擦係数は以下のとおりです。数値はそれほど正確ではありません。
|
1族 |
2族 |
3族 |
4族 |
1族 |
0.10 |
0.18 |
0.26 |
0.38 |
2族 |
0.18 |
0.36 |
0.56 |
0.85 |
3族 |
0.26 |
0.56 |
0.88 |
1.14 |
4族 |
0.38 |
0.85 |
1.14 |
1.14 |
1族・・・ガラス
2族・・・溶ける素材、ダークマター、ライトマター、
3族・・・木材、石材、金属、スポンジ、ダンボール、発泡スチロール
4族・・・ゴム
ムーバー
素材チェンジャーで摩擦度を0にした物体をムーバーで動かして、その加速度を測定する実験をします。
すると、ほぼ一定の加速度(空気抵抗の影響で徐々に小さくなっていきますが)で動き続け、最高速に達した後は等速度運動を続けることがわかります。また、ムーバーの「加速」設定が同じなら、最高速の設定や物体の素材を変えても(すなわち、質量を変えても)加速度は変わりません。
入力のデジタル信号がオンなら、物体の速さが設定値に収束するように力を加え、オフなら一切作用しません。
物体が設定された最高速より遅く動いていると、加速させる向きに力がはたらきます。その力の大きさは物体の質量と、「加速」設定値の3乗に比例します。よって、生じる加速度は一定であり、
(加速度[m/s^2]) ≒ (「加速」設定値[%])^3 * 1.2 * 10^(-4)
という関係が成り立ちます。
一方、物体が設定された最高速より速く動いていると、減速させる向きに力がはたらきます。このとき、
(加速度[m/s^2]) ≒ (「減速」設定値[%])^3 * 1.2 * 10^(-4)
となります。
これは一次元(直線)の運動の場合の話ですが、2次元(平面)の運動でも、左右方向と上下方向の運動に分解して、その合力を考えればいいわけです。
入力のアナログ信号に比例して最高速が変化します。
入力のアナログ信号に比例して、加える力の大きさが変化します。
※加速するか、減速するかの条件について補足
ややこしさを避けるために「最高速より速く/遅く動いていると」という曖昧な表現にしましたが、これだと少し語弊があります。より正確には下図のようになります。
なお、最高速が0なら常に減速します。
例)「左右速度」10、「加速」30%、「オン/オフ」のムーバーと、「左右速度」10、「加速」40%、「減速」20%、「スピードレベル」のムーバーを1つの物体に付け、後者のムーバーに50%のアナログ信号を入力した場合
最初は速さ10m/sを目指して加速しようとする30%の力と、速さ5m/sを目指して加速しようとする40%の力がはたらき、右向きに加速します。(約11m/s^2)
速さが5m/s以上になると、速さ5m/sを目指して減速しようとする力の方が大きくなるので、安定します。
スーパームーバー
基本的にムーバーと同様ですが、加える力の大きさが最高速に比例して変化します。
加速するときは
(加速度[m/s^2]) ≒ (「最大速度」設定値[%]) * (「加速」設定値[%])^3 * 3.0 * 10^(-5)
減速するときは
(加速度[m/s^2]) ≒ (「最大速度」設定値[%]) * (「減速」設定値[%])^3 * 3.0 * 10^(-5)
となります。
重力
ダークマター、ライトマター、ホログラムを除く全ての物体には鉛直下向き(真下)の力がはたらきます。この力の大きさは物体の質量に比例します。よって、生じる加速度は質量によらず一定で、約11.6m/s^2です。
空気抵抗
物体が運動していると、運動の向きとは逆向きに、その速度に比例する力を受けます。比例定数は物体の形状によって変わります。
ホログラムもこの力を受けているようですが、その影響が非常に小さい(質量が微小なので、本来はムーバーをつけてもほとんど動けない程の影響を受けるはず)ので例外的な処理がされていると考えられます。
反重力チェンジャー
重力を相殺する鉛直上向きの力を加えます。ただし、ダークマター、ライトマター、オレンジバブル、ピンクバブルとホログラムには作用しません。その力の大きさは物体の質量と「反重力」設定値に比例し
(加速度[m/s^2]) ≒ (「反重力」設定値[%]) * 11.6 * 10^(-2)
という関係が成り立ちます。
本来ある空気抵抗に加えて、更に物体を減速させる力を加えます。。その力の大きさは「空気抵抗」設定値の2乗と物体の速度に比例し、比例定数は物体の形状によって変わります。
100%に設定されているときは例外的に、外力の影響を一切受けず常に静止し続けるダークマターのような状態になります。
最終更新:2020年10月12日 15:04