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エルスワールド解説【DC】
解説
マーベルコミックスに「What If!?」(もしも!?)なるシリーズがあるように
DCコミックスではもしもヒーロー達がこうだったら…なシリーズ、「Elseworld」(エルスワールド)を発刊
DCによる公式のElseworldインプリントは、1989年から2003年まで存在。
1989年のゴッサム・バイ・ガスライトから開始。最後の方に予定されていた、「スーパーマン&バットマン:ジェネレーションズIV」、「ティーン・タイタンズ・スウィンギング・エルスワールド・スペシャル」はお流れになった。
その他、インターカンパニークロスオーバーの一部も含まれており、キャプテン・アメリカ&バッキー、デアデビル(ともにマーベル)、ターザン(ダークホース)、プラネタリー(ワイルドストーム)が参戦している。
英数
ア行
エルスワールド・Annual
DCコミックAnnualシリーズ・1994年度
正史世界とはちがう世界、舞台は未来・過去など。if作品・読み切り
例として荒廃したメトロポリスで戦うスーパーボーイ、アメリカ南北戦争を舞台にスーパーマンが?
カ行
キングダム・カム
ご存知、アレックス・ロス&マーク・ウェイド作品。日本語版も出版された。
デイリープラネットの面々がジョーカーに殺されたところから異世界が舞台。
キングダム
上記キングダム・カム続編、ゴッグなる新キャラ誕生
バットマン、ロビンの子供らによる前作『キングダム・カム』後日談
GOG(ゴッグ)なる新キャラクターの登場、マゴッグとは別人?
ラストは正史世界のスーパーマン達との競演、『ハイパータイム』なる現象に遭遇
ゴールデンエイジ
原作脚本:ジェームズ・ロビンソン(スターマンシリーズ)
スーパーマンとバットマンが存在しない点から異世界
ロビンソンいわく「DCヒーローは他にもこんなにいるんだぞ?」
タイトルの通りゴールデンエイジ、特に第二次大戦で活躍したヒーローが取り上げられる
第2次世界大戦後、愛国者アメリコマンドーが改造人間ダイナマンを誕生させる
一方、ひっそり暮らすマンハンターを付け狙う黒い影とは?
意外な秘密と陰謀があきらかに?
サ行
ジャスト・イマジン... (Just Imagine...)
2001年から刊行。エルスワールドのロゴは付いていない。
マーベルコミックスのスタン・リーがアイデアを出して、DCコミックスのキャラクターを再構成。
バットマン:本名ウェイン・ウィリアムス。黒人で優れた運動能力を持ち、財力にものをいわせ、赤外線レンズやケブラースーツなどを装備する。
ワンダーウーマン:本名マリア・メンドーサ。政治活動家で大企業が村の神聖な場所を開発することに反対、インカの太陽神マンコウ・カパックの杖を手に入れ、悪魔的な力を持った大企業のCEOと戦う。
スーパーマン:本名サーデン。怪力と超スピードを有するが、クリプトン警察隊最弱のメンバー。地球に向かった悪人を追ってくるが...
など。
JLA: アクト・オブ・ゴッド(JLA: Act of God)
超能力が突如消失をしたスーパーヒーローのその後を描いた問題作・全3話
スーパーマンがすねて酒を飲み、飲んだくれになる??
原作脚本:デイヴ・ロス(Dave・ross)
JLA: クリエイテッド・イコール(JLA: Created Equal)
世界中に伝染病が蔓延し、スーパーマン(クリプトン人のDNAにより死滅を免れる)とレックス・ルーサー(自分を封印して死滅を免れる)を残して、全ての「男」が死滅。
ティミスキラを新たな世界の首都とする、新しい女の世界が始まる。
バーバラ・ゴードンがカイル・ライナーの指輪を受け継ぎ、新しいグリーンランタンになる。
ロイス・レーンがクリプトン人のDNAを継ぐ男の子、アダムを生む。
15年後、ティミスキラで生まれた男の子などをレックス・ルーサーが操って...
JLA:ザ・ネイル(JLA: The Nail)
釘を踏んだためタイヤがパンクし、クリプトン星からの子どもを取り上げることができなかったケント夫妻。ここからスーパーマンがいない世界が生まれ、全く違う展開に。
タイトルの「ネイル(釘)」は、「釘が不足で蹄鉄が打てず、そのため戦争で国が敗れる」というマザーグースから取っており、小さなことで大きく未来が変わることをいう。
続編「JLA: アナザー・ネイル」が出ている。
JLA:ショーグン・オブ・スティール(JLA: SHOGUN OF STEEL)
中世日本が舞台。
クリプトン星からの子どもを乗せたロケット船が、14世紀の日本に到着。
ホシという青年になったクリプトン人は、超人(フラッシュ、ホークマン、バットガールなどのエルスワールド版)たちを率いて、「ショーグン・オブ・スティール」に叛旗を挙げる。
スーパーマン&バットマン:ワールド・ファネスト(Superman and Batman: World's Funnest)
当然、IF作品・読み切り。2000年度発行
悪戯キャラ、Mrムクイズ&バットマイトが起こすDCユニバースの多次元破壊!?
脚本はスプラッター系ギャグ『チーズ&ミルク』のエヴァン・ドーキン(EVAN・DORKIN)
デイブ・ギボンズ(ウォッチメン)、デヴィッド・マズッケリ(デアデビル:ボーン・アゲイン バットマン:イヤーワン)
フランク・ミラー、アレックス・ロスといった日本でも知られるアーティスト他数名が参加
マニアックなネタ満載
スーパーマン&バットマン:ジェネレーションズ(Superman & Batman: Generations)
脚本・作画:ジョン・バーン
深い歴史を持つDCヒーロー達が実際の事件騒動を体験していく世界
小道具・背景に「旧・孤独の要塞」などといった物から正史世界とはかなり違うジョン・バーン節が炸裂
人気好評につき、第2弾、第3弾も出された。
第1弾目はスーパーマン&バットマンから始まり息子娘のラブロマンス、そしてスーパーマンJrのベトナムでの戦死?
第2弾目はJSAらのメンバー達との交流、さらに第1弾では語られなかったエピソードなど
第3弾目は未来が舞台
第4弾目まで企画されていたが、エルスワールド打ち切りに伴い刊行されず
スーパーマン:レッドサン(Superman: Red Son)
スーパーマンがアメリカではなく冷戦時のソビエト連邦に着陸していたら、というif作品。
スーパーマンがスターリンの後継者としてソビエト連邦の独裁者となる。
そもそもスターリンとは本名ではなく「鋼鉄の男」という意味のペンネームで、それをスーパーマンの異名「鋼鉄の男」と引っ掛けたシリーズ。
脚本:マーク・ミラー
スーパーマン:ワットエバー・ハップンド・トゥ・マン・オブ・トゥモロー?(Superman: Whatever Happened to the Man of Tomorrow?)
アラン・ムーアの手によるスーパーマンの最終回。
2010年、小学館集英社プロダクションから『スーパーマン:ザ・ラスト・エピソード』として翻訳出版された。
スーパーマン:ダークサイド
その名の通りスーパーマンが地球アメリカではなく惑星アポコリプスでダークサイドに拾われたら…なIf作品
スーパーマン:トゥルー・ブリット
スーパーマンが(アメリカではなく)イギリスの片田舎に拾われ、「普通の」退屈な英国人として人目を気にしながら育つ。
後に、イギリスのスーパーヒーローとなるが、タブロイド紙に追われながら活動する羽目に。
Sマークの周りにユニオンジャックが描かれるとか...
「モンティパイソン」で有名なジョン・クリーズ(英国人)と、モンティパイソンを長年にわたり記録しているキム・”ハワード”・ジョンソンの共同執筆
スーパーマン:スピーディング・バレット
カル=エルはウェイン家に拾われたが、義理の両親が強盗に襲われ死亡、スーパーマンのパワーを持ったバットマンになる…というIf作品
スーパーマン・モンスター(The Superman Monster)
スーパーマン演じる、古典ホラー「フランケンシュタインの怪物」??
ビクター・ルーサーが、死んだ子どもを乗せて地上に墜落したロケットを発見、機械により子どもを「蘇生」させるが・・・
バットマン:トゥー・フェイシズ(バットマン版「ジキル博士とハイド氏」)の続編
スーパーマンvsターミネーター(Superman vs. The Terminator: Death to the Future)
全4話・ダークホース社クロスオーバー
映画「ターミネーター」での世界観による、荒廃した未来世界で戦うスーパーマンファミリー
サン オブ スーパーマン(Son of SUPERMAN)
その名の通り『スーパーマンの息子』
近未来、レックス・ルーサーがJLAを支配。そして1人の少年がある日超能力に目覚め父親が何者かを知ることに
アンディ・ヘルファー氏による編集?
スーパ-マン インク(SUPERMAN.INC)
IF作品・スーパーマンがキリスト信者に拾われたら?
苦労の末スーパーパワーでいちやくバスケ選手
さらに『S字マーク』でマーチャンダイジング(特許権利?)で大儲け!
ここで性格が原因で失敗し破産するもの・・・??
これもアンディによる編集、彼曰く「大人の自分が読んでも真剣に考えさせられる作品にしたいんだ」
タ行
タイタンズ:グー・チョキ・パー
ある意味カルトな?人気を誇るアダム・ウォーレンが描くタイタンズ
舞台は未来、宇宙コロニー。警備員達が心機一転してタイタンズを結成
正史世界のヒーローとは赤の他人
いわゆる『タイタンズごっこ』である
タンジェントコミックス(Tangent Comics)
1996年刊行シリーズ?好評で翌年にも続編・新作が出された。
正確にはエルスワールド・インプリントではない
フラッシュ、グリーンランタン、といったキャラクター達が女性。能力も物語もかなり異なる
バットマンは鎧のヴィジランテ、スーパーマンは黒人超能力者!
ちなみにジョーカーも登場、三人組のヒロインである
最近になってタンジェントヒーローが正史世界のスーパーマン達と競演が行われた。
テールズ・オブ・マルチバース:バットマン-ヴァンパイア
三本のバットマンがバンパイアになる作品をまとめて一編にしたもの
バットマン&ドラキュラ:レッドレイン(1991年)
バットマンがドラキュラに挑むが、論理的思考の結果、人間ではドラキュラに勝てないとして自ら吸血鬼になる
バットマン:ブラッドストーム(1994年)
ジョーカー率いる吸血鬼軍団との死闘と、自らの血への飢えと闘うバットマン
猫娘のキャットウーマンも登場
バットマン:クリムゾン・ミスト(1998年)
完全に吸血鬼と化したバットマンは、苦悩するアルフレッドにより再生され、かつての敵に挑む
ナ行
ハ行
バットマン:キャッスル・オブ・ザ・バット (Batman: Castle of the Bat)
メアリー・シェリーのフランケンシュタインがネタ元
狂科学者ブルース・ウエインが、父親を蘇らせバットマンなる怪物を作り上げて、両親を殺した者に復讐を試みる
バットマン:ゴッサム・バイ・ガスライト
ご存知エルスワールドの原点。小学館より出版されていた「バットマン/ヘルボーイ/スターマン」に日本語版が収録されていた。
脚本:ブライアン・オーガスティン、マーク・ウェイド(キングダムカム)
作画:マイク・ミニョーラ(ヘルボーイ)
バットマン:ザ・ダークナイト・リターンズ(Batman: The Dark Knight Returns)
バットマン:ザ・ダークナイト・ストライクス・アゲイン(Batman: The Dark Knight Strikes Again)
通称「DKR」、「DK2」
傑作と名高い、老バットマンの復活を描いた作品及びその続編。
本作におけるバットマンの性格設定は、その後の正史バットマンにもやや反映されていくことになる。
DKRが描かれたのがクライシスの直後で、それまでの歴史をリセットして、新たな歴史を語り直すという作品に当たった。
フランク・ミラーの劇画趣味が出ており、善悪の境を超えてしまうバットマンが描かれた。
脚本・作画:フランク・ミラー
過去に二度、日本語版が出版されている
バットマン:ザ・ダークナイト・マスター・レイス(Batman: The Dark Knight Master Race)
上記、ダークナイトの三部目に当たる作品。
エルスワールド・インプリンティング消滅後の作品(2015年~2017年)
バットマン:イン・ダーケスト・ナイト(Batman: In Darkest Night)
ゴッサムシティ守護者はグリーンランタン!?
もちろん中身はブルース・ウェイン?
「マルチバーシティ」で記述されたアース-32は「ダーケストナイト」の世界で、バットランタンのほか、ブラックアロー(ブラックキャナリー+グリーンアロー)、ワンダーホーク(ワンダーウーマン+ホークガール)、アクアフラッシュ(アクアマン+フラッシュ)、スーパーマーシャン(スーパーマン+マーシャン・マンハンター)などがいる、ジャスティス・タイタンがつくられている。
バットマン:スリルキラー(Batman: Thrillkiller)
作画:ダン・ブレレトン(Dan Brereton)
バットマン・ファットエバー・ハプンドゥ・トゥ・ザ・ケープド・クルセイダー(Batman: Whatever Happened to the Caped Crusader?)
直訳すると『ケープを着た守護者に何が起きたのか?』
脚本:ニール・ゲイマン、バットマンの最終回特集
2010年、翻訳出版される「バットマン:ラストエピソード」の原本
マ行
ヤ行
ラ行
レジェント・オブ・デッド・アース
DCコミックANNALシリーズ・1996年度
正史世界より何百年後、何千年後か未来が舞台、if作品・読み切り
例をあげると『バットマン』『ロビン』宇宙コロニー内でバットマン、あるいはロビンを名乗るヴィジランテが活躍。
『スーパーマン』地球がみなスーパーマンと同じ能力者であふれかえった物語、ビザロを主役にした物語など。
他に古代文明を思わせる世界で『スーパーボーイ』なる人物が誕生・活躍。
リアル・ワールド
DCヒーローを現実世界の中で描く番外編シリーズ
例として『スーパーマン』1950年代、胸にS字マークのタトゥーをつけた監獄のボス。その名はスーパ-マン?
『バットマン』知的障害者の中年男がバットマンのコスプレをして大活躍??
担当編集者:アンディ・ヘルファー
ワ行
参考資料:ファッション雑誌ブルータス499(2002)
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最終更新:2019年09月06日 21:38