糖尿病の制限食は,かなりエネルギーを制限された過酷な修行のようなものだと思われがちですが,決してそのようなことはありません。カロリー計算が面倒だということはありますが,慣れれば大した労力ではありません。「食べ物を減らす」のではなく、「必要以上に取っていた食事の量を、体が求めるだけにとどめる」のが食事療法です。
糖尿病の症状は気づきにくく、血糖値が多少高いくらいではまったく症状のない人がほとんどです。そして、徐々に糖尿病が悪化し血糖値がかなり高くなってくると初めて、のどが渇く、トイレが近くなる、尿の匂いが気になる、できものができやすい、傷が治りにくい、足がつる、だるい、疲れやすい、食べてもやせるといった症状が現れてきます。さらに、血糖値が極めて高い状態では、昏睡(こんすい)に陥ることもあります。
糖尿病は、体の中に糖分が余っているから、尿に大量の糖分が含まれているわけではありません。すい臓から出ているインスリンというホルモンが、食事などで吸収し、血液中に含まれている糖分を筋肉などに取り込むことができないため、血液には糖分が溢れ、他の筋肉や脳などに必要なエネルギーがいかないのです。
発病の初期は自覚症状がないため、病気と気づかずそのまま放置しがちです。そのため、網膜剥離や神経障害などの重大な合併症を招き、日常生活行動 (ADL)や生活の質(QOL)の低下を招きます。一方で、糖尿病は自己管理病ともいわれます。糖尿病と診断されても、血糖値のコントロールができれば普通の健康人と何ら変わりのない生涯を過ごすことができます。
風邪をひいていっただけで袋いっぱいの薬をくれる病院であっても、糖尿病の患者に対しては、食事療法と運動療法をすすめます。逆にいえば、よほど重く、合併症も併発していない限りは、きちんとした食事と運動で直る可能性があるということです。
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