中国の民主化と民族問題を考える勉強会を終えて


 平成22年1月17日、東京・大久保にあります大久保地域センターにて「中国の民主化と民族問題を考える勉強会」が開催されました。簡単ではありますが、勉強会のレポートと雑感を述べさせて頂きます。

 今回の勉強会にご参加頂きましたゲストは下記の皆様です。

陳 破空氏(独立中文筆会)
イリハム マハムティ氏(日本ウイグル協会会長)
三浦 小太郎氏(北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会代表)
王 進忠氏(中国民主団結聨盟副主席、独立中文筆会・獄委会)
永山 英樹氏(台湾研究フォーラム代表)
小林 秀英氏(チベット問題を考える会代表)
オルホノド ダイチン氏(モンゴル自由連盟党幹事長)
安東 幹氏(日本正義人権の会代表)

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 勉強会は、定刻を15分ほど遅れ18時丁度からのスタート。前半は、日本へ来日中の独立中文筆会・陳破空氏の20分程のスピーチと、今回のテーマについてゲストの皆様の意見をお伺いする形を取り、後半は、ゲストからゲストへ、さらに参加者の方からゲストへ質問をぶつけ合うという参加型のフリーディスカッションとなりました。

 今回来日し、勉強会に参加頂いた陳破空氏は冒頭のスピーチの中で、ウイグルや南モンゴル、チベット、そして台湾における問題が、アフリカ諸国をはじめ世界中に飛び火することを警戒。今後、中国が「民主化への道を歩むのか」、それとも「一党独裁体制を維持するのか」という選択は、世界中の国々に影響を及ぼす重大事であると強調されました。

 そのような国際情勢の中で、特に隣人としての日本が、「大中国主義」が生存していく場所にされてしまうと指摘。経済的に、軍事的に、日本が中国に主導権を握られようとされている現状に強い危機感を示されました。しかし、中国国内で民主化を指向する人々と、チベット、ウイグル、南モンゴル、台湾、そして日本の人々が、今後一致結束する事が出来れば、中国の拡大を阻止出来るだけでなく、中国の独裁政権を崩壊に導くことも可能であると主張されました。

 10分の休憩を挟んだ後半のフリーディスカッションでは、参加者やゲストの方から出た以下の質問に陳氏やゲストの皆様が意見を述べる形式となりました。

① 劉暁波氏(著作家、08憲章起草者)への支援の方法について
② 昨年12月以降、成田空港に篭城を続けている馮正虎氏(人権活動家)への支援について
③ 中国における「民主化」と「民族問題」についての陳氏の見解
④ 敵は「中国共産党か?」「中国人か?」
⑤ 陳氏が語中に用いていた「西蔵」の定義についての確認。
⑥ 民族問題を解決するにあたっての「人民解放軍」との対峙の仕方
⑦ 中国民主化後の懸念事項
⑧ 在日中国人や韓国人の方々を「民主化」「民族問題」に取り込んでいくことは可能か?陳氏の見解。三浦小太郎氏の見解。
⑨ 江沢民がアルゼンチンとスペインから訴追されている件、中国での報道は?

 以上が、フリーディスカッションにおける質問事項と議論の対象になったテーマとなります。

 様々なアプローチからのご意見・ご質問が、参加者の皆様やゲストの皆様から飛び出しましたが、時間の関係もあり、それを掘り下げて議論することが出来なかったのは少々残念ではありました。しかし、今回皆様から挙がったご意見は、次回の勉強会の重要な論点となるはずです。

 今回の大きなテーマとなった「民主化」と「民族問題」でありますが、陳氏は「民主化」をあらゆる自由を認めることと定義し、「民族問題」の解決については、まず民族の文化、宗教の信仰、特長を尊重し認める事を定義されました。
 又、陳氏は「人民解放軍」の脅威についても、軍事力の増強と拡大の事実は認識しているものの、腐敗が進んだ「紙で作られた虎」に過ぎず、自分達より弱いものとしか戦うことが出来ないと指摘されていたのも興味深い点でありました。

 時間の関係上、明確な結論は導き出すことは困難でしたが、参加者の方が立場を超えて本音で意見をぶつけ合う事が出来たことは、非常に意味深いものであったと感じます。

 今回の勉強会では、ゲストとして参加していただいた皆様方以外にも、日頃から様々なアプローチでウイグル、チベット、南モンゴル、台湾、そして日本の未来の為に活動されている方々が数多く参加されておりました。スタンスの違いこそありますが、ウイグル・チベット、南モンゴル・台湾、そして日本に真の「平和」と「自由」が確立されることを願い日々活動されており、現状認識や危機意識は、多くの部分で共通していると確信しております。この勉強会は、チベットやウイグルを呑み込み、日本に覇権を拡大させようとしている中国共産党に対しての、強烈な牽制球となるはずです。

 今後も、このような勉強会を通じて、ウイグル、チベット、南モンゴル、台湾、そして日本の未来の為に活動されている方々が意見をぶつけ合い、問題意識を共有し、連帯の輪を広げていくことが出来ればと思います。

最後になりますが、来日中の多忙を縫ってご参加下さいました陳破空氏を始め、ゲストの皆様、誠に有難うございました。そして、日曜日の夜という時間にも関わらずご参加頂きました全ての皆様に感謝申し上げ、レポートと雑感とさせて頂きます。

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陳 破空氏






最終更新:2010年01月19日 19:38