十六聖天外伝 ~今は亡き聖天士の友の話~

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「ヒャッハァ!真ァ~ッ二つウゥ!」 二本の指が閉じた時、巨漢の男は音もなく二つになっていた 更に、その男は閉じた指を再び広げると、男たちを見てニヤリ、と笑った 「はい、チョッキン♪」 その場にいた黒服のたちは、一滴の血も流す事なく、絶命していた 男がした事は、二本の指を開き、閉じただけ それだけであった 「ヒィヤァーッハッハッハッハハァ!紫閃滅鋏断だよぅ!?」 男の名はヴァイオレットキャンサー 概念すら切断すると言われる男。人呼んで、断滅の紫鋏 ◆ さて、君たちは海が好きですか?私は嫌いです 塩水がベタつきますからね。そうそう、海といえば様々な生き物がいますね そう、例えばサメ。サメは何億年も前から基本的な姿が変化していないのですよ いわゆる一つの完成系なのかもしれませんね あぁ?私の名前?申し遅れました。私の名前はヴァーミリオンシャークと申します ええ、貴方達の敵です。以後、よろしく 何故海の話をしかたと言うとですね。私の能力に関係あるのですよ あぁ、失礼。泳げますか?泳げないなら申し訳ない どうしました?先ほどからピクりとも動かれませんが… あぁ、死んでしまいましたか。まだ話の途中だというのに残念です ですが残念ですね。私の能力はこれからが本番なのですが、溺れ死なれては少し退屈です ちなみに私の能力というのはですね ビルの屋上。長身痩?の男の前には四角い海が存在していた その四角い海の中、死して漂う男達の身体が肉の塊に変わっていく 「これが私のヴァーミリオン・オーシャンです。この海は特殊な海でね。何でも食べるんですよ」 ◆ 茶色オックスは命がけであった 彼に任務を託した仲間は、彼を進ませるために、その妨害者となるものと今戦っている 仲間の思いを無駄にしないためにも、彼は走った 既に目的の場所には凄まじい数の人がいる まさかこれほどとは… 茶色オックスの頬に一筋の汗が流れる これは…時間との戦いである以上に自分との戦いだな、と思う 彼の前に立つ人間は順番に消えていく。当然だ。そういうシステムなのだから そして彼の番がきた 「リトルバスターズエクスタシー、6本」 彼は予約券を6枚取り出すと、目的のものを買う 亡き二人の友の分、狂った友の分、そして今、長蛇の列に嫌気がさし 小遣い欲しさに適当なヲタク狩りを始めた二人の友の分、だ 2008年夏 日本は平和だった 十六聖天外伝 ~今は亡き聖天士の友の話~

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