十六聖天外伝 雪月華の章 第十幕

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姉さん。どこまで変わってしまったの それが、目の前で狂気に身をゆだねる姉を見据えた私の感想 優しかった姉は何処にもいない 「姉さん、これが最後です。もうやめて」 「ゴチャゴチャ五月蠅ェ!肉片になって死んじゃいなアァァーッ!」 「姉さん、あなたは愚かよ…」 音の振動波。なるほど、音使いには基礎的なこの技一つ取っても確かに凄まじい かつて「お家始まって以来の天才」と謡われていただけの事はある と、姉の放った振動波を“基礎的な技”すら出来ない、才に恵まれなかった私は評価した だが、その才乏しい私に「お家始まって以来の天才」振動波は決して当たらない 全てが“視える”…音の全てが、目に視える 音を出す事出来ない落ちこぼれの月子。いらない子の月子 音を物に込める“、音が視えるだけ。それだけの月子 機械に出来る程度の事しかできない月子  バッドレコーダー “壊れた録音機”と、昔は家の人間に皮肉られたものだ インビジブルサーチ “視えるだけの目”と、分家筋の人間に馬鹿にされたものだ だけど、それ故に だから、それ故に 「音使いは私には決して勝てない…ッ!」 自分の能力が大した事ないと理解した時、私は決めたのだ 妹の、華の影に徹しようと。そして姉として影から支えてやろう、と あの日、血走った眼で華を見ていた姉の目を見て決めたのだ もしもの時は、私が汚れ役になろうと。私が姉を止めようと その為に私は、自分を磨いた。磨きぬいた。幸い私は能力に恵まれなかった分 身体能力は一族の誰よりも高かった。私は自分の長所も、短所も鍛えぬいた “壊れた録音機”と呼ばれ、さげずまれた力、音を物に込めるだけの力を 音に振動波を込めて爆弾と化すほどに “視えるだけの目”と哄笑されたこの力を無駄にしない為 音を超える身体能力を私は手に入れたのだ 「チッ…忌々しいイィィッッ!」 「“止まれェ”!!」 鼓膜をふさいでも脳に直接訴えかけるサイレントノイズ それすらも…私は視える!そしてその音を超える! 「無駄よ」 「…嘘」 どれだけ姉の音が強かろうが、音が通じなければ、私には勝てない 姉の首筋に簪を当て、私は再度姉に告げる 「もうやめて」 と 十六聖天外伝~雪月華の章~第十幕 序

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