十六聖天外伝 11話くらい

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「能力の無力化に成功。敵の戦闘能力指数1と推定」 「さぁ、夢から覚めましたか。ご安心なさい。貴女には永遠に終わらぬ夢をお見せしましょう」 「死という形をもって」 ルイス・キャロル…否、赤の女王は、掌を足元で項垂れている少女に向ける それはまるで、転んだ娘に手を貸す母親のようにも見えたが その掌には、先ほど獣たちを一掃した破壊の光が宿っていた 「ねぇ、待って…」 足元に転がっている少女が何かを言っている 本来ならば無視してそのまま止めを刺しているであろう“赤の女王”は 何故かこの時、その少女に返事をしていた 「なんでしょう」 「最後の一つだけお願いがあるの」 「助命行為は聞き入れることが出来ませんが」 「ううん、違うの」 「ミラーワールド、貴女が何を企んでいるのですか」 「何も企んでなんかないよ。ただ一度でいいから  …アリスって呼んでください」 その願いは、“赤の女王”には理解不明な物であった そもそも、何故勝てる局面でこのような会話をしているのかも理解出来なかった それでも何故か、“赤の女王”はその言葉を無視できず、そしてそのアリスのささやかな願いを聞き入れていた 「アリス」 「…ありがとう」 「もう構いませんか?排除します」 「うん。もう良いよ。もう平気」 「では、さようならミラーワールド」 止めを刺すべく、閃光を放とうとした“赤の女王”の視界から、アリスの姿が消え失せる 「!?」 そして横合いから衝撃―! “赤の女王”の身体は衝撃をこらえきれず、そのまま壁に激突する 「これでアリスも、決心がついたわ。お母さん。貴女を倒します」 11話くらい

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