ギデオン・トリプルプレイ・グランドスラムとナナエル・リキテンシュタイン2

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ギデオン・トリプルプレイ・グランドスラムとナナエル・リキテンシュタイン2」(2008/10/30 (木) 22:48:05) の最新版変更点

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「ナナちゃんごめんね?デートはお預け」 「誰があなたとデートッ・・・・・・」 言いかけて、ギデオンの銀髪が逆立つ様をナナエルは見た。 「それともWデート?オジサン困っちゃうな」 軽口に余裕がない。空間の色が、温度が、密度が、変わるのを感じた。キャンパスの日常的空気が殺意に塗りつぶされていく。 「・・・・・・場所を変えようぜ・・・・ここでおっぱじめる気かよ」 らしからぬ冷たい言葉が問い掛ける先には見知った顔がいたが、違う。別人だ。この殺意の色は知らない。 「外でスルと、興奮するでしょ?」 見知った口から見知った声色を奏でるが、まるで別人のように響くのは何故か?ナナエルの視線が熱を帯びる。 彼女はワンダーワールド。アリス・ザ・ミラーの虚像・・・・。 瞬転、背景が立体感を無くし、学園のキャンパスを描いた一枚の壁となった。 壁は虚空にに消え、もう一枚別の壁がせり出した、荒野が描かれている。 荒野はみるみる内に隆起し、ギデオン、ナナエル、そして相対するワンダーワールドの三人は大四国のヘソ、 かつてはエアーズロックと呼ばれた世界最大の一枚岩の上に立っていた。 ギデオンの多次元移動能力・・・・・・。学園に被害を及ぼすまいとワンダーワールドのみ飛ばすことも考えた。 が、ブロウ、パイソンを葬った敵の能力を把握していない状況から、姑息な手段はむしろ反撃の危険と考えたギデ オンは、 自ら仕留めんと冷たい決意を固めた。 一対一と考えナナエルを学園に残すつもりであったが、強く結んだ白い手を振りほどけなかったことに、ギデオンは苦い笑いを浮かべた。 「仲間はずれにする気だったでしょう!」 「おいおい・・・・・」 「十六聖天の義務を果たします!!」 もはやどんな顔をして良いかわからないギデオンを差し置いて、ナナエルの視線が閃く。 1千2百億4千万カンデラの瞳が一瞬世界が真っ白に反転した。 視界が開けると、岩盤が一瞬で蒸発し硝子質に変異したエアーズロックは、さながら炎と光に彩られた灼熱ののステージだ。 舞台に降り立つ殺害の天使は平然とたたずみ笑みを浮かべる。 「必死ね・・・・かわいい」 ワンダーワールドの輪郭がぶれ、空中にその姿が溶け出す。 歪んだ鏡面に映った虚像のように縦に引き延ばされた少女の姿は空に舞い上がっていく。 「逃がすかよ、テメェ!」 ワンダーワールドが視界を空に移すと、抜けるような青空に黒い点が見える。次第に大きくなるそれは空を覆い、 影がエアーズロックをすっぽり覆い・・・ 地平線の果てまで届くような重爆音が止むと、エアーズロックの頂上に、全く同じ大きさ、形、色の一枚岩が積まれていた。 ひとつではない、ふたつ、みっつ。 多次元世界を繋ぐギデオンが寄こした、3つの異なる標高差に存在する世界のエアーズロックの落下弾。 余人なら致命の一撃、いや三撃だが、十六聖天に匹敵する相手には足止め程度だろう、とギデオンは歯噛みする。 ギデオンと共に回避したナナエルも、また。 やはり、であった。 荒野にそびえ立つ4つのエアーズロックは山と積まれた山百合の花びらに姿を変え、その花吹雪から凄絶な笑みを浮かべたワンダーワールドが舞い降りた。 「やめとけ、勝てんて」 背後からふいの一言に心臓を鷲掴みにされた二人の後ろに二つの影。 一人は日本刀を携えた次郎。 もう一人は先程まで戦っていたはずの顔と同じ。 「戦うために来たんじゃないんでしょう?」アリス・ザ・ミラーである。 「ふぅん・・・・本当に同じ顔」ワンダーワールドも驚く。 「てめぇ、男が俺の背後に立つんじゃねぇよ!!」 まるでバケツで水を被ったよな汗まみれのギデオンに対し、次郎は涼やかな顔である。 ワンダーワールドの殺気が、彼らをからかうための偽物の殺気であることを次郎は看破していた。 「よかったわーあなたに会えて、お仲間に一人でも接触できればあなたからやってくると思ったの!」 アリスは上目遣いに睨んだまま、答えない 「これで目的は果たしたしー・・・・お兄さん、また遊びましょ」 ワンダーワールドは言うとまた輪郭が歪み、空に溶け込んで消えた。 「勘弁だぜ・・・・」青ざめた顔は幾分か余裕の笑みを取り戻していた。
「ナナちゃんごめんね?デートはお預け」 「誰があなたとデートッ・・・・・・」 言いかけて、ギデオンの銀髪が逆立つ様をナナエルは見た。 「それともWデート?オジサン困っちゃうな」 軽口に余裕がない。空間の色が、温度が、密度が、変わるのを感じた。キャンパスの日常的空気が殺意に塗りつぶされていく。 「・・・・・・場所を変えようぜ・・・・ここでおっぱじめる気かよ」 らしからぬ冷たい言葉が問い掛ける先には見知った顔がいたが、違う。別人だ。この殺意の色は知らない。 「外でスルと、興奮するでしょ?」 見知った口から見知った声色を奏でるが、まるで別人のように響くのは何故か?ナナエルの視線が熱を帯びる。 彼女はワンダーワールド。アリス・ザ・ミラーの虚像・・・・。 瞬転、背景が立体感を無くし、学園のキャンパスを描いた一枚の壁となった。 壁は虚空にに消え、もう一枚別の壁がせり出した、荒野が描かれている。 荒野はみるみる内に隆起し、ギデオン、ナナエル、そして相対するワンダーワールドの三人は大四国のヘソ、 かつてはエアーズロックと呼ばれた世界最大の一枚岩の上に立っていた。 ギデオンの多次元移動能力・・・・・・。学園に被害を及ぼすまいとワンダーワールドのみ飛ばすことも考えた。 が、ブロウ、パイソンを葬った敵の能力を把握していない状況から、姑息な手段はむしろ反撃の危険と考えたギデ オンは、 自ら仕留めんと冷たい決意を固めた。 一対一と考えナナエルを学園に残すつもりであったが、強く結んだ白い手を振りほどけなかったことに、ギデオンは苦い笑いを浮かべた。 「仲間はずれにする気だったでしょう!」 「おいおい・・・・・」 「十六聖天の義務を果たします!!」 もはやどんな顔をして良いかわからないギデオンを差し置いて、ナナエルの視線が閃く。 1千2百億4千万カンデラの瞳が一瞬世界が真っ白に反転した。 視界が開けると、岩盤が一瞬で蒸発し硝子質に変異したエアーズロックは、さながら炎と光に彩られた灼熱ののステージだ。 舞台に降り立つ殺害の天使は平然とたたずみ笑みを浮かべる。 「必死ね・・・・かわいい」 ワンダーワールドの輪郭がぶれ、空中にその姿が溶け出す。 歪んだ鏡面に映った虚像のように縦に引き延ばされた少女の姿は空に舞い上がっていく。 「逃がすかよ、テメェ!」 ワンダーワールドが視界を空に移すと、抜けるような青空に黒い点が見える。次第に大きくなるそれは空を覆い、 影がエアーズロックをすっぽり覆い・・・ 地平線の果てまで届くような重爆音が止むと、エアーズロックの頂上に、全く同じ大きさ、形、色の一枚岩が積まれていた。 ひとつではない、ふたつ、みっつ。 多次元世界を繋ぐギデオンが寄こした、3つの異なる標高差に存在するエアーズロックの落下弾。 余人なら致命の一撃、いや三撃だが、十六聖天に匹敵する相手には足止め程度だろう、とギデオンは歯噛みする。 ギデオンと共に回避したナナエルも、また。 やはり、であった。 荒野にそびえ立つ4つのエアーズロックは山と積まれた山百合の花びらに姿を変え、その花吹雪から凄絶な笑みを浮かべたワンダーワールドが舞い降りた。 「やめとけ、勝てんて」 背後からふいの一言に心臓を鷲掴みにされた二人の後ろに二つの影。 一人は日本刀を携えた次郎。 もう一人は先程まで戦っていたはずの顔と同じ。 「戦うために来たんじゃないんでしょう?」アリス・ザ・ミラーである。 「ふぅん・・・・本当に同じ顔」ワンダーワールドも驚く。 「てめぇ、男が俺の背後に立つんじゃねぇよ!!」 まるでバケツで水を被ったよな汗まみれのギデオンに対し、次郎は涼やかな顔である。 ワンダーワールドの殺気が、彼らをからかうための偽物の殺気であることを次郎は看破していた。 「よかったわーあなたに会えて、お仲間に一人でも接触できればあなたからやってくると思ったの!」 アリスは上目遣いに睨んだまま、答えない 「これで目的は果たしたしー・・・・お兄さん、また遊びましょ」 ワンダーワールドは言うとまた輪郭が歪み、空に溶け込んで消えた。 「勘弁だぜ・・・・」青ざめた顔は幾分か余裕の笑みを取り戻していた。

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