十六聖天外伝 ~ネッシーと湖畔の騎士の 第四章~

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「ママッ!ママァーッ!」 「どうしたジョン。うんこか」 「違うよママ!、運転が激しすぎるよ!この具合の悪さは間違いなく、加速や減速の際、体に加速度が加わって  三半規管が刺激された結果、引き起こされる車酔いだ!抗ヒスタミン薬が欲しいよ!いや、間違いなく必要だ!  嘔吐中枢に伝わる経路を遮断して振動からこの身を守る必要性を感じずにはいられないよ!」 「ピーチクパーチクうるせェー」 「ママァーッ!」 「チッ。雑魚が。もう吐いちまったのかい。父親に似てアレが早ェーなテメェーッ!親の顔が見たいぜッ」 「…ママだよ、親は。間違いなく狂人の類に属するよママは。けど吐いてしまったものは仕方ないよ。  ママ、早急にタオルないし、吐しゃ物を拭いても構わない布や、紙等を要求するよ…」 「そんなものは何処にもありやしないぜ」 「ワァッツ!?こんな格好でネス子に会えってのかい!?無茶だよ!クールじゃないにも程がある!畜生ォーッ!」 「マジくせぇ。ゲロ以下の臭いがプンプンしやがる。きたねーガキだぜ、ジョン」 「畜生…!ゲロはまだしも、ゲロ以下ってなんだよ。まるで僕が元から臭いみたいじゃないか!  けど、そうこうしてるうちにネス湖が見えてきたぜ。なんてこった!凄い人だかりだ!」 「ネッシー見に来てるに違いねーな。マスメディアに踊らされた雑魚共の姿をその眼に焼きつけるんだぜ、ジョン」 「つい最近まで信じてなかったのに、報道された途端にコレだ!人間って汚い!汚いよママ!」 「その通りだぜ。だがお前もその汚い人間だし、さらにゲロで普通にきたねぇ。そこらの奴の何倍もな」 「畜生ォーッ!」 「って、ママ、何でアクセル全開なんだい!?クールじゃないよ!」 「ママッ!このままじゃ群衆に突っ込む!突っ込んでしまうよ!」 「ヘッ 黙って捕まってな!まずはゴミ掃除だッ!」 「クールじゃないよ!よすんだママッ!」 「ジョン!この母に抵抗するつもりなんだぜ?」 「ここは抵抗する所だよママッ!ここで譲ったら僕は僕じゃなくなっちまう!」 「フ…良い目をしておる。ジョン、お前は今この母を超えたのだ…」 「ママッ!ママッ!よそ見しないで!ガードレールに突っ込むよ!湖にダイヴしちまう!ママァーッ!」 「イエス!イエス!」 「畜生ォーッ!」 「ってアレ。ネス湖にダイヴしてないよママ。とってもクールだ」 「チッ。一体何事なんだぜ」 「…!ママ!ネッシーだ!ネッシーがママの狂犬と例えても可笑しくないであろう出来事から  僕を救ってくれたんだ!こいつはクールだよ!」 「フ…。こやつガキのようにはしゃいでおるわ。まだまだガキよの」 (ふぅ。ヒヤヒヤさせおるわぃ。しかし今日はえらく人が多いのぅ。  あの程度の事でここまで集まるとは、人間とは暇な奴らじゃて) クリムゾンブロウ曰く「パイソン、俺のネクタイどこだっけ。ヘレンを迎えにいかなくっちゃ」 ブラックパイソン曰く「はい。準備できた?出来たなら行くよ。紳士的に行くよ」 十六聖天外伝~ネッシーと湖畔の騎士の 第四章~

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