十六聖天のクリスマス4-2

「十六聖天のクリスマス4-2」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

十六聖天のクリスマス4-2」(2008/10/26 (日) 21:09:02) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

デスメタル 「………」 時計の音が聞こえる。 この部屋の中には誰も居ない。 今、上の階からは騒々しい談笑と暖かな空間が存在している。 だと言うのに、私はここで皆が帰るのをただ待ち続ける。 仕方ない。私は十六聖天の中でも嫌われ者。 死者を弄び魂を冒涜する外法使い……それが私。 デスメタル 「…………」 少しだけうらやましいと思い、すぐにその考えをかき消す。 私にはあの輪の中に入る資格は無い。 けれど…… デスメタル 「ん……」 先ほどのホテルでの件を思い出して、私の顔は熱くなる。 アリスはどうして私にあんなことをしたのだろう…… アルハザード 「考え事かい?マスター?」 私の臣下の一人が話しかける。 彼は以前は吸血皇とも呼ばれていたらしいが興味が無いので深くは聞いていない。 臣下とはいえ彼の能力は私を遥かに上回る。 立場としてはただの知り合い、と言ったところだろうか。 デスメタル 「………」 アルハザード 「つれないねぇ……たまには臣下の話を聞いてくれてもいいじゃないか」 デスメタル 「………うるさい」 アルハザード 「ご、ご、ごめん」 吸血皇は部屋の隅まで滑るように移動すると皿を並べては積み上げる作業に戻った。 ちょっと可愛そうだったかなとも思ったけれど、彼の癖のようなものなのでそんな考えはすぐに消えた。 アナスタシア 「クスクス……あまり無下に扱っては可愛そうよ。」 また一人、お喋りな友人が現われた。 彼女はソロ・アナスタシアという昔の王様。 女の子なのに王様っていうのはどうなの?と思ったけれど、昔はそういう風習があったんだろうと思って黙ってる。 彼女の指に輝くリングを巡ってたくさんの戦争があったと彼女は言う。 今はリングが彼女の魂と定着してしまってその力を完全に制御できるようになったというけど彼女がその指輪の力を使っているところを私は見たことが無い。 でも本人がすごい力だと言うのだからきっとすごいんだろう。 デスメタル 「…………なに?」 アナスタシア 「別にー」 へヴィ・メタルの肩に座ってこちらを見ながらニコニコと笑う。 その姿は本当に幼い少女そのもので、かつて戦いに明け暮れた王とは思えない。 デスメタル 「………」 仮面を身につけ、ただ静かに時を過ごす。 金色の魔眼を隠すため。 そしていつかこの力を完全に制御し、皆を守る。 何も無い私にとって、それだけが今の生きる目的。 アリッサ 「戻りました。」 もう一人、少し前までは敵であった少女が姿を現す。 一位のトム・ライスに跡形も無く消し飛ばされた組織の少女。 名前をアリッサ。 消滅した彼女を私は密かに復元した。 彼女もまた、私と同じ。 たまたまうまくいった試作品にすぎない、戦うための組織の犠牲者。 十大聖天六位として存在してきた彼女の潜在的な力はすさまじかった。 魂さえもある程度修復すると足りない「カケラ」を自ら生成し修復した。 もっとも肉体まで復元することは出来ず、魂を肉の器に入れているだけなので私が気を抜くと体から抜けてしまう。 この力ももう少し鍛えなければいけない…と、私は思う。 デスメタル 「………どう?」 私は誰かに上の様子を見てきて欲しいと頼んだ。 ……あれから私もアリスのことが気になって仕方が無い。 アリッサ 「全員もう帰るようです。」 デスメタル 「…そう……ありがとう」 直後、爆発音が響き渡る。 色とりどりの炎の連鎖が冬の夜空を彩るのが見えた。 一瞬、夕刻のように明るくなった窓の外を見て私は目を細める。 いつか私も誰かと一緒にこんな花火を見ることが出来るだろうか…… アルハザード 「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!ひ、光が!!光がぁぁぁぁ!!!」 アナスタシア 「落ち着いて!あれは日光じゃないでしょ!」 アルハザード 「む、そうだった。いやー年を取ると気が先走って困るね。」 笑うアルハザードとそれをなだめるアナスタシア どっちが年上だか分からない…… アリッサ 「綺麗ですねー」 私の隣には共に夜空を見上げるアリッサ。 赤いマントが漆黒の闇の中に映えていた。 デスメタル 「………何……この……何?」 私はこの騒々しい空間に悪態をつきながら、それでもこんな時を過ごすのも悪く無いと思った。 アナスタシア 「綺麗なものね……私の時代にはこんなモノは無かったから……ちょっと嬉しいかな」 やがて花火が終わると、騒々しい話し声が聞こえなくなり静寂が訪れる。 2階へと上っていくアリスのものだろう足音が少しの間聞こえていたが、それもやがて消えた。 アルハザード 「ふむぅ、で、どうするのだね?マスター?」 何が?と言いかけて私はやめた。 先ほどから皆私がアリスの部屋に行くのを躊躇っていることを知っているからだ。 アナスタシア 「皆あなたの友達なんでしょう?どうして会いに行くのを躊躇うの?」 アナスタシアの疑問も分からなくもない。 彼らは皆十六聖天の仲間たち。 中には違う人も居たようだけれど…… デスメタル 「貴方だって……エクスカリバーには会わなくていいの?」 遠い昔、アナスタシアとエクスカリバーは一緒に過ごしていた時期があると聞いた。 彼女たちは今でもお互いを友人だと思っている、とも。 アナスタシア 「あら、私たちはまだ会うわけに行かないわ。私の所在が誰かに知られるとなると……奴ら、黙って無いからね。」 デスメタル 「………ふーん」 そんなことよりおなかがすいた、と私は思った。 鮭がたっぷり乗ったお茶漬けでも食べたいな……と デスメタル 「おなかすいた」 アルハザード 「おお、では今度私と一緒に流行のスイーツでもどうかね?」 アリッサ 「マ、マスター!よ、良ければ今度、その、私と……パ、パフェでも一緒に」 デスメタル 「………面倒」 アリッサ 「しょぼーん」 自分で音を声に出すのもこれいかに。 どうやら私の周りにはある程度はおかしな人が集まっているようだ。 どちらにしても、アリスの部屋にはきっと今は誰も居ない。 明日になったら、この決心も揺らいでしまうかもしれないし、行くなら今…… アナスタシア 「行くの?」 デスメタル 「………うん」 一言だけ残して私は扉をくぐる。 友人に会うために…… デスメタル 「へヴィ・メタル……しばらく、よろしくね。」 扉を閉める直前、小さく声をかけた。 ヘヴィ・メタル 「イッテラッシャイ……デスメタル」 そんな声が聞こえた気がした。 ;------------------------------------------------ アリッサ 「はぁー」 アナスタシア 「どうしたの?」 アリッサ 「いえ、何でも……」 アルハザード 「んん?何でもないこと無いのではないと言わざるを得ないわけでも無いのではないかね?」 アリッサ 「は……?」 アナスタシア 「要するに、何か考え事かしら?と」 アリッサ 「はぁ……いえ、マスターを疑うわけじゃないけれど、私達ってそんなに頼りになりませんか?」 アナスタシア 「ああ……そんなことは無いと思うわ。」 アリッサ 「そう…ですか?元十大聖天で敵だったから…とかそんなことは……」 アルハザード 「関係ないよ。マスターも元はとある組織にいたことだし、むしろ親近感を持っているように思う」 アリッサ 「マスター……」 ;--------------------------------------------------------- デスメタル 「………」 暗い階段をそろそろと上る。 ローブの裾を踏んで転んでしまわないように注意しながら、それでも足音を立てないようにこそこそと。 ヘヴィ・メタル 「イッテラッシャイ……デスメタル」 ヘヴィ・メタルの声が思い出される。 あれが私に声をかけるなど、ここ数ヶ月の間記憶に無い。 デスメタル……私の名前。 ……そう、私の名前はデスメタル。 命を刈り取り、魂を弄び、使役し、そして再び命を刈り取る。 死者を冒涜し、命を汚す鋼鉄の死神。 それが私の名前。 こんな私を愛してくれる者など、きっと居ないに違いない。 そう、少し前まで本当に私はそう思っていた。 でも知ってしまった。 友達の暖かさを、愛しい人のぬくもりを。 デスメタル 「………全部終わったら…きっと……」 そう、全てが終わったら。 十大聖天も、クリフォトの十大悪も、暗黒躁魔17人衆も…… 私達の様な聖天が必要じゃない、平和な時代が来たら…… その時は私も普通の女の子に戻ってアリスやジロウと一緒に…… デスメタル 「………」 やめよう。今はまだその時じゃない。 終わった後の事は終わったときに考えればすむ。 気が付いたらアリスの部屋の前で立ち尽くしている私。 考え事をしている間に部屋の前まで来てしまっていた。 無意識のうちにアリスの部屋の呼び鈴を押すことを躊躇している自分が居る。 こんなに遅い時間だから?それとも、夕刻にあんなことがあったから? デスメタル 「…………わから……ない」 指先が震える。力が入らない。 どうして?友達に会うって、こんなに苦しいの…? 震える指に力を入れて、どうにか呼び鈴を押す。 小さな音が部屋の中から聞こえて来た。 デスメタル 「運命……?」 世界的に有名なベートーヴェン作曲、交響曲第5番ハ短調作品67 その冒頭部の特徴的な音が部屋の中から聞こえてきた。 デスメタル 「………なんで?」 私の部屋は普通なのに…… やはり私の周りにはある種の変人が集まっているようだ。 しばらくすると、黒いドレスに身を包んだアリスが息を切らしながら出てきた。 やっぱりちょっと迷惑だったかな?と思う。 アリス 「あ……いらっしゃい。」 笑顔で出迎えてくれるアリスに、私は胸があったかくなる気持ちだった。 私は小さな紙を差し出して、アリスに読んでもらう。 デスメタル (もう皆居ない?) アリス 「あ、うん……さっき帰ったところ。入って……美味しいコーヒーもらったの。」 微笑みと共に部屋に入るように促すアリス。 その綺麗なブロンドの髪が暗闇の中に浮かぶようだった。 私は仮面と一緒に変声機も取り払う。 素顔を晒して話すのはヘヴィ・メタルとアリス、それに、二人っきりになれたときのジロウくらいなものだ。 デスメタル 「お邪魔します……」 緊張のあまり、自分の声が震えてしまう。 それを悟られてしまわないか、私は不安でいっぱいだった。 アリス 「はい、どうぞ。あと、バーバラさんが持って来てくれたアップルパイも。」 デスメタル 「いただきます……」 コーヒーを一口飲む。 ミルクと砂糖が用意されたが、私はブラックのままだ。 デスメタル 「熱い……」 いきなり口をつけたのでちょっと驚いた。 アリスのほうを見るとミルクを二つと、砂糖のスティック(大)を3本入れていた。 ちょっと甘すぎるんじゃないかな……と思ったけどあえて口に出すことは無かった。 アリス 「ふぅ……あの、えーっと、そうだ、来てくれてありがとう。」 ちょっとたどたどしいアリスの態度に私はちょっと落ち込んでしまう。 やっぱりこんな夜遅くに来てしまうのは迷惑だったようだ。 デスメタル 「あの……ごめんなさい。」 アリス 「え!?ちょ、待って。な、何が……?」 頭を下げて謝る私にアリスはちょっと困惑気味。 やっぱり私と一緒に過ごす時間なんて嫌なものだったに違いないんだ…… デスメタル 「こんな夜遅くに……迷惑だったかな……って」 アリス 「あ、そ、そのこと。いいの、気にしなくても……私もちょっと……誰か話し相手が欲しかったんだ……」 デスメタル 「でも……アリスちゃん、何だかよそよそしいから……ホテルであんなことがあったし嫌われたかな……って」 思い出したらまたちょっと恥ずかしくなってきた。 それに、今まで考えないようにしてたけど一度意識しちゃうと体が疼く…… アリス 「あ、その……わ、私のほうこそ……ごめんなさい。デスメタルがあんまり可愛いから……」 デスメタル 「可愛い……?」 私が……?予想もしない一言に私の心が大きくざわめく。 今までそんなことを言われたことは一度も無い。 否定的な言葉は今までに何度も言われてきた。 だけど、そんなことを言ってくれたのはアリスだけだった。 デスメタル 「あ……ありがとう……」 どうしよう。アリスの顔をまともに見られない。 恥ずかしいって言うか、何て言うか…… アリス 「うふふ、正直、あの後も大変だったわ……デスメタルだから言うけど……」 デスメタル 「ん……ジロウ逃げちゃった。」 アリス 「あはは、確かに、次郎さんも酷いよね。でも、何ていうか……やっぱりあんなことがあると体が疼いちゃうっていうか……」 デスメタル 「うん……今も何だか、体がむずむずして変……」 アリス 「!?」 デスメタル 「ど、どうしたの……?」 アリスはちょっと驚いたような顔をして、それから顔を赤くしてぼそぼそと呟いた。 アリス 「あぁ、うん、そう……私が責任取らないと……ダメ……かな……やっぱり」 デスメタル 「………?」 何だか一人でブツブツと言っているアリスを尻目に、私はコーヒーとアップルパイを平らげた。 考えてみればこんな遅くに食べたら太っちゃうかな? あと、ちゃんと歯を磨かないと虫歯になっちゃう。 デスメタル 「それじゃ……そろそろ帰る……ね」 あまり長居しても迷惑だろうし、私は早々に引き上げることにした。 それを思いがけない一言が制止する。 アリス 「ま、待って!……あの、もうこんな時間だし、一緒に寝ようか……?」 私の耳がおかしくなったのだろうか? 何だかアリスがとんでもない事を言っているような気がした。 いつも一人で眠っている私にとって、それは正直興味深い申し出ではある。 でもそんなことより、アリスに甘えてしまって嫌われるのが怖かった。 アリス 「そ、それにほら!さっき体が疼くって言ってたし、私が治してあげようかなって……」 デスメタル 「治せる……の?」 アリス 「う、うん……むしろ、私のせいかもしれないから……」 デスメタル 「そんなこと……ちょっと病気になっちゃっただけだから……」 アリス 「うー…実際病気じゃないんだけど……とにかく!一緒に寝ましょ!」 デスメタル 「う?うん……」 迫力に押されて了承してしまう。 押しに弱くていつも押し切られてしまうのは昔からだった。 アリス 「よかった!じゃあすぐ準備するから!」 アリスははしゃぎながら部屋の奥に消えていった。 随分と嬉しそうにしてくれて私も嬉しい気持ちになった。 デスメタル 「………まあ、いっか」 これがクリムゾンブロウとかブラックパイソンだったら殴り殺しても帰るところだった。 アリスだったら安心だし、いいかな…… アリス 「おまたせ!」 見ると寝室のベッドに可愛い布団が敷かれていた。 さすがにアリスの寝室だけあって、大きくて広い。 デスメタル 「あ、あの……ベッド、一つ?」 アリス 「ん?うん。大丈夫。私たちなら3人いてもスペースが余るわ。」 そういう問題じゃないような気がするんだけど…… まあ、いいか……な…… アリス 「それじゃ、私はこっちね。デスメタルはそっち側」 デスメタル 「う、うん」 その前に服を脱がないと…… ローブで寝るのは苦しいし、しわになったら後からバカにされる気がする…… ベッドに座っていそいそと服を脱ぐ私。 そういえば着替えのことを全く考えていなかったことに気が付く。 けど、まあいいか…… 暖かい布団に包まれていたら、きっと気にならないだろう。 アリス 「あっ!着替えならそっちにあるから……って、ローブの中身って服着てないの……?」 おかしかっただろうか……? そりゃ、私だって女の子だし、出来ればブラジャーくらいは着けたいと思う。 でも、私はそんなに胸が大きいわけじゃないし、正直必要ない。 一応パンツははいてるし、このローブは結構暖かいから問題ないと思うんだけど。 アリス 「ごめんなさい。服も買えないだなんて……私全然気が付かなくて……」 ほとんど裸の私をアリスは優しく抱きしめてくれる。 暖かくて、優しくて、お姉ちゃんみたいだな……と思った。 デスメタル 「アリスちゃん……もしかして、泣いてるの?」 別に買えない訳じゃないんだけど……でも言うタイミングを逃してしまってちょっと困った。 それよりも私の為に涙を流してくれたことが嬉しくて、私もちょっと泣きそうになった。 そのままアリスに押し倒されるような形でベッドに倒れこむ私。 アリスの顔が目の前にあって、私は不安と、それと何か分からない何かを期待してしまってドキドキした。 アリス 「私……ごめんなさい。次郎さんの次に…ううん、次郎さんと同じくらいあなたが好き。」 突然のアリスの告白に私は戸惑う。 私もジロウのことは好きだ。でも、アリスのことも気になっていることもまた事実だった。 デスメタル 「う……うん、私もジロウと同じくらい……アリスちゃんのこと、好きだよ……」 目の前のアリスの顔がもっと近づいて、とうとう唇に触れた。 もう日が変わってしまったので、昨日と今日でもう何度アリスとキスしただろう…? デスメタル 「んぅ……ちゅ……アリス……」 アリス 「ん……んふぅ……はぁ……はぁ……」 アリスの唾液が私の口元にたれてくる。 私はそれを舌先でぺろりと舐めとると、緊張に震えた声で言う。 デスメタル 「あ、あの……私ばっかりじゃなくて……アリスも……」 先ほどから私だけが裸になって、アリスはずっと服を着たまま。 それが何だか恥ずかしくて、と言うより何だかアリスの体も見たくなって、服を脱ぐように頼んでみた。 アリスは小さくうなずくと黒いドレスを脱いでいった。 私はその優雅なしぐさと衣擦れの音にドキドキしながらも目を奪われていた。 黒いドレスの下には透き通るような白い肌。 その美しい髪と瞳の輝きは時を忘れさせるに十分だった。 アリス 「あ、あの、女の子同士でもやっぱり恥ずかしいね……」 デスメタル 「う、うん……でもアリスならいいよ……恥ずかしいけど、何だか嬉しいよ……」 今度は私から、アリスの唇にキスをする。 教わった挨拶のキスじゃなくて、唇を重ね合わせるオトナのキス。 するとすぐにアリスの舌が私の口の中に入ってきた。 負けないように、私もアリスの口の中に舌を入れていくと、すぐにお互いの口の周りが唾液でべちゃべちゃになった。 アリス 「ふぁ……ん……ちゅ……れろ……はぁ……」 デスメタル 「んふぅ……んぅ……ちゅ……」 舌を絡めているうちに、何だか頭がぽーっとしてきて、何も考えられなくなる。 いつの間にか、自分の股間が湿ってきているのに気が付いて、私は気が付かないうちにおしっこを漏らしてしまったのだと思った。 デスメタル 「ちゅ…ふ……アリス……ご、ごめん……」 アリス 「ん……ふぅ……え?」 私はアリスの顔を見ないように、パンツを指差して顔を覆った。 正直泣きたい。でも涙は出なかった。 アリス 「あ……なんだ……私だけじゃなかったんだ……」 デスメタル 「……え?」 アリス 「私も一緒……デスメタルとキスしてたら、こんなになっちゃった……」 暗くてよく見えなかったけど、触ってみたら確かに、アリスも濡れていた。 私はちょっと安心して、ため息をついた。 デスメタル 「良かった…」 アリス 「うん、だから気にしなくてもいいんだよ。」 デスメタル 「うん……続き……して?」 私はベッドに横になって、アリスを待つ。 月明かりが差し込んで、アリスの髪を輝かせるとその美しさに唾を飲んだ。 アリス 「うん……」 私の胸をアリスが触る。 忍さんや花ちゃんのように大きくないけど、アリスに触ってもらっていると何だか気持ちよくなってくる。 アリスの舌先が乳房から乳首の先に移動する。 先端のちょっとだけぷっくりした部分を舐められるとゾクゾクとした感覚が背筋を走り抜けた。 デスメタル 「ぅぅ……アリス……アリス……」 アリス 「気持ちいい?」 デスメタル 「はぁ……はぁ……分かんない…けど、何だかちょっと……怖い。」 怖い。 それが私の正直な感想。 アリスと一緒に居ると幸せな気分になるのは本当だけれど、今までに経験したことないことが次々に起こって怖かった。 アリス 「大丈夫。私もちょっと怖いけど……デスメタルのことが好きだから平気だよ。」 デスメタル 「う、うん……私も……アリスのこと好き」 アリスは少しだけ微笑むと私の下着の中に手を入れてきた。 私はちょっとだけ震えそうになったけれど、アリスのことを信じて我慢した。 アリスの指先が私の股間のワレメをなぞるとそれだけでえもいわれぬ快感が走り抜けた。 あまりの気持ちよさに私は一瞬意識が持っていかれそうだった。 アリス 「デスメタル?大丈夫?」 デスメタル 「はぁ……はぁ……ちょっと気持ちよすぎて……びっくりした。」 アリス 「あ、今ので軽くイっちゃった?私も実はちょっときついかなーって……」 デスメタル 「……?」 アリス 「私も気持ちよくして……」 目の前で下着を脱ぎ去るアリス。 それに習って私も脱ごうとして、パンツの紐が足に引っかかって中々脱げなかった。 仕方が無いからアリスに手伝ってもらってようやく脱ぎ去ることが出来た。 デスメタル 「気持ちよくって言われても……よく分からない……」 正直私はやってもらってばかりで、自分からしたことが無かった。 だからそう言われてもどうしていいか分からなくて困った。 アリス 「ん……と……さっき、触られて一番気持ちよかったところを私とこすり合わせればいい…かな。」 デスメタル 「……やってみる」 私は私の股間の小さなワレメの上のところにある小さな突起をアリスの股間に近づけて行く。 よく見ると、アリスにも同じようなところがあって、僅かに存在を主張していた。 デスメタル 「が、頑張る…ね…」 その突起と、私の突起をこすり合わせるように、腰を前後に動かす。 そのままだと疲れるから、アリスの上に寝そべるような形で動き続けた。 アリス 「はぁん!あ、いいよ。そんな感じ……」 デスメタル 「うぅ、な、何これ……はぁ……何かきちゃいそう……」 アリス 「うん……大丈夫。私も同じだから。気持ちいいの同じだから!」 感情が高ぶる。 経験したことの無い感情があふれ出して止まらない。 デスメタル 「ああん!はぁ!いぃ!」 声が出ちゃう。 今までさらけ出したことの無い自分が出てしまうようでたまらなく恥ずかしい。 アリス 「はぁ……いいよ!気持ちいい!」 アリスも何だかすごくエッチな表情で私に合わせて動いてくれる。 私もどんどん動きが早くなっていくのが自分でも分かる。 デスメタル 「アリス……怖いよぉ……アリス……ぎゅってして……」 弱音を吐いてしまった。 そんな私をアリスは快感に震えながらもしっかりと抱きしめてくれる。 人との触れ合いが、友達との行為のはずなのにこんなに怖いとは思わなかった。 でも、怖いけれどどこか暖かくて、何だか幸せな恐怖だった。 デスメタル 「はぁ……!はぁ……!怖い!アリス……イっちゃう!私イっちゃうよぉ!」 アリス 「はぁ……!いいよ!あぁ!私ももう……!」 デスメタル 「あぁん!い、ひぃ!ひあああああああああああん!!」 アリス 「あぁ!ん、あぁぁぁぁぁ!!!!!」 腕が震えて足に力が入る。 背が無意識に伸びて、一際大きな快感の波がやってきた。 アリスも私もぐったりとして、快感の余韻に浸っている。 しばらくの間、私は動けそうも無かった。 デスメタル 「あ……はぁ……何だか…」 アリス 「はぁ……はぁ……私もちょっと……疲れちゃった……」 ぐったりとした私にアリスは優しく布団をかけてくれて、そしてもう一度優しく抱きしめてくれた。 そのまま意識が眠りの中に落ちてしまいそう。 アリス 「このまま眠ってしまいそう……おやすみなさい……」 デスメタル 「オヤスミ……おねぇちゃん……」 アリスの息を呑むような、小さな声が聞こえた気がしたけれど私の意識は既に闇に溶けてしまっていた。
カチ、カチ、カチ デスメタル 「………」 時計の音が聞こえる。 この部屋の中には誰も居ない。 今、上の階からは騒々しい談笑と暖かな空間が存在している。 だと言うのに、私はここで皆が帰るのをただ待ち続ける。 仕方ない。私は十六聖天の中でも嫌われ者。 死者を弄び魂を冒涜する外法使い……それが私。 デスメタル 「…………」 少しだけうらやましいと思い、すぐにその考えをかき消す。 私にはあの輪の中に入る資格は無い。 けれど…… デスメタル 「ん……」 先ほどのホテルでの件を思い出して、私の顔は熱くなる。 アリスはどうして私にあんなことをしたのだろう…… アルハザード 「考え事かい?マスター?」 私の臣下の一人が話しかける。 彼は以前は吸血皇とも呼ばれていたらしいが興味が無いので深くは聞いていない。 臣下とはいえ彼の能力は私を遥かに上回る。 立場としてはただの知り合い、と言ったところだろうか。 デスメタル 「………」 アルハザード 「つれないねぇ……たまには臣下の話を聞いてくれてもいいじゃないか」 デスメタル 「………うるさい」 アルハザード 「ご、ご、ごめん」 吸血皇は部屋の隅まで滑るように移動すると皿を並べては積み上げる作業に戻った。 ちょっと可愛そうだったかなとも思ったけれど、彼の癖のようなものなのでそんな考えはすぐに消えた。 アナスタシア 「クスクス……あまり無下に扱っては可愛そうよ。」 また一人、お喋りな友人が現われた。 彼女はソロ・アナスタシアという昔の王様。 女の子なのに王様っていうのはどうなの?と思ったけれど、昔はそういう風習があったんだろうと思って黙ってる。 彼女の指に輝くリングを巡ってたくさんの戦争があったと彼女は言う。 今はリングが彼女の魂と定着してしまってその力を完全に制御できるようになったというけど彼女がその指輪の力を使っているところを私は見たことが無い。 でも本人がすごい力だと言うのだからきっとすごいんだろう。 デスメタル 「…………なに?」 アナスタシア 「別にー」 へヴィ・メタルの肩に座ってこちらを見ながらニコニコと笑う。 その姿は本当に幼い少女そのもので、かつて戦いに明け暮れた王とは思えない。 デスメタル 「………」 仮面を身につけ、ただ静かに時を過ごす。 金色の魔眼を隠すため。 そしていつかこの力を完全に制御し、皆を守る。 何も無い私にとって、それだけが今の生きる目的。 アリッサ 「戻りました。」 もう一人、少し前までは敵であった少女が姿を現す。 一位のトム・ライスに跡形も無く消し飛ばされた組織の少女。 名前をアリッサ。 消滅した彼女を私は密かに復元した。 彼女もまた、私と同じ。 たまたまうまくいった試作品にすぎない、戦うための組織の犠牲者。 十大聖天六位として存在してきた彼女の潜在的な力はすさまじかった。 魂さえもある程度修復すると足りない「カケラ」を自ら生成し修復した。 もっとも肉体まで復元することは出来ず、魂を肉の器に入れているだけなので私が気を抜くと体から抜けてしまう。 この力ももう少し鍛えなければいけない…と、私は思う。 デスメタル 「………どう?」 私は誰かに上の様子を見てきて欲しいと頼んだ。 ……あれから私もアリスのことが気になって仕方が無い。 アリッサ 「全員もう帰るようです。」 デスメタル 「…そう……ありがとう」 直後、爆発音が響き渡る。 色とりどりの炎の連鎖が冬の夜空を彩るのが見えた。 一瞬、夕刻のように明るくなった窓の外を見て私は目を細める。 いつか私も誰かと一緒にこんな花火を見ることが出来るだろうか…… アルハザード 「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!ひ、光が!!光がぁぁぁぁ!!!」 アナスタシア 「落ち着いて!あれは日光じゃないでしょ!」 アルハザード 「む、そうだった。いやー年を取ると気が先走って困るね。」 笑うアルハザードとそれをなだめるアナスタシア どっちが年上だか分からない…… アリッサ 「綺麗ですねー」 私の隣には共に夜空を見上げるアリッサ。 赤いマントが漆黒の闇の中に映えていた。 デスメタル 「………何……この……何?」 私はこの騒々しい空間に悪態をつきながら、それでもこんな時を過ごすのも悪く無いと思った。 アナスタシア 「綺麗なものね……私の時代にはこんなモノは無かったから……ちょっと嬉しいかな」 やがて花火が終わると、騒々しい話し声が聞こえなくなり静寂が訪れる。 2階へと上っていくアリスのものだろう足音が少しの間聞こえていたが、それもやがて消えた。 アルハザード 「ふむぅ、で、どうするのだね?マスター?」 何が?と言いかけて私はやめた。 先ほどから皆私がアリスの部屋に行くのを躊躇っていることを知っているからだ。 アナスタシア 「皆あなたの友達なんでしょう?どうして会いに行くのを躊躇うの?」 アナスタシアの疑問も分からなくもない。 彼らは皆十六聖天の仲間たち。 中には違う人も居たようだけれど…… デスメタル 「貴方だって……エクスカリバーには会わなくていいの?」 遠い昔、アナスタシアとエクスカリバーは一緒に過ごしていた時期があると聞いた。 彼女たちは今でもお互いを友人だと思っている、とも。 アナスタシア 「あら、私たちはまだ会うわけに行かないわ。私の所在が誰かに知られるとなると……奴ら、黙って無いからね。」 デスメタル 「………ふーん」 そんなことよりおなかがすいた、と私は思った。 鮭がたっぷり乗ったお茶漬けでも食べたいな……と デスメタル 「おなかすいた」 アルハザード 「おお、では今度私と一緒に流行のスイーツでもどうかね?」 アリッサ 「マ、マスター!よ、良ければ今度、その、私と……パ、パフェでも一緒に」 デスメタル 「………面倒」 アリッサ 「しょぼーん」 自分で音を声に出すのもこれいかに。 どうやら私の周りにはある程度はおかしな人が集まっているようだ。 どちらにしても、アリスの部屋にはきっと今は誰も居ない。 明日になったら、この決心も揺らいでしまうかもしれないし、行くなら今…… アナスタシア 「行くの?」 デスメタル 「………うん」 一言だけ残して私は扉をくぐる。 友人に会うために…… デスメタル 「へヴィ・メタル……しばらく、よろしくね。」 扉を閉める直前、小さく声をかけた。 ヘヴィ・メタル 「イッテラッシャイ……デスメタル」 そんな声が聞こえた気がした。 ;------------------------------------------------ アリッサ 「はぁー」 アナスタシア 「どうしたの?」 アリッサ 「いえ、何でも……」 アルハザード 「んん?何でもないこと無いのではないと言わざるを得ないわけでも無いのではないかね?」 アリッサ 「は……?」 アナスタシア 「要するに、何か考え事かしら?と」 アリッサ 「はぁ……いえ、マスターを疑うわけじゃないけれど、私達ってそんなに頼りになりませんか?」 アナスタシア 「ああ……そんなことは無いと思うわ。」 アリッサ 「そう…ですか?元十大聖天で敵だったから…とかそんなことは……」 アルハザード 「関係ないよ。マスターも元はとある組織にいたことだし、むしろ親近感を持っているように思う」 アリッサ 「マスター……」 ;--------------------------------------------------------- デスメタル 「………」 暗い階段をそろそろと上る。 ローブの裾を踏んで転んでしまわないように注意しながら、それでも足音を立てないようにこそこそと。 ヘヴィ・メタル 「イッテラッシャイ……デスメタル」 ヘヴィ・メタルの声が思い出される。 あれが私に声をかけるなど、ここ数ヶ月の間記憶に無い。 デスメタル……私の名前。 ……そう、私の名前はデスメタル。 命を刈り取り、魂を弄び、使役し、そして再び命を刈り取る。 死者を冒涜し、命を汚す鋼鉄の死神。 それが私の名前。 こんな私を愛してくれる者など、きっと居ないに違いない。 そう、少し前まで本当に私はそう思っていた。 でも知ってしまった。 友達の暖かさを、愛しい人のぬくもりを。 デスメタル 「………全部終わったら…きっと……」 そう、全てが終わったら。 十大聖天も、クリフォトの十大悪も、暗黒躁魔17人衆も…… 私達の様な聖天が必要じゃない、平和な時代が来たら…… その時は私も普通の女の子に戻ってアリスやジロウと一緒に…… デスメタル 「………」 やめよう。今はまだその時じゃない。 終わった後の事は終わったときに考えればすむ。 気が付いたらアリスの部屋の前で立ち尽くしている私。 考え事をしている間に部屋の前まで来てしまっていた。 無意識のうちにアリスの部屋の呼び鈴を押すことを躊躇している自分が居る。 こんなに遅い時間だから?それとも、夕刻にあんなことがあったから? デスメタル 「…………わから……ない」 指先が震える。力が入らない。 どうして?友達に会うって、こんなに苦しいの…? 震える指に力を入れて、どうにか呼び鈴を押す。 小さな音が部屋の中から聞こえて来た。 デスメタル 「運命……?」 世界的に有名なベートーヴェン作曲、交響曲第5番ハ短調作品67 その冒頭部の特徴的な音が部屋の中から聞こえてきた。 デスメタル 「………なんで?」 私の部屋は普通なのに…… やはり私の周りにはある種の変人が集まっているようだ。 しばらくすると、黒いドレスに身を包んだアリスが息を切らしながら出てきた。 やっぱりちょっと迷惑だったかな?と思う。 アリス 「あ……いらっしゃい。」 笑顔で出迎えてくれるアリスに、私は胸があったかくなる気持ちだった。 私は小さな紙を差し出して、アリスに読んでもらう。 デスメタル (もう皆居ない?) アリス 「あ、うん……さっき帰ったところ。入って……美味しいコーヒーもらったの。」 微笑みと共に部屋に入るように促すアリス。 その綺麗なブロンドの髪が暗闇の中に浮かぶようだった。 私は仮面と一緒に変声機も取り払う。 素顔を晒して話すのはヘヴィ・メタルとアリス、それに、二人っきりになれたときのジロウくらいなものだ。 デスメタル 「お邪魔します……」 緊張のあまり、自分の声が震えてしまう。 それを悟られてしまわないか、私は不安でいっぱいだった。 アリス 「はい、どうぞ。あと、バーバラさんが持って来てくれたアップルパイも。」 デスメタル 「いただきます……」 コーヒーを一口飲む。 ミルクと砂糖が用意されたが、私はブラックのままだ。 デスメタル 「熱い……」 いきなり口をつけたのでちょっと驚いた。 アリスのほうを見るとミルクを二つと、砂糖のスティック(大)を3本入れていた。 ちょっと甘すぎるんじゃないかな……と思ったけどあえて口に出すことは無かった。 アリス 「ふぅ……あの、えーっと、そうだ、来てくれてありがとう。」 ちょっとたどたどしいアリスの態度に私はちょっと落ち込んでしまう。 やっぱりこんな夜遅くに来てしまうのは迷惑だったようだ。 デスメタル 「あの……ごめんなさい。」 アリス 「え!?ちょ、待って。な、何が……?」 頭を下げて謝る私にアリスはちょっと困惑気味。 やっぱり私と一緒に過ごす時間なんて嫌なものだったに違いないんだ…… デスメタル 「こんな夜遅くに……迷惑だったかな……って」 アリス 「あ、そ、そのこと。いいの、気にしなくても……私もちょっと……誰か話し相手が欲しかったんだ……」 デスメタル 「でも……アリスちゃん、何だかよそよそしいから……ホテルであんなことがあったし嫌われたかな……って」 思い出したらまたちょっと恥ずかしくなってきた。 それに、今まで考えないようにしてたけど一度意識しちゃうと体が疼く…… アリス 「あ、その……わ、私のほうこそ……ごめんなさい。デスメタルがあんまり可愛いから……」 デスメタル 「可愛い……?」 私が……?予想もしない一言に私の心が大きくざわめく。 今までそんなことを言われたことは一度も無い。 否定的な言葉は今までに何度も言われてきた。 だけど、そんなことを言ってくれたのはアリスだけだった。 デスメタル 「あ……ありがとう……」 どうしよう。アリスの顔をまともに見られない。 恥ずかしいって言うか、何て言うか…… アリス 「うふふ、正直、あの後も大変だったわ……デスメタルだから言うけど……」 デスメタル 「ん……ジロウ逃げちゃった。」 アリス 「あはは、確かに、次郎さんも酷いよね。でも、何ていうか……やっぱりあんなことがあると体が疼いちゃうっていうか……」 デスメタル 「うん……今も何だか、体がむずむずして変……」 アリス 「!?」 デスメタル 「ど、どうしたの……?」 アリスはちょっと驚いたような顔をして、それから顔を赤くしてぼそぼそと呟いた。 アリス 「あぁ、うん、そう……私が責任取らないと……ダメ……かな……やっぱり」 デスメタル 「………?」 何だか一人でブツブツと言っているアリスを尻目に、私はコーヒーとアップルパイを平らげた。 考えてみればこんな遅くに食べたら太っちゃうかな? あと、ちゃんと歯を磨かないと虫歯になっちゃう。 デスメタル 「それじゃ……そろそろ帰る……ね」 あまり長居しても迷惑だろうし、私は早々に引き上げることにした。 それを思いがけない一言が制止する。 アリス 「ま、待って!……あの、もうこんな時間だし、一緒に寝ようか……?」 私の耳がおかしくなったのだろうか? 何だかアリスがとんでもない事を言っているような気がした。 いつも一人で眠っている私にとって、それは正直興味深い申し出ではある。 でもそんなことより、アリスに甘えてしまって嫌われるのが怖かった。 アリス 「そ、それにほら!さっき体が疼くって言ってたし、私が治してあげようかなって……」 デスメタル 「治せる……の?」 アリス 「う、うん……むしろ、私のせいかもしれないから……」 デスメタル 「そんなこと……ちょっと病気になっちゃっただけだから……」 アリス 「うー…実際病気じゃないんだけど……とにかく!一緒に寝ましょ!」 デスメタル 「う?うん……」 迫力に押されて了承してしまう。 押しに弱くていつも押し切られてしまうのは昔からだった。 アリス 「よかった!じゃあすぐ準備するから!」 アリスははしゃぎながら部屋の奥に消えていった。 随分と嬉しそうにしてくれて私も嬉しい気持ちになった。 デスメタル 「………まあ、いっか」 これがクリムゾンブロウとかブラックパイソンだったら殴り殺しても帰るところだった。 アリスだったら安心だし、いいかな…… アリス 「おまたせ!」 見ると寝室のベッドに可愛い布団が敷かれていた。 さすがにアリスの寝室だけあって、大きくて広い。 デスメタル 「あ、あの……ベッド、一つ?」 アリス 「ん?うん。大丈夫。私たちなら3人いてもスペースが余るわ。」 そういう問題じゃないような気がするんだけど…… まあ、いいか……な…… アリス 「それじゃ、私はこっちね。デスメタルはそっち側」 デスメタル 「う、うん」 その前に服を脱がないと…… ローブで寝るのは苦しいし、しわになったら後からバカにされる気がする…… ベッドに座っていそいそと服を脱ぐ私。 そういえば着替えのことを全く考えていなかったことに気が付く。 けど、まあいいか…… 暖かい布団に包まれていたら、きっと気にならないだろう。 アリス 「あっ!着替えならそっちにあるから……って、ローブの中身って服着てないの……?」 おかしかっただろうか……? そりゃ、私だって女の子だし、出来ればブラジャーくらいは着けたいと思う。 でも、私はそんなに胸が大きいわけじゃないし、正直必要ない。 一応パンツははいてるし、このローブは結構暖かいから問題ないと思うんだけど。 アリス 「ごめんなさい。服も買えないだなんて……私全然気が付かなくて……」 ほとんど裸の私をアリスは優しく抱きしめてくれる。 暖かくて、優しくて、お姉ちゃんみたいだな……と思った。 デスメタル 「アリスちゃん……もしかして、泣いてるの?」 別に買えない訳じゃないんだけど……でも言うタイミングを逃してしまってちょっと困った。 それよりも私の為に涙を流してくれたことが嬉しくて、私もちょっと泣きそうになった。 そのままアリスに押し倒されるような形でベッドに倒れこむ私。 アリスの顔が目の前にあって、私は不安と、それと何か分からない何かを期待してしまってドキドキした。 アリス 「私……ごめんなさい。次郎さんの次に…ううん、次郎さんと同じくらいあなたが好き。」 突然のアリスの告白に私は戸惑う。 私もジロウのことは好きだ。でも、アリスのことも気になっていることもまた事実だった。 デスメタル 「う……うん、私もジロウと同じくらい……アリスちゃんのこと、好きだよ……」 目の前のアリスの顔がもっと近づいて、とうとう唇に触れた。 もう日が変わってしまったので、昨日と今日でもう何度アリスとキスしただろう…? デスメタル 「んぅ……ちゅ……アリス……」 アリス 「ん……んふぅ……はぁ……はぁ……」 アリスの唾液が私の口元にたれてくる。 私はそれを舌先でぺろりと舐めとると、緊張に震えた声で言う。 デスメタル 「あ、あの……私ばっかりじゃなくて……アリスも……」 先ほどから私だけが裸になって、アリスはずっと服を着たまま。 それが何だか恥ずかしくて、と言うより何だかアリスの体も見たくなって、服を脱ぐように頼んでみた。 アリスは小さくうなずくと黒いドレスを脱いでいった。 私はその優雅なしぐさと衣擦れの音にドキドキしながらも目を奪われていた。 黒いドレスの下には透き通るような白い肌。 その美しい髪と瞳の輝きは時を忘れさせるに十分だった。 アリス 「あ、あの、女の子同士でもやっぱり恥ずかしいね……」 デスメタル 「う、うん……でもアリスならいいよ……恥ずかしいけど、何だか嬉しいよ……」 今度は私から、アリスの唇にキスをする。 教わった挨拶のキスじゃなくて、唇を重ね合わせるオトナのキス。 するとすぐにアリスの舌が私の口の中に入ってきた。 負けないように、私もアリスの口の中に舌を入れていくと、すぐにお互いの口の周りが唾液でべちゃべちゃになった。 アリス 「ふぁ……ん……ちゅ……れろ……はぁ……」 デスメタル 「んふぅ……んぅ……ちゅ……」 舌を絡めているうちに、何だか頭がぽーっとしてきて、何も考えられなくなる。 いつの間にか、自分の股間が湿ってきているのに気が付いて、私は気が付かないうちにおしっこを漏らしてしまったのだと思った。 デスメタル 「ちゅ…ふ……アリス……ご、ごめん……」 アリス 「ん……ふぅ……え?」 私はアリスの顔を見ないように、パンツを指差して顔を覆った。 正直泣きたい。でも涙は出なかった。 アリス 「あ……なんだ……私だけじゃなかったんだ……」 デスメタル 「……え?」 アリス 「私も一緒……デスメタルとキスしてたら、こんなになっちゃった……」 暗くてよく見えなかったけど、触ってみたら確かに、アリスも濡れていた。 私はちょっと安心して、ため息をついた。 デスメタル 「良かった…」 アリス 「うん、だから気にしなくてもいいんだよ。」 デスメタル 「うん……続き……して?」 私はベッドに横になって、アリスを待つ。 月明かりが差し込んで、アリスの髪を輝かせるとその美しさに唾を飲んだ。 アリス 「うん……」 私の胸をアリスが触る。 忍さんや花ちゃんのように大きくないけど、アリスに触ってもらっていると何だか気持ちよくなってくる。 アリスの舌先が乳房から乳首の先に移動する。 先端のちょっとだけぷっくりした部分を舐められるとゾクゾクとした感覚が背筋を走り抜けた。 デスメタル 「ぅぅ……アリス……アリス……」 アリス 「気持ちいい?」 デスメタル 「はぁ……はぁ……分かんない…けど、何だかちょっと……怖い。」 怖い。 それが私の正直な感想。 アリスと一緒に居ると幸せな気分になるのは本当だけれど、今までに経験したことないことが次々に起こって怖かった。 アリス 「大丈夫。私もちょっと怖いけど……デスメタルのことが好きだから平気だよ。」 デスメタル 「う、うん……私も……アリスのこと好き」 アリスは少しだけ微笑むと私の下着の中に手を入れてきた。 私はちょっとだけ震えそうになったけれど、アリスのことを信じて我慢した。 アリスの指先が私の股間のワレメをなぞるとそれだけでえもいわれぬ快感が走り抜けた。 あまりの気持ちよさに私は一瞬意識が持っていかれそうだった。 アリス 「デスメタル?大丈夫?」 デスメタル 「はぁ……はぁ……ちょっと気持ちよすぎて……びっくりした。」 アリス 「あ、今ので軽くイっちゃった?私も実はちょっときついかなーって……」 デスメタル 「……?」 アリス 「私も気持ちよくして……」 目の前で下着を脱ぎ去るアリス。 それに習って私も脱ごうとして、パンツの紐が足に引っかかって中々脱げなかった。 仕方が無いからアリスに手伝ってもらってようやく脱ぎ去ることが出来た。 デスメタル 「気持ちよくって言われても……よく分からない……」 正直私はやってもらってばかりで、自分からしたことが無かった。 だからそう言われてもどうしていいか分からなくて困った。 アリス 「ん……と……さっき、触られて一番気持ちよかったところを私とこすり合わせればいい…かな。」 デスメタル 「……やってみる」 私は私の股間の小さなワレメの上のところにある小さな突起をアリスの股間に近づけて行く。 よく見ると、アリスにも同じようなところがあって、僅かに存在を主張していた。 デスメタル 「が、頑張る…ね…」 その突起と、私の突起をこすり合わせるように、腰を前後に動かす。 そのままだと疲れるから、アリスの上に寝そべるような形で動き続けた。 アリス 「はぁん!あ、いいよ。そんな感じ……」 デスメタル 「うぅ、な、何これ……はぁ……何かきちゃいそう……」 アリス 「うん……大丈夫。私も同じだから。気持ちいいの同じだから!」 感情が高ぶる。 経験したことの無い感情があふれ出して止まらない。 デスメタル 「ああん!はぁ!いぃ!」 声が出ちゃう。 今までさらけ出したことの無い自分が出てしまうようでたまらなく恥ずかしい。 アリス 「はぁ……いいよ!気持ちいい!」 アリスも何だかすごくエッチな表情で私に合わせて動いてくれる。 私もどんどん動きが早くなっていくのが自分でも分かる。 デスメタル 「アリス……怖いよぉ……アリス……ぎゅってして……」 弱音を吐いてしまった。 そんな私をアリスは快感に震えながらもしっかりと抱きしめてくれる。 人との触れ合いが、友達との行為のはずなのにこんなに怖いとは思わなかった。 でも、怖いけれどどこか暖かくて、何だか幸せな恐怖だった。 デスメタル 「はぁ……!はぁ……!怖い!アリス……イっちゃう!私イっちゃうよぉ!」 アリス 「はぁ……!いいよ!あぁ!私ももう……!」 デスメタル 「あぁん!い、ひぃ!ひあああああああああああん!!」 アリス 「あぁ!ん、あぁぁぁぁぁ!!!!!」 腕が震えて足に力が入る。 背が無意識に伸びて、一際大きな快感の波がやってきた。 アリスも私もぐったりとして、快感の余韻に浸っている。 しばらくの間、私は動けそうも無かった。 デスメタル 「あ……はぁ……何だか…」 アリス 「はぁ……はぁ……私もちょっと……疲れちゃった……」 ぐったりとした私にアリスは優しく布団をかけてくれて、そしてもう一度優しく抱きしめてくれた。 そのまま意識が眠りの中に落ちてしまいそう。 アリス 「このまま眠ってしまいそう……おやすみなさい……」 デスメタル 「オヤスミ……おねぇちゃん……」 アリスの息を呑むような、小さな声が聞こえた気がしたけれど私の意識は既に闇に溶けてしまっていた。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。