十六聖天異聞「聖剣と神槍」

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煌っ―――と光が散り、数瞬遅れて爆音 「ば……馬鹿なっ馬鹿なぁぁ!我々は聖堂騎士団なのだぞっ!それを、それをこんな――たかが小娘風情にしてやられるだと!?」 「――違うわ。してやられた、よ」 「なっ……ぐあぁぁ!!」 疾っと瞬いて光が駆け抜ける 一陣の光が通り過ぎたあとに立っていたのは、甲冑を纏った1人の女性だけであった 「さすがに…派手にやりすぎたかしら?」 「ふん、おぬしはなかなかに変わらんの」 声のした方を見る、とニヤニヤ笑いの少女がいた 「あらクラウソラス、久しいわね。こんなところじゃおもてなしの一つもできなくて申し訳ないわ」 「なに、かまいやせんよ。それより、少し聞きたいことがあっての」 「クラウソラスが聞きたいとは珍しいわね。何かあったのかしら」 くすくすと楽しそうな笑みを浮かべて尋ね返す 「なんのことはないさ。またぞろきゃつらの動きが活発になっての。ワケなど知らぬか?」 「きゃつら?ああ、十大聖天とかいう。知らないわね。興味もないもの」 「ふむ。そうなるとソロモンの娘のことも知らぬかの」 エクスカリバーの言葉にびくりとブリューナクが肩を震わせる 「どういうこと?あの子に何があったの?」 その目は明らかに戸惑いを隠せないでいた。まるで起こってはならぬことが起こったかのように 「封印が解かれた。おぬしならこの意味が分かろう」 諦めたかのように、首を振る 「まさか……」 ありえない、と首を振る 「そのまさかよ。恐らく発端は十大聖天とかいうやつら。あれを起こして意のままに操ろうと思ったか知らんが、結果聖域は消失。指輪ごと行方知れずよ」 「そう……。あの子つらい目にあってなければいいけど」 「ふん、無理じゃな。世界はあれと釣り合わん。巨大すぎる力は個の範疇におさまろうはずもない」 「クラウソラス…あなた本当にひどいわね」 「なに、わしは事実を述べたまでよ。まあよほどのお人好しでもいれば別だがの」 「それはあなたのマスターみたいな?」 くすりとエクスカリバーが笑う 「あれはまた別格じゃ。何も考えておらん、ただの馬鹿よ。だが、確かにあれならソロモンを救えるかもしれぬの」 「あなたも相当ね。じゃあ独り身の私は彼女を探せばいいのかしら?」 「すまぬの」 「かまわないわ。頼まれなくてもやろうと思ってたし。ところで」 「ああ、うっかりしておったわ」 すっ…とエクスカリバーが右手を振るうと砕かれた鎧に隠れた白銀の眼が両断された 「見られたわね。それとも計算ずく?聖堂すら動かす気?」 「さて、の。だが何処にしろ見つければ何かしらの動きはある。巨人は身じろぎすら地を揺るがすとの通りじゃ」 「そうやって偉大な王すら動かしたと。…まあいいわ、私は信じてるから。ね、盟友」 にっこりと微笑むと戦乙女はゆっくりと姿を消し、やがて少女だけが平野に残された 「ああ、信じている、か。良い言葉よ」 ふう、と嘆息をつき、少女もやがて風に消えていった 十六聖天異聞「聖剣と神槍」 クリムゾンブロウ曰く「マリみて新刊読んだ?」 ブラックパイソン曰く「いや、レイニー止め中」

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