十六聖天外伝 残光 ~第五章 アリス・ザ・ワンダーワールド序章~

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その日は酷い嵐だった… 次郎の手に握られた刀が、そして地面に散らばった鏡の欠片が、稲光を反射して青く光る 眼前には、戦闘能力を奪われた無力な少女 「アナタなんかに…!アナタなんかに何がわかるの!?」 「わかんねぇよ」 地面に手を伏せ、泣き続ける少女の言葉を、次郎はあえて突き放す 「…勝たなきゃ意味がないの!アリスはその為に…その為につくられたの!!」 そう叫びながら、散乱する鏡の欠片を手にした少女は次郎に体当たりをする 「…だからってお前は自分を信じてた仲間を裏切るのか?アリス、俺はお前が背負ってる物 が  何なのかは知らねぇ。事情もしらねぇ。けどな…」 欠片を押しこまれ、傷口からさらに血が流れ出す。だが次郎はその痛みに耐えながら言葉を 続ける 「仲間ってのは…仲間ってのはどんな事があっても裏切っちゃなんねぇんだよ!  裏切っちまったら、もう仲間じゃなくなるんだよ!  その時、お前は一人ぼっちになるんだ!お前はそれでいいのか!?  あれを見ろアリス!そう、あれだ。あそこで無残に倒れてるアイツらは何だ!?」 次郎の指さす方には、無残に引きちぎられた鎖鎌と、代わり果てた姿の田中茂を筆頭に 数多くの聖天が倒れていた 十六聖伝外伝 残光 ~第五章 アリス・ザ・ワンダーワールド序章~

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