タイトルなし

「タイトルなし」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

タイトルなし」(2008/10/07 (火) 13:49:24) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

今日は十六聖天が一堂に集う忘年会の日 クリスマスも終了し、残りは年越しを待つのみとなった アリスは落ち着かなくきょろきょろと辺りを見回した 彼女を解き放った恩人であり、淡い思いを抱いた相手……佐藤次郎を探しているのだ。 会場内は未だに熱気と興奮の中にあった。 十六聖天は裏の存在であるものの、表向きにも大会社の要人だったりするものも居る。 その為、会場内にはそこそこの警備が敷かれていた。 クリムゾンブロウ 「あんな奴ら邪魔なだけなんだがなぁ」 ブラックパイソン 「俺らに敵う奴らが来るんだったらむしろウェルカムだぜ」 などと陽気な会話がなされている中、アリスは自分の護衛である徳間秋太郎を見つけた。 彼は2メートルほどの長身なので、遠くからでもすぐに分かる。 しかし護衛とは名ばかりで、戦闘の実力だけならばアリスのほうが上であった。 アリス 「秋太郎さん。あの、その、次郎さんを見てませんか…?」 秋太郎 「む? これはお嬢。いえ、見てませんな。大方デスメタルとゾンビ談義に花を咲かせているのではないですか?」 その言葉を聞いてアリスの胸がざわめく。 デスメタルは十六聖天の中でも嫌われ者だ。 しかしアリスは知っている。 デスメタルの身を包む衣服とは裏腹に、彼女は心優しい少女だということを。 そして、彼女もまた、死者に鞭打つ己が力を認めている次郎に思いを寄せていることを。 アリス 「そ、そうですか……あ、ありがとうございます」 アリスはそういうと場を離れた。 その背中に秋太郎が声をかける。 秋太郎 「お嬢!」 アリス 「はい?」 秋太郎 「私が言うのも差し出がましいようですが、あなたはもうワンダーワールドなどのしがらみから開放されています。 思い切って、自分の思いをぶつけて見てもいいのではないでしょうか?」 アリス 「え?……も、もしかして……き、気付いてたんですか!?」 秋太郎 「……すいません、私も少し酔っているようです。お気になさらんでください。」 アリス 「い、いえ……その、あ、ありがとうございます」 アリスは戦闘においては第5位に並ぶ実力者 しかし、その幼い外見に相応しく、心はまだまだ未熟だった。 ;----------------------------------------- クリムゾンブロウ 「おう!そこ行くアリスちゃん!どうよ!?飲んでる?」 アリス 「あ、クリムじょ……クリムゾンブロウ、さん」 ブラックパイソン 「ぎゃっはっはっは!名前で噛まれてやんの!ぎゃっはっはっは!!!」 アリス 「す、すいません! わ、わざとじゃないんです、ブラックバイソンさんも笑わないでくださいよ…」 ブラックパイソン 「バイ……ソン…」 クリムゾンブロウ 「ぎゃっはっはっはっは!! あっひゃっひゃっひゃ!!」 アリス 「え?え?あ、あれ?」 ブラックパイソン 「お、俺はバイソンが大嫌いなんだ!何だあの野郎!大四国なんてオーストラリアのかけらじゃねえか畜生!」 クリムゾンブロウ 「わかる!わかるぜ! よし、今度一緒に!城塞都市宮城で!うんめぇ牛食いに行くかぁ!」 ブラックパイソン 「おう!おう!やっぱり肉は神戸牛だよなぁ!」 アリス 「………」 すっかり出来上がった二人を横目で見ながらアリスはその場を後にした。 エクスカリバー 「うーん、今日はいまいちパーティーの主役になれる空気じゃないなぁ」 アリス 「あれ?あなたは…」 裏十六聖天の一人、聖剣エクスカリバーが会場内に居た。 一人でぶつぶつと何事か言いながら、その黒いドレスをヒラヒラさせている。 エクスカリバー 「んぉ?やっほーアリスちゃん。どしたの?」 アリス 「あ、その…ちょっと次郎さんを探してて……」 エクスカリバー 「次郎?あー彼ね。私の次の主に相応しい力はあるんだけどねーちょっと能力的にねー」 アリス 「え…?」 エクスカリバー 「うん、まあ悪くないんだけどねー契りを交わすには日が悪くてねー」 アリス 「え、え、え、その、契りって……あの、あの」 エクスカリバー 「んふふ、知らないの?そりゃもちろんえっちしちゃうのよ。それで彼は私のご主人様ってわけさ」 アリス 「だ、だ、ダメです!そんなの!…そんな…の」 エクスカリバー 「真っ赤になっちゃって可愛いー!あっはっはっは!」 アリス 「ううううう!もう!もう!もう!」 エクスカリバー 「うふふ、ごめんごめん。まあ、でもアレさ。この国には夜這いって素敵な文化があるらしいから、どうしても彼が欲しいならアタックしてみたらどうかな?」 アリス 「え、えええ!?」 エクスカリバー 「もたもたしてると取られちゃうかもよ?例えばほら…ネクロマンサーの子、さっき次郎君の部屋の前で話してたみたいだし…」 アリス 「ま、まさか!?」 エクスカリバー 「なーんつって……あ、あれ?」 アリスは一目散に駆け出した 目指すはホテルの二階、次郎の部屋 澄美 「こら、いたいけな少女に何を言っておるか」 物陰から現れたのは同じく裏十六聖天の澄美 黒のスーツを着こなし、この日は裏方のはずだった エクスカリバー 「あ、みみちゃん」 澄美 「こんばんは。あまり小さな子をからかってはいけませんよ。」 エクスカリバー 「でも止めなかったよね?」 澄美 「その方が面白そうでしょう?」 エクスカリバー 「まぁね。ところで今日のメイク、どうかな?パーティーの主役を狙ったんだけど今一ノリが悪いんだよね」 澄美 「ふむ、じゃあ仕事も一息ついた所ですし、新作のスイーツでも食べながらお話しましょうか。」 エクスカリバー 「おっけー」 アリスは走っていた。 エクスカリバーの話を真に受けて、自分でも良く分からないほど焦っていた。 恋は盲目とはよく言ったもので、この時のアリスには何も見えていなかった スカートの端を引っ掛けて下着が丸見えになっても、椿にぶつかって、彼の貴重な服が酒びたしになっても気にならなかった クリムゾンブロウ 「若いねぇ」 ブラックパイソン 「うらやましいねぇ」 飯森椿 「うっうっ……俺の一張羅が……」 リーン 「いい年して泣くなよ……仕方ないな、僕が新しいスーツくらい用意させるよ」 飯森椿 「お、お前!……リーン、お前、いいやつだなぁ!何でお前みたいないい奴がいじめなんか……」 リーン 「あー、何だ、とりあえず涙と鼻水を拭け。」 飯森椿 「うぅ、す、すまん」 涙と鼻水をハンカチで拭うと、椿はすっきりしたような顔になった。 飯森椿 「今度お前が困ったことがあったら俺が出て行ってお前を守ってやるよ!」 リーン 「そうか、期待してる。とりあえず今度新作が出たら代わりに買ってきてくれよ。金は出す」 飯森椿 「おう!任せろ!」 リーンはうんざりしながらも、目の前の中年を憎みきれずにいた。 きっとこれが腐れ縁という奴なんだろうと、納得するしかなかった。 アリス 「ここが、あの人のお部屋ね!」 アリス 「あ、か、鍵が……シーク!」 アリスが一声かけると体長20cmほどの小さな妖精の様な存在がアリスの周囲をくるくると飛び回った。 かつて次郎によって壊された力の象徴が今ではアリスの良き友として共にあった アリス 「お願い!」 シーク・ハイドが体当たりすると部屋の鍵が木っ端微塵に吹き飛び、扉はその役割を失った アリス (過激だったかしら……ううん!、いまどきの女の子はこれくらいきっとする!) よく分からない自信をみなぎらせ部屋に突入するアリス そこには驚いたような表情の次郎とデスメタルの姿 アリス 「あ、あ、えと、あの、その……」 アリス (な、何て言えばいいんだろう…私、考えてみれば、別に次郎さんの恋人でもなんでもないのに……) オロオロとする3人、だがふと、先ほどのエクスカリバーの言葉がよみがえる。 エクスカリバー 「この国には夜這いっていう素敵な文化が……」 シーク 「夜這いに来た!大好きな次郎さんのところに夜這いに来た!!」 シークはアリスの意識に浮かんだことを代弁する。 もう、恋する乙女は止まらなかった。 そしてもう一人、次郎と共に談笑していたデスメタル こっちでも勝手に恋の炎が燃え上がった デスメタル 「ま、負けない……!!」 だれか つづき たのむ
----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。