十六聖天外伝 残光 ~第五章 アリス・ザ・ワンダーワールド四章後編~

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次郎達の背後で彼らをジッと見つめているモノ 彼女こそ、聖剣エクスカリバーと呼ばれ、その名を広く知られる聖剣の精である 「むぅ…ワシも混ざりたいのじゃ。じゃが流石に今飛び出すと、あまりに空気の読めてない 子じゃしなぁ…あやつらめ~…!」 彼女が一人影からコソコソしている事のあらましはこうだ 「むぅ。ジロウ。ワシは暇じゃ。遊ぶのじゃ。そうじゃな。今日はオセロ等を所望したいぞ 」 「ん?オセロは嫌か?なら七並べでもよいぞ!ババ抜きはすかん。あれは実力など関係ない からの…ん?」 「おぅバァさん。ジロウなら今出かけたトコだぜ」 「おぉパイソンか。そういえば今日は人がおらんのう。ジロウ達は何処へいったのじゃ」 「同志はお嬢さん方のエスコート。いねぇ連中は大体がその警護ってトコじゃねぇかい?」 「なるほど。例のアレか」 近頃、彼女はマスターのいない身故、消耗するその身体を癒すために、故郷である北欧のと ある湖に身を癒しに行くことが多くい その為、当時のアリスの暴走に居合わせておらず、その概要については人づてにしか聞いて いない その為、当時のアリスの暴走に居合わせておらず、その概要については人づてにしか聞いて いない 故に、彼らに聞くまで、そこまで大事になっていたとは思っていなかったのだ 「ふむ。まぁよいわ。今からなら間に合おう。ワシもジロウ達と遊ぶのじゃ」 「おっと待ちなババァ。チョット位気を使ってやれよ」 「そうだぜババァ。ちょっとは年長者らしく振るまいやがれ」 「ババァババァとそれが乙女に対する口の効き方か!えぇい鬱陶しい!そこをどくのじゃ! ワシは行くのじゃー!」 「傷ついた少女と、次郎と普段あまり接する機会のない、次郎を慕う少女、おまけにゴミ袋 」 「たまには水入らずで過ごさせてやれよ!」 「…うるさい!ワシだって最近ジロウの顔すら見とらんわい!」 駄々をこねながら暴れまわるエクスカリバー。その時彼女の足もとでパキリという音が聞こ えた 何か重ねてあったゲームを数枚分で割ってしまったらしい 「チョット待てよ!」 「なんです!?」 「今割れたのシスプリじゃないのか…?」 「そんな…嘘でしょう…!?」 すかさず彼女の足もとに転がる、亀裂の入った黒いCDをPSに読み込ませる二人 だが無情にも、モニターにはディスクを入れてくださいという文字が浮かぶ 「ん?何じゃ…?何か壊してしもうたか…?オイ。なんとか言え」 TVに向かい何かブツブツとつぶやいている二人の肩を掴み、こっちを向かせようとするエク スカリバー 彼女の見たブラックパイソンとクリムゾンブロウの目は、理性を失った獣。それも最も達の 悪い神域の魔獣の眼、そのものであった 「四葉はもう…兄チャマ、チェキ!と笑ってくれない…」 「亞里亞も…兄や…と微笑むことはない…咲耶!春歌も!千影も!花穂も!衛も!白雪も鞠 絵もだ!」 「白雪と鞠絵はいらねぇ」 「ごめん。間違えた。つい」 「とにかくだ!俺の妹達はここに死んだ。無残にも、兄の眼の前で死んだ…!」 「しかも2も!ピュアストーリーズもだ…!おまけにDVDもだ!もう二度と会えない…。二 度と無邪気なチェキを見ることも」  「亞里亞のおリボンも探すこともかなわない」 「許さん…許さんぞババァ…ジワジワと嬲り殺してくれるわァーッ!」 むぅ…悪い事をしたの~…と思いつつも、相手は完璧に理性を失っている これはもう腹を据えて戦うしかない。気絶させれば元に戻るだろう。そう思い彼女も啖呵を 切る 「ほぅ。貴様ら如きがこの聖剣の中の聖剣であるワシに勝てるつもりか!  大体なんじゃ!いい年して仮想空間に妹等を作りおって。気狂いか!幼女趣味の変質者が !  相手をしてやるからかかってこい!」 「地獄の底で妹たちに詫び続けろォー!そして俺達の事を兄チャマや兄やと呼べババァーッ ! 」 「だぁれが呼ぶかァーッ!」 と、まぁこんな具合に内輪もめをしていたせいで、すっかりあの輪に入るタイミングを失っ てしまった彼女は そんな具合で次郎一行を「羨ましいのう。羨ましいのう」と独り言を言いながら 電柱の影、自販機の影、建物の影と、自身の大きさを生かし、スパイさながら延々と後を付 け回しているのだ そんな彼女だからかもしれない。魔眼の兄妹が離脱し、警護の手が緩んだ十六聖天に忍び寄 り敵の影に 「ん…?あやつらは何じゃ。アリスに似ておる気がするが、どうにも嫌な気じゃの」 エクスカリバーは名残惜しい気持ちを押し殺し、恐らく敵と思われるそれらをここで迎え撃 つ覚悟をした 次郎達を守るために クリムゾンブロウ曰く「タカ君ホントうざい。病気になりそう。心の」 ブラックパイソン曰く「けど、メイドロボは可愛い。1480円の価値はある」 十六聖伝外伝 残光 ~ アリス・ザ・ワンダーワールド四章後編~

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