十六聖天外伝 残光 ~第五章 アリス・ザ・ワンダーワールド五章後編~

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(…スコットランド流の闘気…アレ…クサー…?いや、違う…) 自分を抱き上げている騎士は、全身を青く光る甲冑に身を包んでおり誰なのかわからない だが、エクスカリバーは何か懐かしいものをその騎士と、その剣から感じていた 肩から噴水のように血をまき散らしながら レミーは狂ったようにのた打ち回る 「え…?え…?ボクの腕…?ボクの腕がアァァァ!」 「君は調子に乗りすぎたんだよ。僕にも兄妹は沢山いるし、本当に五月蠅い子達だけど」 <それに手をかけるなんて、全くもって、クールじゃない。と言いたいのであろう、マスタ ー> 「え、あぁ…うん。よくわかるもんだね」 <無論だ。で、アレはどうするのだマスター。どう見ても“くーる”ではないぞ> 聖剣が促す方向を見ると、なるほどクールじゃあない。 美少年といっても問題なかったレミーの顔は怒りと憎悪でゆがんでいた 「畜生…!寒い…。血がこんなに流れてる…寒い。お前のせいだ!許さない。許さないぞ… !」 「困ったな。すいません、エクスカリバーさん。少し、ここで待っていてくださいね」 エクスカリバーさんといわれると、エクスカリ婆さんと言われてるみたいじゃのう…そんな 事を思えるのも 眼の前の騎士が現れ心に余裕が出来たからだろうか? 騎士は、床に敷いた自身のマントに、エクスカリバーを横たわらせると眼の前の狂人に対峙 した 「死ね!死ね死ね!破裂しろ!砕け散れ!内臓ブチ撒けやがれェーッ!」 音を操り、その振動で相手を内部から破裂させるフロッグフットマン。音速の槌が騎士に向 けて振り下ろされる…事はなかった 正確には彼のフロッグザフットマンは、発動すらしなかった。 レミーがこの世で最後に認識したもの、それは鍔鳴りの音だった <クールに決めたぜ。と言いたいのであろう> 「だから僕の台詞取らないでよ」 <だが気立ての良い女というものは、主人の事なすべきことを察して、手間を省くものだと マスターの母上が> 「え?君、女だったの…?」 そんな戦いの一部始終を見ていたジークフリードの髪の毛が逆立つ 流れるような剣だった。的確に急所に滑り込み、一切の無駄がない この男強い…。“人間”相手に久しぶりに血が滾るのを感じる <アレ?ジーク、闘るの?アタシ、あんまり聖剣と戦いたくないんだけどなー 刃こぼれし たらヤだし> 「構えろ、小童」 愚痴る剣に耳を貸すこともなく、ジークフリードは騎士に剣を向ける <ファーック!性別すら気にされてなかったぜ!ジョン表へでな!ファックしてやるぜ> 「…大丈夫かい?アロンダイト…。きっとママのせいでつかれてるんだよ君は」 <うるせェーッ!話を反らすんじゃねーぜェーッ!> 「クソ!なんだよ!どうしたっていうんだ。まるでママじゃないか!正気に返ってよ!畜生 ママめ!僕のクールなアロンダイトを返せ…ファーックション!」 <…!畜生、この症状は間違いなく風邪と呼ばれるそれだよ。間違いない。ネス子に付き合 って本栖湖でゆっくりした結果がコレだよ! 万病の元とされる風邪だ!家に帰ったら暖かくして、イソプロピルアンチピリンなんかが含 まれた薬を摂取して安静にしないと。 そして即、明日は休みをもらって病院に行こう。絶対行こう。絶対にだ。とでも言いたいの であろう。マスター> 「…元に戻ったんだね!良かった…!お帰りアロンダイト!」 <ただいま、マスター> 背後に立つジークフリードの会話など全く聞いていないかのように 騎士と剣は言い争っていた <アハハハハ。ジークったらまるで無視されてるみたい!おっかしぃ> 「グラム、今、あの小童はアロンダイトと言ったか」 <え、あぁうん。そーだね。へー アロンダイトって自我がないって聞いてたけど、あのコ が目覚めさせたんだ> 「面白い…」 そう呟くと、ジークフリードは聖天の目を持ってしても知覚できないほどの速度で 騎士に斬りかかっていた。光と光が交差し、火花を世界を白い閃光で染める 世界が色を取り戻した時、そこには二人の剣士、そして聖剣と魔剣がしっかりと結びあって いた 「ふぅ…」 「ほう。致命の一撃を全て防いだか、大したものだ小童」 「…危ないな、いきなり斬りかかるなんて」 「並の剣客なら剣ごと両断される一撃を十三度防いで、その余裕。面白い」 <全然本気で掛かってきてない癖に、よく言う。そう言いたいのであろう、マスター> 「だから僕の台詞を取らないでくれないかな…!」 そう言いながら騎士はジークフリードを押し返し、同時に後ろに飛び間合いを取る ―ビシッ ほぼ同時にジークフリードのマントを止めていた留め具が砕け、騎士の頭部を覆 っていた兜が真っ二つに両断される 兜の下から現れた騎士の顔にも、ジークフリードの顔も笑みが浮かんでいた 「ほう。若いな」 「魔剣グラム…あなたがジークフリードか」 騎士に向けて剣を振るという形で、ジークフリードは肯定する それに応じる形で、騎士も自ら名乗りをあげようとする、が <失礼した。聞く前に名乗るが騎士の道であったな。我が名はアロンダイト。そして我がマ スターのジョン・ランスロット我々は> 「チョット待ってよ!君は何処まで僕の台詞を奪うんだ。ここはクールに自己紹介しあう場 面だろ!それはクールじゃないよ!」 <だがしかし、マスターの母上は…> 「少し黙ってて!」 <不本意だが致し方あるまい> 「ごめん!もう一回やり直させて!」 <それはクールなのか?」 「うるさい!」 ゴホン、と咳を一つしジョンは気を取り直してジークフリードに向かい、改めて名乗りをあ げる その際、アロンダイトが咳に反応して<マスター、風邪か?>等と話しかけていたが、この 際無視する 「僕はジョン・ランスロット。この聖剣アロンダイトのマスターさ」 <それさっき、その剣精さんが言ったじゃなーぃ> 「う…。 僕達は貴方がかつて倒したファーブニル…つまりはモッシーの縁者さ。というよ りその上の」 「ネッシー、か。なるほど貴様はヤツを守護する湖畔の騎士か…!名ばかりで実像の見えぬ 騎士だったが  まさか聖剣の使い手だったとはな…!面白い!」 「あんまり僕としては面白くないんだけどね。風邪気味だし。早く帰って薬飲みたい」 (なんじゃと…ネッシー…?母上の騎士…?あの男が…。そういえばあの剣、先ほどワシを 姉と呼びおった気がする…) 横たわりながら、二人の会話を聞いていたエクスカリバーは、その事実に驚きを隠せずには いられなかった 同じ聖天に属していながら、ネッシーとはもう数年顔をあわせていないし、アロンダイトに 限っては数百年ぶりの再会 よもは母がアロンダイトのマスターを騎士にしているとは… 「貴様とはいずれ本気で死合いたいものだ」 <アレ?ジーク、戦っていかないの?> 「そこに余計なものがいては、その男は本気で戦えまい」 <ふぅん…まぁいいけどね。命拾いしたね。エクスカリバァー?> そういうと、ジークフリードはエクスカリバーに目を向ける 「話が早くて助かります。出来たらもう来ないでくれると嬉しいんですけど…」 「楽しみにしているぞ。小童」 そう言い残すとジークフリードは灼熱の火球となり、天に昇りその場から姿を消した 「ふぅ…。人の話聞くタイプじゃないよね、あの人。クールじゃないよ」 <命拾いしたな、マスター> 「まぁね…。まだまだ僕じゃ勝てない」 そういうとジョンの頬を冷たいモノが伝う 剣の腕ではそこまで差はないかもしれない。だが少なくとも彼は先ほど 火の力を使っていなかった。あれを使われたら、どうなっていたか分からないほどジョンは 子供ではない 「お主本当にアロンダイトなのか…?」 <いかにも。しかし姉上、再開を喜ぶ前に、その少女と、この事態をなんとかするべきであ ろうな> 「うむ…そうじゃの」 (ジロウ…無事でいてくれ…) エクスカリバーは神と呼ばれる存在に祈った だが彼女は知らない。人類の歴史上全知全能の神と呼ばれる存在こそ、自らの組織の裏一位 であることを クリムゾンブロウ曰く「1月まで冷凍冬眠してぇ」 ブラックパイソン曰く「ヘレン1巻出るまで生きてる価値がねぇ」 十六聖伝外伝 残光 ~ アリス・ザ・ワンダーワールド五章後編~

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