十六聖天外伝 残光 ~第五章 アリス・ザ・ワンダーワールド 最終章 第二話~

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<次郎!次郎!> 「次郎様…!次郎様…!」 「へ…何てこたァねェよ…」 「あら強がり。けど凄いわァ…。よくあの体勢から二人も庇えたわね。死角なんてないはずなのだけれども」 豪奢なドレスに、くるりと髪の毛をロールさせた少女―リーザロッテは笑う 二人の少女をかばい、自身の能力、クイーンオブハートの槍で射抜かれた次郎 もし次郎が万全なら、誰一人傷つかず、この目の前の少女を当て身で倒していただろう だが、二人の少女を庇った時、一ヶ月前アリスに刺された傷が呻いたのだ 高速の攻撃一瞬の隙は致命的である。その隙が次郎を 標本の虫ように、地面に串刺しにさせていた 次郎は体を貫く熱いモノと、血液の流出から来る寒さ、真逆の感覚に耐えながら思考を巡らす 何故、もっと早く気付かなかったのか、と。もっと早く気付けなかったのか、と 「うふふ…まぁいいわ。あなたイイ男だしトドメは刺さないであげる  わたくしの目標はあなたじゃありませんしね」 最も、その傷じゃ死ぬかもしれないけどね、と付け加え リーザロッテは二人の少女に笑いかける 「さぁて、どちらなのかしら。金色の魔眼の持ち主は」 もしデスメタルが仮面で顔を覆っていなければ、リーゼロッテは自分の標的をアッサリ発見できたであろう だが、仮面で顔を隠し、マントとローブで身体を覆うデスメタルの動揺を察知出来たのは 彼女と同じく他人の感情に敏感な、沙羅だけだった 沙羅は笑う 「私よ。貴女は何?」 <…!> 「あら…データにはないわね。聖天位に属す人間じゃなくて、十六聖天の関係者が持っていたのね  彼らのサーチも甘いわね」 「…」 「あら怖ァい。そんなに身構えないで頂戴。私はリーザロッテ  不思議の世界のハートの女王。よろしくお願いね」 「そう。私は真境名 沙羅。ごきげんよう…!」 スカートを摘まんで呑気に挨拶するリーゼロッテに、沙羅は容赦なく鉛玉叩き込む …のだが、それらは全て、宙を舞うハートのトランプに止められていた 「そんな」 「あら。無粋でしてよ。戦いの場なのですから、卑怯とは言わないけどね。さぁ遊んで頂戴」 「次郎様も、あの子もやらせない」 沙羅の手に握られた一丁の銃が火を噴く。一発、二発、三発。 それら全てをリーザロッテの周りを飛ぶ12枚のハートのトランプが叩き落とす リーザロッテは退屈そうに笑う 「あら。芸がないのね。金色の魔眼ってただ眼が良くなるだけなのかしら」 「カードで防ぐだけ?芸がないこと」 「あら…?」 背後から投擲された、M35型手榴弾―通称「赤い悪魔」がハートの女王の至近距離から爆発していた 十六聖伝外伝 残光 ~アリス・ザ・ワンダーワールド~ 最終章 第二話

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