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大四国牛の台頭によって他県のブランド牛は倒産の危機に瀕していた。そして、そこに現れたのが新牛だった。
霜降り牛の新星として期待された新牛は、味だけでなくその他の面でも優らんと大四国牛に威信を賭けた戦いを挑むのだった。
負けた方は即座に解体され、肉として振る舞われるというなんとも残酷な決闘であった。
場所は大四国と神戸の中間に位置する、淡路島。急遽会場が作られ、イベントには日本中から観客が集まった。
そして現れる新牛と、大四国牛。
しかし――勝負は両者が姿を現わした時点で、否、初めからから勝負になどならなかったのだ。
なんという巨大、なんという威圧か。悠々と体を揺らす大四国牛。
ただそこにいるだけだというのに、大四国牛の姿に観客らはもちろん、対する新牛でさえも動けなくなっていた。
恐慌に駆られた新牛はその巨体を――普通の牛からすると新牛も大きかったのだ。それゆえに戦いを挑んだのだから――震わせながら、会場を取り巻く観客席へと逃げ込んでいった。
弾かれたように逃げ惑う客、しかし、足が竦み動けないでいるものたちがいた。
3人の少女。十六聖天の一角を担う彼女らでも、怯え猛る牛の前では軽いパニックになってしまっていた。
……大きな音が響き、新牛は動きを止めていた。
少女らが恐る恐る目を開けると、そこには牛を宥める次郎がいた。金がない次郎は、タダ飯のために見物に来ていたのだった……