黄金の瞳の少女 ②

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「私はあなたとお話したいわ、黄金の瞳さん」 「!?」 ナナエルは自分が指定され一瞬ドキリとする 自分の能力に自信はある。だが相手はあのクリブラを10分足らずで倒した程の化け物だ 正直言ってまともに戦って勝てる相手とは思えなかった 「本当に話すだけってんなら構わないぜ」 その時彼女の緊張を気遣ってかギデオンが割って入る 「本日はどういったご用件かな?お嬢ちゃん」 こう言う時だ 普段だらしなく軽口を叩いているギデオンだが、いざという時になると頼りになる そんなギデオンに時々ドキッとしてしまう自分がいる事に最近ナナエルは気付いていた 戦いになってもきっとギデオンに助けてもらえる そう思った時、その安易な気持ちを打ち砕かれる一言が発せられた 「ここじゃゆっくりお話も出来ないわね。場所を移しましょう」 「え―」 その瞬間、ナナエルはワンダーワールドと共に世界に溶け込むように消えてしまったのだった 「ナナエル!?くそっ!やられた!」 またしても不覚を取ったギデオンだが それは彼もワンダーワールドを相手にして冷静で要られなかったためのミスであった 「お前らしくも無い不用意な言動だったな」 以前ワンダーワールドに出会った時感じた不安感 己の多次元を繋ぐ能力でも止める事が出来なかった相手に対する僅かな虚勢が彼に判断を誤らせたのだった 「それにしてもお前が止められぬとは…どうやら単純な時空間移動ではないらしいな」 実の妹が格上の敵に攫われたと言うのにこの落ち着き様 普段ならそのクールさを流石と証したかもしれない所だが今はナナエルの危機である ギデオンは珍しく余裕を無くしていた 「そんな事言ってないでさっさと千里眼で探さねーか!」 「もう探している。だがどうやら射程外まで飛ばされたようだ」 ギデオンの絶殺視の能力射程はさほど広くは無いが千里眼は別だ その能力の及ぶ範囲は半径数千kmにも及び監視衛星以上の絶対視力なのだ その彼が見つけられない所へ一瞬でナナエルごと移動できる相手―ギデオンは冷や汗を流した 「ナナエル…」 「そんな事より今は自分達の心配をした方が良いらしい」 カイザーの指摘にハッと周りを見ると ガチャーーーン!! 「なっ!?」 ガラスや壁を突き破って進入してきたのは不恰好なロボットの兵団であった 「久しぶりねバカ兄貴」 その兵団の真ん中から現れたのはまだ10歳くらいのガチ幼女であった 「誰だこのお子ちゃまは?」 「レディーに向って失礼ねこのオヤジ!」 「グレイス、お前なんでここに」 「解らないのバカ兄気?あたしは今十大聖天の9位に属してるのよ」 信じられない、十大聖天にはこんなお子様まで所属しているのか? 「兄妹感動の再開って訳か。妹さんお前と同じで口悪いねー」 「一緒にするなよなオッサン。アイツは性格最低のドSなんだぜ」 「な、ななななんて事言うのよこのバカ兄気ーーー!!」 グレイスが逆上してロボ軍団 『驚嘆すべきグレイスの団(アメイジング・グレイス)』がリーンに襲い掛かってくる その間隙を付いてカイザーとギデオンはロボ軍団を突破する 「悪いなリーン!ちょっちここは任せるわ!」 「ナナ姉ちゃんをよろしくなオッサーン」 「あー!?突破されたー!!バカ兄貴のせいでーーー!」 襲い来るロボのパンチをリーン特製加速シューズの効果で交わしつつギデオン達にナナエル救出を任せるのだった 「ワンダーワールドを探すんだ。奴の所にナナエルは居る」 うっそうと生い茂る森の上をギデオンはカイザーは次空間移動能力で移動しつつ千里眼でナナエルを探していた 「それにしてもこの世界…」 既に館の外をかなり移動したはずなのに未だに遥か地平線まで続く深い森 「我々は今どこに居るのだ?こんな景色地上では見た事がない」 「まさか異世界とかだったりしてな」 自分でも洒落にならない事態と言う事は充分に分かっていた ナナエルは十大聖天第三位に攫われ今完全に孤立している 更に自分達はどうやらこの森だけの世界―空間に閉じ込められたらしい ナナエルの救出、この空間からの脱出、未だその糸口すら掴めぬままギデオンとカイザーは探索を続けていた 「このまま闇雲に動き回っても時間と体力の無駄だ。一度リーンの所に戻りグレイスとやらを倒してみるか」 「リーンの妹で子供だぜ?よく平気で倒すとか言えんな…」 「現状ではそれしかこの状況を変えられる方法はない」 冷酷な判断だが確かにその通りだった カイザーの冷徹なまでのクールな考えにギデオンは若干の反感を持ちつつも他に思いつく策も無く引き返そうとした矢先 ドヒュン!! 「!?」 地上から鋭い投擲物が飛来した 投擲物―槍があたかも雨が天に戻るが如く無数にギデオン達に降り注いできた 「えぇい!」 カイザーが絶殺視の能力で飛来する槍を全て焼き落とす 「誰だ!」 続いてギデオンが多次元から召還した巨大岩を攻撃地点に落下させる ズドドドド! 「ほぅ」 しかし岩は目標に落ちる前に無数の槍によってハリネズミのようにされ粉々に粉砕された 薙倒された木々の隙間から見えたそれは槍を全身から取り出す異形の男だった 「相手せざるを得まい」 素直に行かせてもくれないだろうその相手にケリを付けるべくカイザーが森に降りようとする 「悪ぃな、任せてもいいか?」 「構わん、すぐ追いつく」 普段あまり軽々しく戦闘に出ないカイザーだが さっき言っていた敵を倒すと言う策を試すためか珍しく自分から戦いに赴いた 「妹を頼んだぞ」 カイザーの口から出た意外な言葉 「お前…分かってるって!」 ギデオンは普段冷徹に見えるカイザーも 実は任務のため心の底に優しさを隠しているだけだったのだと、ナナエル捜索への決意を強めるのだった  「やっと2人きりになれたわね。黄金の瞳さん」  ナナエルとワンダーワールドは静かな部屋のテーブルに向かい合うように腰掛けていた 次回 アリスのお茶会
「私はあなたとお話したいわ、黄金の瞳さん」 「!?」 ナナエルは自分が指定され一瞬ドキリとする 自分の能力に自信はある。だが相手はあのクリブラを10分足らずで倒した程の化け物だ 正直言ってまともに戦って勝てる相手とは思えなかった 「本当に話すだけってんなら構わないぜ」 その時彼女の緊張を気遣ってかギデオンが割って入る 「本日はどういったご用件かな?お嬢ちゃん」 こう言う時だ 普段だらしなく軽口を叩いているギデオンだが、いざという時になると頼りになる そんなギデオンに時々ドキッとしてしまう自分がいる事に最近ナナエルは気付いていた 戦いになってもきっとギデオンに助けてもらえる そう思った時、その安易な気持ちを打ち砕かれる一言が発せられた 「ここじゃゆっくりお話も出来ないわね。場所を移しましょう」 「え―」 その瞬間、ナナエルはワンダーワールドと共に世界に溶け込むように消えてしまったのだった 「ナナエル!?くそっ!やられた!」 またしても不覚を取ったギデオンだが それは彼もワンダーワールドを相手にして冷静で要られなかったためのミスであった 「お前らしくも無い不用意な言動だったな」 以前ワンダーワールドに出会った時感じた不安感 己の多次元を繋ぐ能力でも止める事が出来なかった相手に対する僅かな虚勢が彼に判断を誤らせたのだった 「それにしてもお前が止められぬとは…どうやら単純な時空間移動ではないらしいな」 実の妹が格上の敵に攫われたと言うのにこの落ち着き様 普段ならそのクールさを流石と証したかもしれない所だが今はナナエルの危機である ギデオンは珍しく余裕を無くしていた 「そんな事言ってないでさっさと千里眼で探さねーか!」 「もう探している。だがどうやら射程外まで飛ばされたようだ」 ギデオンの絶殺視の能力射程はさほど広くは無いが千里眼は別だ その能力の及ぶ範囲は半径数千kmにも及び監視衛星以上の絶対視力なのだ その彼が見つけられない所へ一瞬でナナエルごと移動できる相手―ギデオンは冷や汗を流した 「ナナエル…」 「そんな事より今は自分達の心配をした方が良いらしい」 カイザーの指摘にハッと周りを見ると ガチャーーーン!! 「なっ!?」 ガラスや壁を突き破って進入してきたのは不恰好なロボットの兵団であった 「久しぶりねバカ兄貴」 その兵団の真ん中から現れたのはまだ10歳くらいのガチ幼女であった 「誰だこのお子ちゃまは?」 「レディーに向って失礼ねこのオヤジ!」 「グレイス、お前なんでここに」 「解らないのバカ兄気?あたしは今十大聖天の9位に属してるのよ」 信じられない、十大聖天にはこんなお子様まで所属しているのか? 「兄妹感動の再開って訳か。妹さんお前と同じで口悪いねー」 「一緒にするなよなオッサン。アイツは性格最低のドSなんだぜ」 「な、ななななんて事言うのよこのバカ兄気ーーー!!」 グレイスが逆上してロボ軍団 『驚嘆すべきグレイスの団(アメイジング・グレイス)』がリーンに襲い掛かってくる その間隙を付いてカイザーとギデオンはロボ軍団を突破する 「悪いなリーン!ちょっちここは任せるわ!」 「ナナ姉ちゃんをよろしくなオッサーン」 「あー!?突破されたー!!バカ兄貴のせいでーーー!」 襲い来るロボのパンチをリーン特製加速シューズの効果で交わしつつギデオン達にナナエル救出を任せるのだった 「ワンダーワールドを探すんだ。奴の所にナナエルは居る」 うっそうと生い茂る森の上をギデオンはカイザーは次空間移動能力で移動しつつ千里眼でナナエルを探していた 「それにしてもこの世界…」 既に館の外をかなり移動したはずなのに未だに遥か地平線まで続く深い森 「我々は今どこに居るのだ?こんな景色地上では見た事がない」 「まさか異世界とかだったりしてな」 自分でも洒落にならない事態と言う事は充分に分かっていた ナナエルは十大聖天第三位に攫われ今完全に孤立している 更に自分達はどうやらこの森だけの世界―空間に閉じ込められたらしい ナナエルの救出、この空間からの脱出、未だその糸口すら掴めぬままギデオンとカイザーは探索を続けていた 「このまま闇雲に動き回っても時間と体力の無駄だ。一度リーンの所に戻りグレイスとやらを倒してみるか」 「リーンの妹で子供だぜ?よく平気で倒すとか言えんな…」 「現状ではそれしかこの状況を変えられる方法はない」 冷酷な判断だが確かにその通りだった カイザーの冷徹なまでのクールな考えにギデオンは若干の反感を持ちつつも他に思いつく策も無く引き返そうとした矢先 ドヒュン!! 「!?」 地上から鋭い投擲物が飛来した 投擲物―槍があたかも雨が天に戻るが如く無数にギデオン達に降り注いできた 「えぇい!」 カイザーが絶殺視の能力で飛来する槍を全て焼き落とす 「誰だ!」 続いてギデオンが多次元から召還した巨大岩を攻撃地点に落下させる ズドドドド! 「ほぅ」 しかし岩は目標に落ちる前に無数の槍によってハリネズミのようにされ粉々に粉砕された 薙倒された木々の隙間から見えたそれは槍を全身から取り出す異形の男だった 「相手せざるを得まい」 素直に行かせてもくれないだろうその相手にケリを付けるべくカイザーが森に降りようとする 「悪ぃな、任せてもいいか?」 「構わん、すぐ追いつく」 普段あまり軽々しく戦闘に出ないカイザーだが さっき言っていた敵を倒すと言う策を試すためか珍しく自分から戦いに赴いた 「妹を頼んだぞ」 カイザーの口から出た意外な言葉 「お前…分かってるって!」 ギデオンは普段冷徹に見えるカイザーも 実は任務のため心の底に優しさを隠しているだけだったのだと、ナナエル捜索への決意を強めるのだった

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