十六聖天外伝 残光~四章・前編~

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「結構夜は冷えますなぁ…」 女性でも、ここまで綺麗な黒髪はそうはいないだろう そんな黒髪を風になびかせながら、西園寺は浜辺を歩く次郎に向き直る 「ここまで来たら誰も聞いてへんと思います。ほな、良いですか?」 「あぁ。頼む」 「あれは今から年以上前の1月1日。20世紀最後の年の始まりでした」 ―北海道 極寒と呼んでも差し支えのないこの島の上空に二つの影がにらみ合っていた 「君が誰かは知らないが、これ以上の横暴を許すわけにはいかない。消えてもらう」 「口の聞き方がなっておらんな!十六聖天!我はヴェルカーガ・ソトルガツカヤ・ストレルカーニャ。この北海道王国の帝王にして  滅びの王。世界に滅びをもたらす破壊の化身よ!」 一つは当時十六聖天三位、西園寺鏡志朗 もう一つの影は全身を岩で覆った謎の人物 そして2000年問題を前に恐慌状態にあり暴動が多発していた北海道を1日で占領、洗脳した程の男である もっとも、年齢性別不明の彼が本当に男なのはは、定かではないが… 戦いは熾烈を極めた。西園寺の空間の断裂を、彼は周りに無数の砂を飛ばし、それが切り裂かれる様を見て 巧みに避けていた。そして大地で生成した鎧を体に纏う事で震動波すら耐え抜いていた とはいえ、ヴェルカーガの方も決定打は何一つ与えられておらず、戦いは膠着していた 「誉めてやろう。我にこの力を使わせるのだからなァッ!アァァアァンゴルモアァァ!」 「…これは。SSS級だと…!」 西園寺が気付いた時には、手遅れだった。大地系SSS級能力者のなせる技。北海道の上、いや地球の遥か上空に数十 キロメートルはあると思われる巨大な隕石が浮かんでいた 一瞬でこれほどの隕石を生成したのである。 「この星ごと砕けちれィ!そして死ねィ!死んで我を崇めィ!」 「…まずい!」 こんなものが地表に激突したら確実に人類を滅ぶ。止むをえない。 西園寺は封印していた力を解除した 艶やかな黒髪は、どんな刃よりも眩い銀色に代わり、その眼に宿った殺気はどんな刃より鋭い 旧約聖書の時代、兄であるカインに殺され地獄で永遠の復讐を叫んでいた男。永遠の復讐者アベルがそこに立っていた 艶やかな黒髪は、どんな刃よりも眩い銀色に代わり、その眼に宿った殺気はどんな刃より鋭い 旧約聖書の時代、兄であるカインに殺され地獄で永遠の復讐を叫んでいた男。永遠の復讐者アベルがそこに立っていた 「ほう。まだ力を隠しておったのか。良いぞ。足掻いて我を楽しませよ」 「後悔しろ」 次の瞬間、隕石は消えていた 「何?」 全く理解できない。何があった。何故我が操るべきアンゴルモアが消えたのだ。まさかこいつが…? 「面白ィイィィ!面白ィぞキサマァアアァァ!」 さらに上空に先ほどと同じ隕石が6つ出現する 「無駄だ」 「何…?」 再び消失。 「何をした…?」 「最初の一つは他の空間に飛ばして砕いた。もう一つは空間の断裂で無に刻んだ。残りは…燃やした」 「燃やすだと!?ふざけるな!貴様の能力は空間操作のはずだ!!」 「気にするな。お前もすぐ後を追う」 次の瞬間、ヴェルカーガのまわりが黒く塗りつぶされていた 空間を閉鎖し、そこにいくつもの空間を融合させ熱を起こす。 一兆度の火が存在するだけで。そのエネルギーは太陽の460兆倍。太陽系全ての星を蒸発させ、半径90光年内全ての 生物を死滅させるγ線の地獄を生みだす。だがコレはその非ではない 空間閉鎖を解除しようものならば、1秒もたたぬ間に宇宙そのものが蒸発する、兄カインを上回る滅びの力 彼と兄が「父」と呼ぶ存在と同等の攻撃力。無限熱量である。 最もコレすら「父」曰く、下の下の技であり、これより数年後、佐藤次郎と呼ばれた男に破られることになるのだが 「オレを怒らせた罪は重い。メキドにて無に帰順するがいい」 黒く塗りつぶされた隔離空間がゆっくりと消えていく 「…誰を…無に…帰順…だとォ…?」 ヴェルカーガは立っていた。息も絶え絶えで満身創痍といった様ではあるが、その地に立っていた 無限熱量を浴びて無事でいるもの等存在するはずがない…たった一つの例外を除いては 氷系SSS級。この世界で唯一絶対零度を生み出せるただ一人の存在。絶対零度で身を覆わなければ、無限熱量は耐えれるものではない 各属性世界に一人しか存在が許されないSSS級能力者。一人に二つの属性が宿る確率。それは天文学的な数値であろう 「力を隠していたのはお前だけじゃない…さぁ…続きだ…アァァアァアアァ!」 再び上空に隕石が出現し、今度は絶対零度の嵐が吹き荒れていた 「エター…ナル…フォース…」 どうやら呪文の詠唱を始めたらしい。大地と氷のSSS級の複合呪文。恐らく地球それ自体に深刻な影響を与えるだろう …こいつはここで、殺しておかないと、犠牲が大きくなる。満身創痍の今が絶好の好機。そう判断した西園寺は一つの決意をした 超空間振動。北海道全域の分子結合を粉砕する 「ぐ…おぉぉ…何だというのだコレは… 我の鎧が…アンゴルモアが…ぐおぉぉおぉお」 「お前は危険すぎる。世界の安定のため、ここで死ね」 「おのれェエエェ!十六聖天!!西園寺鏡志朗ウゥゥウゥ!!!必ず!必ず必ず必ず必ず必ず必ず必ず必ず  我は蘇る!必ずだ!その時こそこの星を必ず…」 亜空間に転移して無にしなかったのは、これから犠牲になる北海道に対するせめてもの手向けだろう 圧倒的な破壊の槌を叩きつけられ、ヴェルカーガの憎悪は北海道と共に海中に没した クリムゾンブロウ曰く「イチゴって野菜らしいぜ」 ブラックパイソン曰く「ありえねぇ」 十六聖伝外伝 残光~第四章前編~ 完
「結構夜は冷えますなぁ…」 女性でも、ここまで綺麗な黒髪はそうはいないだろう そんな黒髪を風になびかせながら、西園寺は浜辺を歩く次郎に向き直る 「ここまで来たら誰も聞いてへんと思います。ほな、良いですか?」 「あぁ。頼む」 「あれは今から年以上前の1月1日。20世紀最後の年の始まりでした」 ―北海道 極寒と呼んでも差し支えのないこの島の上空に二つの影がにらみ合っていた 「君が誰かは知らないが、これ以上の横暴を許すわけにはいかない。消えてもらう」 「口の聞き方がなっておらんな!十六聖天!我はヴェルカーガ・ソトルガツカヤ・ストレルカーニャ。この北海道王国の帝王にして  滅びの王。世界に滅びをもたらす破壊の化身よ!」 一つは当時十六聖天三位、西園寺鏡志朗 もう一つの影は全身を岩で覆った謎の人物 そして2000年問題を前に恐慌状態にあり暴動が多発していた北海道を1日で占領、洗脳した程の男である もっとも、年齢性別不明の彼が本当に男なのはは、定かではないが… 戦いは熾烈を極めた。西園寺の空間の断裂を、彼は周りに無数の砂を飛ばし、それが切り裂かれる様を見て 巧みに避けていた。そして大地で生成した鎧を体に纏う事で震動波すら耐え抜いていた とはいえ、ヴェルカーガの方も決定打は何一つ与えられておらず、戦いは膠着していた 「誉めてやろう。我にこの力を使わせるのだからなァッ!アァァアァンゴルモアァァ!」 「…これは。SSS級だと…!」 西園寺が気付いた時には、手遅れだった。大地系SSS級能力者のなせる技。北海道の上、いや地球の遥か上空に数十 キロメートルはあると思われる巨大な隕石が浮かんでいた 一瞬でこれほどの隕石を生成したのである。 「この星ごと砕けちれィ!そして死ねィ!死んで我を崇めィ!」 「…まずい!」 こんなものが地表に激突したら確実に人類を滅ぶ。止むをえない。 西園寺は封印していた力を解除した 艶やかな黒髪は、どんな刃よりも眩い銀色に代わり、その眼に宿った殺気はどんな刃より鋭い 旧約聖書の時代、兄であるカインに殺され地獄で永遠の復讐を叫んでいた男。永遠の復讐者アベルがそこに立っていた 「ほう。まだ力を隠しておったのか。良いぞ。足掻いて我を楽しませよ」 「後悔しろ」 次の瞬間、隕石は消えていた 「何?」 全く理解できない。何があった。何故我が操るべきアンゴルモアが消えたのだ。まさかこいつが…? 「面白ィイィィ!面白ィぞキサマァアアァァ!」 さらに上空に先ほどと同じ隕石が6つ出現する 「無駄だ」 「何…?」 再び消失。 「何をした…?」 「最初の一つは他の空間に飛ばして砕いた。もう一つは空間の断裂で無に刻んだ。残りは…燃やした」 「燃やすだと!?ふざけるな!貴様の能力は空間操作のはずだ!!」 「気にするな。お前もすぐ後を追う」 次の瞬間、ヴェルカーガのまわりが黒く塗りつぶされていた 空間を閉鎖し、そこにいくつもの空間を融合させ熱を起こす。 一兆度の火が存在するだけで。そのエネルギーは太陽の460兆倍。太陽系全ての星を蒸発させ、半径90光年内全ての 生物を死滅させるγ線の地獄を生みだす。だがコレはその非ではない 空間閉鎖を解除しようものならば、1秒もたたぬ間に宇宙そのものが蒸発する、兄カインを上回る滅びの力 彼と兄が「父」と呼ぶ存在と同等の攻撃力。無限熱量である。 最もコレすら「父」曰く、下の下の技であり、これより数年後、佐藤次郎と呼ばれた男に破られることになるのだが 「オレを怒らせた罪は重い。メキドにて無に帰順するがいい」 黒く塗りつぶされた隔離空間がゆっくりと消えていく 「…誰を…無に…帰順…だとォ…?」 ヴェルカーガは立っていた。息も絶え絶えで満身創痍といった様ではあるが、その地に立っていた 無限熱量を浴びて無事でいるもの等存在するはずがない…たった一つの例外を除いては 氷系SSS級。この世界で唯一絶対零度を生み出せるただ一人の存在。絶対零度で身を覆わなければ、無限熱量は耐えれるものではない 各属性世界に一人しか存在が許されないSSS級能力者。一人に二つの属性が宿る確率。それは天文学的な数値であろう 「力を隠していたのはお前だけじゃない…さぁ…続きだ…アァァアァアアァ!」 再び上空に隕石が出現し、今度は絶対零度の嵐が吹き荒れていた 「エター…ナル…フォース…」 どうやら呪文の詠唱を始めたらしい。大地と氷のSSS級の複合呪文。恐らく地球それ自体に深刻な影響を与えるだろう …こいつはここで、殺しておかないと、犠牲が大きくなる。満身創痍の今が絶好の好機。そう判断した西園寺は一つの決意をした 超空間振動。北海道全域の分子結合を粉砕する 「ぐ…おぉぉ…何だというのだコレは… 我の鎧が…アンゴルモアが…ぐおぉぉおぉお」 「お前は危険すぎる。世界の安定のため、ここで死ね」 「おのれェエエェ!十六聖天!!西園寺鏡志朗ウゥゥウゥ!!!必ず!必ず必ず必ず必ず必ず必ず必ず必ず  我は蘇る!必ずだ!その時こそこの星を必ず…」 亜空間に転移して無にしなかったのは、これから犠牲になる北海道に対するせめてもの手向けだろう 圧倒的な破壊の槌を叩きつけられ、ヴェルカーガの憎悪は北海道と共に海中に没した クリムゾンブロウ曰く「イチゴって野菜らしいぜ」 ブラックパイソン曰く「ありえねぇ」 十六聖伝外伝 残光~第四章前編~ 完

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