二十話


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ジャバウォックを一瞬で串刺しにしたアルハザードの実力を眼のあたりにした
ワンダーワールドの顔には、明らかに動揺の色が浮かんでいた

「な…。何なのソイツは…何なのソイツはァーッ!」

今回の戦いは常に予想外のことが起きる。ワンダーワールドの苛立ちは最高潮に達していた

「これは失礼した。私の名は元十六聖天二位アルハ」
「串刺しメタル」
「串刺しメタルだ…」

それに対してデスメタルは平然と、アルハザード改め串刺しメタルはやや情けなさそうに応えた

ワンダーワールドから放たれる殺気を感じたのだろうか
串刺しメタルは、姫を守る騎士の如く、デスメタルの前に立ち一言

「姫、私から離れないように」

そして深紅の球体で自分達を包み込むのだった

「ラストダンサー・カーテンコール!」

ワンダーワールドが持つ最強の攻撃能力
グリフォンの全てを粉砕する時空振 
バンダースナッチの全てをかみ砕く超重力波 
キングオブハートの対生体光
さらに彼女が持つ全ての能力
それら全てが、串刺しメタルに向けて同時に放たれた

ワンダーワールドは自分の力に絶対の自信を持っていたし
事実、これまでの戦いは常にワンダーワールドが相手を上回っていた
それ故に、彼女の中には余裕が存在し、その余裕と自身が相手を見下す原因となり
本気を出すと宣言し、リミッターを解除した現在も、どこか獲物を甚振る上位者としての驕りがあった

だがここにきて遂に、今度こそ彼女はその驕りを捨て去った
余力は残さない。全てを出し尽くし、目の前の“敵”を打ち砕く

「これにて…閉幕!」

ラストダンサーの死の刃が、串刺しメタル達を包む深紅の球体を音もなく両断する
球体が割れ、串刺しメタルの首が静かに地面に落ちた

「死して主人を守る。大した騎士様ね。見事よ」

首を失っても立ち続ける串刺しメタルをワンダーワールドは称賛する
カーテンコールに耐えきったのだ。見事と言えるだろう
そして、その忠実な騎士が守った二人の少女に対して、動揺の攻撃を加えようとした時であった

―グオォオォォオオォォォ…ン!

ワンダーワールドの隣で傷を癒していたジャバウォックの身体が粉々に砕け散ったのだ

「な…に?」
「なかなかに、面白い攻撃だったよお嬢さん。軽く万は殺されたかな」

ジャバウォックがいた場所に立つ男
ジャバウォックを内側から砕いた男
それこそ、今デスメタルの前で首を落とされ死んだはずの串刺しメタルその人であった

「ありえないわ!」

間違いなく、串刺しメタルの死体はデスメタル達の前に存在する
ならば、自分の横で笑みを湛えている男は一体何なのだ

「なるほど。死体があるのに何故私がもう一人いるのか…そう言いたそうな顔だね
 よろしい。その問いにお答えしよう」

デスメタルの前で立ち往生していた串刺しメタルの死体が、粉々に砕け散り、血の雨に変わる
次の瞬間、ワンダーワールドは更に驚愕することとなる

「私はね」「血があれば」「決して死ぬことはない」「一滴の血でも」「それは私であり」
「それは私ではない」「私が攻撃すれば」「君が攻撃すれば」「私は増え」「私は死ぬ」

大地に飛び散った血の全てが、串刺しメタルへと変貌したのだ。おびただしい数の串刺しメタルに囲まれ
ワンダーワールドは叫んだ

「ふ、ふざけるな!ふざけるなァーッ!ギガンテックフェザー!」

全ての串刺しメタルを吹き飛ばした、ワンダーワールドの息は荒い
それとは対照的に、デスメタルの表情は涼しい

全ての串刺しメタルを吹き飛ばした、ワンダーワールドの息は荒い
それとは対照的に、デスメタルの表情は涼しい

串刺しメタル…もとい、アルハザードは血がある限り無限に再生する
そしてその血の量は、人間が持つ量ではない
彼が肉の身体を失う前に吸った人間
そして、彼が肉の身体を失った後に
大地と一体化して吸い続けた血
数にして軽く億を超える
つまり、それだけの血、それだけの命のストックを持つのである
最も、攻撃にも防御にも血を消費し、更に自分の肉体を構築するのにも血を使い
その肉体の能力も構築に使用した血の量に比例するという欠点もあるのだが

「…なら…血の一滴も残らない程に…殺し切ってやるわ…アンサンブル・カーテンコール!」

アンサンブル・カーテンコール

ワンダーワールドの力を象徴する獣を全て一つに集めた
究極の合成獣。全ての力を公使しするもう一人のワンダーワールドとも言える能力
凄まじい性能を誇るが、単体故の欠点も存在する諸刃の剣でもあるその能力

「なるほど…これは少し骨が折れそうだ」

肉体を構成する血の密度を、最高にまで高めねば、これには勝てまい。面白い
串刺しメタルは久しぶりの戦いに、血が滾るのを感じた
不思議の国の最強の獣と、死霊使いが使役する最強のアンデッドの戦いが幕を開けた


―晴海埠頭
その頃晴海では、人前に姿をあらせない故
巨大人型兵器を操るハワワイザーがメカシバイを救助し
自身の巨大人型兵器に格納していた

「これでハワワイガーは完全ですぅ」
「みなぎる!これが力というものであるか!」
「メカシバイ、ストーリーテラーとの最終決戦ですぅ」

赤色陽電子砲 セキトバッシャーが晴海の空を紅く染め上げていく
十大聖天との戦いは終わりを迎えようとしていた

十六聖天外伝 ~失楽園の章~  21話
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