聖櫃探索編 第四話 「キルリアンズ・グローリー」


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「ミサイルが来るッ!!」
「えぇっ!?」

健吾はタコ部屋の窓から、数条の光を見た。

「今、木下が向かってる!!」

「馬鹿なッ!!!生身の人間になにができる!!」
ミハイルは仰天した。

UGM-84・潜水艦搭載型ハープーン対艦ミサイル

発射されたミサイルは3機

飛行速度は970km/h

無論、生身の人間が受け止めてどうにかできるものではない。

「それでもやらなきゃいけないのが、十六聖天のツライとこさねッ!!」

と一人ごちるギデオンは、唸りをあげて巡航するハープーンの真正面に立ちふさがると、

「開けッ!!」

3機の機影は渦を巻くようにねじ曲がり、手前に突き出されたギデオンの手の平に
吸い込まれ次々と消失した。
「なッ・・・・何が起こったんだ」
3っつの光る点がレーダーから掻き消えたのを見て、ミハイルは眼を白黒させている。

3機のハープーンはギデオンによってどことも知れぬ次元に
投棄された。

一方、

「ヴァイパースラァッシュ!!」
先端から4つに分かれたミストの刀身は人質に取られた作業員
を避け、正確に敵の脳天を貫く。

発掘作業の現場を襲撃するナチスの軍勢に応戦するアルスラ-
は、ある疑念にとらわれていた。

「十六聖天が派遣されてる事はナチスにも知れているはず・・・」

ナチス攻撃兵が纏う防弾強化服はミストに容易く切り裂かれ、
H&KG36の掃射はイージスにことごとく阻まれる。
ナチスの最精鋭であろうと、所詮は人智の域を出ぬ軍隊である。
十六聖天の敵ではない。

最大戦力は(ミサイルの発射基地だろう)旗艦に温存している
としても、この程度の戦力で襲撃する目的はなんだ?」
この事である。

作業用重機に決定的な損害を与えられたわけでもなく、作業員の
避難も数人の軽傷者を出したのものの無事完了している。
ミサイル攻撃が本命ならば、ギデオンに限らず空間操作能力者
によって阻止される可能性は考えなかったのだろうか?




「所詮クローン兵だ、大いに使い捨ててくれて構わんが・・・
こう、無謀な特攻を続ける意味はあるのだろうね」

薄暗い司令室の中で、二人の士官が話している。一人は軍服の
上から白衣を羽織り、青白い顔は若いような年寄りのような、
年齢の読めない顔をしている。

「敵はまだこちらの作戦の意図を読むに至っていません、
ドクトル・ファウスト」

もう一人は二十代ほどの若い士官だが、制帽をまぶかに被り、
表情を読みとることはできない。

「十六聖天ヲ侮ッテイルノデハナイカ同志ドミトリエフ」

二人の会話に割って入ったのは、巨大な壁。
いや、それは壁と見まごうばかりの巨大な人間だった。

トレンチコートに鍵十字の腕章を止めているが、パンパンに
膨れた体は手足の有無でかろうじて人間であることがわかる。
その顔はラバーマスクで覆われ、これまた表情は読みとれない。

「期待は裏切りません、コマンダー・ウォルフガング
 ・・・・・今日、この日の為に、僕はいるのだから」



アルスラーは、キルリアン家所有の船上で青い不知火が燃えているのを見た。

「あれは・・・・」

不知火は宙に舞い上がると、尾を引いてアルスラーの元に舞い降りた。

それは青く輝く髑髏馬にまたがる髑髏騎士軍団、中心にはマントを
靡かせ軍団の指揮を執るマグダリーナ・キルリアンの姿があった。
リーナの右手に握られた指揮棒を左右に振ると、列をなす騎馬軍団
は左右に展開。
天突く針山の如き無数の馬上槍を下ろし、

「атака(突撃)!!!」

号令一発、燃える槍ぶすまがナチスの軍勢に襲いかかった。

怒濤の勢いで押し寄せる亡霊の群れに、銃弾の雨で応戦する
ものの霊体に物理攻撃が通用するはずもなく、ことごとく後ろに
すり抜ける。
為す術なく炎の槍に貫かれ絶叫するナチス攻撃兵は、抜け殻の
防弾強化服を残して砂像と化し崩れ落ちた。

「キルリアンズ・グローリー・・・・・」

キルリアン家の秘宝、キルリアンズロッドを持つ者は、かつて
キルリアン家に仕えた英霊「キルリアンズグローリー」を使役
することができる。

その数四十数万騎。

リーナの加勢により、ナチスの敗色はますます濃いものとなった。

「ミサイル、次弾来ます!」
「あいよぉッ!!」

ハープーンがさらに三機。

ギデオンは先程と同じ動作で、手の平に異次元の門を開いた。
機影はまたも渦を巻いてギデオンの手の平に吸い込まれたが、

「!?」

轟音、

「ギデオンッ!?」

赤い閃光がミサイルの一機を撃墜し、炎がギデオンを
飲み込んだ。

「今のは・・・・!?」

アルスラーとリーナは、落下する軌跡をしばらく呆然と見つめ、
我に返り閃光が放たれた方向を凝視した。
そこには無数の赤い閃光、それをもてあそぶように操る軍服の男
がいた。

「ニ・・・・・ニコラ・・・・!!」

続く
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