二十一話


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全力で戦えば主達に危害が及ぶ。そう考え己の血で空間を作り上げ
ワンダーワールドの生み出した合成神獣と激しい戦いを繰り広げていた
吸血皇は、その身に流れる血の高揚を隠しきれず
その高ぶる感情を声に出す

「君、これは最高に楽しいな!そう思わないかね!?」

吸血皇に相対する獣は、答える代わりに雄たけびをあげた

「そうか!君もそう思うか!気が合うな化物!ならば化物同士楽しもうではないか!」

合成神獣の巨大な翼から、アギトから、腕から、眼から放たれる一撃は
全てがワンダーワールドの致死の技
吸血皇の身体は爆ぜ、再生し、そして再び爆ぜる

使い魔である魔犬や蝙蝠も、一瞬にして破壊される
あまりに苛烈な攻撃に、吸血皇は押され気味にも見えた。いや、事実押されていた

―だが、残念ながら君には負けてやれないな。
 この呪われた怪物の命を差し出す相手は、常に人間と決めてあるのだから

近年ではミナ・ハーカー ジョナサン・ハーカー ゴダルミング卿アーサー・ホルムウッド 
ジャック・セワード キンシー・モリス エイブラハム・ヴァン・ヘルシング…
そして彼の仲間でもあったソロ・アナスタシア
常に彼を討ち取るものは、人間であった
それ故に

「負けてやる訳にはいかないね」

合成神獣の攻撃が止まる。本能的に異変を察知したのだ
視界のすべてを覆いつくした血の霧の中から、声が聞こえる
その声は、先ほどとは違い、どこか低く曇ったような声だ
血の霧の中に、巨大な影が浮かぶ。それは先ほどまで闘っていた敵とは大きく違う

「ドラキュラ…その語源はドラクル。つまりはドラゴンだ。先ほど言っただろう
 化け物同士の戦いだと」

血の霧が晴れたとき、そこに立っていたのは、一匹の巨大な竜であった

『さぁ、始めようか』

―晴海埠頭

軍師王ハワワイガーの身体は赤い光を帯びていた

『な、何であるか。いきなり非常警報がなってるである!』
『はわわ~。うっかり自爆スイッチを押してしまいました~』
『何…だと…』

外部音声で、その声はその場にいる全ての人間に聞こえている

「まさかの巨大ロボットだ」
「そんな、嘘でしょう!?」
「つまり何です?」
「ちょっと待てよ!」
「何です?」
「まさかの自爆だ」
「自爆?」
「自爆って何です?」
「ここは巻き込まれる前に逃げたほうが得策だ」
「しかしいきなり自爆とは、十大聖天がそんな隙を許しませんね…」
「つまりどういう事です?」
「黙れ茶色オックス」
「黙れって、つまりどういう事です?」

『その通り!こんな隙を逃がすはずがありません!』

赤く光り、今にも爆発しそうなハワワイガーに対して
巨大な影が躍りかかる。それこそは
ストーリーテラーが最終兵器として用意した機甲兵「ホクバツゼッタイオー」


『食らいなさい。反骨相面剣キル・ザ・ギエン…何!?』
『はわわ~。自爆ボタンじゃなかったですぅ』
『然り。それはセキトバッシャアァァァーッ!である』

動かぬ的と思っていた為、無防備に突撃していたホクバツ・ゼッタイガーは
セキトバッシャーの一撃で左腕を吹き飛ばされていた

『この私の裏を…。許しませんよ』
『何のことなのか全くわからないですぅ』
『頭がおかしくなっちまったとしか思えないのである』
『おのれ!こうなっては…見なさい。星をも砕く天下奇才砲!ゴジョウゲンメテオ!』

「星をも砕く、だと…」
「そんな、嘘でしょう?」
「ちょっと待てよ!」
「何です?」
「諸葛亮孔明が死んだ時、五丈原に大きな流星が走ったと聞く」
「不吉な名前を武器につけるだなんて、そんなのまるで…」
「つまりどういう事なんです?」
「うるさい茶色」

『むぅ、ハワワイザー。あれを使うである』
『はわわ~。脱出装置なんですぅ?』
『違うのである。あれである!何か凄いやつ!』
『何をゴチャゴチャと…。消えさりなさい。十六聖天」

片腕を失った為、ゴチャージに時間がかかったが
ゴジョウゲンメテオは遂に今、発射されようとしていた
敵のパイロットは明らかに未熟。パイロットの腕の差を知るがいい
ストーリーテラーが勝利を確信し、ゴジョウゲンメテオを発射しようとした時
ストーリーテラーの顔に、風が吹き付けていた

ストーリーテラーは一瞬何が起こったのかわからない
密閉空間であるコクピットに風…?

『天下三分剣…クライミングバショク!』

ハワワイガーの剣が、ホクバツゼッタイオーを両断していたのだった

十六聖天外伝 ~失楽園の章~  22話
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