~Another World~ ある夏の午後 番外編 格差社会


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花子のマンションはすごい
まずなんといっても広い。部屋が六つもある。六つも一人で使っているのだ
どうすれば六つも使えるんだろう。これが大人って事なんだろうか
けど、月子に一つ部屋を貸してあげたら、月子は楽になるし、花子と入れて嬉しいんじゃないだろうか
お風呂場のお礼も兼ねて、私は花子に提案してみた

「花子、花子、月子を住ませてあげて」
「デスメタル!?」

月子が凄く綺麗な眼差しで私を見ている。嬉しそうだ

「それはダメっすよー」

そしてそれは予想外の返答だった。花子も月子のこと好きそうなのに

「姉様は、自分で生活する為に家の援助を一切借りない立派な人なんです
 だからワタシがそんな提案してもきっと断られるに決まってるッス。ねー。姉さま」
「そ、そうよ。デスメタル、妹の手を借りるなんてするわけないじゃない…」
「やっぱり!さすが姉様ッス。カッコイイ!大好き~!」

私は見た、月子が血の涙を流しているのを
人間、素直にならないとダメなんだね

私は見た、月子が血の涙を流しているのを
人間、素直にならないとダメなんだね
花子の部屋はTVが凄い。私と同じくらいの大きさがあるし
ゲームがいっぱいある。これはすごい。たまらない
しかも何か涼しい。これはまさかクーラーなのだろうか
私は冷気の出所を確認して確信する
間違いない、クーラーだ。お店以外にクーラーがあるなんて
それにしても涼しい
クーラー…こんなものがあるなんて、誰が作ったの?博士?
天才としか思えない…
ハッ! 私は今凄い事に気づいてしまった
夏を涼しくできるということは、コイツまさか冬を暖かくできるんでは…

「デスメタル、どうしたの?顔が真っ青よ?」
「月子、クーラーって冬はあたたかいの?」
「それはクーラーじゃなくて暖房っていうのよ」

なんということだ… やはり対になるものは存在していたのだ
光と闇、陰と陽、クーラーと暖房…
月子は笑っているけど、私にとっては笑いごとじゃない。なんてことだ…
冬が暖かい場所なんてお店か火葬場くらいのものと思ってた…
つまり、花子の家はお店と同等のスペックを誇っているのだ…

「――。暖房って知ってる?冬も暖かいんだよ」

私はその事実を誰かに広めたくて、――。につい言ってしまう
だがその返答は予想外なものだった

「知ってるも何も家にあるわ。っていうか何処の家にでもあるでしょ、そんなもん」

なん…だと…
話が見えてこない。

「花子、クーラーとか暖房は珍しい?」
「何言ってるッスか?何処にでもあるッスよー」

なん…だと…
―マスター。それは君の生活水準が極端に低すぎるのだよ
頭の中に声が響く。アルこと串刺しメタルだ
―ちなみにね、私のいる空間にもそれは“ある”
なん…だと…。僕ですら持っているのに、私は持っていない…
(おしえて、どうすればそれを手に入れるの)
―ふむ…。どうやらマスターはまず基本的な常識をわきまえていないようだ
(そんなことはいいから、はやく)

―買えばいい。それだけの事
(いくら位するの?)
―ふむ…。安いものなら日本円にして2.3万あれば買えるのではないだろうか
その時私に電流走る
高すぎる。1円玉が何枚あるっていうの。そんなの数えられない
そんなものを何処の家も備えてる…?
それが私に与えた衝撃は、軽くはなかった

「ねーねー!みてみて!この浴衣!かわいいよー」
「似合ってるよ、お姉ちゃん」
「ってお姉ちゃん、何するの、やめて、帯引っ張らないで」
「嫌よ嫌よも好きのうちじゃー」
「やめて~! 目が回る~!」
「姉様、バイオ5で遊ぶッス!」
「ダメよ花子。私怖いゲームは苦手よ」
「いいからいいから!」
「やめて、おっかないわ…。何あれ。化け物よ!」
「そりゃバイオッスから」

格差社会、か…
夏の空は、まだ青い

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