十六聖天外伝 夢と、もう一つの世界 一話


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「あぁ…ネリーにクリステルじゃないか。ひさしぶりだねェ!」
「本当にね。出来たら死んでて欲しかったなぁ。一人称がボクのキャラは二人もいらないんだよね。被るし」
「相変わらずだねー。レミーと同じ顔なのが死にたくなるよ…」

そういいながら、ネリーは双子の弟達を抱き寄せると
頭を撫ぜながら「よく頑張ったね、エライよー」と微笑みかける

「チ…相変わらず兄に逆らう妹だなぁ!ネリイィィィ!」
「馬鹿だなぁ、レミー。君の相手はボクだよ?」

ネリーと双子に襲いかかったバンダースナッチは
同じバンダースナッチによって全て撃ち落とされる
クリステルもまた、バンダースナッチの使い手である

「それにナニ?ダメだなぁ、歯ぎしりなんかさせてちゃ。下品だよ、キミのソレ」
「ぐ…ふざけやがって…!やれ、バンダースナッチ!!!」
「だからさぁ…気づきなよ?ボクのバンダースナッチはキミのソレより」

クリステルに向い襲いかかった不可視の獣が全て、同じ不可視の獣に食いちぎられる
不可視。それ故に見えない獣だが、その血だけは不可視ではないらしい
血の花を周囲に咲かせながら、クリステルは

「遥かに強い」

と一言、レミーを睨みつけながらその力を見せつけた
驚愕の声をあげながら、レミーは呆然とその光景を見ていた
勝負有りだ。同系統の能力である以上、使い手の資質が勝敗を分ける
そしてこれ以上ないほどに、使い手の資質には差があるのだ

「どうやって生き返ったのかとか、どうやってバンダースナッチを得たのかは知らないけど
 付け焼き刃なんかに負けれないよね」

元十大聖天No5クリステル・キャロル
十六聖天裏六位、ムーとも交戦したことがある少女。
能力にかまけず、地獄のような特訓をしてその能力を、オリジナルのネームレスワンに近づけようとした少女
彼女のバンダースナッチは今や限りなくネームレスワンに近い

「く…はははは…あははははは…流石はネームレスワンに次に強いと言われただけの事はあるねェ!」
「これから死んじゃうって考えたら笑えてきたの?笑えないよ、キミに殺された兄弟達の事を思うとね!」
「へぇ…知ってたんだねェ!」
「知ったからここに来たのさ。今や数少ないボク達の姉妹を殺しまわってる奴がいる…それがキミだったなんてね」

「そうさ!ボク達さ! 君たちはもう時代遅れの旧式なんだよ!」

「“達”?まぁキミが一人で生き変えれるはずもないから、何かしら背後にいるとは思ってたけどね…
 何にせよ、その旧式に勝てない人が良く言うよ」

“旧式に勝てない人が良く言うよ”
元より妹に劣るとされ、劣等感の塊でありながらもプライドだけは誰よりも高かった男である
その一言はレミーの心を深く抉り、その顔が怒り一色になる

「ふ、ふざけやがって。勝ち誇りやがって!見せてやる!見せてやるぞ…このボクの新しい力を見せてやるぞ…!」
(新しい力…?バンダースナッチは既に打ち破った。その上で“新しい力”…?)

幼く、そしてワンダーワールドの量産型とはいえ十大聖天の五位を務めていたほどの才幹の持ち主である
“新しい力”というその一言に違和感を覚え、咄嗟に守りの態勢に入りながら距離を開けたのは
流石クリステルと、称賛されるに値する行動であろう

『へぇ。よく死ななかったねェ!流石はアリスナンバーズで2番目に強いと言われるだけあるねェ!』

醜悪な顔の巨大な化け物は、身体中から血を流し肩で息をしているクリステルに笑いかける

「今のはバンカーバスター…?それにナニ…その姿は」
『そうさ!そのとおりさ!美しいだろう!すばらしいだろう!これがナイトメア!ボクの新しい姿さ!』
「…美的感覚が狂ってるね。頭と一緒だ」

オリジナル。つまるところワンダーワールドにしか使用が許されなかった
バンダースナッチの真の能力・バンカーバスター。クリステルでも決して到達しなかった力
その力を見せつけられても、クリステルはクリステルのままであった。その瞳にはかつてワンダーワールドと同じく
強い意志が宿っていた。絶対に負けない、思い通りにならない、という強い意志が

『まだ、そんな口を聞くのかい?命乞いをすれば殺さない程度に痛めつけて性処理にでも使ってやるよォ!?
 この姿になるとねェ!二度と戻れないんだよォ!君のせいでねェ!なら一生僕に奉仕するのが君の責任という奴だろう?』
「冗談。舌噛んで死ぬね」
『そーかィ!なら一つ教えてやるよ、ボクには仲間がいる。そう、仲間がね』
「!!」

クリステルの顔色が変わる
この場にその仲間がいないという事は恐らく…

『そうさ、頭のいいクリステルならわかるだろう?ネリー達を追ってるんだよ、今ァ!!
 “キミ”で“このザマ”なんだ。ネリー達なら勝つ事は出来ないだろうねェ!死んじゃうだろうねェ!』
「卑怯者…」

『そうさァ!今更だよ?あはははははは!良い顔だ!助けたいなら命乞いをするんだ!ボクの奴隷にしてくださいって言うんだ!』
「…ひきょう…もの」
『聞こえないなぁ!?もっと大きな声で言わないとォ!』
「…さい」
『もっと大きな声でェ!君の目の前でネリー達をバンカーバスターで殺してもいいんだよ?僕の真のバンダースナッチでェ!」

そんな折である。クスクスと少女の笑い声がレミーの耳に聞こえてきたのは
明らかに自分に対する哄笑の色が感じとれるその声に、レミーは容赦なく力を振るう

『誰だ!ボクの事を笑うのは誰だ!?」

だがバンカーバスターの重力波を叩きつけて、周囲にある全てが圧壊させても
その笑い声は消えない

『誰だァ!出て来い!出て来い!出て来イィー!』

そんな声とともに、レミーの足元に大きな物が飛んでくる
それは今のレミーの姿に酷似した…

『ボクの兄弟達!新しい兄弟達が…!誰だァ!」
「ホンモノのバンカーバスター?笑っちゃう。見せてあげる。ホンモノを」

それがレミーがその生涯で聞く最後の言葉となった

一枚の鏡が月光の下、キラリと輝く
その鏡の側にたたずむ少女はの髪の色は月の光を受けて光輝いていた

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