十六聖天外伝 12話くらい


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ガラリ―。と瓦礫が崩しながら現れた“赤の女王”の口元には、薄らと赤いものが滲んでいた
だが、その顔は何故か嬉しそうに微笑んでいるようにも見えた
まるで、我が子の成長を喜ぶ母のように

「なるほど。見誤っていました。データにない身体能力です。戦闘能力指数を1から2に訂正しましょう」

その言葉を聞いたアリスは、にやりと笑い

「2でいいの?今のアリスを貴女の中にあるデータと一緒にしてると、後で困っちゃうよ」

再びアリスの姿が“赤の女王”の視界から消える

「!?」
「赤の女王さん…?」

再び、その速度に反応することが出来ず無様に“赤の女王”の身体は宙を舞っていた

(お母さん、アリスには大事な友達がいっぱいできたんだよ。みんなすごく強いんだ
 毎日、みんなの背中を見てきたわ。それに好きな人が出来たんだよ。ジロウっていうの
 今の私の力は、みんなあの人達のおかげ。今の私があるのはみんな、あの人たちのおかげ
 そして、私を産んでくれた貴女のおかげです。だから、お母さん。アリスが貴女を…)

「倒します」

渾身の一撃を、胸に叩き込む。それで終わりのはずだった
だが―その一撃は空しく空を切る

「避けられた!?」
「あなたの身体能力は完全に私を圧倒していますね。予想外でした。ですがあなたは勘違いしています
 私に実装されたドリームワールドは、アリス計画の母体となった人物の能力と聞いています
 それはつまり」

いつの間にかアリスの背後に立っていた“赤い女王”の周りには鏡が光を反射させ煌めいていた

「嘘…!」
「すべての能力は私から生まれた。三種の神器が埋め込まれたあなた程の出力はないでしょうが
 お見せしましょう。これこそが真のオリジナル―」

“赤の女王”の周囲に現れ出したそれらは、姿や形は若干違えど、それは間違いなく
アリスやワンダーワールドが使役する能力と同等のモノ

「終わらない夢をその胸に抱いて、逝きなさい」


ぞくり、と寒気がした。酷く嫌な感じだ

「どうしたのだね、マスター」
「感じる。すごく嫌な気配」
「あぁ、そうだね。マスターのお友達は酷くピンチなのではないだろうかね」
「…」
「それでも助けに行かないのかい」
「いかない。信じて待ってろって言われたから」

そんな二人を囲むように、かつてスコットランド人だった亡者が
襲いかかる

「だから、せめて戻ってきた彼女達がこれ以上闘わなくて済むように
 この場所に巣食う亡者を一掃する、か。泣けるじゃないか、マスター」
「煩い」
「しかしこれは恐ろしい数だね。スコットランド人は一体総人口何十憶いたんだい
 私もさすがに少し疲れてきたよ。いっそ力を解放させてくれないか」
「…」

吸血皇の言葉は最もだった。かつてスコットランド人と呼ばれ、今は闇に囚われたモノ達は
倒しても倒しても、無尽蔵に湧いて出ていた
それこそ、もう六十億は下らない数を倒した気がする。それでもまだ、その攻勢が止む気配はなかった
自分も、吸血皇もまだ力は温存してある。だがこれはいざという時に蓄えてある力だ。そう簡単に使うわけにはいかない
特に、今のこの自分の力が不安定な状態では。そんな時である。彼女は色の変わった左目に、見覚えのある影を見つけたのは

「お主ら妾を蚊帳の外に置いて、自分たちだけで面白い事をしておる楠」

これから悪戯をする子供のような笑顔を浮かべるそれは、どう見ても幼女
幼女は、周りにたむろする黒い人影など、まるで見えていないかのように
デスメタルに近寄ると、指を鳴らす
パチン―。周りに殺到していた黒い影は、一つ残らず消え去っていた

「なに。事の成行きを見守りにきただけの事よ。三種の神器は元々妾の物であるしの」

笑う幼女。彼女こそは幻獣の神。

12話くらい
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