十六聖天外伝 多分12話くらい


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「流石、幻獣の神。大したものだね。恐れ入ったよ」

すっかり更地になった、かつてのスコットランドを見渡して
吸血皇は腕をあげて、おどけて見せる

「ありがとう。助かりました」
「うむ。汝は素直ないい娘じゃ楠。妾は素直な子供は好いておるぞい」
「ところで、ネッシー。貴女がここに来たのはやはり、例のあれかい」
「うむ。左様じゃ」
「妾が常に所持していたが故、歴史から消えた三種の神器の最後の一つ草薙の剣
 …それにあの娘が気になって楠」

そう言って、幼女達はアリス達が戦っているであろう、一見何の変哲もない家屋に思いを馳せた


ドリームワールドを解放した“赤い女王”は、解放後、一歩もその場から足を動かしてはいなかった
それほどに、圧倒的だった
恐らく、アリスの力が無効化されていなければ、三種の神器をその身に二つ宿すアリスの方に分があった事だろう
だが、それらの能力は無効化され、アリスは生身の肉体ひとつで戦っていたのだ
出力で劣るとはいえ、自身の能力と同質のドリームワールドと…

「大したものですね。ミラーワールド」
 正直、あなたがここまでとは思いませんでした。身体スペックでここまで凌ぐとは」
「アリスは、絶対に負けられないから。だからまだ戦えるの」
「あなたの負けられない理由には興味などありませんが、ですがあまり長引かせるのも好ましくありません」

ぞくり、空気が変わったのをアリスはその身で感じ取った
今までアリスが凌いでこれたのは、“赤い女王”が使役する獣が下位ランクのものだったからに他ならない
だが、この感じは、来る。
間違いなく主戦力、圧倒的な力の象徴達が

「ミラーワールド。あなたに敬意を表し、その名と同じ鏡を使いましょう
 出よ―夢鏡宮」

名前こそ違えど、それは間違いなくアリスの天鏡宮と同質のもので
それはつまり

「引き裂きなさい。“不可視にして群れるもの”」

アリスが使役する鏡の国の魔獣と同等のモノが襲いかかってくるという事であった

「バンダースナッチ!?」

姿は一切見えない。速い。裁ききれる…!?
ううん、全部撃ち落とさないと。じゃないと勝てない
不可視の獣、バンダースナッチ。それは群れで行動し素早く、小さい。
その牙は獰猛で、あらゆるものを引き裂き噛み千切る
だが、そんな群れる魔獣を、アリスは的確に打ち落としていった

(思い出せ…ハンゾーが普段どうやってあんなに素早く動いてたかを
 思い出せ、ケンゴやガクやシノブが、普段どんな足さばきで攻撃を避け、どうやって攻撃していたかを
 思い出せ、田中さんやいっけいさんの不屈の闘志を。折れるな、負けるな私
 思い出せ、ジロウの、みんなの笑顔を…)

その時、初めて“赤の女王”が驚いた。素手でバンダースナッチを全て打ち落としたのだ
不可視の魔獣を

「…ミラーワールド。見事という評価を下すべきなのでしょうね
 ですが所詮、生身ではこれは防げない」
「!!!」

身体が重い…重力操作…!?

「まずい、バンカーバスター…!」

バンダースナッチの真の能力、バンカーバスターの重力波
出力の違いからか、いきなり超重力で圧殺されるという事はなく
微妙に変化する重力を感じ取って、間一髪避けることが出来た、が
その隙を突かれ、アリスはバンダースナッチの牙をその腕に食い込ませていた

「チェックメイトです。その腕では、もうこれ以上の戦闘は不可能でしょう」
「…まだだもん」

思い出せ、散々な扱いを受けても、その眼から闘志の炎を消さない
田中を、斉藤を、いっけいを、蓮鳳を…!
アリスは、残りの片腕に力を込め、一気に距離を詰める
まだ勝負はついていない…!
渾身の力をこめて、そのこぶしを振り下ろすも、砕けるのは鏡
鏡を媒介に、“赤の女王”アリスの背後に回り込んでいた

「あなたはよく戦いました。このラビリンスには、二人の守護者がいたはずです
 ディストーションミラーとフェイクワールド
 彼女たちは、あなたを止めるに十分すぎる力の持ち主でした。ですが今その反応もありません」
「…?」
「あなたが倒したのでしょう。それだけで称賛されるべきです。これ以上見苦しいマネはやめて、眠りにつきなさい」


“赤の女王”が何気なく語ったその事実
それにアリスは微妙な違和感を感じ取っていた
ディストーションミラーはアキタローが倒すと言っていた。そして実際倒したのであろう
だが、フェイクワールド。彼女はアリスと出会っていない
てっきり、出会うことなく突破できたと思っていたが、反応がない…?
どういう事なのだろう

「くすくす…随分楽しそうな事をしているのね」

その時である
どこかで聞いたことのある声が、アリスの耳に飛び込んできたのは


―十大聖天戦との決戦時

自分の神器を移植して、姉を助けてほしい
そう懇願する妹の頼みを、デスメタルは聞き入れたくはなかった
だが、このままでは両方助からない
決断しなければならない。どちらかを助けないと
その瞳に涙を浮かべながら、決断し、その処置を行おうかとしていたその時であった

「おぉ。やはり此処であったか。神器の共振を頼りに来てみた甲斐があったものじゃ楠」
「あなたは…ネッシー?」

和装の幼女は、にこりと笑い頷くとデスメタルが置かれている現状を見て一言

「なるほどな。大きな、重大な決断よ楠。どうするのじゃ、娘。早くせぬと両方死におるぞえ」
「わかってます…。だから、私は…」

涙を流すその瞳が、金色に輝く

「なんと。汝、金色の魔眼の持ち主であったか…
 ふふふふ…面白い。助けれるぞ、その娘」
「…?」
「何を呆けておる。両方救えると申したぞえ」

その胸からひと振りの剣を引き抜くと、ネッシーは笑った

「じゃが、汝にも大きな代償を払ってもらわねばならん。その覚悟があるなら
 この剣を取るがよい」

デスメタルは、躊躇うことなくその剣に手を伸ばしていた

「いいじゃろう。汝はまだその眼の事を知らぬようじゃな。その呪われた眼の秘密
 今こそ明かそう」

今ネッシーの顔から笑顔は消えており、その眼は厳しく、険しいものとなっていた


「嘘…」
「あら、失礼ね。お姉ちゃん。私に足がないように見えるのかしら」

くすくすと少女は笑う
だが、それでも目の前に立つ少女を見ても現実と思えなかった
倒した覚えがなく、それでいて倒されたらしいフェイクワールドは実は
やはり倒されてなどおらず、彼女の能力かと思った
だが、その考えは間違っているということに、アリスは気づいた
“赤の女王”のドリームワールドはすべての力を無効化するのだから
ならばそれは

「こんなにボロボロになって。力も封じられて…それでもお姉ちゃんは戦うのね」
「…」
「でも、だからこそ、私のお姉ちゃん。私のたった一人のお姉ちゃん。帰ってきたよ…」

少女は、傷ついたアリスを抱きしめ、一言

「ただいま、アリス」
「おかえり…テレス」

多分12話くらい

クリムゾンブロウ曰く「お茶にごすの部長可愛過ぎる。マジ無茶苦茶にしてぇ」
ブラックパイソン曰く「糞が。なんで殆どエロが無ェんだよ。殺すぞ」
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