社長、生きる大変さを知るの章

「社長。我が社の株が急落しています」
「アイヤー。なんとかするアル」
「無理です」
「救命阿!」
「潰れました」
「…ニートアルか?」
「いいえ。乞食です」

これは楽さんの、会社再興を描いたサクセスストーリーである

「風呂、入りたいアル。昼飯は満貫全席じゃないと喰った気しないアル」
「こんな惨めなのは、メダカに負けたとき以来ネ」
「あ、あれは椿アル。椿、楽アルよ」
「あぁ。なんだ。くせぇ。乞食か」
「ちっ 違うアル!社長アル!これは最近はやってる香水アルよ!」
「なんだ。なら食い物には困っちゃいねぇよな。弁当二つあるんだけど、夕食に回すとするよ」
「そっ そうするがいいアル!今度伊勢エビでも食わせてやるアル!」
「すげぇな、さすが社長だ。じゃあな、楽」
「バイバイアル」
「…おなか空いたアル…」
「アイヤー…ここ最近泥水と草しか口にしてないアル…」
「新潟は荒廃しすぎアル…。生き物の気配が感じられないアルよ…」
「戦いとは悲惨なものアル…」
「助けて!獣人よ!」
「アイヤー。うら若き乙女が、獣人に襲われてるアル!」
「そこまでネ。この楽が来たからには野良獣人如き敵じゃないアルよ」
「がー」
「空腹のあまり一時はどうなるかと思ったアルが、これでもう安心アル。気をつけるアルネ」
「ありがとうございました」
「暇だし獣人のあとを追うある。上手くいけば巣に餌があるかもしれないアル」
「…これは… 獣人と獣人の赤子…。獣人も生きていくのに必死アル…」
「生きるって大変だったアル…」

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最終更新:2008年10月21日 20:56
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