四堂家の朝


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今日は気持ちの良い朝。
まだ冬の余韻が残るこんな日だけどそれはそれで心地良い。
私は朝ごはんとみんなのお弁当の支度をしながらよく外を見る。
雀が囀するそんな朝、私はこんな朝が大好きだ。
後ろではまだ眠っている私の可愛い妹たちが三人。
元気いっぱいの夏夜。
ちょっと意地悪だけど素直な秋奈。
おとなしいけど優しい冬音。
みんな私の可愛い妹たちだ。
「起きなさい、夏夜、秋奈、冬音」
「……ん、そこはいやぁ……」
「もう食べれないよ……」
「後、世界が一巡するまで……」
「ほら、起きなさい、みんな遅刻するわよ」
いつものように私はみんなを揺さぶる。
でも誰も起きない。
これもいつものこと。
少しだけ待ってあげて今度は大きな声で呼びかける。
「朝よ!! おきなさい!!!!」
「「「!?」」」
そしてやっとみんな目を覚ます。
これが私の日常。
これが私の過ごす日々。
昔も、今も、これからは……分からない。
でもみんながちゃんと立派になってここを出て行くまで私はこのままでありたいと願う。
それが私が望む本当の幸せなのだから。

「んじゃ、行ってくるね」
「いってきまーす」
「行って来ます……」
「気をつけてね。遅くなるようだったらちゃんと連絡するのよ」
「はいはい、分かってるって。もー春姉は心配性なんだから」
いつものようにいつもの言葉を交わし、私はみんなを見送る。
いつまでもいつまでもこの日々が続くことを願って……





「春ねぇ起きろー朝だぞー」
うるさいよー
「お姉ちゃん起きてよー」
もうちょっとだけだよー
「おきて……」
冬は可愛いなぁ
「もう、春ねぇが食べないと片付かないでしょ」
朝ごはんの良い匂い。
私の大好きなナメコの味噌汁に玉子焼き、それと炊き立てのご飯の匂いだ。
「私たちはもう行くからさ、朝ごはんあったかいうちに食べちゃっててね」
私は布団の中で頭を振って答える。
まだ冬の余韻が残る朝は寒いのだ。
「あ、絶対に温め直しをしようなんて思わないでよ?」
夏が釘を刺してくる。
私だって温め直し位出来るのよ。
成功率は20%を超えたんだし。
「それじゃ行って来るね」
「いってきまーす」
「行って来ます……」
「いってら……あ」
私は思わず顔を出す。
「夏、玉子焼きは?」
「甘いのにしといたよ。そっちのが好きでしょ」
「えへへ」
思わず微笑みが毀れる。
夏は私のことがよく分かってくれてる。
「そだ、食べるのはいいけど食器はそのままでいいから。絶対に洗おうなんて思わないでよ?」
またしても釘を刺してくる。
しかし私も流石にこれは承諾する。
食器洗いの成功率は未だ10%に満たない。
これは当面において対処するべき問題38個の中でもトップクラスの難問なのだ。
布団の中で丸くなりながら私は妹たちを見送る。
そしてそれから五分ほどして布団を被ったまま食卓へ向かう。
ご飯はまだ温かい。
味噌汁も目玉焼きもだ。
妹たちへと食材を作ってくれた人たちと食材になってくれた子たちへの感謝の気持ちを込め
て私は手をあわせる。
「いただきます」
これが私の日常。
これが私の平穏。
私の一番大切なもの。
そしてあまり妹たちの役には立ってないと思うそんな私でも妹たちの役に立ちたいと思うこ
とがあるのだ。
だから今日もまたこっそり食器を洗う練習を始めるのだ。
だってあるはずの食器がなくなっていても妹たちはいつも気づかないのだから。
「ごちそうさま」
そして私は食器を重ね流し台へと向かっていった。
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