十六聖天外伝 雪月華の章 第一幕


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

「のんきにお友達と下校…?良い身分ね?華子さん…?」
それは何の前触れもなく訪れた。
共に帰路についていた、アルゲマイネ・そしていっけいが吹き飛んだのである
「あら。避けたのね。一応褒めておいてあげます。もっとも華京院を継ぐ者としては当然ですけど」
二人も十六聖天…あれくらいでは死にはすまい、と判断した花子は「音」のした方に向き直る
この波長の衝撃破は…。自分の頭に浮かぶ予想を否定したいそんな思いを込めて敵を見据えるも
その思いは見事に打ち砕かれることとなった
「…やはり、雪子お姉様なのですね…。考えたくは…ありませんでした」
「あら。何を考えたくなかったのかしら。私が貴女を攻撃したという事実?」
花子を見下ろすように立つのは、和服に身を包む妖艶な美女
花子が成長すれば、こんな美女になるのであろう。そう思わせるほどに、花子に似ていた
違うところがあるとすれば、花子と比べて眼が切れ長で、尚且つ氷のように冷たい視線であろうか
「そんな訳ないでしょう?私は貴女が嫌いなのよ、華子さん。憎いのよ。家を出て6年
 一時もあなたを憎いと思ったことはないわ…」
腹違いの妹に憎悪を打ち明ける姉、腹違いの姉に憎まれる妹。あまりに悲しい姉妹が、そこにいた
「お姉…様…」
「なぁに?泣いてるの?家出をした実の姉が、自分の事を嫌っていないとでも思っていたの?」
無論花子も馬鹿ではない。そんな事は薄々感づいてはいた。だが認めたくはなかった。だから考えたくなかった
「…この愚図がッ!こんな愚図がッ!私から家を奪い、母を奪い、父を奪い…!」
彼女の憎しみの声が、まわりの建築物を破壊する
これぞ、華京院家に伝わる真の能力。楽器を媒介にする花子と違い、自分だけの力で音を武器に変える能力
音の鎚を叩きつけられ、花子の身体は宙を舞う
(無理だよ…私のせいで、姉さんのお母さんは迫害されて… そして姉さんは家を出たんだ…
 戦えないよ…)
「けどね、安心して。私は用済みになっただけで、母を捨てたような家には何の未練もないの…」
花子の髪を掴み上げながら、美女は凄艶に笑う
「あなたには恨みがあるけど、本当は別の用事なのよ。本当に用事があるのはあなた達十六聖天全員なのよ」
「…どういう…事ですか…?」
「だぁれが喋って良いっていった!?この愚図がァッ!」
鳩尾を蹴られ、うずくまる花子を無視して、雪子は淡々と話し続ける
「あら。名乗り忘れてたわね。十大聖天5位華京院雪子。よろしくね…?」
背後から奇襲をかけようとしていた裏十六聖天16位フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングの身体が宙を舞う
「…アルゲマイネ君…!」
「チッ!だが俺はアルゲマイネほどヤワじゃねーぞ…裏十六聖天6位が伊達じゃないって事を…」
「見せてくれるのかしら?」
方術を使おうとするより早く「音」は彼の体を蝕んでいた
「明楽流血闘術…他愛ないわね…」
優しく、強く、綺麗な憧れだった姉。その姉の変わりように花子は泣いた。自分への憎しみより、その事が何より辛かった
「あら。貴女、まだそんなものを持っていたの?」
花子の足もとに転がる三味線。それは能力に目覚めず、泣いていた花子に雪子がプレゼントした物だった
「…!やめて、お姉さま!お願い…お願いです。やめて…!」
「ダ・メ♪」
優しかった姉の思い出が、優しかった姉に踏みにじられ壊れていく…
(もう…嫌だよぅ…誰か…助けてよぉ…誰か…)



「ゆるさねぇ…ゆるさねぇ…俺の…俺達の仲間を…」
「クリムゾンブロウ、その怒りは奴にぶつけてやれ」
「その方が『ギルガメッシュ』も喜ぶさ…。彼の犠牲を無駄にするな」
「応…。強敵よ…。お前が命がけで作ってくれたセーブポイント、無駄にはしないぜ…」
「お前は6人目の仲間だった。あばよ…」



十六聖天外伝 雪月華の章 第一幕~終~
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。