十六聖天外伝 雪月華の章 第四幕


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夢なのだろうか…それともこれが死後の世界なのだろうか…
暗い音のない世界で花子は目覚めた
「あはは…私は最後までダメだなぁ…。結局死んじゃったよ…」
なんだろう。泣き声が聞こえる。女の子かな。私みたいに死んじゃったのかな
音のする方向に近づいてみると、艶やかな黒髪の少女が俯いていた
「どうして泣いてるッスか…?」
「誰かに止めてほしいの。誰かにやめさせてほしいの」
「やめさせるって何を?」
「わたしが、人を傷つけることをやめさせてほしいの…!」
顔をあげた少女、その顔は紛れもなく、幼い頃の雪子だった
「おねえちゃん、私をとめてくれる…?」
少女が三味線を差し出してくる。花子がそれに手を伸ばした時
再び、世界が光に包まれる


(これで終わるようなら、終わった方が幸せなのかもしれないわ…。これから先、貴女の代わりに私が戦います
 おやすみなさい、さようなら…)
花子が立っていた場所は大きな穴が穿たれ、そしてその周辺はすべて砂になっていた
「まだ、終わっていません。お姉様…」
『…そう。腐っても当主なのね。ほめてあげるわ…』
「本当なら私の身体は塵となっていたでしょう。けど、この子が…この子が守ってくれたんです」
その手に握られた三味線。敵となった長女、雪子がくれた三味線であった
『そう…。姉さんなのね…』
月子自身、それが何故なのかはわからない。だが何故か確信に近いものを感じていた
姉が、花子の命を救ったのだ、と
「はい。自分を止めてほしいと言っていました。私は止めると約束してしまった…!」
 だから私は月子お姉様。貴女を倒します」
『よく言ったね。いいわ…。やれるものならね』
再び地面が爆ぜる
『今日をもって、あなたの影であった私は、『貴女』になる。 影に包まれて眠りなさい」
いや、地面だけではない。樹木、石、果ては降り注ぐ木の葉までが音の爆弾になり
花子を襲う
「…ッ!」
音の障壁を張りながら、ウルトラショックソニックウェイブ…!音の衝撃波で降り注ぐ爆弾が起爆する前に
辺り一面を吹き飛ばす花子
『そんな乱暴な攻撃じゃ、私は捉えられない』
姉の姿が全く見えない、感じない。音の元すらわからない…。音の方に攻撃をしても
全く別の位置から姉の声が聞こえ、また消える
『我武者羅に音を掻き鳴らすだけなの?そんな事じゃあ…』
足元が破裂する…間に合わない…!
『そんな風に、いつか怪我をする。考えなさい。どうすればいいのかを』
防御が間に合わず、脛の肉が爆ぜる。痛そうだからあえて見ないが、骨が見えているかもしれない
考えろ?何を。姉の音を込める能力は強すぎる。あらゆる場所に音が込められているとしたら、お手上げだ
…音を込める?考えろ。何かが引っかかる。音を…込める…?
「そこ…ッ!」
初めて、花子の音が月子を捕らえた。花子の背後が爆ぜる
「よくわかったね」
音の衝撃破を、衝撃波の込められたカンザシで相殺して月子は笑う
「お姉様の能力は音を込める能力。何も超音波を込めるだけじゃなかった。
 あなたは自分の声を石や樹に込めて、さらに自分の衣服に衣服の音を込めることで
 自分の出す音を相殺し、自分の居場所を絶っていたんですね。そして自分は…」
「ご明察。あなたの影に隠れていた。80点ってところね」
「80点…?」
「そう。それだけで私に勝ったと思われては癪。それだけじゃ、私には勝てない」
「音を制する以上、音を超えなければならない…。私は音より早く動く事が出来るわ」
刹那、姉の姿が消えた。早いッ!同時に風切り音。とっさに衝撃波を風切り音に向けて放つ
「いい反応。その足で、何処まで避けきれる?」
(この足で走るなんてのは無理だ…。それに目で追える速度じゃない…)
音の震源を特定するなんてものじゃない。月子の駆ける音
それは銃機関銃の発砲音。例えるならそれが一番近いだろう
なんとか反応して見せるも、そろそろ限界が近い。どうすればいい、どうすれば

「つきこおねえさまがね、はなに虫をなげてくるの!」
「あらあら。困ったわね。月子、華子を苛めちゃあダメでしょう?」
「だって、華の反応が面白いんだもん…」

蜘蛛を押しつけられ、泣いていた過去の記憶…何故今になってそれを思い出すんだろう
そういえば、さっきもこの夢を見ていた気がする。なんで今になって…
けど、あの頃は懐かしかったなぁ…。雪子お姉様がいて、月子お姉様がいて…
あの頃を取り戻すんだ… 取り戻すんだ…!



「このままじゃ埒があかねぇ」
「あー来た。インスピレーション来た」
「やべぇ」
「リトルグルメ作るわ」
「やべぇ」
空腹の末、禁断のリトルグルメが目覚めの時を迎える
クリムゾンブロウとブラックパイソンは生き残れるのか
十六聖伝外伝 雪月華の章~第四幕~ 終
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