(何、アレ…)
もし、デスメタルの顔を隠すものが何もなければ、とんでもなく気の抜けた顔を、世間様に晒す事になっていただろう。
目の前で路上駐車されている車。それはどう見てもハトなのである
(…ハト…?)
唯一の友人ヘヴィメタルが、もしこの場にいれば、間違いなく質問攻めにしていたであろうだが、生憎ヘヴィメタルはオーバーホール中であり、デスメタルは一人で目の前の現実と戦わなければならなかった。
(車…?)
なるほど。それは四輪駆動には間違いなさそうであった。だが、ハトである。
(頭がおかしくなりそう)
混乱を極める彼女の前を、銀髪の少女が横切る
(…アリス…?)
彼女の仲間によく似た少女は、そのハトにまたがると
「ハトカ―発進」
とつぶやき、ハトカーを空に走らせるのであった
(車輪は何のためにあるの…)
秋の夜は、長い
十六聖天外伝 ハトカーの章 ~終~
クリムゾンブロウ曰く「いけ、俺のポッポ」
ブラックパイソン曰く「叩き潰せ、ミュウツー」
最終更新:2008年10月11日 06:25