十六聖天外伝 残光 ~第五章 アリス・ザ・ワンダーワールド四章中編~


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「あぎだろぅ~…!」

次郎が名を呼ぶより先に、彼に気付いたアリスが泣きながら、彼の名を呼ぶ
彼の名は十六聖天十六位・徳間秋太郎。武器と軍隊格闘術のエキスパートだ

「徳間サンじゃねーか。あぁ、アリスの警固かい?」
「次郎さん、財布、聖天本部にお忘れでしたよ」

ん?なんだそりゃ。と言いかけた次郎に徳間は耳打ちし
そっと次郎に財布を手渡す

(次郎さん、合わせて。ナナエルさんとカイザーさんからです)
(アイツ等が…。ありがとよ、徳間サン)
(いえ、お気になさらず。お礼なら彼らに)
(そう、だな)

仏頂面の兄と、その横で愛想笑いをしている妹の姿が脳裏に浮かび、次郎は心の中で礼をす

「頑張って、次郎さん」「気にするな」という声が聞こえた気がした
それらに「ああ」と返事をし、次郎は泣きじゃくる三人に向き直る

「おう、お前ら待たせたな。実は財布忘れててな、今徳間サンが持ってきてくれたんだ
だから泣くんじゃねーぞ。今からデスメタルと沙羅にも取ってやるからな」

他人の金なのに少し偉そうかな、と思い少し悪い気がするが、遠慮する方がカイザー達は嫌
がるだろう
なので、次郎はそんな恥じらいの気持ちを押し殺して言い切る

「ホントに…!?良かったね、デスメタル、サラ!」
≪ありが…とぅ…≫
「次郎様、ありがとう…」

泣いている二人の手を取りピョンピョンと跳ねるアリス
そしてそれに釣られ、二人の少女の顔からも涙が消えて笑顔が浮かんでいた

「よーし。まぁ見てろよ。勝負はこれからって事を見せてやるぜ」

結果だけを言うなら、次郎は見事に二人に、豚のぬいぐるみと、熊のぬいぐるみを取ってあ
げることが出来た
ちなみに、かかった代金は軽く万を超えている。次郎は再び心の中でカイザーとナナエルに
詫びた

「よかったね!デスメタル、サラ」
『この豚は豚メタルと名付けよう』
「うん!この熊、可愛い」

各々が笑顔でぬいぐるみを抱きしめている。
それを見て次郎は、そして徳間は笑顔を浮かべる
とはいえ、徳間はこれ以上この三人の邪魔にはなりたくなかった
守るだけなら影から守れる、そう思い彼はこの場を立ち去ろうとする

「それでは、次郎さん。私はこれで」
「ん…?何が用事でもあるのかい、徳間サン」
「いえ、そういう訳ではないのですが」
「なら良いじゃねーか。俺一人でじゃじゃ三人は荷が重かったんだ」

次郎と徳間が何か言い合ってる。雰囲気から険悪なものではないのはわかるが
その会話を聞こうとアリス達が近寄ってくる

「いえ、しかし…」
「遠慮すんなって。俺らのが若いんだしさ」
「そーだよ、アキタローも一緒に遊ぼうよ!」
「…!」
「ね、二人も良いでしょ?」

会話内容を察知したアリスも、横から徳間を引き留め、沙羅とデスメタルに同意を求める

デスメタルも沙羅も極めて人付き合いが悪い。というか滅多に他人に心を開かない
故に、沙羅もデスメタルも実は先ほどから徳間の姿を見るなり、若干緊張している
ただでさえ、他人が怖いのに、徳間の傷だらけの顔もその身なりも、さらにそれを増長させ
ているのだ
それを、空気として感じ取ったからこそ、徳間はこの場を去ろうというのだ

『徳間も一緒にいればいい』
「ええ。徳間さんも一緒に行きましょう」

だが、彼女達の答えは徳間の予想していたソレとは違っていた
二人に緊張や恐怖心がないと言えば、嘘になる
だが、彼女たちはアリスを見る徳間の優しい視線を感じたのだ
そして、帰ろうとする彼の眼が、寂しさや哀しさの色を浮かべていたのを
本来見えるはずのないサングラス越しに感じたのだ。
それは常に他人を意識して生きてきた二人だからこそだったのかもしれないし
第六感の類だったのかもしれない
とにかく、彼女たちは徳間を引き留めた

「ね、二人もアキタローが居た方がいいって!だからホラ!」

強引に腕を組み自分を引っ張りアリスを見て、徳間は諦めたように笑った

「わかりました。お嬢がそうおっしゃるんでしたら」

その顔は、照れくさそうな、恥ずかしそうな、それでいて何処か嬉しそうな笑顔だった

彼らは気付いていない。徳間が接触する以前から自分達を監視している者がいる事に

クリムゾンブロウ曰く「セカイモンって意外と使い勝手いいな」
ブラックパイソン曰く「Halo3のマルチプレイヤーカラーを全種揃える。何十万かかろうと
構わない。全てだ」


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