十六聖天外伝 残光 ~第五章 アリス・ザ・ワンダーワールド六章中編~


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「あっれー おかしいなぁ。ここ来た時こんな場所だったっけ…」

余り外に出ない上に、この国の人間ではないアリスは、正直地理に疎い
迷子になること等は日常茶飯事なのだが、何となくいつもと様子が違う
何が違うというと変なのだが、何となく周りの景色が違う気がするのだ
そういえば、まわりに人はおろか生物の気配が一切ない
なんだろうコレは。その事実に気づいた時、アリスの顔は緊張で強張る

「ん?あれ。アナタどうしたの?大丈夫?」
「わぁ!」
「キャア!」

生物の気配がないと思った矢先、いきなり声をかけられたアリスは、思わず大きな声で叫ん
でしまう
それに釣られ、自分に声をかけてきた女性も大きく尻持ちをついている
年は二十代半ばを過ぎた辺りだろうか、とんでもなく巨乳である
というか、アリスはこの女性の事を知っていた。本屋の巨乳お姉さん「まこと」である

「なんだ…まことお姉ちゃんかぁ…」
「あら、何だとは釣れないわね。どうしたの?こんな所で」

よいしょ、と声をあげて、本屋の巨乳お姉さん「まこと」は立ち上がれる。恐ろしい胸だ。
それだけの動作なのに異常なまでに動いてる
自分が本当に勝てない相手や、真の恐怖を感じたとき、人は笑うというが、これがそうなの
であろうか
アリスの顔は「アハハ」と笑いながら引きつっていた
いつか私だって… そう思い鼻で荒々しく息を吐き、さり気なく、本屋の巨乳お姉さん「ま
こと」に心の中でライバル宣言したアリスの横に
さらなる珍客が現れた

「失礼だがまことさん。こちらのご婦人は?あぁ、失礼。申し遅れました。私、宮城で市長
をしておりますアデリーペンギンです」

なん…だと…。今日はなんという日なのだろう。次郎とデート出来たと思ったら、まわりか
ら人の気配消えるし
その後、おっぱいお化けは出てくるし、今度は何だか凄いペンギンが出てきた。何で喋って
るのかとか、もうどうでもいい
本心で言えば「わぁ~い!ペンギンさんだぁ~!」と、はしゃぎたい所なのだが、あんな良
い声で喋られたら、そんな気も失せる

「あぁ、市長さん。こちらアリスちゃん。よくウチの本屋で良く本を買ってくださる上客よ

「ア…アリスです…」

スカートの裾をつまみ、小さくおじぎ。礼儀作法は間違ってないはず。
ペンギン相手でも人間の作法が通じるのかはわからないが

「これはご丁寧に、アリスさん。しかし何ですかな。都知事と会議予定なのですが、先ほど
から一行に着く気配がない
東京とは恐ろしい場所ですな」

そう言いながらガァガァガァとアデリーペンギンは笑っている。それで思い出した
そうだ。アリスは次郎にジュースを持っていってあげなくっちゃ!

一方その頃次郎は、沙羅の買ってきたミネラルウォーターと、デスメタルの買ってきたコー
ンポタージュスープの板挟みになっていたが
そんな事を、アリスは知る由もなかった

「うーん。おかしいわね。ここってこんな道だったかしら…」
「アリスわかんない。もう何もわかんない!わーかーんーなーいー!」
「年頃の娘さんである貴女が、足をバタつかせるのは、はしたない。気をつけたほうがいい

お前のせーだ。と内心毒づきながらも、一応軽く会釈して誤魔化しておく
しかし確かに妙だ。これだけ迷えば、間違いなく道はおかしいはずなのに、何故かおかしい
という気がしない
正しいという気もしないのだが。何なのだろう。この奇妙な違和感は…
頭を抱える二人と一匹の耳に、突如一発の銃声が響き渡った

「見つけたぞ、アリス・ザ・ミラーだ!確保しろ!」

その声を皮切りに辺りが弩声に包まれる。今度は何だ…と思う間もなく二人と一匹は包囲さ
れていた
さっきまで人の気配なんか感じなかったのにコレだ。絶対におかしい。おかしいはずなのに
、おかしいと認識できない

「キャア!何なのあなた達!」
「君たち、怪我をしないうちに立ち去りなさい。今なら間違いでした、と笑ってすませれる

「え…」

何このペンギン強いの?アリスは市長を見直そうとしたが、5秒後には撤回していた

「やはりよそう。ここは宮城ではない。私が本気を出すと外交問題に発展しかねる」

アデリーペンギンは、ガァガァガァと笑っていた

「チ、このペンギンやろう!驚かせやがって!」
「ぐはぁ…!」
「市長さん!」「ぺんぎんさん!」
「いや、良いんだ。君達が無事ならば。ところで私の名前はアデリーペンギンだ。人の名前
を間違えるのは感心しないな」
「クソ、なんだコイツらは…調子が狂う」
「ストーリーテラー様の命令はこのアリスとかいうガキと、金色の魔眼を持ってる奴だ。そ
んなのはほっておけ!」

なるほど。やはり自分目当ての敵なのだ。勝てると思うのか、こんな豆鉄砲で…
現在、アリスは鏡の力を使えない。精神的なものだろうと次郎や西園寺は言っていた
それでも、腐っても5位である。これくらいの数なら素手でもなんとかなる、そう思って戦
ってみたのだが
前言撤回、なるほど無理だ。倒しても倒してもキリがない。攻撃を見切れても、力は所詮、
女子供なのである
アリス、もうダメだよ次郎…
まさに今、襲いかかられんとした時、アリスに覆いかぶさろうとしていた男の頭が小気味い
い音と共に爆ぜた

「お嬢。遅くなりました。大丈夫ですか」
「アキタロー!」

クリムゾンブロウ曰く「ヘレン終了した上にカルディアまで死んで」
ブラックパイソン曰く「オリファーさん並の明るい死はないもんかね」

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