十六聖天外伝 残光 ~第五章 アリス・ザ・ワンダーワールド六章後編~


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「アキタロー…」
「アリスちゃん、大丈夫よ」
「うむ。彼は死にに行くような男の目ではない。君が信じてやらなくてどうするのだね」
「…うん」

無敵戦艦・殲台。ブリッジから地上に一人「いい考えがあります」と、乗船時に狙い撃ちされるのを避けるため
足止めに残った徳間の無事をアリスは祈った
(大丈夫だよね、パインサラダ食べるって約束したもんね、アキタロー…)

「市長閣下、前方に熱源反応アリ。如何しますか?」
「反物質砲は使えるか?」
「現状県庁部分だけで飛行している殲台は予定戦闘能力の3割にも達していません」
「本艦の粒子加速器はまだ完全稼働には至っておりません。城塞都市とドッキングしない事には…」
「…泣き言を言っても始まらんか。艦首対星回転衝角起動。1500mm爆裂徹甲弾装填急げ。振動粉砕障壁展開
 陽電子破砕砲、原子核熱戦砲、アトミック冷線砲、今使えるものだけでいい。起動準備に入れ」

心配そうな顔でアデリーペンギンを見上げるまことと、アリスにアデリーペンギンは優しく微笑む

「安心したまえ、未完成とはいえ、仮にも無敵戦艦。そうそう落ちはせん」

「北極熊、アザラシ、セイウチ、トド、アシカ、オットセイ
  ここが男の見せ所だ。このお嬢さん方を無傷で送り届けなければ
  地上に残った彼に笑われてしまうからな」
(それに六天大聖に合わせる顔がない、私も、森の熊の弟である北極熊も、な)
「市長閣下!敵、肉眼で目視!…そんな馬鹿な!?」
「取り乱すな。新北海道紳士は取り乱さない」
「申し訳ありません。その、女の子です。小さな女の子…」

無敵戦艦のメインモニターに映るは、アリスと瓜二つの少女
アリスと瓜二つの銀髪の少女



一方その頃地上では激しい銃撃戦が繰り広げられていた
徳間の動きは、アリス達と一緒にいた頃とは数段上であった
まさに一人だけの軍隊。偉大な総司令官であった

「馬鹿な。AK47はアサルトライフルだぞ…。何故あれほどの距離からこうも命中させれるんだ!」
「ヤツの武器は本当にAK47だけなのか?ありえん!」

敵の動きや装備で見ながら―レベルが低いな、と徳間は呟く
彼は無感情に、そして無駄のない動きでそれらを打ち抜く。あれだけ居た兵士の姿が辺りには一人も存在していない

「ガキのお遊戯だな…」
「そうかい、なら俺と遊んでくれよ!」

至近距離からの銃撃。間一髪で避けたが、着弾面が大きく抉れる
S&WM500ハンター。世界最強の拳銃の名目で作られた、ハンドキャノンとも呼ばれる銃
それゆえに連射は効かない、はずだが目の前の男はそれをあたかも、ただの拳銃のように発砲していた
人間技ではない。発砲の際健康への補償はしないという名目で販売されている銃、それがM500である

「チィ…!」
「どんなバケモノでも火力さえあれば倒せるんだよ!」

距離をとって遮蔽物に身を隠すも、それごと粉砕しようとするM500の火力はまさに拳銃としてみたら悪魔的ですらあった
だが徳間も十六聖天である。いつまでも防戦で納得できるはずがない
徳間は胸元に隠し持っていたもう一丁の銃を手に取る。実用性など本来は皆無である趣味の逸品。戦死した友の遺品
それを敵兵の隊長格と思われる相手に向けて撃つ

「…何…だと…」
「ロクに調整してなかったからな。狙いがそれちまっていけねェ…ガキ、調子に乗りすぎたな」

フェイファー ツェリスカ。徳間の手の中で鈍い光を放つそれこそ、M500を凌ぐ世界最強の拳銃であった
市販されている世界最強の狩猟用弾薬より、さらに大型のライフル弾を、無理やり拳銃で撃ってしまおうという
イカれた思想のものに生み出された、大人のイタズラのような品である
そのマズルエネルギーはM500の3倍近い。もっともM500以上に実用性に欠ける銃ではある
乾いた音―と言うには大きすぎる音が、響く
そして彼はは襟を正す。かつて人だった物の下半身に背を向けて

「火力だの何だのぬかすなら、コイツを使うべきだった。
 単発の威力を重視するなら、RPGなり使えばいい。無駄な拘りに捕らわれすぎたな
 …コイツもお前もM500も所詮は実用からかけ離れたオモチャだがな」
「あら。ワタクシとは遊んでくださらないの?」
「何…!?しゃらくせぇ!」

戦いは、まだ終わらない

クリムゾンブロウ曰く「ブリーフについて語るべき時期がきたか」
ブラックパイソン曰く「純粋にきめぇ」

十六聖伝外伝 残光 ~アリス・ザ・ワンダーワールド~ 第六章後編 完
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