十六聖天外伝 ハロウィンの章 死霊使いと鎖鎌編

今日は年に一度のハロウィンの日
私がクリスマスと誕生日とお正月の次くらいに好きな日です
私は、おとうさんやおかあさん、それに一部の仲間しか知らない秘密があります
だから、ほとんどの人に顔を見せたことはありません
だけど、今日はみんながいつもの私と同じようなかっこうをするので、少しごまかせます
だから私はあえて普通の服を着ます。お菓子も貰えます。本当にいい日


「ん…?誰だ?何処かで逢ったことあるか?」
「…ううん」
「えーっと…で、何かな…」
「あ…。とりっく・あ・とりーと…」
「…?」
「オイ次郎。今日が何の日か知らんのか。ハロウィンだぜ。トリック・ア・トリートってのはお菓子をくださいって事だ」
「先輩。もう二日酔いは良いのかい?」
「あぁ。俺の家と違って何もないから逆に落ち着いて寝れるぜ、お前の家はまるで虚無の世界だ」
「あの…。とりっく・あ・とりーと…」
「よし!お菓子はないから、変わりにこの田中茂がお嬢ちゃんにコレをあげよう!」
「…なんですか?これ…」
「鎖鎌だ。大事にしてくれよ」
「…ありがとうございます」
「先輩、こんな可愛い子に鎖鎌はねェだろ…。な?」
「ぁ…!」
「チョット待ってろよ。何か探してきてやるからな」
「どうも…」
「鎖鎌、嬉しいよなぁ…?」
「…はい」
「おぉ、すまねェ。待たせちまったな。んで、だな…こんなもんしか無かった…」
「酢昆布じゃねぇか次郎。これなら鎖鎌のがマシだぜ」
「…すまねェ…。後はこんなのしか…」
「茎わかめに、梅昆布…海苔?海藻ばっかじゃねぇか次郎」
「面目ねェ…ごめんな、お嬢ちゃん」
「ううん、嬉しい。ありがとう…!」
「良い子だなぁ…」
「ありゃ鎖鎌のよく似合う美人に育つぜ。賭けてもいい」

好きな人に可愛いと言われました。頭を撫ぜてもらえました
それだけで十分私は幸せなのに、お菓子まで貰えました
食べた事のないこの国独自のお菓子のようです。家で食べるのが楽しみです
鎖鎌はすごく邪魔です。重いし…正直、捨てたい

十六聖天外伝 ハロウィンの章 死霊使いと鎖鎌編 完

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最終更新:2008年11月06日 19:28
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