暁木姉妹の一日(朝)


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朝目が覚めるといつもと違う天井が見えた。
一瞬ここがどこだが分からなかったが、実家の母の部屋だと思い出した。
私の部屋は暁と留なっているので母の部屋を使うことになったのだ。
実家に帰って初めての朝。懐かしい畳の匂い。

服を着替えて台所に行くとすでに冴と優が朝食の用意をしていた。
お味噌汁の香りが漂う。実家独得の味噌汁の匂いだ。

「・・・・おはよう」
一息ついて、声をかけてみる。

「あっ、忍姉さんおはよう」
優が気づいた。

「姉さんおはよう、早起きやね」
冴も鍋をかき回しながら答える。
「帰ってきたばかりで疲れてるやろ?まだ寝ててもええよ?」

「ううん、もう目が覚めた。何か手伝うことある?」
妹達に任せっきりで寝てるわけにはいかない、姉として。

冴は少し考えてこう答えた。
「じゃあお茶碗並べてくれる?」
「・・・うん、わかった」

見慣れた戸棚を開けると茶碗と箸が数人分あった。
しかし大きさが変わってしまい誰が誰のだかまったくわからない。
並べるのに苦労しそうだ。

「神社の前の掃除終わったよ~、はいこれ新聞!」
六人分の茶碗と箸で神経衰弱をしていると葵が台所に入って来た。
どうやら今まで外の掃除をしていたようだ。

「忍姉おはよう!昨日はよく眠れた?」
「うん、ぐっすり寝れたよ」

葵は朝から元気だ。今は夏休みで部活動も休みらしい。

「もうすぐ朝食できるから、寝ぼすけども起こして来てくれる?」
「うん、分かった!」

そう言うと葵は元気よく二階に駆け上がっていった。

朝食ができて全員がそろった。留はまだ半分寝ている。暁は不服そうな顔だ。
「いただきま~す」
それぞれがそれぞれのトーンで言った。

朝食は台所のテーブルで食べる。座る位置は昔と変わっていない。
私の右には次女の冴がいて、その隣に葵、優、暁、留の順にテーブルをグルリと囲む。
姉がその下の妹の世話をするのが我が家の伝統なのだ。

「姉さん、今日何か予定あるん?」
昼食を食べていると隣に座っていた冴がたずねてきた。
「特に無いけど・・・なんで?」
私がたずねる。
「久しぶりに裏山に行かん?子供のころよく遊んだやろ」

「ええね、みんな揃ったし久々に行ってみるか!」
二杯目のご飯を盛っていた葵が割って入った。

「留もいく!」
やっと目が覚めた留が元気よく手を上げた。

「ウチは暇やし別にええよ。」
それに続いて優も言った。

「・・・めんどくさい。」
その隣の暁が言った。

「姉さんはどうなん?」
冴が改めて私に聞く。
「う~ん、私は・・・」
答えに決めかねていると
「じゃあ、多数決、裏山へ行く人ー」
痺れをきらした冴がそう叫ぶと同時に、四人がビシッと手を上げた。
「賛成多数により行くことに決定!」

「・・・・むう」
暁の顔がさらに不機嫌になった。
しかし暁木家の多数決は絶対であり拒否権はない。これも我が家の伝統だ。
そしてお昼は弁当を持って裏山にピクニックをすることになった。

つづく
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