十六聖天外伝 残光 ~第五章 アリス・ザ・ワンダーワールド 最終章 第五話~


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「あら。誰かしらおじ様達は」
「リーザロッテ、このおじさん達は十六聖天の方だよ」
「あらあら。増援といったところなのかしら」
「大丈夫さ。すぐに済む」

そう言い、エルフリーデが手をあげると、千の刃が二人の戦士に降り注いだ
だが、デスメタルの後ろに立つ男―ブラックパイソンが口から吐き出した飴玉が
一つのナイフにぶつかり、軌道を変えると、すべてのナイフは空中で衝突し
一本たりとも彼らには命中しない

「ホント、すぐ済みそうで何よりだなァ?」
「ガキ、訂正しな?オジさんじゃねェ。お兄さんだ」
「お兄様なら尚良し、だぜ?もしくは兄チャマか兄やだ」
「こ…このオヤジ!」
「ば、馬鹿にするな!」
「口の聞き方を理解してねーお子様には、お仕置きが必要だなァ」
「ほう。ならば我々も混ぜてもらおう」

デスメタルと次郎、そして沙羅を抱えて二人はその場から大きく跳躍する
ドーマウスの空間燃焼。アリッサ・キャロルである
その後ろにはネリー・キャロル

「アリッサ!ネリー!」
「き、きてくださいましたの?」
「これが私たちの任務だ」

正直なところ、アリッサはこの二人は苦手であった。嫌悪していると言っていい
クイーンオブハート・キングオブハート。ワンダーワールドの中でも
強力な類の能力。それをこの程度しか扱えないこの二人を見て軽く舌打ちする

「おーおー… 幼女がこんなにもガン首並べちまってまぁ…」
「イケないなァ。お兄さんたち変な気になっちまうぜ?」
「クリムゾンブロウとブラックパイソンだな。この二人と同じと思うと痛い目を見るぞ」
「俺はオメーを痛い目に合わせてェーぞ?痛いのは最初だけだけどよ」

無論本気ではないのだろうが、慣れぬ下ネタにアリッサは顔を赤らめ激昂する

「この下種!我がドーマウスの力で塵になれ!」
「眠りネズミ?これまた可愛い能力だな。怒ってねぇでナビスコでも食えよ」
「我がドーマウス…鼠が眠る春の陽気程度と思うな!焼けろ」

本来は取るに足らぬドーマウスの能力。それをこのレベルにまで昇華させたのは
一重に、アリッサの努力と言っても過言ではない。だがそんな炎も当たらなければ意味がない

「お嬢ちゃんはチョット冷静さが足りてねーなァ」
「こっちのお嬢ちゃんには熱さが足りてねーみてぇだしなァ」

そういうとクリムムゾンブロウは、フィッシュ・ザ・フットマンの使い手、ネリーを当て身にて昏倒させていた
そう。本来ならば、ネリーは田中の鎖鎌で倒されるレベルの敵なのだ
そして、デスメタルにしても霊子や魂のある場所ならば、この程度の相手鎧袖一触出来る
例外といえば、バンダースナッチのクリステルや、目の前にいる努力の人、アリッサのみ

「そうね。ついでに言えば洞察力もね」

<…!>

そんな声が辺りに響くと同時に、デスメタルの仮面が割れる
その仮面の下にある眼は、金色に輝いていた。
それこそが、彼女たちが探し求めている金色の魔眼
デスメタルが戦闘態勢に入った時にのみ輝く、金色の魔眼

「そして貴方達にも、危機感が足りないわ」

パイソンとブロウの足もとに何かが落ちてくる
それが何か気づいたパイソンは急いでそれを抱きかかえる

「アリス…!?」
彼が抱きかかえるのは、仲間である可憐な少女、アリス
そしてアリスが落下してきた方向を見あげると、逆行でよく見えないが
少さな影がそこにあった

「まさか…ネームレス・ワン…ですの…?」
「ネームレス・ワンを実戦投入だと?正気なのか母様は」

リーザロッテが、そしてエルフリーデがその影を見て、毒気付く
ネームレス・ワンと呼ばれた少女はゆっくりと、ゆっくりと
リーザロッテやエルフリーデの横を通り抜け、クリムゾンブロウやブラックパイソンの元へ近づいてくる
どうやら、小さな影は、小柄な少女だったらしい。まるで、戦場と思えないほど、落ち着いた動作
隙だらけの少女。だが、その場にいる誰もが、その少女から目を離せなかった

「あぁ、ところで…アリッサ?私を今二人が言った名前で呼ばないでくれないかしら」
「わかった…」

ネームレス・ワンと呼ばれた少女は、リーザロッテ達の方を見ることは一度も無かった
にも関わらず、リーザロッテとエルフリーデ体が音もなく消え去る
それを気にするでもなく、少女は笑った。その笑顔もアリスにそっくりだった
銀色の髪のアリスは、うやうやしくお辞儀をし、一言

「私の名はワンダーワールド」

十六聖伝外伝 残光 ~アリス・ザ・ワンダーワールド~ 最終章 第五話
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