十六聖天のクリスマス1


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今日は十六聖天が一堂に集う忘年会の日
クリスマスも終了し、残りは年越しを待つのみとなった

アリスは落ち着かなくきょろきょろと辺りを見回した
彼女を解き放った恩人であり、淡い思いを抱いた相手……佐藤次郎を探しているのだ。

会場内は未だに熱気と興奮の中にあった。
十六聖天は裏の存在であるものの、表向きにも大会社の要人だったりするものも居る。
その為、会場内にはそこそこの警備が敷かれていた。

クリムゾンブロウ
「あんな奴ら邪魔なだけなんだがなぁ」

ブラックパイソン
「俺らに敵う奴らが来るんだったらむしろウェルカムだぜ」

などと陽気な会話がなされている中、アリスは自分の護衛である徳間秋太郎を見つけた。
彼は2メートルほどの長身なので、遠くからでもすぐに分かる。
しかし護衛とは名ばかりで、戦闘の実力だけならばアリスのほうが上であった。

アリス
「秋太郎さん。あの、その、次郎さんを見てませんか…?」

秋太郎
「む? これはお嬢。いえ、見てませんな。大方デスメタルとゾンビ談義に花を咲かせているのではないですか?」

その言葉を聞いてアリスの胸がざわめく。
デスメタルは十六聖天の中でも嫌われ者だ。

しかしアリスは知っている。
デスメタルの身を包む衣服とは裏腹に、彼女は心優しい少女だということを。
そして、彼女もまた、死者に鞭打つ己が力を認めている次郎に思いを寄せていることを。

アリス
「そ、そうですか……あ、ありがとうございます」

アリスはそういうと場を離れた。
その背中に秋太郎が声をかける。

秋太郎
「お嬢!」

アリス
「はい?」

秋太郎
「私が言うのも差し出がましいようですが、あなたはもうワンダーワールドなどのしがらみから開放されています。
思い切って、自分の思いをぶつけて見てもいいのではないでしょうか?」

アリス
「え?……も、もしかして……き、気付いてたんですか!?」

秋太郎
「……すいません、私も少し酔っているようです。お気になさらんでください。」

アリス
「い、いえ……その、あ、ありがとうございます」

アリスは戦闘においては第5位に並ぶ実力者
しかし、その幼い外見に相応しく、心はまだまだ未熟だった。


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クリムゾンブロウ
「おう!そこ行くアリスちゃん!どうよ!?飲んでる?」

アリス
「あ、クリムじょ……クリムゾンブロウ、さん」

ブラックパイソン
「ぎゃっはっはっは!名前で噛まれてやんの!ぎゃっはっはっは!!!」

アリス
「す、すいません! わ、わざとじゃないんです、ブラックバイソンさんも笑わないでくださいよ…」

ブラックパイソン
「バイ……ソン…」

クリムゾンブロウ
「ぎゃっはっはっはっは!! あっひゃっひゃっひゃ!!」

アリス
「え?え?あ、あれ?」

ブラックパイソン
「お、俺はバイソンが大嫌いなんだ!何だあの野郎!大四国なんてオーストラリアのかけらじゃねえか畜生!」

クリムゾンブロウ
「わかる!わかるぜ! よし、今度一緒に!城塞都市宮城で!うんめぇ牛食いに行くかぁ!」

ブラックパイソン
「おう!おう!やっぱり肉は神戸牛だよなぁ!」

アリス
「………」

すっかり出来上がった二人を横目で見ながらアリスはその場を後にした。


エクスカリバー
「うーん、今日はいまいちパーティーの主役になれる空気じゃないなぁ」

アリス
「あれ?あなたは…」

裏十六聖天の一人、聖剣エクスカリバーが会場内に居た。
一人でぶつぶつと何事か言いながら、その黒いドレスをヒラヒラさせている。

エクスカリバー
「んぉ?やっほーアリスちゃん。どしたの?」

アリス
「あ、その…ちょっと次郎さんを探してて……」

エクスカリバー
「次郎?あー彼ね。私の次の主に相応しい力はあるんだけどねーちょっと能力的にねー」

アリス
「え…?」

エクスカリバー
「うん、まあ悪くないんだけどねー契りを交わすには日が悪くてねー」

アリス
「え、え、え、その、契りって……あの、あの」

エクスカリバー
「んふふ、知らないの?そりゃもちろんえっちしちゃうのよ。それで彼は私のご主人様ってわけさ」

アリス
「だ、だ、ダメです!そんなの!…そんな…の」

エクスカリバー
「真っ赤になっちゃって可愛いー!あっはっはっは!」

アリス
「ううううう!もう!もう!もう!」

エクスカリバー
「うふふ、ごめんごめん。まあ、でもアレさ。この国には夜這いって素敵な文化があるらしいから、どうしても彼が欲しいならアタックしてみたらどうかな?」

アリス
「え、えええ!?」

エクスカリバー
「もたもたしてると取られちゃうかもよ?例えばほら…ネクロマンサーの子、さっき次郎君の部屋の前で話してたみたいだし…」

アリス
「ま、まさか!?」

エクスカリバー
「なーんつって……あ、あれ?」

アリスは一目散に駆け出した
目指すはホテルの二階、次郎の部屋

澄美
「こら、いたいけな少女に何を言っておるか」

物陰から現れたのは同じく裏十六聖天の澄美
黒のスーツを着こなし、この日は裏方のはずだった

エクスカリバー
「あ、みみちゃん」

澄美
「こんばんは。あまり小さな子をからかってはいけませんよ。」

エクスカリバー
「でも止めなかったよね?」

澄美
「その方が面白そうでしょう?」

エクスカリバー
「まぁね。ところで今日のメイク、どうかな?パーティーの主役を狙ったんだけど今一ノリが悪いんだよね」

澄美
「ふむ、じゃあ仕事も一息ついた所ですし、新作のスイーツでも食べながらお話しましょうか。」

エクスカリバー
「おっけー」






アリスは走っていた。
エクスカリバーの話を真に受けて、自分でも良く分からないほど焦っていた。

恋は盲目とはよく言ったもので、この時のアリスには何も見えていなかった
スカートの端を引っ掛けて下着が丸見えになっても、椿にぶつかって、彼の貴重な服が酒びたしになっても気にならなかった

クリムゾンブロウ
「若いねぇ」

ブラックパイソン
「うらやましいねぇ」

飯森椿
「うっうっ……俺の一張羅が……」

リーン
「いい年して泣くなよ……仕方ないな、僕が新しいスーツくらい用意させるよ」

飯森椿
「お、お前!……リーン、お前、いいやつだなぁ!何でお前みたいないい奴がいじめなんか……」

リーン
「あー、何だ、とりあえず涙と鼻水を拭け。」

飯森椿
「うぅ、す、すまん」

涙と鼻水をハンカチで拭うと、椿はすっきりしたような顔になった。

飯森椿
「今度お前が困ったことがあったら俺が出て行ってお前を守ってやるよ!」

リーン
「そうか、期待してる。とりあえず今度新作が出たら代わりに買ってきてくれよ。金は出す」

飯森椿
「おう!任せろ!」

リーンはうんざりしながらも、目の前の中年を憎みきれずにいた。
きっとこれが腐れ縁という奴なんだろうと、納得するしかなかった。

アリス
「ここが、あの人のお部屋ね!」

アリス
「あ、か、鍵が……シーク!」

アリスが一声かけると体長20cmほどの小さな妖精の様な存在がアリスの周囲をくるくると飛び回った。
かつて次郎によって壊された力の象徴が今ではアリスの良き友として共にあった

アリス
「お願い!」

シーク・ハイドが体当たりすると部屋の鍵が木っ端微塵に吹き飛び、扉はその役割を失った

アリス
(過激だったかしら……ううん!、いまどきの女の子はこれくらいきっとする!)

よく分からない自信をみなぎらせ部屋に突入するアリス
そこには驚いたような表情の次郎とデスメタルの姿

アリス
「あ、あ、えと、あの、その……」

アリス
(な、何て言えばいいんだろう…私、考えてみれば、別に次郎さんの恋人でもなんでもないのに……)

オロオロとする3人、だがふと、先ほどのエクスカリバーの言葉がよみがえる。

エクスカリバー
「この国には夜這いっていう素敵な文化が……」

シーク
「夜這いに来た!大好きな次郎さんのところに夜這いに来た!!」

シークはアリスの意識に浮かんだことを代弁する。
もう、恋する乙女は止まらなかった。

そしてもう一人、次郎と共に談笑していたデスメタル
こっちでも勝手に恋の炎が燃え上がった

デスメタル
「ま、負けない……!!」






次郎
「あー、何だ、その、何だ? 酔ってるのか? アリス」

アリス
「酔ってません! 全然酔ってません!」

次郎
「そうか、すまんでも、何だ…とりあえず、シャワーでも浴びてきたらどうだ?そんな格好ではしたないぞ」

言われて、アリスは気がついた。
今まで走ってきたために、そこそこ汗をかいてしまっていた。
それに、ドレスが破れて子供っぽい下着が見えてしまって、突然気恥ずかしくなってアリスの顔が真っ赤になった。

アリス
(や、やだ……見えちゃってる……あ、で、でも次郎さんならいいかな……)

シーク
「恥ずかしい! でも、次郎さんが見たいなら見てもいいの!」

アリス
「こら!シ、シーク!」

まるで茹蛸のように顔を真っ赤に染めて講義するアリス。
その姿を口下手なデスメタルはうらやましそうに見つめていた。

次郎
「そうだ、デスメタルも一緒に入ってきたらどうだ?」

デスメタル
「?」

次郎
「あれ?お前達、確か同じところに住んでるんじゃ無いっけ?違った?」

次郎はおひさま荘を思い出して、ちょっと考える。
2階部分が大きくなりすぎて、1階がいつ潰れるのかヒヤリとしたものだ。

アリス
(そ、そうよね……ヤるからには綺麗な方がいいよね……)

一人暴走気味のアリスに次郎の言葉は届かない。
体の周りをくるくると飛び回り、シークがふっと消えると同時に宣言した。

アリス
「お風呂…行って来ます…」

次郎
「ああ、着替え、用意しておくから、ゆっくりして来いよ。ほら、デスメタルも」

次郎の言葉に戸惑いながらも、アリスの後に着いていくデスメタル。
終始無言だったが、デスメタルも内心焦らずにはいられなかった。

次郎
「おい、待てお前達!と言うかアリス!そんな格好で外に行くな。」

アリス
「え?」

次郎
「この部屋の風呂使っていいから。頼むから年頃の女の子がそんな格好でうろつかないでくれ……」

アリス
「ご、ごめんなさい……」

急激にテンションが下がって自己嫌悪に陥りながらも返事をするアリス。
そんなアリスの手をデスメタルがそっと握る。

デスメタル
「………♪」

言葉は無くとも、二人はどこか通じ合ったような気持ちで風呂場に消えていった。

次郎
「………ふぅ」

よく分からない展開に巻き込まれてどっと疲れが押し寄せた次郎だった。


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アリス
「ふぅ……」

お湯の張った湯船につかり、アリスは溜息を吐いた。
冷静になると、色々なことが頭の中をよぎる。

アリス
(次郎さんは私のことをどう思ってるんだろう……)

次郎は人気者だ。
曲者ぞろいの聖天の中にあって、異端なほど慕われている。

アリス
(自分もその中の大勢の一人に過ぎないのかな……)

再び暗い顔で溜息を吐いたアリスの頭をデスメタルの小さな手が撫でた。

デスメタル
「………」

普段は全身をローブで覆い、その姿を見ることは適わないデスメタル。
だが、心を許した友人には時折、その素顔を見せることもあった。

145cmほどと、身長は低いものの、その顔立ちは整っており、くりくりとした瞳は愛らしさを感じさせる。
髪はローブの中では蒸れるからか、やや短めに切ってあるが、まるであつらえたように似合っている。

肌は透き通るほど白く、まるで人形のようにシミ一つ無い。
未熟ではあるものの、女性らしさを感じさせるしなやかな肢体が目の前にあった。

その顔は自愛に満ちていて、その素顔を知っている者が彼女を嫌うことなど無いだろう。
彼女が嫌われるのはその能力故か、普段の衣服のためか、どちらにしてももったいない話である。

デスメタル
「………」

ニコリと微笑むとアリスの隣に肩を並べて湯船に浸かる。
その顔が幸福に緩んだ。

その顔が可愛く思えて、今度はアリスが手を伸ばして頭を撫でた。
するとデスメタルもくすぐったそうに目を細める。

アリス
「ふふ……」

妹が出来たみたいで、アリスの心も少しだけ温かくなった。
その顔を覗き込むとさっきまでの焦りが嘘のように落ち着いた。

デスメタルも手を伸ばしてアリスの髪に触れようとする。
が、ちょっと躊躇って、その小さな唇がアリスの唇に重なった。

アリス
「!!???」

デスメタル
「……?ぁぃ……さつ……異国の……」

アリス
「ち、違うの!それは口じゃなくて、ほっぺにするの!」

デスメタル
「………?」

アリス
「ぅぅぅ……まだ次郎さんとして無いのに……」

デスメタル
「……ごめん……」

アリス
「ダメ!おしおき!」

そう言ってアリスはデスメタルを抱きしめる。
そのまましばらくすると、デスメタルも両腕を後ろに回してきた。

そして、ばしゃっと一際大きな水音がしたかと思うと、デスメタルはアリスの膝の上に座るような形で、大きな浴槽の中で抱えられていた。

今のアリスはデスメタルに感謝していた。
と、同時にもっとデスメタルのことを知りたくなって、手をデスメタルの胸に持って行く。

デスメタル
「……んぅ」

アリス
(胸は……ふふ、勝ったわね)

両手で撫でるようにデスメタルの胸を揉むと、デスメタルの吐息がアリスにも聞こえるほど大きくなった。

アリス
(ん?)

気がつくと、抱えられたままのデスメタルがもじもじと体を揺すり熱っぽい目でアリスを見上げている。
何も知らないだろう無垢なデスメタルを発情させたようでアリスは少し申し訳ない気持ちになった。

アリスはこのままやめてしまうのも可愛そうになって、左手を下に持って行く。
お腹の中心にアリスの腕がきたところで、デスメタルの小さな手がアリスの腕に添えられた。

デスメタルの目は怯えるようで、それでいて何かを期待しているようでもあった。
添えられた手に導かれるように、アリスの手がデスメタルの小さな股間に伸びていった。

デスメタル
「う……ふぅ……」

その両の目をぎゅっと閉じて、耐えるようにデスメタルの体が震える。
アリスの指先がワレメをなぞっただけでガクガクとデスメタルの体が痙攣する。

アリス
(あぁ!可愛い!もう何て可愛いの!)

いつの間にかアリスは人形で遊ぶように、デスメタルに興奮していた。
ぷっくりしたクリトリスを弾くように指先で弄び、小さな胸の先端を右手がなぞる。

デスメタル
「ん……んんぅ……」

はぁはぁと切なげに息を切らすデスメタル。
襲い来る感覚に声が漏れてしまっていた。

そしてとうとう堪えきれなくなって

デスメタル
「んううぅぅぅ!……ん…はぅ……」

小さな彼女の短い人生の中で初めての感覚。
目を見開き、絶頂の余韻に浸るデスメタルの頬に、アリスは挨拶どおりのキスをした。

デスメタルが今までどれだけの間を生きてきたのかアリスは知らない。
聖天の中には見た目と違い、気の遠くなるほど生きてきたものもいる。

だがデスメタルはその見た目と同じ程度しか齢を重ねていないのだろう。
その点、アリスとデスメタルには小さな共通点だった。

アリス
(あ……や、やりすぎちゃったかな……)

はぁはぁと肩で息をするデスメタル。
その姿を見たアリスはさすがに申し訳なくなってその小さな体を支えてやる。

アリス自身も体の疼きが止まらなくなってきた。

アリス
(ダメ、耐えるのよ。今日は次郎さんと甘い夜を過ごすんだから…)

そう考えたアリスはハッとした。
気がつけばもう長い時間風呂に浸かっていた。

アリス
「た、大変!次郎さん!」

デスメタルを見て、意識があることを確認し、全裸のまま飛び出すアリス。
その小さな胸を上下させて部屋に飛び込むと

ごめん!二人の着替えはここにおいて置くから!
                佐藤次郎

短い文面に簡単なメモ
遅れて出てきたデスメタルに気付かずに声を上げるアリス

アリス
「に、逃げられた!!!!」




その頃

アルスナー
「……次郎か。さっきアリスが探していたようだが?」

次郎
「……悪いとは思ったが、酔っていたようなので逃げてきた。」

アルスナー
「ふん、そうか…お前も大変だな」

次郎
「お前もな。何だっけ?健吾ちゃんだったか?彼女は一緒じゃないのか?」

アルスナー
「……別にあいつのことはいいだろう。なぜ、俺に聞く?」

次郎
「いや、一度お前とガチでやりあった女だ。俺が気にしてもいいだろう?」

アルスナー
「ふん、あいつはあれで拳聖と言われる腕前だ。今日もどこかで死合いだろうよ。」

次郎
「そうか。……おっと、そろそろお姫様たちが気付く頃だ。じゃあ、またな」

アルスナー
「………」

返事をせずに片手を上げて答えるアルスナー
同時に背を向ける次郎と、彼の部屋が吹き飛ぶ音に、思わず笑みが浮かんだ。

アルスナー
「……世界はまだ、面白い」

十六聖天第九位アルスナー・ナッシュ
復讐のためだけに生きていた彼にもう少し生きる理由が生まれ始めた。
ツールボックス

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