十六聖天外伝 死神を目指すモノの章 第一話「とある国境付近の村で」


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死神がそこに在る
そんな話を聞いて、私はその場へ向かう決意をした
更なる力を得るために

そこは、国境沿いにある小さな村だった
それなりの長旅だったので、村に唯一存在する小さな宿に部屋を取る
一階が酒場も兼用しているらしい。それならば夜まで仮眠を取って
夜、ここで除法収集をすればいいか。その方が合理的だろう
そう考え、私は睡魔に身をゆだねた

夜。同行している“連れ”を起こさないように、静かに階下の酒場に向かおうとしたが
―お出かけになられるので?それならば私も付いていきます
と、アッサリ察知され、それならば、と“連れ”も同行する事になった
酒場は村の規模からは考えられないほど、賑わっていた
いや、何の娯楽もなさそうな村だからこそ賑わっているのかもしれない
―もしくは、死神とやらの責で陰鬱な気分を払拭したいのかも知れませんね
なるほど、その考えには一理ある
それにしても、騒ぎすぎだ。他国というのはこんなものなのだろうか
もしくは、ここまで騒がなければならないほど、死神とやらは暴れているのだろうか

騒がしいのは苦手だ。
とりあえず空いていた椅子に座り、注文を待つ

「あら。お客さん上にお泊りの?おひとり、よね?」

指を2本立て、二人である事を伝えるた後、軽い食事をオーダーする。
置かれる水が一つだけなら“連れ”が後で煩いのだ
フィジェット・パイがここのお勧め料理らしい
なるほど。リンゴとタマネギのパイとは文献で知っていたが
見事にまずい。所詮、中華料理を自国料理と思い込む阿呆共の仲間か
酒場に備え付けのブラウン管では、TBSのカスのような番組が流されている
国が近いと電波は通るのだな、と思う。とはいえ、まだお経の方がマシだ
TVはディスカバリーチャンネルに限る。内容も素晴らしいし
カヴァリーと書くと如何にも強そうなのが、良い
―それならNHKはどうなんです?
と“連れ”が話しかけてくる。冗談ではない
NHKはにこにこぷんが終わった時に、私の中では死んだも同然だし
それに…

「お前さん、この国の者ではないの」

一人の老人が私の隣に腰掛けてきた。若者や中年なら嫌悪感が先立つが
老人だとそういう感情も湧きにくい。不思議なものだ
よく見抜かれましたね。見た目では貴方達と変わらないはずですが
と答えると、老人は

「ワシも昔戦士じゃったのでな。その身を包む闘気は隠せぬよ。専門は剣か?」

隣接する椅子に立てかけてある、小さな子どもの身の丈ほどある大剣を指差し老人は笑う
残念、外れだ
いいえ、専門はこれです。とローブのようなコートの裏側に隠してある獲物を見せる

「ほう…ならばお前さん、もしや死神を封じにいかれるのか?」

そのつもりです。と答えると老人は私の眼まっすぐに見つめ
溜息と同時に、死神について自分の知る限りの情報を伝えてくれた
最後に、「出来る事なら逃げなされ。若い命を無駄に散らすことはない」と私の身を案じてくれた
正直な話をすると、見ず知らずの私の身を案じてくれるその好意を、私はうれしく感じた

十六聖天外伝 死神を目指すモノの章 第一話「とある国境付近の村で」完
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