十二話


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「ようこそ、不思議の国へ」

ワンダーワールドには理解できなかった
何故、この姉が能力を解除したのかが、全く理解できなかった
だがそんな事はどうでもいい。愚か者のした事に自分が頭を悩める必要などないだろう

「さぁ、次は私のターン。ううん。ずっと私のターン」
「ギガンテックフェザー!」
「バンカーバスター!」
「プルガトリウム!」
「スカーフェイス!」

グリフォン バンダースナッチ 眠りネズミ ハンプティダンプティ
そのどれもがワンダーワールドにのみ許される剣で…
そしてその切っ先はアリスに向けられていた

「とりあえずこんなものかしら。ねぇアリス。どれで死にたい?」
「…アリスは負けない!」
「あらそう」

天鏡宮を発現させると攻撃が反射されて恐らくワンダーワールドは死ぬだろう
だから、鏡の城は呼び出せない…。アリスの周囲にいくつもの鏡が具現化される
空間歪曲鏡。手持ちのカードで最も強いその二つの鏡を、幾重にも周囲に貼る

だがこれはアリスの過ちである
確かに、ワンダーワールドの世界には、鏡の城のように相手の力を抑え込む能力はない
だが、それでも鏡の城を呼び出すことなど、不可能だったであろう。能力の絶対数が劣っているのだ
何故、自分の呼び出す能力が鏡の国ではなく、鏡の城なのかをアリスはまだ理解していない
それは、アリスの能力のベースとなっている
とある鏡の神器の半分=攻撃因子の全てがワンダーワールドに移植されているからに他ならない
能力で封じるのではなく、力で抑え込まれてしまうのだ
故に、恐らくアリスが天鏡宮を発現させていても結果は同じだったであろう

「どうせなら、カードで遊びましょうか」

そう言うとトランプに似たカードを取り出しシャッフルした後にそれを一枚引いた

「ドロー。私のカードはコレよ」

空間をいくら曲げようと、その一撃は全てを切り刻んでいた
それこそがそう。クリムゾンブロウとブラックパイソンの両名の存在全てを消し去った
ハンプティ・ダンプティの真の力、スカーフェイスである
この全ての防御を突破し、そしてこれによって死する物は全ての次元・時空から消える必殺の爪である

「まぁ…このまま殺してもいいけどツマラナイから、もう少し遊んであげるわ」
「私のターン!ドロー!」
「私のターン!ドロー!」
「私のターン!」
「私の!」

そこからは妹による姉への私刑だった
数々の能力を、殺さない程度に姉に向けて使用し続けた
恐らくその身をアーデルハイドが守っていなければ、加減されていたとはいえ
アリスはとうに事切れていただろう

「負けない…もん」
「このザマで良く言えるわね。お姉ちゃん?」

アリスの髪を掴んで起き上がらせると
ワンダーワールドの周りにバンダースナッチの姿が現れた

「自分の力で死ねること、幸せに思いなさい」

だが、魔獣の牙がアリスを噛み砕く事はなかった

「あら。キラー。貴方こんな所にまで入ってこれたのね。何の用かしら」

ワンダーワールドの背後に
音も無く現れたそれは、黒い外套に身をまとった死神だった
新たなる敵の姿を、アリスは虚ろな目で見上げていた

十六聖天外伝 ~失楽園の章~  12話
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