ヴェノムタイガーの後悔・中編


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キメラの中に舞い降りたプリティは攻撃を避けながら中指の長い爪で敵を刺していった
その姿はまるでダンスを踊っているかのようだ
たった一刺し、あるのは小さな傷のみ、普通に考えれば何の影響も無いはずである
しかしキメラたちは次々と無数の赤い結晶と化し消えていった
赤い雪が世界を覆っていく・・・END・・・ってことは無かったが
全ての敵が消えるころには中庭は真紅に染まっていた
『4時だよ、もう寝なさい』
プリティが囁くとヴェノムタイガーが戻ってきた
『こっちは終わったよ』
「俺の方も無力化は終わった」
毒をもって毒を制す、ヴェノムタイガーに対処できない毒など存在しない
その時敷地に近づく気配を感じた
裏の世界の住人である彼の感覚は十六聖天のなかでもトップクラスである
生きる上で自然と身についた能力だ
「三つか…」
しかし敷地内に入るか否かのところでその気配が急に消えた
「この距離で全く気配を感じない完全なステルス能力、どうやら予定の十六聖天が来たようだな。
十大悪の方はそいつらの仕事だ」
どんな十六聖天が来ることになっているのか彼は知らない
聞いたのは人数とその能力のだけである
情報は重要だが必要最低限にとどめるべきだと彼は考える
瞬時の判断ではその情報量が仇となるのだ
何より人とかかわることを嫌う彼ならではだ…しかしある二人に対してはべつであるが
「ではもう一つの任務に移るとするか」
施設の無力化と尖兵の露払い、半蔵から受けた任務の一つ目は完了している
もう一つの任務それは、8i:「貪欲」のファウストが他の十大悪を三人も集めて行っていたとされる
研究情報・サンプル等の回収と痕跡の抹消である
なぜ回収それらを回収する必要があるのかも彼は知らない、その必要が無いからだ
施設の裏に回り半蔵から聞いていた箇所を調べると地下に続く下段があった
同時に建物の上で爆発があがる
「向うも始まったか、急ぐぞプリティ」
『えー挨拶に行こうよ、他の十六聖天に会うなんてあんまりないしー』
しかしヴェノムタイガーはそれを無視し先へと急ぐ
『うじゅ~』

階段を下り薄暗い通路を進むと地下にしては異常に広い部屋に出た
中には見たことも無い装置と無数のカプセルが並んでいた
幾つかは破壊されていて残りは液体の色が濃いため中が見えない
装置とモニターは死んでいて、床には資料が散乱している
「逃げたか或いは」
有用な情報を得ようと調べてみるが殆どが意味の分からない計算式と数値の羅列、単語ばかりだ
それでも断片的ではあるが読み取れるものがあった
(…クローンでは不可能…器として魂は不要…ホムンクルスを使用…黄金の瞳…サンプル不適合…
十六聖天…)
何らかの実験を行っていたが失敗に終わったという事だけは理解できた
他に分かることがないか探していると轟音と共に部屋全体が揺れた
上での戦闘で施設が崩壊し始めたのだ
「もう十分だ、戻るぞプリティ」
ヴェノムタイガーが崩ゆく部屋を後にしようとしたとき、何処から微かに声が聞こえた


~ヴェノムタイガーの後悔・中編 完~
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