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喜怒哀楽

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喜怒哀楽 ◆.pKwLKR4oQ



鈴木イチロウが抱いている感情は『喜』だ。
このような訳も分からないような場所に来て早々に息子と再会する事ができたからだ。
それなのに息子の万吉は自分を見るなり一目散に逃げ出してしまった。
なぜという疑問がイチロウの胸の中で渦巻く。
だがそんな事はどうでもよかった。
再会できた喜びは微かに胸をよぎった疑問を押し流し、イチロウに息子を追いかけるという行動を取らせた。

 ◆

鈴木万吉が抱いている感情は『怒』だ。
恋愛フラグと脱出フラグ支給品を探そうとした矢先に、いきなり親父と再会したからだ。
これでは早々に自分は同作品早期再会の死亡フラグよろしく死んでしまう。
まだ恋愛フラグの「レ」の字も無いうちから死んでたまるか。
そんな理不尽な怒りを覚えて、万吉はイチロウから逃げるべく全力で走りだした。

一方、イチロウと万吉が向かった先にも理不尽な怒りを覚える人がいた。

 ◆

カズマ改めカズヤの抱いている感情は『怒』だ。
いきなり見知らぬ人物から「これからお前の名前はカズヤじゃ」と言われたら、抱く感情は怒りしかない。
しかもぶん殴ろうにもマリナンはひょいひょいと避けて一向に拳は掠りもしない。
カズヤの怒りのフラストレーションは上昇する一方だった。
おまけにシェルブリッドでさえ当たらない、何様と尋ねたら神様と答えられる。
カズヤの怒りはさらにヒートアップする一方だった。

 ◆

ハオが抱いている感情は『哀』だ。
いや、本当に『哀』かどうか定かではない。
幾度となく繰り返してきた死と転生。
そしてそれに付き従ってきたスピリット・オブ・ファイア。
そのS.O.F.が目の前の訳の分からない奴の力で消滅させられてしまった。
別にS.O.F.はグレート・スピリッツに辿り着くまでの持ち霊、不要になれば捨てるつもりだった。
それなのにこの胸に巣食った空洞はなんだろうか。
そこだけぽっかりと穴が空いたような感じがするのは気のせいだろうか。
ハオはマリナンに殴りかかっているカズヤを横目に見つつデイパックに手を入れた。
取りだしたのは刀身が波紋のように波打っている180cm程もあるフランベルジェ。
とある宗教の教皇代理が愛用している刀だが、そんな事などハオは知らないし、興味もなかった。
ハオはフランベルジェの感触を確かめると、ゆらりとマリナンとカズヤの元へ接近し始めた。

 ◆

マリナンが抱いている感情は『楽』だ。
はっきりとそうだとは断言できないが、あえて言うならぐらいの感情だ。
出会った人物の名前を変えて、その人物の様子を見る。
幾度となく繰り返してきた行為だが、場所も変われば抱く感情も変わってくるのだろう。
今まで名前を変えた者は二人。
一人は怒り心頭に殴りかかり、もう一人は一瞬動揺した後は物静かにしている。
そろそろ別の誰かに命名しようか。
そんな事をマリナンが考え始めていた。

 ◆



不意にマリナンはゼロのハオがゆっくりとこちらに近づいてきているのに気が付いた。
一瞬の後ハオはフランベルジェを構え、マリナンの背後に一気に接近した。
そして天上高く掲げたフランベルジェをマリナンにぶつけるべく振り下ろした。
だがそこでマリナンは自身の身体をすっと横に移動させた。
カズヤの乱打を避け続けた要領でマリナンはハオのフランベルジェも軽く――

「ちっちぇな」

――避けられなかった。
ハオのフランベルジェはその軌道を途中で横に変え、マリナンの身体を真一文字に斬り裂いていた。

「――ッ!!」

マリナンは自身の身体を支える事ができずに無様に地面へと倒れこんだ。
少し離れたところではカズヤが意外な結末に驚いていた。
説明すれば簡単な事だ。
ハオはマリナンの心を読んで刃の起動を修正した。
唯それだけの事だ。
S.O.F.がなくなっても未だハオの牙は健在だった。

「これで借りは返せたかな。面白い力だったよ」
「お、のれ……よかろう、お前は今からプリンセス・ハオだ! どう――」
「それがどうした」

ハオは何の感情も抱かずに躊躇いなくフランベルジェをマリナンの胸に刺した。
もうそこにあるのはマリナンではなく『血に塗れたマリナンだったもの』である。
マリナンが最後に抱いた感情、それは誰にも分からない。

 ◆

「ひぃっ」

鈴木万吉は目の前で行われた所業に思わず声を上げてしまった。
父であるイチロウを何とか振り切ろうとして我武者羅に走ってきて目に飛び込んできたのがハオによる殺人光景。
いたって普通の高校生の万吉がその光景を見て声を上げるのは至極当然の事だった。
そしてそれをハオは聞き逃さなかった。

「君も死んでくれ」

ハオは瞬く間に万吉との距離を詰めると、その凶刃を再び振るった。
一方の万吉はあまりの突然の事態に身体が動かなかった。
万吉は自身の身体に迫るフランベルジェがゆっくりと見えたが、身体はついに動く事はなかった。
そしてハオのフランベルジェが目の前の人物の身体を無慈悲に斬り裂いた。
しかし、それは万吉ではなく――万吉の父、鈴木イチロウだった。

「親父!? な、なんで」
「……親が、息子を守るのは当然だろ」

イチロウは当たり前のようにそう言ってのけた。
万吉を追いかけてきたイチロウは息子の危機を見るや否や自分の事は一切顧みなかった。
そしてギリギリのところで何の迷いもなくハオと万吉の間に身を割り込ませたのだった。
命の危機にある息子を守る。
イチロウは父親として当然の事をしただけだった。



「おい、そこの奴。万吉を連れて逃げてくれ。頼む!」
「ちっ、分かったよ。行くぞ!」
「――待てって。くそっ」

イチロウの意向を汲み取るとカズヤは渋る万吉の手を強引に引いて走り出した。
ハオはその様子を目に入れつつも敢えて動こうとはしなかった。
ここで自分が殺さなくても別の誰かに殺されるか、或いは時を置いて再会する可能性もある。
そう思ったからこそハオは別段二人を追いかけようとはしなかった。
ハオの目的はここにいる全ての人の皆殺し。
ここに来てもハオのする事に変わりはない。
ハオの周りにはただ二つの死体が転がるだけ。
今のハオは血染めのプリンセス・ハオだった。

【命名神マリナン@ドラクエⅥ  死亡確認】
【鈴木イチロウ@オリジナルキャラ・バトルロワイアル  死亡確認】


【1日目 黎明/I-10】
【プリンセス・ハオ(ハオ)@シャーマンキング】
【服装】普段着(古びたマントを羽織っている)
【状態】健康、S.O.F.喪失
【装備】建宮斎字のフランベルジェ@とある魔術の禁書目録
【道具】支給品一式×3、不明支給品(ハオ:0~2、マリナン:1~3)
【思考】
基本方針:皆殺し。
1:この地にいる者を全て殺す。
【備考】
※本来の名前はハオです。
※改名による影響はまだ見られません。

【1日目 黎明/H-9】
【カズヤ@スクライド】
【服装】普段着(くすんだ色の革のジャケット)
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
基本方針:殺し合いに反逆する。
1:とりあえず万吉を連れて離脱。
2:ぶん殴りたい奴をぶん殴る。
【備考】
※本来の名前はカズマです。

【鈴木万吉@オリジナルキャラ・バトルロワイアル】
【服装】ニート専用パジャマ
【状態】健康、父を失った悲しみ
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本方針:フラグ重視。
1:お、親父ィィィ!!!
2:恋愛フラグと脱出フラグ支給品を探すが、死亡フラグからは何があっても逃げる。
3:何ロワイヤルなのかを考察する。
4:なんか似た体験をした記憶があるような、ないような?


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ゼロ一人追加 プリンセス・ハオ 『これからの身の上』
ゼロ一人追加 カズヤ 湖のほとりで休憩
ゼロ一人追加 命名神マリナン GAME OVER
鈴木家の人々 鈴木万吉 湖のほとりで休憩
鈴木家の人々 鈴木イチロウ GAME OVER


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