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断絶への旅路

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断絶への旅路 ◆8cnjW9wWV2




俺たちはみんな一人では生きていけないのに、一人で生まれてきて一人で死んでいく。
そんな矛盾の中で俺たちは生きていくしかない。
俺たちが時として自分の命を賭してでも他人の命を守ろうとするのは、そんな矛盾に抗しようという無意識の衝動からなのかもしれない。
それでは先刻の俺の行為もそれで説明がつくのだろうか。
どうもそれだけではないように思える。
なぜなら、俺はまだこの男と出会ってから数刻しか経っていないからだ。
にも関わらず俺の体は「自分の身の危険を顧みず男を助ける」という行為を選んだ。
それにどんな理由と意味があったのか。俺にはまだわからない。

男は俺を肩に乗せたまましばらく歩いていた。
先刻あの女から受けた傷が痛むのか、時折その傷口を押さえている。
俺にはそれを黙って見守っていることしかできない。
それにしても人間というのはつくづく回復力の低い生き物だ。
俺たちハムスターならばちょっとやそっとの怪我はその日のうちに治ってしまう。
そう考えると、人間というのはその知性と引き換えに生物の持つ生への執着力、とでも呼ぶべきものを失ってしまった
非常に歪な動物なのではないかと思えてくる。
そんなことを考えていると、ふと前方からこちらに走ってくる集団が見えた。
一人は人間の女。随分風変わりな髪型をしている。呪術師か何かだろうか?
その女が連れているのは二匹の犬だった。二匹とも首に紐を巻かれ、呪術師の女によって無理やり引き回されていた。
なんというおぞましい行為だろう。
俺は同じ人間に飼われる動物として、呪術師の女がやっている犬たちへの虐待行為に激しい憤りを覚えた。
そして同時に、俺を肩に乗せているこの男がこの悪人を断罪することを期待した。
その期待はすぐに叶えられた。
男は女と犬の姿を認めるや否や、腰に差していた長い武器を抜いて女の体を一刀両断にした。
女は真っ二つとなって、自分の血で作られた赤い池の中に倒れた。
しかし手元が狂ったのか、その時一緒に女が連れていた犬のうちの一匹まで真っ二つになってしまった。
男は二つの死体を前にして立ち尽くしている。恐らく忸怩たる思いを抱えているのだろう。
ほんの手違いとは言え、呪術師だけではなく罪の無い犬まで殺してしまったのだ。
その時、女の魔手から解放されたもう一匹の犬が俺に声をかけた。

「かたじけない。汝らのお陰で助かった」
「気にするな。礼ならそこにいる男に言ってくれ」
「違いない。あの女に無理矢理引きまわれ、まさに死にも等しき拷問を加えられていたのだ」
「しかしあの犬は残念だったな。この男もあの犬までは殺すつもりは無かったはずだが」
「それは言っても詮無きこと。悪気の無い者の罪を責めても始まらぬ。
それに大悪を討つため、多少の犠牲は致し方ない」
この犬は信用できそうだった。俺はどうやら出会う仲間には恵まれているらしい。
「それで、卿はこの男と供に何を為すつもりなのか」
「さあな。まあそれほど長くは生き残れないだろうよ。しかし、生きている間は出来る限りのことはやりぬくつもりだ」
「では、この殺し合いを止めるために動くつもりなのか」
「ああ。俺たちがいくら頑張ったって結果は知れてるだろうが……何もしないよりはいい」
そういうと、犬は満足げに頷いた。どうやらこいつも志は同じようだ。
俺が男のほうを見ると、男は呪術師の女には目もくれずに死んだ犬のほうに手を伸ばしていた。
男は血の海の中で事切れている犬の首から、やさしい手つきでそっと首輪を外したのだ。
この行為を見た俺と犬は、激しく胸を打たれて思わず涙した。
男は、たとえ死んだ身であっても首にこのような枷をはめられているとは不憫だと考えて首輪を外してくれたのだ。
このような思いやりと義の心を持った味方にめぐり合えるとは、俺はなんと幸甚なのだろうと思った。
そして同時に、この男のためになら例え命を賭してもいい、はっきりとそう思ったのだった。


◆ ◆◆◆◆

6/とチビすけ、そしてポテトが立ち去ったあとで、地の中に沈んでいた死体がおもむろにのっそりと立ち上がった。
「もうやあねえ。びっくりしちゃったじゃない」
そう呟く奇妙な髪型の主婦。失ったはずの右半身もしっかりと再生していた。
彼女、フグ田サザエが死ななかった理由は、支給品の中にあったある薬を持ち前の意地汚さから一つ残らず飲んでいたからだ。
それは実は飲めば不死になる薬なのだが、サザエにとってはそれもどうでもいいことだった。
「それにしても、さっきの男の人、いきなり切りかかってくるなんて何考えてるのかしら。
きっとここにいる人を皆殺しにしようとしてるんだわ。
早くこのことを他のみんなにも知らせないと」
こうしてサザエは、危険人物の情報を広めるべく走り出した。


◆ ◆◆◆◆◆

「さすがに、見たくらいでは仕組みなんかわかんねえか」
6/は歩きながら、トーマスの首からとった首輪を弄り回していた。
「まあいい。首輪を解析して外すのは二の次だ。他の参加者を全滅させれば、そんなことをする必要も無いんだからな。
それに、何か知らんが『非常食』も手に入ったしな……」
6/は振り返ってなぜか自分の後ろをついてくるポテトの姿を見て冷たく笑った。


【D-3 平原/一日目 黎明】

【チビすけ@ハムスターの研究レポート】
【服装】全裸
【状態】健康
【装備】水戸黄門の印籠@水戸黄門
【道具】支給品一式、不明支給品3
【思考】 基本:家族の所に帰る
1:6/についていく
※6/@テラカオスバトルロワイアルを対主催だと誤解しています
※サザエを呪術師だと誤解しています
※所詮ハムスターなのでやや思考回路がアレです

【◆6/WWxs9O1s氏@テラカオスバトルロワイアル】
【服装】ウェディングドレス
【状態】右腕に若干の負傷
【装備】格さんの刀@水戸黄門、悟史のバッド@ひぐらしのなくころに、
    ガトリング砲@現実 、ポテト@葉鍵ロワイアル3
【道具】支給品一式×5、不明支給品3、トーマスの首輪
【思考】 基本:全員殺してもとの世界に戻る
1:今はチビすけとポテトは殺さない。用が済んだら殺す
2:余裕があれば首輪を解析する
※ポテトを保護したのは非常食にするためです


【フグ田サザエ@カオスロワ】
【服装】全裸
【状態】不死身
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:猫限定マーダー(無意識)
1:6/が危険人物だとなるべく多くの人に知らせる
2:ここから脱出する
※不死の薬@竹取物語を飲んで不死になっています
 しかし制限のため、不死の効果は六時間しか持続しません

【トーマス@FFDQロワ  死亡】







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テラカオスニコニコオリジナル葉鍵FFDQバトルロワイアル フグ田サザエ 奇髪呪術師SAZAE
俺には声が無い、それでも俺は叫ぶ ◆6/WWxs9O1s氏@テラカオス Seventh-とある絵札の回想録-
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テラカオスニコニコオリジナル葉鍵FFDQバトルロワイアル トーマス GAME OVER



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