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湖のほとりで休憩

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湖のほとりで休憩 ◆lKwn51F70g



 H-8 湖のほとりまできて、ファシルは一度休憩をとることにした。
 火を起こし、支給品をあさり始める。
 そこにハートのクイーンがファシルへと語りかける。

「すまぬな。わらわもこの姿でなければ役立てると言うのに……呪いさえ受けなければ」
「呪いか……それならこの支給品が効きそうだな」
 ファシルはじゅうじかを取り出すと、なにも聞かずにおもむろにハートのクイーンへと当てた。

「え、ちょっとまっ――」

 クイーンの静止の声は中断され、その瞬間光がはじける。
 数秒後、光が止むとカードのあった場所には一人の人間が立っていた。

 薄い桜色がかったブロンドの髪、同じく桜色の目。
 透けるような白い肌、割と豊な胸。引き締まった腰付き。
 全体的に女性らしく柔らかい感じを受ける。
 まさしく全裸の美女がファシルの前に立っていた。
 ちなみにファシルのじゅうじかを当てた手は今はクイーンの胸の位置に置かれている。

 お互い固まったまま数秒後、ようやくその女性が言葉を話す。

「……なにをボケっとしておるのかえ。その服をわらわに渡したもれ」

 そう言いながらも女性の頬に赤身がさしている。
 ファシルが急いでチャイナドレスを渡すと、かぐやを抱いたまま律儀にも後ろを向く。
 そのままの体勢でファシルは尋ねる。

「お前、ハートのクイーンか。人間だったんだな」
「人間にもなれるが正解。先のじゅうじかで呪いが解けたでありんす」
「そうか」

 再び無言。ただファシルの後ろから聞こえる衣ずれの音が聞こえるのみ。
 しばらくしてその音も止んだ。

「もういいですよ」

 やっと落ち着き、しばらく休憩になる。始めはお互いぎこちなかったが、
 二人は取りとめもなく話し始めるうち、元の調子に戻っていった。
 ふと、ファシルがハートのクイーンに問う。

「主催者について知っているのか?」
「ええ、知ってる。あそこにいたのはキングハートの子飼いの部下だった。
そう考えると主催者はキングハートということになるでありんす。
ただし、これはあくまで予測、あれが独断で動いている可能性もありけるよ」

「ふーむ。ルシファーとは関係がないのか?」
「さあ、それはわらわには分からぬこと」
「そのキングハートとはどんな人物なんだ?」

 何気なくファシルは問う。
 ハートのクイーンの表情が嫌へと変わる。

「変質者。基地外。ダメ人間。ストーカー。
いつもこっちを変な目で見てくる気持ち悪い奴。
金と、権力と能力はあるからなおさら性質が悪い」
「……ひどい言われようだな」

 クイーンの言いざまに、流石のファシルも若干引いてしまう。
 一通り愚痴を言って落ち着いたのか、クイーンは声のトーンを落とす。

「そんなクズだから、こんな企画をしたのも頷けるの」

 ファシルもなんとなく納得しつつ、もう一つ聞かなければならないことを問いかける。
「……そうか、あと一つ質問だ。そいつには死者蘇生の力はあるのか?」
「それは分からない。……どうしてそんなことを聞く?」
「俺の養父の名前が名簿にあった。すでに死んでいるはずのな」
「……え?」
「それに俺も一度死んでいる。死者の国で養父とともにようやく普通の生活を送っていたのにな」
「頭、大丈夫かえ?」
「本当のことだ」

 心配そうに問いかけるクイーンを無視し、ファシルは断言する。そのまま立ち上がると遠くを見る。
「もし、主催自身にその能力がなければ、裏で手を引いている奴がいる。
そして俺を再びここに呼び戻したということを考えると、主催にルシファーが語りかけている可能性が高い。
奴のたくらみを潰すにはまずはこの首輪をはずし、脱出することが必要か」

「……なんにしても首輪の解除は必要。わらわも協力するわ」

 そこまで話し合い、ふと赤ん坊がムズがり始めたのに気づく。

「ふむ、これはミルクかえ? ファシル、はやく用意したもれ」
「ああ、そうだな……って、やり方を教えろ。俺はわからんぞ」
「わかりもうした。まずはファシルは水を汲んできたもれ。わらわはミルクの準備をしようぞ」

 ファシルは赤ん坊をゆっくり降ろし、今にも泣きそうな赤ん坊の気をそらすため、おもちゃはないかと探す。
 ふと、赤ん坊が泣きやんだ。ファシルはそのとき手に持っていた懐中電灯をつけたり消したりする。
 赤ん坊はつけていると笑うようだ。

「ん、この懐中電灯が気になるのか? ほれ」

 懐中電灯をつけたままかぐやに向ける。そのかぐやは笑っている。
 これはいい、と、その隙に二人はミルクを温める作業に戻った。

――そのちょっと目を離したのがいけなかった。

「ちちうえ~、ははうえ~」
「……え」
「……お」
 戻ってみると、そこに赤ん坊はいなかった。
 代わりに5~6歳の少女が笑顔で待っていた。

「「どうなってるの(よ、だ)」」 
二人の言葉が重なった。

【H-8 湖のほとり/一日目 早朝】

【かぐや姫@竹取物語】
【服装】布
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】成長そくしんライト@ドラえもん@ニコロワ
【思考】ちちうえ、ははうえ、どうしたの?
【備考】かぐや姫は成長そくしんライトで5~6才になりました。
    成長そくしんライトは制限により一回5才までしか成長せず、12時間置かないと再使用できません。

【ファシル(本名 鈴木次郎) @オリジナルキャラ・バトルロワイアル】
【状態】健康
【装備】チェーンソー
【持ち物】一般支給品×3、不明支給品1~7、
【思考】まじで!?
1.首輪の解除
2.脱出し、主催を滅ぼす。
3.邪魔する者、ルシファーのかけらを持つ者は殺す

【ハートのクイーン@七並べ】
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】なし
【服装】チャイナドレス、パンツはいてない。
【思考】うそっ!?
1.首輪の解除
2.脱出する。
【備考】
じゅうじか@FF2で呪いが解け、人間形態になっています。


 そこから少し離れたところに一人、隠れて存在していた。

「次郎……なんでお前は恋愛フラグをゲットしている!
……いや、そんなこと、もはやどうでもいい」

 そこには血の涙を流しながらも恋愛フラグから決別を宣言する青年――万吉がいた。
 そこへもう一人――カズヤがやってくると青年へと語りかける。

「知り合いか?」
「弟だ」
「合流するか?」
「しない。同作品早期再会など死亡フラグに他ならない。……親父もそれで死んだ」
「そうか。ここまでは連れて来た。後は好きにやりな」
「ああ、そうする。親父を殺したこの会場、この殺し合いをぶっ壊す。俺が持つのはそのための知識だ」

 そう語る万吉の心に浮かぶは父親の死に顔。
 その顔はどこまでも安らかで、そしてモラトリアムの中にいた彼の今までの思考を壊すには十分だった。
 万吉は心の中で思う。

(プリンセス・ハオ……テメェだけは……絶対に!! 許さねぇ!!!!)

 万吉の決意に何かを感じ取ったのか、今まさに去ろうとしたカズヤは足を止める。
「……ま、それでも少しだけなら付き合ってやる」
「……助かる。ただし俺の足を引っ張るなよ」
「ハッ! テメェこそ途中でダウンすんじゃねぇぞ。助けねぇからな!」

――二人は再び奥へと消えた。後に残るは沈黙のみ

【H-8 湖のほとりから少し離れた場所/一日目 早朝】
【カズヤ@スクライド】
【服装】普段着(くすんだ色の革のジャケット)
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
基本方針:殺し合いに反逆する。
1:とりあえず万吉を連れていく。
2:ぶん殴りたい奴をぶん殴る。
【備考】
※本来の名前はカズマです。

【鈴木万吉@オリジナルキャラ・バトルロワイアル】
【服装】ニート専用パジャマ
【状態】健康、父を失った悲しみ
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
基本方針:殺し合いをぶっ壊す。フラグ重視。
1:親父……
2:このロワイアルを壊すフラグを探す。死亡フラグからは何があっても逃げる。
3:何ロワイヤルなのかを考察する。
4:なんか似た体験をした記憶があるような、ないような?

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火葬 かぐや姫 おだやかな朝に
火葬 ファシル(本名 鈴木次郎) おだやかな朝に
火葬 ハートのクイーン おだやかな朝に
喜怒哀楽 カズヤ 独白
喜怒哀楽 鈴木万吉 独白

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