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驚愕!世紀の蛇人間 ◆FEFLqd2ObE



「ツチノコ」という物をご存じだろうか?
昭和50年代から60年代にかけて、日本各地で爆発的に噂になり、
懸賞金までかけられた幻の蛇のことである。
普通のヘビと比べて、胴の中央部が膨れており、
尺取虫の様に腹を地面に這わせて進むという。

「ツチノコ」ブームが収まるに従って人々の噂にも上らなくなり、
今ではたまにテレビで思い出したように話題になる以外は、
人々の意識にすら浮かばなくなった「幻の」蛇。

では今目の前に広がる光景は夢か幻か。
幻のヘビはこのバトルロワイアルの会場で疾走していた。

それは、尺取虫のように体をくねらせ、
まるで地を這っているとは思えないスピードで地面を走っていた。
もしここにツチノコを知っている人間がいたならば、
全力で捕獲しようとするだろう。
ツチノコに掛けられた賞金はまだ解除されてはいないのだ。

しかし・・・・

「やれやれ・・・・地面が硬ぉてうまく走れんわい・・・」

それはツチノコでは無かった。
もっと驚くべきことに、それは人間だった。


男には手が無かった。
男には足も無かった。
その姿は正にツチノコ、
そうでなければ芋虫であろう。
そんな不具者としか言いようのない男が、
腹をくねらせて健常者が走るよりも速く地を駆けている。
ある意味ツチノコ以上に奇怪な光景がそこにあった。

男は地虫十兵衛といった。

地虫十兵衛は、甲賀卍谷の甲賀弾正配下の忍者である。
甲賀卍谷は、谷の外の者が見れば魔界かと勘違いしても
仕様が無いような奇形の巣窟である。
近親婚を繰り返し、意図的に遺伝異常を起こすことで、
通常の人間が鍛錬では持ちえない異形の技を持つ忍者を創り出す事を、
この谷の住人は源平の争乱の時代から繰り返してきたのだ。

十兵衛もそうして生まれた忍者の一人だ。
彼の胸には「蛇腹」と呼ばれるギミックがあり、
胸の筋肉だけでなく肋骨すら動かすことで、ギミックを稼働させ、
蛇や芋虫が地を這うように地面を進むことができるのだ。
そのスピードはベテランの忍者よりも速い。

彼がこの殺し合いの場所に呼ばれたのは本当に突然だった。
使命も無く、里で休養を楽しんでいる所で突然呼び出されたのだ。
他用があって偶然忍び装束を着けていたから良かったものの、
あまりの唐突さに、ベテランの忍びである十兵衛も面を食らってしまった。

ゲームの開始とともに、いきなり山の中に放り出されて、
途方に暮れていた十兵衛だったが、不幸中の幸いか、
初めに出会ったのは同じ甲賀忍者であった。
名を阿魔野邪鬼という。
出会って後に、多少のいざこざはあったものの、
取り敢えず共に行動し、この不可解な状況を理解する鍵を
求めて、山から下りることにしたのだ。


取り敢えず何事もなく山から下りることには成功した
十兵衛と邪鬼だが、ここで彼らは二手に分かれることにした。

二人は共に百戦錬磨の忍者であり、
情報収集だけならば二手に分かれた方が良いと判断したからだ。
星占いの得意な十兵衛は、とりあえず占ってみたが、
結果は吉と出た。

星占いの結果に従い、邪鬼は北へ、十兵衛は西へと向かったのだった。


「しかし、こう勝手が違うと走るだけでも疲れるわい・・・」
C-5地区の市街地の中、街路樹にもたれかかって
十兵衛は休憩をとっていた。
当然の事ながら江戸時代の人間である十兵衛は硬いアスファルトの
上など走った経験が無く、ただ歩けばいい常人と移動方法が
著しく異なる十兵衛には、少なからぬ負担がかかってしまったのだ。
「豹馬は今頃どうしとるのか・・・・」
十兵衛は、この殺し合いに参加されられた面子の中で、
唯一知り合いであった盲目の男を思い浮かべた。
室賀豹馬。
盲目ではあるが、その忍法“猫眼呪縛”は恐るべき代物であり、
腕利き揃いの卍谷の忍者の中でも上位十指に数えられる達人である。
(あやつは心配いるまい・・“めしい”とは言え、あやつの「瞳」はおそろしいからのぉ)
「それにしても、見事なまでに誰にも会わんのう・・・・・」
豹馬について考えるのをやめ、
そうぼやいた十兵衛は、後1、2時間もすれば明けるであろう
夜空を眺め、自分を占おうとした。

そんな時だった。
十兵衛の忍者としての優れた聴覚が、
こちらに向かってくる「何か」の音を捉えた。
(かなり速いな・・・これは・・・車輪か?)
十兵衛が音の方向を見ると、はたして、そこには
かなりの速度でこちらに向かってくる牛車がいた。

二手に分かれて初めて出会った自分以外の人に、
十兵衛が声をかけようとしたその時であった。

牛車の御簾を蹴り飛ばして、飛び出してきた若い女子が一人。
その格好はほとんど裸同然であった。



「柊かがみ」の姿になった◆6/WWxs9O1sは、かつてない危機に瀕していた。
それは命の危機ではない。貞操の危機であった。

つい先ほどまで、6/と、彼を牛車に引きずり込んだ男、会話・・・
いや、言葉の片道キャッチボールを続けていた。
(あーっ、クソっ!話が全然通じない!)
かがみの姿をした6/は心の中で毒づいた。
自分を突然拉致した、この男。
外見は、渋谷辺りを見渡せば、それこそ一山いくらぐらいで売ってそうな
いかにもなチャラ男である。
しかし、何というか使ってる日本語があまりに特徴的・・・・
否、余りにも拙すぎて会話がまるで成立しないのだ。
相手はこっちの話も碌に聞かずに一方的にわけのわからん事を話してくるのみで、
6/は心底辟易し、黙りこくってしまっていた。

それがいけなかったのだろうか。
男は突如6/を押し倒そうとしてきたのだ。
狭い牛車の中で、押し合いへしあいをするものの、
6/は慣れぬ女の体だったこともあり、チャラ男に押され気味だ。

「くそったれ!」
何とか男の手を振り切った6/は、御簾を蹴とばし、牛車から飛び降りる。
チャラ男も、すぐに飛び降りて追いかけてくる。
靴が無いので、足が痛くてうまく走れない。
このままじゃ・・・

そう思った時だった。

「娘っ子・・・・どうした?」
誰かの声が聞こえる。
しめた、と思った。声の主が誰だか知らないが、
ゲームに乗ってない人間なら助けを求めればいいし、
乗った人間ならばこのチャラ男を押し付けて逃げればいい。
そう思って声の方向を向いて、固まった。

「・・・・・乙武○匡?」
6/は思わずそんな事を言ってしまった。
何せ視線の先にいたのは、四肢の無い男だったのだ。



トモ

話してたら

何か

女の子

黙っちゃったし

何かこれ

ヤってもいいみたいっぽいし

ヤろうとしたら

逃げるし

追いかけたら

何か

キモい「身障」いるし

まじ、キモいし

イラつくし

殺そう、みたいな


少女は、十兵衛を見て目をパチクリさせていた。
(まあ、仕方なかろうて)
十兵衛も自分の容姿がいかに歪なものかを知っている。
今更、こういう反応にも慣れた物だ。
それよりも、気になるのは、

「ボウズ・・・・それで、いったい何をするつもりじゃ?」
十兵衛は、少女の後ろ、鉄パイプを持ってこちらに
歩いてくる軽薄そうな男に言葉をかける。

男は何も言わずにこちらに近づいてくる。
男の十兵衛を見る目は、まるで汚い物を見るような目だ。

男は十兵衛を殴れるような位置にまで近づいてきた。
十兵衛は特に何もしない。

「おい・・・ちょっと・・・」
少女は、男が何をしようとしているのか気が付いたのか、
男に声をかけるが、

ブゥウン!

男は何も言わずに鉄パイプを十兵衛に向けて振り下ろした。
鉄パイプは十兵衛の頭にすいこまれ・・なかった。
十兵衛が、頭を軽く右に逸らすと、
鉄パイプは後ろの街路樹にぶつかって止まった。

チッ

「ちょ・・・・お前いきなり何を・・・」
少女の叫びを無視し、
男は鉄パイプを持ち上げて再び振りかぶる。

「いきなり御挨拶じゃのう」
十兵衛は笑いながら男に声をかける。
男は、十兵衛が自分に恐れも何も抱いてないためか、
ただでさえ歪んだ顔をさらに歪ませる。
「喋るな・・・身障。まじできもいんだよ」
男の口からは江戸時代の人間である十兵衛には
意味がよくわからない単語がいくつか出てきたが、
一つだけ確かに分かった事がある。
男は十兵衛を人間とすら見なしていない。
男の表情は、汚物を見る目だ。
だから問答無用で殺すことにも躊躇いがないのだろう。


「ふぅむ・・・・」
十兵衛が、少女の方に眼を向けて言った。
「そこな娘っ子。先に手を出して来たのはこの男よな?」
「えっ!・・・・ああ」
突然話を振られて、面食らう少女だが、確かにそう言った。
「なら遠慮はいらんか・・・」
「何余裕ぶってるわけ」
余裕綽綽の十兵衛に、男は青筋を立てていた。
えらい気が短い。

「ん・・・・」
十兵衛は男を無視して突然空を見上げ、言った。
「わしは星占いが得意でな・・・・」
そう言いながらゆっくりと頭を下す。
男の方は、今にも鉄パイプを振りおろそうとしている。
「汝の星は」
十兵衛が男に向き合う。
男が、鉄パイプを振りおろそうとして
「凶と出た」
赤い花が咲いた。



トモ

この身障

ガチでムカツク

手も足も無いくせに

なに余裕ぶってるわけ

何か

クドクド言ってるし

まじで殺・・・ごふぅ!

あれ

何で?

俺の胸に

何か

は・・・え・・・・



何故か乙○さんもどきのおっさんに
殴りかかろうとしているチャラ男を止めようと、
6/は男に組み付く機会を狙っていた。
突然、○武さんに襲い掛かりだした男。
その余りにも今どきのDQNな思考に
6/は面食らったが、
男の凶行を止めるべく飛びかかるつもりだった。
だが、その必要はなくなった。
何故なら、

「がっ・・・・・ふっ・・・・!」
チャラ男が、背中から刃物の刃先みたいな物をだして、
口から血を吐いているのだから。

「はぁ・・・・?」
一体何が起きているのか。
6/には改めて目の前の光景を見る。

チャラ男の胸には、何か刃物のような物が刺さっていて、
男の体を貫き、刃先は背中まで飛び出している。
刃物の柄にあたる部分には、何かピンク色の紐のような物が
巻きついており、それは、乙○さんもどきの人の口から・・
「へっ!」
口から伸びていた。
驚くべきことにそれは「舌」だった。
四肢の無い男の舌はまるで蛇のように細長く、
長さは今見えているだけでも1メートル近くある。
それの先端部が、刃物の柄に絡みついていた。

どさっ

チャラ男が地面に倒れ伏した。
アスファルトの上に血だまりが広がる。

男の胸から、刃物が引き抜かれる。
四肢無し男の舌が、まるで別の生き物のように動き、
刃物を引き抜いたのだ。

男が上を向くと、口の中に新たな物が出現していた。

それは鞘だった。

男の舌が、器用に刃物―槍の穂先―を鞘に収めると、
男の喉の筋肉が蠢動する。

んご、んご、と間の抜けた声と共に、鞘も槍の穂先も、
男の食道の中に消えていった。

げぇっぷ

男がげっぷを一つすると、6/の方を見ながら言った。

「この技が相手に知られておれば俺も百年目じゃが・・・
知った時には相手が百年目じゃ」

そう言うとニヤッと笑った。


【C-5 都市部/一日目 早朝】

【地虫十兵衛@バジリスク~甲賀忍法帖~】
【服装】:まるでツチノコ
【状態】:健康?
【装備】:喉に仕込んだ槍の穂
【持ち物】:不明
【思考】とにかく情報収集。正午にC-5で邪鬼と合流
1:目の前の少女と会話する。

デイパックは邪鬼に預けてあります。

【◆6/WWxs9O1s氏@パロロワクロスネタ投下スレ】
【服装】上半身シャツ、下半身パンツのみ
【状態】外見は柊かがみ 健康
【装備】なし
【道具】なし
【思考】 基本:情報を収集して、このロワの全容を推測する
1:もう、何がなんだか・・・
2:かがみうぜえ

【トモ@あたし彼女 死亡確認】


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