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00:25森 ◆.pKwLKR4oQ


逃げなくちゃ! 逃げなくちゃ! 逃げなくちゃ!
誰から?
そんなの決まっている。
本郷猛からだ。
え? 本郷猛は日本人じゃ……いや、違う!
あんな恐ろしい顔をしながら鉈を素手で破壊する生き物は日本人とかブリタニア人とか以前の問題だ。
あれは人ではなくて化け物よ! 人ならざる力を備え持つ異形の存在!!
そんな怪物に敵うはずがない……怖い……。

だから逃げなくちゃ!

 ◇

「フランツさん!」
「ああ、分かっている。前原君はここで待っているんだ」

殺し合いの会場である広い島を移動するのに便利なバイクを手に入れたフランツ・フェルディナントと前原圭一。
だが早速問題が発生していた。
バイクを手に入れた時点で彼ら二人がいたのはG-6の渓谷内。
地図を見れば一目瞭然だが、その周辺は日の光も疎らな鬱蒼とした森林地帯。
薄暗い上に舗装もされていない悪路ではバイクになるなど、徒歩よりも時間がかる上に下手をすれば自殺行為に等しい。
それゆえに二人は一路バイクを走らせる事ができそうな海岸を目指して南へと移動する事にした。
なぜ南かというと南の町が一番近い平坦な部分であり、且つ時計周りで都市部へ向かう事ができるからだ。

だが名も知らぬ死者の荷物を改め終わって渓谷から出た時、西の方から誰かがこちらに近づいてくるのか足音が聞こえてきた。
それを察知するとフランツは圭一を待機させて、単独で謎の人物との接触に向かって行ったのだ。
一人待機を命じられた圭一は自然と手持無沙汰になり、ふとフランツについて思いを巡らせていた。

(フランツさん、すげえなあ)

いきなり殺し合いに巻き込まれても、死体を目の前にしても、常に冷静に物事を判断するフランツ。
その後ろ姿は実に頼もしいものに見えた。
実際圭一とは違ってフランツには熟練された大人としての風格が備わっていた。
それは同年代の圭一とは雲泥の差もあるほど鮮烈なものであった。

(でも、どう見ても俺と歳はあまり変わらないような……)

確かにフランツの外見は圭一と同年代の少年だ。
しかも誰が見ても目を留めるほどの金髪碧眼の美少年。
その優れた容姿に男なら誰もが羨望の眼差しを送るであろう。
もちろん圭一も少なからず似たような感情を抱いている。
ただしそんな単純ではなく、もっと暗い感情を……。

(ちょっと待てよ。いくらなんでも冷静すぎやしないか? 死体を見た時も見慣れた感じで……フランツさんって、いったい……)

思い出すのは先程二人の死体を発見した時のフランツの態度。
フランツはショッカーというグループに属していて、一般人とは違う環境で生きてきたと言っていた。
だがあの時の表情はそれだけでは説明できないような、どこか恐ろしい雰囲気だった気がする。

(死体に慣れているって……もしかして犯罪組織やマフィアとか、ヤバい集団なんじゃ……)

圭一の心によぎる暗い影。
それは先程まで頼もしかったはずのフランツの背中をいつのまにか不気味なものに変えていた。

 ◇

「そこのお嬢さん、大丈夫ですか?」

薄暗い森の中を必死になって走ってきた少女に対してフランツは少し早めに声をかけながら姿を現した。
そうした方が向こうの警戒が和らぐと考えたからだ。
見たところ高貴な血筋の生まれに見える少女が着ているドレスは本来の清楚さは見る影もなく、血塗れでボロボロだった。
ドレスがボロボロなのは走っている途中で枝に引っ掛けたからとしても、血塗れの原因は走っている途中ではありえない。
何らかの血を見るような現場に居合わせたか、または少女自身がその現場を作りだした者なのか。
危険な人物かそうでないのか、それが判断できかねたからこそフランツは一人で接触している。
それは万が一危険人物だった場合、圭一の身を案じたためだ。

「え、あ、た、助けてください!!!」

フランツの姿を確認した少女が怯えながらもまず発した言葉がそれだった。
殺し合いの場で声をかけてきた人物に躊躇なく身を委ねるなど、余程追い詰められているか、お人好しのどちらかだ。
ひどく怯えている少女の様子を見る限り前者の可能性が高い。
その一方でこの時点で少女が危険人物である可能性は低くなった。

「落ち着いて下さい。私はフランツ・フェルディナントという者です。いったい何があったんですか?」
「私はユーフェミア……いえ、それよりも助けてください! ば、化け物に襲われたんです!!」
「え? 化け物!?」

にわかには信じられない話だったが、フランツは否定できなかった。
自分も<黄金狼男>という怪人に変身できるのだ。
その時の姿を見られたら他の参加者からは化け物と見なされてもおかしくない。
この殺し合いに参加しているのは総勢152人。
その中に自分や本郷のような改造人間が混じっている可能性は十分ある。

「大丈夫、安心して下さい。まずはそいつの事を教えてくれませんか」
「え、はい。あの化け物は……」

だがまだ答えを出すには情報が少なすぎる。
ここはもう少し話を聞いてから判断を下すべきだと思い、その時の状況を教えてもらう事にした。

だが話を聞くうちにフランツは耳を疑った。

「まさか……本郷猛……!?」
「え?」

それはフランツにとって青天の霹靂だった。
敵味方の間柄とはいえフランツは本郷がどのような人物か理解しているつもりだ。
正義の味方仮面ライダーである本郷がこのようなあどけない少女を血で汚すほど襲ったとはにわかには信じがたい話だ。
そのような所業は本来なら本郷と敵対するショッカーがするものだ。

いきなり聞かされた知り合いの行動にさすがのフランツも驚きを隠せなかった。
だから少しの間目の前にいるユーフェミアへの対応が疎かになってしまった。
そのため次の質問にもよく考えずに答えを返してしまった。

「あの、あなたは本郷猛の知り合いなのですか?」
「あ、ええ、まあ知り合いと言えば知り合いですけ「きゃああああああああああ!!!!!!!!!!」」

次の瞬間、突然ユーフェミアの悲鳴が森に響き渡り、フランツは突き飛ばされてしまった。
女の細腕とはいえ本郷の凶行に気を取られていたフランツは避ける暇もなく、あっさりと地面に突っ伏した。
だがすぐさまフランツはユーフェミアの行動に驚きつつもなんとか起き上がろうとした。

だがそれは無理だった。

「化け物、来ないでえええええ!!!!!」

ボンッという炸裂音と共に視界を埋め尽くすほどの白い煙。
さらに轟いた銃声と共に右手と右足に突き刺さった激痛。
それらがフランツの行く手に立ちはだかった。
だがそれでもフランツは冷静になろうと努めて、必死に白い煙の中を動く影を見つけようとした。

一瞬、好敵手の顔が浮かんだ。

そして次の瞬間、仮面ライダーが通り過ぎたかのように一陣の風が吹いた。
それは周囲に立ちこめる白い煙を切り刻み、森の奥に逃げようとするユーフェミアの後ろ姿を晒していた。

しかしその方角には――。

「前原君、逃げろ!!!」

必死の形相で呼びかけるフランツの叫びに対する答え――それは風で流れた白い煙に代わって視界を埋め尽くす眩しい光だった。

 ◇

「はぁ、はぁ、ここまで来れば、大丈夫でしょう」
「はっ……はっ……ありがとうございました」

橋の手前まで走ったところで誰も追いかけてこない事を確認した圭一は連れの少女と共に休息していた。
血まみれのドレスを着た少女も体力が限界なのか顔面蒼白だった。
いや、あんな事があれば誰だって怯えるだろう。
圭一はまだ信じられなかった。

――フランツさんが危険な人物だったなんて。

最初は少し気になって様子を見に行くだけのつもりだった。
だが実際に目の前の少女はフランツを化け物だと言って逃げ出して来た。
しかも少女に逃げられたフランツは右手を血で染めながら恐ろしい形相でこちらを睨んで何か叫んでいた。
不審な点がある恐ろしげな表情を浮かべる少年と、ひどく怯えている初対面の少女。
やはり少女の方が信用できる。
だから手に入れたスタングレネードを投げてフランツの足を止めて、ここまで逃げてきたのだ。

(悪いのはフランツさん……! そうだ、フランツさんは俺を騙していたんだ!!)

さらに少女から話を聞いたところ、圭一は自分の判断が正しいと思えた。
血まみれの少女は、名をユーフェミア・リ・ブリタニアと云う神聖ブリタニア帝国の第3皇女だった。
神聖ブリタニア帝国という国は初めて聞くが、そこは見栄を張って億尾には出さずに話を聞いた。
それによると、ユーフェミアはnice boatで本郷猛という化け物に襲われたらしい。
しかも本郷は鉈を素手で破壊して迫るほどの凶暴な人物で、フランツはその知り合いだという。
当然圭一が本郷猛の名前を聞いたのはこれが初めてだ。
つまりフランツは圭一に知り合いの情報を隠していた事になる。
なぜか?
それは知られたら困るからだ。
そう、圭一を騙して油断させるために。

(危なかったぜ、ユーフェミアさんがいなかったら今頃俺は……)

森の木々の間を縫って頭上から差し込む木漏れ日も圭一を祝福してくれているように思えた。
なぜか喉元が痒くなってきたが、今はそれよりも無事に危地を脱せた喜びが勝っていた。
既に圭一の中ではフランツ=参加者を騙す危険人物という等式が確立されつつあった。

「あ、圭一。付かぬ事をお聞きしますが、もしかしてあなたは日本人なのですか?」
「え、そうですよ。この萌えの伝道師である前原圭一、いつか日本に萌えの王国を――」

そこで圭一の言葉は遮られた――ユーフェミアの手に構えられたサブマシンガンから轟く銃声によって。

 ◇

「こっちから銃声がしたが、遅かったか」

地図で言うとG-7を上下に流れる川に掛けられた橋の手前。
そこの地面にはフランツが聞いた銃声によってもたらしたと思われる痕跡があった。
すなわち銃痕。
ユーフェミアが持っていたサブマシンガンによるものと思しき銃痕が橋の欄干と乾いた地面にいくつも穴を穿っていた。
だが残念ながらそこにユーフェミアの姿も、もちろん圭一の姿もなかった。

「…………前原君」

あれほどフランツの心に訴えてきた少年はもういない。
この瞬間、狼は道標になり得た鎖から解き放たれたのだ。


【1日目 昼/G-7 橋の手前】
【フランツ・フェルディナント@仮面ライダー 誕生1971】
【服装】黒い詰襟の軍服
【状態】右手・右足に銃傷
【装備】特殊警棒@現実
【持ち物】基本支給品一式、猫缶、マシンディケイダー@パロロワクロスネタ投下スレ、右京のデイパック(基本支給品一式、不明支給品1~3)
【思考】
 1:???
 2:前原圭一に協力する?
 3:本郷猛の事がかなり気にかかる。
【備考】
※<黄金狼男>に変身できます。能力には制限がかかります。制限に気付いていません。

 ◇

あら、私どうしてこんなところに?
確か本郷猛という参加者に襲われて……。
逃げた先で本郷の仲間であるフランツに捕まりそうになって……。
それで近くにいた少年と逃げて……あれ……?
その後何があったか思い出せない。
とりあえず弾切れのサブマシンガンは捨てて、新しくデイパックからイングラムM10を出しておこう。
あと一緒に入っていた斧は持ち運ぶのは重いからデイパックに入れたままで、それから――。

「そうよ! 日本人は皆殺しにしないと!」


【1日目 昼/G-6 森】
【ユーフェミア・リ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【服装】血染めのドレス
【状態】健康、本郷とフランツに対する強い恐怖心、「日本人を殺せ」ギアス継続中
【装備】イングラムM10(32/32)+予備弾(9mmパラベラム弾32発)×5@バトル・ロワイアル
【持ち物】基本支給品一式、煙玉×2@伊賀の影丸、スザクの騎士章@コードギアス、沙英・秋月・雪村のデイパック(持ち物①②③)
【持ち物①】基本支給品一式、サブマシンガン(弾切れ)@現実
【持ち物②】基本支給品一式、ジェイソンの斧@金田一少年の事件簿
【持ち物③】基本支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
 1:日本人は皆殺しです。
【備考】
※コードギアス1期stage23の行政特区日本式典会場での虐殺の最中からの参戦です。
※ユーフェミアへの残りの支給品は【煙玉×3@伊賀の影丸】でした。
※秋月への不明支給品は【イングラムM10(32/32)+予備弾(9mmパラベラム弾32発)×5@バトル・ロワイアル】と【ジェイソンの斧@金田一少年の事件簿】でした。

 ◇

(ははっ、なんだ。そういうことかよ)

雲一つない青い空を見上げながら前原圭一は一人納得していた。
フランツの魔の手から逃れたと思ったら、そんな事なかった。
ユーフェミアもまた圭一を殺そうとする参加者の一人だったのだ。
幸い先程調べたデイパックに入っていた防弾チョッキを着ていたので胸に鈍痛があっただけで死んではいない。
だからこそ橋から川に落ちて、こうして川の流れに身を任せて流れているのだ。
あれから追撃がないところを見ると、ユーフェミアは生死の確認をしなかったらしい。

(甘いぜ、甘いぜ! 殺すなら、ちゃんと息の根を確認しないとな!)

もう圭一は誰も信用しようとは思わなかった。
親身になった少年も、助けた少女も、実際は参加者を殺そうとする危険人物だった。
ここで迂闊に他人を信じる事は死を意味する。
圭一は二人から殺し合いの場での作法を学び取っていた。

(レナ、沙都子、梨花ちゃん、無事でいてくれよ。俺が仲間に危害を加えるような奴らを殺してやるよ)

圭一は気付かない。
それが間違った考えだと。
それでは何も解決しない事を。
だがそれは仕方のない事かもしれない。
ある世界で疑心暗鬼に陥って親友を殺した圭一にとっては。

雛見沢症候群は確実に圭一の精神を蝕んでいた。


【1日目 昼/H-7 湖】
【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
【服装】ワイシャツにズボン、防弾チョッキ@スパイラル ~推理の絆~
【状態】健康、仲間以外への強い疑念、胸に鈍痛、雛見沢症候群Lv.3?
【装備】ワルサーPPK(24/24)@現実
【道具】基本支給品一式、双眼鏡、ロープ、味噌『トシコシ』、アンディのデイパック(基本支給品一式)
【思考】
 基本方針:このくそったれなゲームをぶっ壊す。
 1:命に代えても部活仲間を守るために、危害を加えそうな参加者を殺し尽す。
【備考】
※本編終了後からの参戦です。
※本郷猛とフランツ・フェルディナントは化け物のように恐ろしい危険な人物だと思っています。
※アンディの不明支給品は【防弾チョッキ@スパイラル ~推理の絆~】と【スタングレネード@魔法少女沙枝】でした。

 ◇

時刻は11:00:25、森での出来事だった。

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殺人考察 フランツ・フェルディナント もうどこにも行けない
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